天草


『てんぐさ』ではなく『あまくさ』です。
say-seaはこの天草の入り口である熊本県の三角町出身です。
小学生のころ、家族で夏休みにキャンプした鬼海ヶ浦の水中に、よもや潜ることになるとは夢にも思いませんでした。
・・・それとも実は無意識に、夢にでも思い描いていたのでしょうか?
暑い太陽、キラキラ光る水面、初めて犬かきをした我が家の愛犬クマ、夜はテントで蚊に刺されながらラジオを聞いたこと・・・、所々ですがまだ鮮明に思い出せます。

プロになってから潜ってみると、より一層天草の海の魅力が見えてくるようになりました。真冬に里帰りしたときしか潜れないので、夏には26℃ぐらいまで上がる水温も、年間最低の11℃〜14℃。見かけ上は生き物も少なく、ともすれば、生命維持の危機からか、「もういいや」っと潜る気持ちまでも凍り付いてしまうかのようです^^;
そんな冷たい海にも、よく見てみると実にいろんな生き物が暮らしています。左の写真はタツノオトシゴの仲間、ハナタツです。3cmぐらいの幼魚は学生時代に何度となく見ていましたが、成魚はプロになってからある程度深場で見つけました。

こちらはすぐ隣にいた別バージョン。
恥ずかしがりやで、すぐにうつむいてしまう・・・そんな彼らとうまくやっていくにはちょっとしたコツが必要です。

こちらはよく見るゴンズイ。
普段目にする子達より目もうつろなのですが、哀れなことに寒さのあまりわかめにくるまり暖を取っているようです(泣)水温11℃の海ではこうした動かないゴンズイばかりをあちこちで見かけました。

こちらは見慣れないギンポ?です。
アンバランスな目の大きさのかわいさから、何かの幼魚のようですね。

ゴマフビロウドウミウシ

深海というポイントでは特に大量発生でした。
こうした生き物たちとの出会いのおかげで、11℃という水温の中で、6ハンウェットとはいえ60分と80分の2ダイブ行けてしまいました(笑)

九州は奄美や沖縄を除けば、ダイビングポイントとしてはあまり有名ではありません。
いろいろ理由は考えられますが、自分としてはもっとたくさんの人に潜ってもらって、その良さを知って欲しいですね^^九州圏内はもとより、山口などの方にも天草ってオススメですよ〜。
ちゃんとガイドしてくれるお店も、タンクだけ貸してくれるところもあります。



参考までに天草のいくつかのポイントを・・・


                


・白涛海水浴場
 天草の入り口で遠浅の砂地ポイント。かつてダンゴウオの南限に認定(?)されたことや、上記のハナタツ、インドアカタチやアカエイ、砂地ではイトヒキハゼや泥地のほうではカスリハゼなど妖しいハゼたちがわんさか、夏場はチャガラの群れも現れ、ゴンズイやメバルがたくさんいるといういかにも温帯な海に出会えます。また、夏場にはほぼ確実に虎柄のカエルアンコウが見れるうれしいポイントですよ〜。熊本市内かららくらく日帰り2ダイブでき、ナイトダイビングもオススメの優秀ポイント^^


・妙見ヶ浦
 県内外にその名をとどろかす(?)熊本屈指のビーチポイント。
沖合いは潮通しもよく、ソフトコーラルの群生も見られる。
アオリイカの産卵や稀にネコザメやナヌカザメ、アカエイやホタテウミヘビなどの砂地の生き物から岩場の生き物、はては南方系のキンギョハナダイやハタタテハゼまで見れるという、どのレベルの人も楽しめる看板ポイント。


・西平海中公園
 椿も有名ですが、沖合い2kmほどに浮かぶ大ヶ瀬は磯釣りの超一級ポイント若気の至りか、ちなみにこの大ヶ瀬で、1度だけビーチから泳いで行って潜りました。いや〜、あん時はのどが渇いたなぁ^^;
夏にはたくさんのエイの仲間を見ることができ、またナヌカザメも何匹も見つかります。天草のビーチポイントで、おそらく一二を争うほど潮通しがよく、沖合いには素晴らしいソフトコーラルの景観が広がります^^その分、流れにはかなりの注意が必要です。下げ潮の時は沖まで出ない方がよいでしょう。夏場にクマドリカエルアンコウのペアや、クダゴンベも見つけました!!


・深海
 泥地と砂地のポイント。浅場にはおびただしい数の漁礁ブロックが沈めてあり、沖合いに沈むたくさんの金網?では、何種類ものウミウシたちを見ることができます^^夏はカスリハゼやダテハゼの仲間たちも豊富です。


・牛深海中公園
 潮通しがよすぎるのか、はたまた浅場が狭くて急激に深くなる環境のせいなのか、魚の数は多くても種類は他のポイントより少ないようです。ウミカラマツの仲間やソフトコーラルの仲間など、グラスボートが営業するほどその景観は素晴らしいです。ここも潮の流れに注意が必要です。冬から春にはウミウシもけっこういます。

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牛深海中公園のイロカエルアンコウ。
もっと小さいときに会いたかった・・・^^;