● マダガスカルの場所

日本からの直行便はなく、今回は訳あって成田→パリ→アンタナナリボ。

出国:01.11.22
帰国:01.12.02

● 行った所
アンタナナリボ
ムロンダバ
バオバブ街道
キリンディー自然保護区
フォートドーファン
ベレンティ自然保護区
マジュンガ
アンピジュルア自然保護区

● 航空会社
エールフランス
マダガスカル航空

● 目的
2年位前に「世界ふしぎ発見」を見て、いつかは行こうと決めていた。
ほとんど直感に近かった。珍しい動物達と不思議な植物達に魅かれたのだと思う。
世界でゾウガメが生息する地域は、ガラパゴスとマダガスカルだけだと、前回のガラパゴスで聞いたので、 ゾウガメ完全制覇への道を密かに歩いていた。
ところがそれがガセだという事が行く直前になって判明した。若干、テンションは落ち込み気味で出発。
(マダガスカルじゃなくて、セイシェルらしい。)


1日目
成田−パリ
最初は関空出発でパリへ向かう予定だった。
何故成田になったのかは、<旅の出来事>を参照の事。 エールフランス。日本様からのパリ便なのにパーソナルテレビが付いてねー。 正直かなり古めの飛行機で来やがった。ジャパンマネーをナメんなよ。不況でもまだ 世界では高所得の国に入っとんじゃー。第一印象からあまりよくなかった。
付け加えて言うと、フライトアテンダントも全く感じよくなかった。

パリ到着。噂ではおフランス人は旅行者が英語で話しかけてもフランス語でしか答えないらしい。 英語で話しかけられても日本語でしか返せない日本人からすると、
できるのにわざと話さない理由が 不明。400字詰原稿用紙20枚以内で理由を書いて出せ。

ところが、空港駅で市内までの電車の切符(駅の近くのホテルを予約していた。)を買おうと チケットカウンターに行って、思い切って英語で話しかけてみた。 ・・・買えた。英語話すやん。

目的の駅に着いた。しかしホテルが辺鄙な所にあるのか、全く道がわかんねー。
とりあえずインド人街らしき場所をくるくるくるくる歩き回って途方に暮れていた。 すると、近くを通りかかった女の人が英語で声をかけてくれる。
ホテルの場所がわかった。フランス人は旅行者が・・・。ま、いっか。
ホテルにチェックインした後、喉が渇いたので近くのスーパーで飲み物を買って、 その日は早めに就寝。フランスへの好感度がマイナスから0に近付きつつあった。

2日目
パリ−アンタナナリボ
ばかやろー!!
パリーアンタナナリボ間の飛行機にはパーソナルテレビがしっかり付いていて、しかも 最新鋭らしき機体。はー、なるほど。君達の意図はよくわかった。旧フランス植民圏へ向かう 飛行機はいいやつで、極東のハラキリの国は見下してんだな。よくわかりました。
2度と行かねえぞ、フランス。でも帰りもパリ経由だが。帰りは当日の乗継ぎやから、く、空港 だけやもん。
そんな思い込みで人を呪わば穴2つ(意味不明)。帰りもえらい目に遭うのだが、その時は気付いていない。

アンタナナリボ到着。今回は空港にお出迎えが来ている。空港からホテルまで送迎付。 おー、リッチやね。到着したら遅い時間だったので、この日はこれで終了。

バオバブ横丁 3日目
アンタナナリボ−ムロンダバ
アンタナナリボから空路でムロンダバに向かう。目的はバオバブの木。テレビでマダガスカルが 取り上げられると必ず映るバオバブアベニューは、この町から出発する。
マダガスカル航空の小さめの飛行機がムロンダバの町に近付き降下し始めた。 雲の間を抜け、ムロンダバの大地が見え始めると・・・。

この時の感動というか衝撃を俺は一生忘れないと思う。本当に誰かが木を引っこ抜いて逆さまに 挿したような不思議な木々が見える。しかもとてつもなくでかい。初めてのバオバブ。
ずっと見とれていた。このままずっと着陸しないで低空飛行を続けて欲しかった。 が、という訳にもいかず、ほどなく飛行機は空港に着陸した。予想通りの小さな空港、ここにも迎えが来てる はずなのだが姿が見えない。
30分程待たされてやって来た。車の故障で遅れたんやと。でもガイド君と運転手君はどちらも 都会の夜の街角にいそうな若者、怖くて文句など言えない。おやじ狩りられたりしたらかなわん。

空港から直接バオバブアベニューに向かう。途中の集落で休憩。
ここで最初の事件。藪の奥のバオバブを見にガイドと歩いていると、突然ぶーんと音がして、 見事に首筋をハチに刺されました。痛てーなー、何すんねん。

と、そこの集落の住民の人がさっと半切りのレモンのような果実を持って来て、それでハチ刺され 場所を揉むように撫で始めた。
効くの?効くの?と半信半疑ながら、おっちゃんの親切に感謝。その日は痛みは少し残ったものの、 翌日には腫れも痛みもひいていた。感謝。

ガイドの兄ちゃんは、植物のトゲに当ったんちゃうん?などと悠長に言っていたが、マダガスカルでは 植物があんな風にうなり音をあげて飛んで来んのか?
この時はあんましこの兄ちゃん達にいい印象を抱いてなかった。若者は見た目で判断してはいけない。

バオバブ街道 夕焼けの時が一番美しいという事で、ガイド君が夕暮れ時を狙ってバオバブアベニューに 連れて来てくれた。
近くにいた人がバオバブの実を、食べなさい。とくれた。売り物のようなんやけど、金払わんでいいのか?
見た目は直径10cm位で茶色の球体。外殻の感触はスエードタッチ。割ってみると中身は白。 果物の甘酸っぱさはあるけれど、歯触りはかすかすした感じで少し落雁に似てるか。種あり。 水分はほとんどない。

正直苦手な味(青いマンゴー的酸味あり)だったが、くれた人とガイドが反応を気にしていたので、 それなりにおいしいか。みたいな顔をしてみる。
してみたけど、ガイドに「好きじゃない?」と聞かれたので、正直に好きじゃない味とゲロする。 周りの人達、みんなに笑われる。

そんなこんなで話していると、遠くから自転車が1台やって来た。
黄色人種か黒色人種か微妙にわからん位、日焼けした1人の男。
ガイド君が「彼、日本人じゃないのか?」と言われたものの半信半疑でいたのだが、こんにちは。と言われた。
あ。それがW君との出会いだった。

夕焼けバオバブ 正直マダガスカルで日本人旅行者に出会うと思っていなかった。今回もいないだろうなと思っていたので 嬉しかった。しかも後から続々日本人に会う事になるとも思っていなかった。

W君にガイド君が俺がちょっとしか食わなかったバオバブの実を差し出す。うまいじゃん。 これダメなんですか?って。
んー、何となくくやしい思いをする。

その後、日が暮れるまでW君やガイド君達と話をして、色々な所から写真を撮って、バオバブを見て過ごした。
近くで遊んでいた子供達が寄って来る。俺らの近くに座って、俺らが日本語で話すのを不思議そうな顔で見ながら、 自分達は現地語で何やらしゃべり合って笑ってる。W君は既にマダガスカルを結構旅していて、現地語で何か 子供達に話しかけていた。 子供達が外国人からの突然のマダガスカル語に驚いたり笑ったり、色んな反応をするのがかわいい。

ここではどっから来たか忘れたが、多分フランスだろうが、白人の観光客グループとも出会った。 何故か胸に「酒」と漢字で書かれたTシャツを着たギャルが1人いた。意味わかってんだろうか?
その前に鉄板でおめえ未成年だろ?お酒は20歳になってから。節度を守って楽しく飲めよ。

夫婦バオバブ 日が沈んだ途端、さっきまであんなに感動させてくれてたはずのバオバブ達が不気味なオブジェとなる。 街灯もほとんどなく、月明かりに浮かぶ巨大なシルエットはかなり恐ろしい。子供なら泣くなきっと。 子供じゃなくても結構怖いだろ、これは。

W君に夕食を付き合ってもらう事にして、彼の自転車を車に積んで町に戻った。 今回も滞在日数が少なかったので、旅行会社に勤める友達に現地での手配を一通り頼んで、1人ツアー状態に していたのだが、どうやらそれがかなり豪華な仕様になっているらしい。
ホテルに到着すると部屋にエアコンが付いている。W君が驚いていた。俺も驚いていた。

そして夕食はホテルでの夕食が付けられていたのだが、1人様的食事ではなく金額的食事券である 事が判明。しかも間違いなく1人でここのレストランでは食い切れない金額。 レストランの従業員に聞いたら2人でもOKと言うので、W君にここでいい?と聞いたらいいと言ったので リッチな気分に浸りながら色々話して食って飲んだ。

現地子供 4日目
ムロンダバ−キリンディー保護区
W君と別れ、この日は郊外のキリンディー保護区へ原猿を見に行く。 原猿、またの名をレムール。マダガスカル固有種がほとんどで有名どこはワオキツネザル、知ってるようで 誰も知らない「おさーるさーんだよーん」のアイアイもこの仲間。

全く舗装もされていないかつ、穴ぼっこぼこの道をゆっくりと車で移動。
キリンディー保護区はオフシーズンなのか、俺も含めて観光客は3組だけ。 しかも全員日本人やで。後に俺の先生となるいぐぴーと出会う。もう1組は京都で飲み屋さんをやって いる新婚旅行で来ていたご夫婦。おそらくだんなは俺と同じ歳位だろう。ちょっとめまいがした。

ここで昼食を済ませた後、キリンディー保護区の中に向かう。観光は3組ばらばら。おそらく閑散期で 保護区専任ガイドがばば余りしていたせいと思われる。

ここの写真は省略するが、チャイロキツネザル・シファカ・マングース?等色々な動物が見られた。 ただし、しこたま森の中を歩き回ったが。

キリンディーからの帰りに小さな集落に寄り道(理由あり。詳しくは<旅の出来事>
記載。)。
ここには観光客はそんなに来ないのか、ここの子供はあまり外国人馴れしてないご様子。
一定距離以上は近くに寄って来ない。町中と違って木造?の家々。
ここで湧き水で手と顔を洗いさっぱりする。現地の人は飲んでいたが、湧き水を飲んで失敗経験のある 俺は謹んで遠慮しておく。

謎の少年 町に戻ってきた後、近くの海岸に出かける。
砂浜に座ってきれいな夕日と、海水浴に来ている現地の家族達を眺めてると1人の男の子が 話しかけてきた。 でも英語は俺よかわからないらしい。 名前も年齢も全く聞けない。
話ができなくて苦笑いをしていると、男の子が何か身分証のようなものを ポケットから取り出す。学生証?どう見ても11、2歳位なのに、記載されている生年月日が 見た目と合わない。
マダガスカルの人は若く見えるのかとも思ったけど、どう見ても彼は20歳過ぎて いるようには思えない。
ここの暦は西暦じゃないのか? それか、身分証が偽造?・・・何の為に。
とりあえずは、学生証を見て何かをわかったような顔をして彼に微笑みかける。
そして彼と全く言葉が通じないまま、何分か夕日を眺める。


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