中米パナマ共和国のカリブ海に浮かぶサンブラス諸島は、その対岸の本土と共に先住民、クナ族の居住地になっています。
クナの女性達は民族衣装のモラブラウスで美しく装っています。身頃の胸と背中に施されたアップリケ刺繍そのものもモラと呼ばれ、以前からアートとして愛好家の関心を集めていましたが、モラのユニークな手法が解明された今、手芸的にも高い評価を得つつあります。
原色を中心とした鮮やかな配色とシンプルで力強いデザイン、そして豊かな自然や日常生活などを題材にした心和むモチーフは他の手芸には見られない一種独特な世界を形成していると言えるでしょう。
カラフルな鳥や動物などのモラモチーフに対して、迷路や幾何学模様などの線模様のモラでは、規則正しく並び、或いは思いがけない動きをするラインが不思議な美しさと楽しさを生み出しています。
「モラの伝統模様~過去から未来へ」
著書 宮崎ツヤ子より引用
モラの美しさと作る楽しさに魅せられた私は日本でモラの唯一無二の研究家である宮崎ツヤ子先生の研究所で指導を受け現在NHK文化センター静岡で講師を務めながらまだまだ宮崎先生の下で学び続けております。
なかなか見る機会のないモラを展示したくて小さな蕎麦店をモラの展示スペースとしても作り上げました。いろいろな作品をご紹介したく、少しずつですが、展示して参ります。
好きなモラ作りをしながら好きな蕎麦打ちもしてと、どちらも楽しんでおります。
是非、ご一緒に楽しみましょう。