ホーム > コラム「前向きに暮らしましょう」

コラム「前向きに暮らしましょう」

病気を正しく理解し、改善し、そして自分の体と仲良くしつつ
「前向きな生活」を送る事ができるようにと書いてきた記事です。少しでも参考になる事があればと思います。


記事08 「治療で治るのですか」のご心配に関して - 膀胱瘤編 -(2008.6.9)

「骨盤臓器脱は治療で治るのですか」というご質問をいただきました。

病気を正しく知るための専門家のお話の中に「骨盤臓器脱」全般に関して、

「疾患の性質上、膀胱を扱う泌尿器科、子宮を扱う婦人科、そして直腸を扱う外科それぞれの専門的知識と技術を結集して診療にあたる必要があります。一人の医師が3つの臓器すべての専門家というわけではありませんので、治療にあたっては、ご自身の症状に関わる臓器の専門的意見を良く聞いた上で、治療方法を選択することをお勧めします」

とある様に、このサイトは、私の経験から、正しい治療を受ければ、治療が可能だということをお伝えするという目的で作っています。

私たちは、画像や図を使って病状の説明をして頂くとよくわかります。そこで、骨盤底再建術前の膀胱造影と骨盤底再建術後の膀胱造影をお借りしてきました。

膀胱造影 骨盤底再建術前


膀胱造影 骨盤底再建術後


上の二枚の写真は膀胱造影の写真です。 白く写っているのが造影剤の入った膀胱です。
造影剤は、撮影前に膀胱にカテーテル(管)を入れて膀胱内に入れます。チェーンが写っていますが、これはチェーン膀胱造影と言って造影剤と同時に尿道からチェーンを入れて膀胱と尿道の様子を見ています。造影剤を入れる時に痛みはほとんどありません。

手術前の写真では、ひょうたんの様に膀胱が膣から脱出しています。このケースではメッシュを使った手術(TVM)を行っています。手術後の写真では、膀胱は丸くなって膣からの脱出は消失しています。このように手術前と手術後の二枚の写真を比べると、私たちでも膀胱の位置が変わっていることが解ります。更に解りにくい場合には、上の写真を図にしてみましたので参考にして下さい。

図1 骨盤底再建前の膀胱の位置


図2 骨盤底再建後の膀胱の位置



私自身のケース

私は、2006年6月に膀胱瘤、腹圧制尿失禁に対して膣前壁にメッシュを入れる手術をしました。下の写真が手術前の膀胱造影です。

私の膀胱造影 手術前


私の膀胱造影 手術後


最初の写真の方の様に膣から膀胱が大きく脱出しているのではありませんが、骨盤底全体が緩んで膣壁を介して、膀胱、小腸、大腸が膣から出てくる状態ということでした。
何度も手術を繰り返してきたという今までの経過から、膣後壁にメッシュをいれることは不適で、膣前壁のみにメッシュを入れ、さらに尿道を支える為に尿道下にテープを入れる手術となりました。手術前と比べると膀胱の位置は上の方に変わっていることが解ります。尚、後壁側は大腸肛門科で手術を行いました。

術後2年経過しましたが、膀胱瘤の症状は何もありません。このように治療は充分可能ではないでしょうか。

2008.6.9

    ホームへ戻る  
電子メールはこちら
DAIRY WEBSITE & BLOG >> in the POUCH
since 2007 OCT. K. Kataoka