けんもつ珈琲店 ヘレンドのカップこぼれ話


2004年 我儘、気ままな独り言の欄で取り上げたカップの話です。
総集編でお届けします。

ヘレンド 日本語ホームページ


ロスチャイルドバード

ロスチャイルドバード    ヘレンド(ハンガリー)

ヨーロッパの富豪ロスチャイルド家がハンガリーのヘレンドに発注した絵柄です。
夫人が紛失したペンダントを小鳥が見つけてくれたという逸話を基にしています。
ですから「ロスチャイルドバード」の絵柄には必ず木の枝にペンダントが描かれています。
(苦心してペンダントまではっきり写そうとしたので、少し光ってしまいました。)
幸福を運んでくれる縁起の良いカップです。

ブルーダイヤモンド

ブルーダイヤモンド     ヘレンド(ハンガリー)

ヘレンドのカップは手書きが特徴です。熟練のマイスターが絵付けします。
確かに花などの具象的な絵も難しいですが、このブルーダイヤモンドの直線を描くことも難しいものです。「同じ太さで真っ直ぐに描く」さすが熟練のマイスターです。この絵柄は日本の伝統芸能の衣装からヒントを得たと聞いています。あまりピンとこなかったのですが、先日「道成寺もの」と呼ばれる舞台の写真を見て、衣装がまさしく「ブルーダイヤモンド」だったので納得致しました。 日本の伝統紋では「鱗紋」と言い、「鱗で身を守る」の意味から「厄除け紋」として使われ  また魚は多産な事から「子孫繁栄」を意味するそうです。

フォーシーズン

フォーシーズン      ヘレンド(ハンガリー)

このカップは1998年 初めて(ヨーロッパ)ハンガリーに行った時に ヘレンド村の博物館の向かいのショップで買い求めた思い出のカップです。 (ブルーダイヤモンドとミラマーレそしてこのフォーシーズンを買いました。)
少しざらざら感の有る薄いブルーの下地の上にハンガリーの四季折々の花が描かれています。  このブルー地がこのカップの特徴です。独特の手法で描かれるので値段が他のカップよりう〜んと高くなっています。「ヘレンドに行った!」という感激で旅行に出たはずみで買ってしまいました。春らしい優しい雰囲気がとっても女性に好まれます。  暖かくなってくると出番の多いカップです。

ヘレンド(ハンガリー)

このカップは1999年 ドイツへ個人旅行した時に買ったカップです。 ベルリンのブランデンブルグ門の近くの五つ星ホテルの「ヘレンド ショップ」で買いました。
ヘレンドの特徴の「透かし彫り」が随所に見られ、 カップのハンドル(持ち手、取っ手)のデザインも「どうやって作ったのだろう?」と思うほど技巧的です。
少し小振りなのでうちではココアのカップになっています。 英語もドイツ語も分からないのに、二人で旧の東ドイツを苦労しながら回った1999年の思い出の品です。

インドの華 アポニー

「インドの華」と「アポニー」   ヘレンド(ハンガリー)

ヘレンドを代表する図柄と言っても過言でない「インドの華」は、食器に初めて「緑色」が使われました。 絵付けに「柿右衛門」の影響が見られます。 「インドの華」という名前ですが、「インドに咲く花」というより「東洋風の花」という意味で「インド」が使われています。 1867年のパリ万国博でナポレオン3世の皇后「ユージェニー」がシリーズを特別注文したエピソードも知られています。 「アポニー伯爵」もシリーズを注文したのですが、納期に間に合わなかった為 「インドの華」よりも図案を簡略化したと言う話が残されて 簡略化した図案には「アポニー」と言う名前が付けられたそうです。

西安の黄 西安の黒

「西安の黒」と「西安の黄」  ヘレンド(ハンガリー)

「西安の黒」は ピンク色の牡丹を中心にあしらい 地色を黒で染めています。 この(地色を黒にする)手法はヨーロッパで「ファミーユ・ノワール」と呼ばれてもてはやされました。 
「西安の黄」は 三友(松竹梅)をモチーフにして、松と竹は冬にも色を変えず、 梅は寒中に清らかな花を咲かせることで、高潔、節操を表し 文人に好まれました。
これらの絵柄は清の時代に流行しました。(1860年頃)

赤地菊

赤地菊   ヘレンド(ハンガリー)

菊は四君子(しくんし)のひとつで(四君子とは、「蘭」「梅」「竹」「菊」をさします)薬酒として用いたり、観賞用に栽培されたりします。 高貴と美の象徴とともに、長寿も表したりします。特に日本では尊ばれます。 誰ですか?!「うちの家紋です」なんて言っているのは・・・。 でも地色の赤も「朱」に近い色で、なんとも言えない気品が有ります。 菊の花びらも均一で、菊の花一つ一つ素晴しいバランスです。とても手描きとは思えない図柄です。 お客様にも人気のカップです。

ポアッソン(ソーサー) ポアッソン

ポアッソン   ヘレンド(ハンガリー)

1850年代の作品です。図柄は中国に古くから伝わる「魚藻文」の写しらしいのですが、「鯉」と言うよりも「金魚」ですよね。「鯉」と「金魚」が混同されて描かれているようです。「金魚鉢」を上から覗いているような可愛いデザインです。
ヘレンド・シノワズリシリーズの中で初期に買ったカップです。このカップが人気だったので、シリーズを買い揃え始めました。
マカオ(グリーン) マカオ(グリーン)ソーサー

マカオ(グリーン)   ヘレンド(ハンガリー)

17世紀ごろの東洋との交易が盛んになった頃を思わせる図案です。多分ペルシャ辺りの織物を源に中国から改めてヨーロッパに渡ったらしいです。極楽鳥が鮮やかに描かれてヨーロッパの人たちが憧れた「オリエント」の世界が此処に有ります。
このカップ実は二代目です。お気に入りのカップは使用頻度も高く、その分 割る確率も高くなってしまうのです。

トゥッピーニの角笛 トゥッピーニの角笛

トゥッピーニの角笛   ヘレンド(ハンガリー)

1870年にペルシャ皇帝に献上されたカップで、細密画法の代表作です。このパターンの食器を好んだローマの旧家の名に因んで命名されました。ヘレンド得意のロカイユ(鱗模様)が角笛に見えたのでしょう。紅茶専用で使用していますので、はじめて見たかたもいらっしゃるかも分かりません。
1998年 ハンガリーに旅行した時立ち寄った「ヘレンドのミュージアム」で小さなテーブルにこの「トゥッピーニの角笛」がテーブルセットされていました。とっても素敵だったので、向かいの「ショップ」で衝動買いしてしまった一客です。

リヒテンシュタイン ガーランド (ヘレンド)

リヒテンシュタイン・ガーランド  ヘレンド(ハンガリー)

珍しい八角形です。この形が幸いしたのか、1995年の震災で生き残った数少ないカップの一つです。八面に描かれた小花たちは同じ形のものは有りません。一つ一つ丁寧に描かれています。リヒテンシュタイン ガーランドも普通は丸い形なのですが、うちのは珍しいでしょ?
ただ小振りな為 ココアに使う事が多いので見た事がない方もいらっしゃるかも分かりません。(だから従業員が割らなかったのかも・・・?)
女性の華奢な手に似合うカップですね。ヘレンドの職人の丁寧な仕事を見る事が出来ます。

ミラマーレ(ヘレンド)

ミラマーレ ヘレンド(ハンガリー)

1998年 ハンガリーに旅行した時にヘレンド村の「ヘレンドショップ」でただ、ただ日本で見た事が無いという理由で買ったカップです。東洋的な絵柄の多いヘレンドのカップの中でも異彩を放っています。(金と珊瑚色を効果的に使っています。)絵柄も東洋的と言うよりシルクロード的に見えます。
最近は日本でもこのカップを見かけるようになりました。(それで名前も分かった訳なんですが)私たちにとってはハンガリーの思い出の一つです。

ゲデレ ヘレンド(ハンガリー)

ゲデレ ヘレンド(ハンガリー)

2004年8月21日 新しく購入したカップです。別名 「西安の赤」とも言います。「ゲデレ」の名前は第一次世界大戦直前までハンガリーに君臨した「ハプスブルグ家」の「エリザベート」が愛した「ゲデレ宮殿」で使用されていた事に由来します。1998年にハンガリーを旅行した際は、どこの「ヘレンドショップ」でもセット売りしか有りませんでしたが、最近やっと「ばら売り」でも買えるようになりました。(旅行の際「ゲデレ宮殿」にも行きましたが、修復の途中だったり、「宮殿ガイド」が少なくて見学までに凄く待たされたりしたので余り良い思い出は有りません。)

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