初代由水十久

加賀友禅を代表する作家・初代由水十久(1913-1988)。没後30年以上が経過し、二代由水十久はじめ多くの子弟が現代の加賀友禅界をささえる今日、いまだその名声は衰えることを知りません。
弊社の初代由水十久コレクションをご紹介いたします。

    

 初代
 由水十久
幼い頃より日本画を習得し、日本国内はもちろん、海外でも個展を開くなど、その才能を惜しむことなく発表していきました。写実的な草花模様が中心の加賀友禅の中で、模様としては最も扱いにくい題材とされる人物画を好み、特に唐子とよばれる童子に対する思い入れは独自の世界感があります。
能・歌舞伎・郷土芸能・あるいは古典文学にいたるまで、着物だけにとどまらず、染色による大画面の壁画装飾や、額装、軸ものなどにも意欲的に取り組みその才能を発揮しました。
こちらは、「訪問着 竹林の七賢」。初代由水十久が最も脂の乗った昭和50年代の作品です。
中国の故事をモチーフに、竹林に7人の賢人、5人の唐子を描いた力作です。初代由水十久といえば唐子というくらい童子を描いた作品が多い中、七賢人を見事に描ききった本作は、まさに初代由水十久作品の中でも稀有な逸品といえましょう。
のびやかな竹林を前景に、多彩な衣装を身にまとう賢人と唐子たち。初代由水十久独特の抑えた色調で描きます。
本作品は「加賀友禅 由水十久作品集」(フジアート出版:昭和50年)にもある「留袖 七賢人」をベースに、当社が依頼し、特別に描いていただいた作品です。 加賀友禅関係者の方からは、初代由水十久のこれだけの力作が未仕立てのまま残っているというのは奇跡に近いと言われております。当社で厳重に保管しておりましたが、初代由水十久没後20年を機に氏の功績をたたえるためHP上に公開いたしました。
上:<初代 由水十久>訪問着「竹林の七賢」 




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