4日目
最終日
ソウル
昨日緊張したせいか朝から腹の調子がおかしいので、今日の朝食テンジャンチゲは
夫婦2人で行ってもらう事にした。テンジャンチゲは仁寺洞で一度食ったので俺は
大丈夫。
朝食を済ませた夫婦と合流後、出発。どちらも夕方の便なので時間は結構ある。
但し、前回の轍を踏まないように早めには戻ってこようと決める。
最初に訪れたのは、前回訪れる機会がなかったノリャンジン水産市場。
今日の昼食は市場で新鮮な魚貝類、という予定だった。
市場に来るには時間が遅かったせいか、客はまばら、ではなくほとんどいない。
かつ早々に商品が売り切れて閉店している店もあり、何となく気持ちが盛り上がらない。
とりあえず1周歩いてみようと市場内をそぞろ歩く。商品を売り残したくない市場の
オヤジ達の客引きの声が・・・うっさいんじゃー、ゆっくり見させー。
んー、漁場は日本とほぼ同じはずなのだが、見知らぬ魚貝類(特に貝類)が立ち並んでいて、
これはどうやって食うんやろ。と疑問に思うような食材もある。ぱっと見は動物の内臓に
見えるようなものもあるが、これは何だ?ホルモン?魚市場にホルモン?
何となく気持ちが盛り上がらないせいか、食欲もイマイチ盛り上がらない。
もう少し活気があれば、よしっ食うか。となるのだが、んー。
端まで歩いてみて、また元の場所まで戻りがてら再度水槽を、何か食いたくなるもん
ないかなーと、観察しながら歩く。
蟹とか魚とか鮑に海老と水槽に普段なら絶対「うぉー。」となるものが動めいているのだが、
何かこう日本と違って、水槽に余りにぎゅうぎゅう詰めされ過ぎていて、逆に食欲をそそらない
感じというか、見るだけで腹いっぱいになるというか。
蟹も魚もぎゅうぎゅう詰めで、明らかに僕達苦しいよー。という怨念が伝わってくる。
魚に到っては水槽にみんな縦に入れられていて、口だけ外に出して必死に空気を吸っている。
人生最後の気力をみんな振り絞っていた。
ここまでぎゅうぎゅうにしなきゃいけない理由は何だ?こんな奴ら食ったら呪われそうな気が
すんねん。築地には行った事ないが、ここまでぎゅうぎゅうに詰め込んで売ってないよな。
ここでは一事が万事そうやねん。何でもかんでも山ほどぎゅうぎゅうが原則で、買え!食え!
ゆう圧迫感があんねん。黄之さんも青子も理由は同じかわからないが、ここではあまり食欲が
湧かなかったようなので、早々に市場を後にする。
そうすると時間が余る。ホテルはチェックアウト済やし、市場は少し辺鄙な場所にあるし、
どうしましょう?という感じになっていた俺達の目に飛び込んできたのは近くに見える
黄金の高層ビルだった。
ソウルで一番高くて展望台のある63ビル。
タクシーも簡単に捕まり、とりあえず上ってみる事にした。
元々高い所に上るのが好きな俺としては願ってもない機会。前回大失敗の元となったソウルタワーは
改装中で上れず、63ビルには一度上ってみたいと思っていた。
週末なのに何故か観光客が少なく、上りに来た子供達向けのアトラクションを無邪気に楽しみ
ながらソウルの眺望を1周堪能した。この日も天気がよく、とても遠くまで見渡せた。
そろそろ時間が迫ってきたので、お別れの前に昼飯にしようとやってきたのは、ピビンパブで
有名な明洞の全州中央会館。ここのピビンパブを韓国最後の食事にしようと中に入った。
メニューを見る俺の目に飛び込んできたのは、何とサムゲタン。
ことさらオーバーに騒ぎ立て、無理矢理黄之さんにサムゲタンを頼んでもらい、それで罪悪感を
解消しようという考え。黄之さんが素直に乗ってくれたのでほっとした。
うまいから食えよー。と勧められたが、どうしても苦手意識が消えないので一口だけもらう。
ここのピビンパブは値段は高いが、安心して食える味。
店を出てもう少しだけ時間があったので、喫煙する為に道端の植え込みに座らせてもらう。
その目の前には、あの韓国で大流行のソフトクリーム(<旅の出来事>参照)が。
前回は冬だったので、全長30cmのソフトクリームなんてとんでもなかったが、
今回は夏だし、これを一度は食っとかな。という事で青子が購入。以前に見た印象より
迫力に欠けるが、長さは30cm、値段は100円程。文句を言う理由もない。
青子にちょっともらうが味は別にどうって事なかった。何で流行ってんの?
2年前は店が1、2軒しかなかったのに、今回は明洞のあちこちに店ができていた。
その代り、俺が隙あらばと思っていたタピオカミルクティーの店は潰れていた。
もう少し時間があったので、俺のこの旅のもう1つの目的、上司Yさんへの土産として
探していたチェ・ジウTシャツの本捜索に入る。
書いていなかったが、日程中ずっとこれを探していた。でも発見できなくてあせっていた。
つってもYさんがそこまでジウが欲しかったかといえば、そうでもないだろう。
でも話題作りになるし。
明洞を歩きまわった末に明らかに日本人向けの怪しいグッズ屋の看板を発見した。
夫婦と一緒でよかった。1人になってからだったら絶対足を踏み入れられなかったと思う。
明らかにうさんくさい半地下の店に足を踏み入れるとそこは、韓流グッズの宝庫だった。
ヨンジュン・ヨンジュン・サンウ・ヨンジュン・シウォンみたいな。
その一角の隅の方に、あったー!ジウコーナー、そしてTシャツもありましたー。
それも3種類も。
明らかに海賊版です。といった趣のどっかでの記者会見時の写真のプリントは避け、
ヨンジュンとの2ショットもパスし、一番無難そうなのを購入した。
店員の兄ちゃんに他は?と聞かれたが俺が欲しいものはここには絶対ねー。
「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョングッズがあったら後輩に送ろうと思ったが、
あまり長居したくなるような空間ではなかったので確かめずに日の当る町に戻る。
別れの時。
ロッテホテル前から一足先に仁川空港へのバスに乗る夫婦を見送った。何故か少し
悲しくなった。
空港へ向かうまでの時間、CD屋を軽くのぞいたが目当てのものはなく、2日前に行ったコーヒー
ショップでキウイジュースを再度買って飲もうと思ったらオレンジしかなく、仕方なくオレンジ
ジュースで少し休憩した後、Yさんの奥さんに頼まれていた「ある靴下」(どんな靴下かは法に
触れるので言えない。)を購入して地下鉄で空港へ向かった。
空港で会社の人達への土産を探そうと思って、夫婦とロッテデパートに行った時は
購入していなかったのだが、ここで見事にアテが外れた。
空港内のショッピングセンターが定休日。定休日?何で空港内なんかにある店が定休日?
ふざけんなよ、てめー。
金浦空港は何故か空港内にシネコンがあり、その周りに食べ物屋がぽちぽちあって、
そこで念願のタピオカレモンティー(残念な事にミルクティーはなかった。)を買って
ベンチに座って再度休憩。・・・まずい。砂糖がじゃりじゃり溶け残ってるし、
タピオカに芯あるし、やめとけばよかった。
出国審査はやはり国際便が少ないせいかあっという間に完了した。中には1軒だけ
免税店があったので、仕方無しにここで土産を購入した。
あああ。
何か1人になってからことごとく俺の希望通りにことが進まないよ。俺、多分この4日間は
運気の悪い日だったんやな。それで夫婦にも迷惑かけたんかもしれんなー。としみじみと
考えながら免税店を出ようとした俺の目にある商品が飛び込んできた(こればっかし。)。
それは<旅の出来事>で書いた事のある、俺が集めている名画ボトルのウィスキー。
今のツキ具合からして、俺の目当ての絵柄はないだろうな。と思いながら、店員さんにこの
ボトルで夜の風景のボトルはありませんか?と聞くと、何本か調べてくれた。
するとするとあったのである。あんだけ探し続けたボトルがあったのである。感無量である。
あれだけあったツイていない出来事が帳消しに。はならない。
帰りの飛行機も天候の都合か何かで、一旦八丈島の沖まで出てから羽田に向かいます。って事で
到着時間は予定遅れ。あああ。