−3月−

−担任1−
高学年の先生が1週間ほど休まれることになり,急にそのクラスの担任代理をすることになりました。そのクラスに入って3日目,給食の時間に一人元気のいい男の子が教室を歩きながら牛乳を飲んでいました。片手はポケットに入れています。当然,注意をしようとした瞬間,その子が言いました。「学校の牛乳って薄いんだよね。」この言葉を聞いて,急遽注意することをやめにしました。つい,これはおもしろいと思ってしまったのです。そこで,「みなさん,聞いてください。」と全体に呼びかけました。

−担任2−
全体に呼びかけた後,「かっこいいねー○○君。みんな今の見た?かっこいいなー。もう先生完璧に真似できます。見て下さい。○○君はこうして牛乳持って(この時,わざと小指を立てる演出も加えました),片手をポケットに入れて,歩きながら牛乳飲んだ後,一言こう言いました。「学校の牛乳って・・・薄いんだよね。」・・・かっこいいー。」教室中笑いの渦になりました。更にその後の一言で,全員で腹をかかえて笑いました。

−担任3−
「・・・・かっこいいー。」で,その子もいっしょにみんなで笑った後,とどめを刺しました。「もう絶対,○○君は小さい時こう言っているはずです。(片手をポケットに入れて)・・・「母ちゃんのおっぱいって,薄いんだよね。」・・・かぁっこいー!!」で,大爆笑となりました。その後,その子は座って牛乳を飲んでいました。

−担任4−
このクラスに出るようになって2日目に参観日がありました。内容は言語技術習得のための「絵の分析」です。学年で統一されたもので,拡大された掲示用の絵やワークシートもありました。おかげで何も準備しなくてすみ,ただ1時間あれやこれや子どもたちと1枚の絵について考えていく授業を行いました。次の日,一人だけ連絡帳に感想を書いて下さっていました。

−担任5−
参観日の次の日,男の子が「先生,僕のお父さんが,あの先生はすごい,子どもを授業に引き込ませると言っていたよ。」と教えに来てくれました。私が「すごいと言われるお父さんの方がすごい。」と言っていると,感想を書いて下さっていた方の子がやってきて,「お母さんが面白くて,いい先生だと言ってた。」と教えてくれました。単純に喜び,忙しさの中で元気をもらうことができました。やはり担任はやりがいがあります。

−担任6−
今回,9日間担任代理をしている中で徹底したことが2つあります。1つは人が話している時に話をしないことです。朝から帰る時まで,30数名全員が声を出さなくなってから話を始めました。最初のうちは,こちらが「話を黙って聞く」という注意をしている最中に,もう隣の子に話しかけている子がいました。また,指示を全体に出しても,それが自分にも出されているのだという自覚のない子もいました。それらを毎回絶対に見過ごさず,徹底的に駆逐していきました。

−担任7−
担任代理の間に徹底したことの2つ目は言葉遣いです。「これ何?」とか,「○○するん?」などとタメ口をきく子も徹底的に矯正していきました。職員室に時々「○○先生いますか?」と言ってくる子たちに対してもその都度指導をしてきました。職員会で全体にも呼びかけたこともありますが,なかなか定着していません。どのクラスに補教に行っても,気になる言葉遣いに対しては必ず「えっ?もう1回言って。」を繰り返します。そのクラスでは連続して指導できたので,数日で随分変化が見られるようになりました。

−担任8−
担任代理をしている時にあった参観日に,教室を回ってみられた教頭先生から,先生のクラスの前は廊下に保護者がたくさんいたという話を聞き,きっと珍しがって見に来た方もおられたのではないかと思いました。教室は子どもたちが主役として活躍するステージのようなものです。教室という劇場空間で起きる毎日のドラマをコーディネートするのが教師です。観客が多ければやりがいもあります。やはり担任が一番です。今年こそまたクラスを持って新たな授業の創造をしていきたいものだと思っています。

−卒業式1−
今日は卒業式でした。卒業生が証書を受け取る時,保護者には背を向けるようになるので,この学校ではステージの後ろからビデオカメラで子どもの正面の様子を撮り,プロジェクターで会場に見えるように映し出していました。そこに今年はもう1つ映すものを加えました。

−卒業式2−
昨年まではプロジェクター用のスクリーンを壁に取り付けておられましたが,今年は私が担当になったので,専用スクリーンの代わりに模造紙を2枚半ほど壁に押しピンで張りました。作業も簡単で十分これでスクリーンになりました。そこに映したのは,証書を受け取る子どもの顔と,その横にその子が卒業文集に書いた将来の夢でした。

−卒業式3−
本当は一人ずつ自分で夢を語ればいいのですが,100人近く卒業生がいるので,時間的にも無理でした。そこで,各自の夢をスライドにし,プロジェクターで映すことにしました。証書授与場面のモニター用と夢のスライド用の2台のプロジェクターを並べて映写しました。両方の光が重なるとコントラストが明るくなりすぎるので,スライドは言葉の部分だけがスクリーンの右側に映り,残り3分の2のいらない光は画用紙でレンズの前に覆いをしてスクリーンに届かないようにするという原始的な方法で対処しました。

−卒業式4−
スライドの言葉の切り替えのタイミングは卒業生の呼名に合わせます。すると,その子が証書を受け取るまで次の子の呼名はされないので,スクリーンには証書を受け取る子と本人の夢が映写されていることになります。スライドの切り替えはフェードイン,フェードアウトに設定すると,見た目が柔らかく,卒業式の雰囲気に合いました。

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