近年、健康寿命という言葉をよく耳にしますが、健康寿命とは日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことですね。武澤塾では別にそれを目的に稽古を行っている訳ではないのですが、当然のことのように健康寿命は延びています。なぜなら私達のからだはご存じのように、60兆個という膨大な数の細胞からなっていますね。それも元はたった一つの受精卵から始まっているのです。その一つ一つの細胞がもっとも喜ぶのが、なんと云っても質の良い呼吸! これに尽きるからなのです。
からだを部分・部位という認識で捉えるからたいしたことにならないのです。部分・部位も大切ですが、元はひとつの細胞なのだということを忘れないことです。
瞑想呼吸法を行うと、活性化された細胞から溢れ出た生命エネルギーが、金色に輝く風のごとく心地良く感じられます。若さの目安、瑞々しく・しなやかで・弾力にとんだ・からだを更に向上させるべく、2015年10月11日(日)&12日(月)の両日に、恒例の気功セミナーを開催いたしました。

第1日目

2015 秋季セミナー体験記

 ストイックに難行・苦行・荒行に挑むのもいいですが、中々我々凡人にはそれは無理ですね。体力のある若いうちならまだしも、中高年になってからだと逆に心身に弊害があるとも限りません。そしてそれをしたからといって期待通りの効果が得られたかというのも少々疑問です。しかし、決して無駄にはならない。大事なのは同じやるなら命の本質を捉えて、自らに働きかけることが重要なのです。その意味において、誰にでも簡単に出来て最も効果的なのが、いわゆる『瞑想呼吸法』なのです。

からだを細胞レベルでゆるめる
 かかとは浮かさないでつけたまま、上下にからだを揺すり、とりあえず全身の関節を意識してゆるめる。足首・ひざ・股関節・背骨・首・肩・肘・手首・指先まで・さらに頬・顎・頭をポカ〜ンとして頭蓋骨もゆるめる気持で。特に指先はしっかりと振ります。

ほどよく各関節がゆるんだら、丹田の中心よりバイブレーションが拡がるようにイメージして、からだ内部の緊張を取り除いていきます。しこり、滞り、固く感じるところがあれば、その部分を更に動かして意識でほぐしていきます。肉体的感覚が希薄になり、からだ内部が炭酸のようにシャワシャワと感じられてきたらGood!です。ゆっくりと動きを止め、内部からの膨らみを感じます。全身の薄皮を薄く薄く意識すると全身の皮膚がワクワク・ジンジンとしています。全身の皮膚が気を感じ取るセンサーとなります。ここまでゆるんで来ると細胞の一つ一つが丹田となり、いわゆる全身が丹田となります。呼吸法のとき、丹田にこだわらなくなり、内部に滞りがなくなり、いきなり抜けを実感出来るようになります。

息を吸ってます。息を吐いてます。息を止めてます。という意識が有る内は、まだまだ肉体レベルでの呼吸です。エネルギーレベルでの呼吸ができて来ると、所謂「瞑想呼吸法」となっていきます。

第2日目
 からだをパイプのように筒抜けにイメージして、両手を交互にからだの前面で手前に振り回しながら、頭のてっぺんから足裏まで気を流していく。慣れるにしたがい、電気的刺激を帯びた清涼感のある気の風が流れ下りるのを、実感できるようになります。からだ内部に詰まり・滞り等があれば、意識で微妙に動かして、内部緊張を足裏に抜いていきます。うまく流すことが出来れば、ちょうど風邪を引いて詰まった鼻が抜けたときのような爽快感を味わえます。瞑想呼吸法で「空」を実現していく上で、この感覚は実に大事なのです。
さらにエネルギー純度&密度が高まれば「甘露」を味わうことができます。

 両手を肩にクロスさせて置き、意識で肩から足裏まで気を流していきます。しばらくすると、からだ全体がまるで真綿に包まれたような心地良さに浸りきります。首を前後左右にとジワ〜ッとストレッチしながら行うと、筋肉を包む筋膜が柔らかく伸びて、毛細血管の血流が非常に良くなり、肩こりに効果があります。

 天と地のエネルギーがからだを通して一つに繋がり、からだは光の柱となる。両手でその光の柱を軽く圧縮し、頭上高くからその光の柱をなぞる様に両手を下ろして行く。足裏まで意識が下りたら、60兆個の細胞の煌めきを感じる。まさに細胞のひとつひとつが「命」・・・輝いて! 最後にからだ全体のエネルギーを一気に解放すると、一切の肉体的感覚は消え、無心となり、からだの内外が光感覚に満たされ、太陽との一体感を味わう。

心身が極限まで解放されたとき、新たな自分(真実の自分)と巡り合えるのです。