初雪

初雪は吹雪型駆逐艦の3番艦である。

艦名

艦名は気象。　その冬初めて降る雪。^（1）　しからきのそまのおほちはととめてよ初雪ふりぬむこの山人（西行法師／山家集）

要目^{（2）（3）（4）}

	新造時	1942年12月
艦種	一等駆逐艦
建造所	舞鶴工作部
基準排水量 ※1	1,680トン
公試排水量 ※2	1,980トン
垂線間長	112.00m
水線長	115.30m
全長	118.00m
水線最大幅	10.36m
平均喫水	3.20m
主缶	ロ号艦本式水管缶(重油専焼)4基
主機	艦本式オール・ギヤード・タービン2基
推進器軸	2軸
出力	50,000馬力
速力	38.0ノット
燃料	重油：475トン
航続力	14ノットで4,500浬
兵装	50口径三年式12.7cm連装砲A型3基 留式7.7mm単装機銃2基 61cm一二年式3連装発射管3基 八年式魚雷18本	50口径三年式12.7cm連装砲A型3基 九三式13mm連装機銃3基 61cm一二年式3連装発射管3基 八年式魚雷18本
乗員	219名
その他	開戦時までに7.7mm単装機銃2基を13mm連装機銃1基に換装。

※1：英トン（1.016メートルトン）、※2：メートルトン

艦歴^（5）

年月日	履歴
1927年（昭和2年）4月12日	舞鶴工作部において起工。
1928年（昭和3年）9月29日	進水。
1929年（昭和4年）3月30日	竣工。 呉鎮守府籍に編入。　第二艦隊第二水雷戦隊第十一駆逐隊に編入。
1929年（昭和4年）3月31日	舞鶴発。
1929年（昭和4年）4月3日	旅順着。
1930年（昭和5年）5月17日	古仁屋発。　南洋方面に行動。
1930年（昭和5年）6月19日	横須賀着。
1931年（昭和6年）3月29日	福岡発。　青島方面に行動。
1931年（昭和6年）4月5日	裏長山列島着。
1931年（昭和6年）5月11日	呉工廠入渠。　重油専焼缶点火装置改修など。
1931年（昭和6年）12月1日	第二予備艦となる。
1932年（昭和7年）7月8日	改修工事終了。　出渠。
1932年（昭和7年）12月1日	第二艦隊第二水雷戦隊第十一駆逐隊に編入。
1933年（昭和8年）4月18日	呉工廠入渠。　羅針艦橋水雷方位盤遮風装置新設。
1933年（昭和8年）6月10日	出渠。
1933年（昭和8年）6月29日	佐世保発。
1933年（昭和8年）7月5日	基隆着。
1933年（昭和8年）7月13日	高雄発。　南洋方面に行動。
1933年（昭和8年）8月21日	木更津着。
1935年（昭和10年）9月26日	本州東方洋上で訓練中、台風に遭遇、激浪により艦種切断（第四艦隊事件）。　大湊に回航し応急修理後、呉に回航され修理。
1935年（昭和10年）10月24日	第三予備艦となる。
1936年（昭和11年）7月1日	第一予備艦となる。
1936年（昭和11年）7月14日	工事終了、出渠。
1936年（昭和11年）7月28日	第二艦隊第二水雷戦隊第十一駆逐隊に編入。
1937年（昭和12年）7月30日	日華事変に参加。　12月まで内地〜中国間往復。
1939年（昭和14年）3月21日	佐世保発。　北支方面に行動。
1939年（昭和14年）4月3日	有明湾着。
1940年（昭和15年）3月26日	中城湾発。　南支方面に行動。
1940年（昭和15年）4月2日	基隆着。
1940年（昭和15年）9月27日	呉発。　南支方面に行動。
1940年（昭和15年）10月6日	佐世保着。
1940年（昭和15年）11月15日	第一艦隊第三潜水戦隊第十一駆逐隊となる。
1941年（昭和16年）4月1日	因島ドックに入渠。
1941年（昭和16年）4月7日	因島ドックを出渠。　呉に回航。10月まで内海西部で行動。
1941年（昭和16年）11月20日	柱島発。
1941年（昭和16年）11月26日	三亜着。
1941年（昭和16年）12月4日	三亜発。　マレー半島上陸船団護衛。
1941年（昭和16年）12月20日	カムラン湾着。
1941年（昭和16年）12月22日	カムラン湾発。　ボルネオ・クチン作戦支援。
1941年（昭和16年）12月29日	カムラン湾着。
1942年（昭和17年）1月5日	カムラン湾発。
1942年（昭和17年）1月6日	サンジャック沖で、陸兵を輸送船より移乗。
1942年（昭和17年）1月9日	バンコク沖で、陸兵を輸送船に移乗。
1942年（昭和17年）1月12日	カムラン湾着。
1942年（昭和17年）1月20日	カムラン湾発。　船団護衛。
1942年（昭和17年）1月22日	シンゴラ着。　泊地外方を哨戒。
1942年（昭和17年）1月24日	シンゴラ発。
1942年（昭和17年）1月26日	エンドウ着。
1942年（昭和17年）1月27日	エンドウ沖でイギリス駆逐艦2隻と交戦。　初雪、白雪と協力して1隻を撃沈。
1942年（昭和17年）1月30日	カムラン湾着。
1942年（昭和17年）2月9日	カムラン湾発。　船団護衛。
1942年（昭和17年）2月13日	シンガポール脱出艦船を攻撃（16日まで）
1942年（昭和17年）2月19日	アナンバス着。
1942年（昭和17年）2月20日	アナンバス発。　ジャワ攻略作戦。
1942年（昭和17年）3月1日	バタビア沖海戦に参加。
1942年（昭和17年）3月6日	シンガポール着。
1942年（昭和17年）3月9日	シンガポール発。　第五十六師団船団護衛（14日まで）。
1942年（昭和17年）3月15日	セレター着。
1942年（昭和17年）3月20日	セレター発。　アンダマン作戦。
1942年（昭和17年）3月26日	メルギー泊地着。
1942年（昭和17年）4月1日	メルギー泊地発。　インド洋機動戦。
1942年（昭和17年）4月10日	セレター着。
1942年（昭和17年）4月12日	セレター発。　内地に向かう。
1942年（昭和17年）4月23日	呉着。　整備作業。
1942年（昭和17年）5月16日	呉工廠第四船渠に入渠。
1942年（昭和17年）5月20日	出渠。
1942年（昭和17年）5月27日	柱島発。　ミッドウェー作戦主力部隊に参加。
1942年（昭和17年）6月14日	呉着。
1942年（昭和17年）6月30日	呉発。　陸軍の輸送船団を護衛。
1942年（昭和17年）7月2日	古仁屋着。
1942年（昭和17年）7月15日	古仁屋発。
1942年（昭和17年）7月17日	馬公着。
1942年（昭和17年）7月18日	馬公発。
1942年（昭和17年）7月23日	シンガポール着。
1942年（昭和17年）7月28日	シンガポール発。
1942年（昭和17年）7月29日	サバン着。
1942年（昭和17年）7月30日	サバン発。　ビルマ作戦協力。
1942年（昭和17年）7月31日	メルギー泊地着。
1942年（昭和17年）8月8日	メルギー泊地発。
1942年（昭和17年）8月14日	マカッサル着。
1942年（昭和17年）8月15日	マカッサル発。
1942年（昭和17年）8月17日	ダバオ着。
1942年（昭和17年）8月19日	ダバオ発。
1942年（昭和17年）8月23日	トラック着。　同日、トラック発。
1942年（昭和17年）8月25日	ラバウル着。
1942年（昭和17年）8月28日	ラバウル発。　川口支隊をガダルカナル島へ輸送。
1942年（昭和17年）8月29日	ショートランド着。　同日、ショートランド発。　ガダルカナル島タイボ岬沖に揚陸。
1942年（昭和17年）9月31日	ショートランド発。　ガダルカナル島へ陸兵輸送。
1942年（昭和17年）9月4日	ショートランド発。　ガダルカナル島へ輸送。　9月中に5回、ガダルカナル島輸送を行う。
1942年（昭和17年）10月2日	ショートランド発。　ガダルカナル島へ輸送。
1942年（昭和17年）10月7日	レンドバへ陸兵輸送に従事。
1942年（昭和17年）10月11日	サボ島沖海戦に参加。　被弾2発により損傷。
1942年（昭和17年）10月12日	ブイン着。
1942年（昭和17年）10月13日	ブイン発。　損傷した一棟巡洋艦青葉を護衛。
1942年（昭和17年）10月15日	トラック着。
1942年（昭和17年）10月19日	トラック発。
1942年（昭和17年）10月21日	ブイン着。
1942年（昭和17年）10月24日	ブイン発。　ガダルカナル島輸送に従事。
1942年（昭和17年）10月31日	ブイン発。　ニュージョージア撤収作戦に従事。
1942年（昭和17年）10月	トラック発。　第十一戦隊の直衛。
1942年（昭和17年）11月14日	第三次ソロモン海戦に参加。
1942年（昭和17年）11月18日	トラック着。
1942年（昭和17年）11月29日	トラック発。
1942年（昭和17年）12月1日	ラバウル着。　第七〇三航空隊基地員をブインに輸送。
1942年（昭和17年）12月2日	ブイン着。　航空母艦飛鷹基地員を乗艦。　同日、ブイン発。
1942年（昭和17年）12月4日	トラック着。
1942年（昭和17年）12月5日	トラック発。　航空母艦飛鷹を護衛。
1942年（昭和17年）12月10日	呉着。
1942年（昭和17年）12月14日	呉工廠入渠。
1942年（昭和17年）12月23日	出渠。
1943年（昭和18年）1月2日	呉発。
1943年（昭和18年）1月6日	鎮海を経て釜山着。
1943年（昭和18年）1月8日	釜山発。　丙号輸送作戦（ウエワク輸送）。
1943年（昭和18年）1月15日	パラオ着。
1943年（昭和18年）1月18日	パラオ発。　筥崎丸護衛。
1943年（昭和18年）1月21日	ウエワク着。
1943年（昭和18年）1月22日	ウエワク発。　靖国丸護衛。
1943年（昭和18年）1月25日	パラオ着。
1943年（昭和18年）1月26日	パラオ発。
1943年（昭和18年）1月28日	ウエワク着。　同日発。
1943年（昭和18年）1月30日	トラック着。
1943年（昭和18年）1月31日	トラック発。　ガダルカナル島撤収作戦支援。
1943年（昭和18年）2月5日	第八艦隊第三水雷戦隊第十一駆逐隊となる。
1943年（昭和18年）2月9日	トラック着。
1943年（昭和18年）2月11日	トラック発。　潜水母艦長鯨護衛。
1943年（昭和18年）2月14日	ラバウル着。
1943年（昭和18年）2月15日	ラバウル発。
1943年（昭和18年）2月17日	ガビエン着。　触底によりスクリュー破損、修理。
1943年（昭和18年）2月20日	ガビエン発。
1943年（昭和18年）2月21日	ラバウル着。
1943年（昭和18年）3月1日	ラバウル発。　ラエ輸送部隊救援に向かう。
1943年（昭和18年）3月3日	陸軍遭難者移乗。
1943年（昭和18年）3月4日	ラバウル着。
1943年（昭和18年）3月7日	ラバウル発。　トラックを経て内地に向かう。
1943年（昭和18年）3月21日	呉着。
1943年（昭和18年）4月2日	呉工廠に入渠。
1943年（昭和18年）4月23日	出渠。　横須賀に回航。
1943年（昭和18年）5月1日	横須賀発。　大鷹を護衛。
1943年（昭和18年）5月13日	スラバヤ着。
1943年（昭和18年）5月16日	スラバヤ発。
1943年（昭和18年）5月29日	佐世保着。
1943年（昭和18年）5月31日	佐世保発。
1943年（昭和18年）6月12日	ラバウル着。
1943年（昭和18年）6月13日	ブーゲンビル島への輸送に従事。（6月末まで）
1943年（昭和18年）7月2日	レンドバへ突入、魚雷艇と交戦。
1943年（昭和18年）7月5日	コロンバンガラ沖夜戦に参加。
1943年（昭和18年）7月8日	ラバウル着。　応急修理。
1943年（昭和18年）7月16日	ラバウル発。
1943年（昭和18年）7月17日	ブインで輸送物件移載中、アメリカ軍機の爆撃を受け沈没。
1943年（昭和18年）10月15日	除籍。

1. ^∧広辞苑　第四版　電子ブック版
2. ^∧福井静夫．（写真）日本海軍全艦艇史資料篇．東京，ベストセラーズ，1994，p51
3. ^∧日本駆逐艦史．東京，海人社，1992，p84，世界の艦船．No453 1991/7増刊号 増刊第34集
4. ^∧田村俊夫．特型駆逐艦―吹雪型3タイプ23隻全軌跡．東京，学研パブリッシング，1992，p80，歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol. 70．（ISBN-13: 978-4056060201）
5. ^∧雑誌「丸」編集部編．日本海軍艦艇写真集：ハンディ判　16巻　駆逐艦吹雪型〈特型〉．東京，光人社，1997，p177-178