2006年、新年の朝・・・という雰囲気は全く無く、新年を感じさせるのは生徒たちが発 する「A HAPPY NEW YEAR」と挨拶する声の響きのみ。しだいに高まる本番前の緊 張感を感じる元旦の朝でもある。
朝食を済ますとさっそくパレード会場の下見でパサデナ市へ。本番当日と同じにバスを降り る地点より集合地点へと移動する道のりを実際に歩きながら、降車に7分ここまで10分と、 当日同様のシュミレーションに生徒の顔つきにも次第に実感の色が・・・
下見の一行はスタート地点の確認後にパレードコースに沿って歩道を歩くが、車道中央の黄 色のセンターライン上に新しく加えられたピンクの隊列の中央を示すラインに、緊張感はさ らに高まってくる。
今日はゆっくりと仮説スタンド、そしてすでに陣取りされた沿道のマーク、民家の家並みなどを順に見ながら、問題の「105度カーブ」とそれに続くテレビカメラが待ち受ける「ハイライトゾーン」をしっかりと心と目にきざみ込む。
コース途中からはバスに乗り込み車中からの見学に切り替えて全行程を見た後、終了地点の ピックアップ場所を確認して見学を終了する。当日はこのパレードの二時間半、仮説トイレは並んではいるがトイレに行く時間は全く無いので水分を控えよとの指示がでる
今日は本番の下見
午後からの練習は昨日と同じCounty Fairplexで行うが、移動の車中で昼食の弁当(今日はうなぎ飯・JR九州も色々と工夫してくれる)を食べ終えた順に・・・気絶!
40分ほどの移動で到着するが今日も小雨、気落ちする間も休息する間も無くコンベンションセンターに楽器を降ろして、即パレード練習にとりかかる。
しかし、天気予報では明日もどうやら雨らしい・・・しかもドシャ降り? オヨヨ!
夕方には練習を終了するが、楽器をバスに積み込んで会場を出発するころにはもう外はとっぷりと日は暮れて真っ暗。
いよいよ明日本番を控え、今夜の夕食にはスタミナ付けにとステーキが追加された。
そして、明日のパレードでの「注意事項」がミーティングでエディより解説される。
その中でも、これがローズパレード!と実感させられた項目を紹介すると
♪準備を含め、本番での時間が長いので今夜から極力水分を取らない。
♪バスから降車する時間が少ないので、出発時から大型楽器以外はハダカで移動。
♪今夜10:30までには全員寝ること。
♪途中リタイヤするメンバーが出てもスタッフはいっさい介護出来ない
(委員会が責任を持って行う)。
♪委員会スタッフに救護された時の為に保険証をユニフォームに縫い付ろ。
♪スティックなど、もし落し物が出ても行進中は絶対に拾ってはいけない。
中でも一番生徒に受けたのが
♪騎馬隊の馬が落とすフンを避けてはいけない (隊列をこわす・・・踏んで行け!)
というものであった。
そして生徒から発せられた決意のひとつを紹介すると、「白のスーツには絶対にお世話にならない!」というものがあった。というのも、このローズパレードは935名のボランティアによって運営され、救護や介護もこの白スーツメンバーのみが行うので、スタッフの手出しは禁止されているからである。
夕食時には日本後発での保護者応援団23名がホテルで合流して、いよいよ本番の気運は最高潮に達した。そして本番を前日にしていつもより早い時間の解散後に活躍したのは、この遠征の間ずっと陰になって生徒たちを支えて来た同行の保護者たちであった。
生徒が部屋に引き取って広くなったボールルームでは、明日の雨にそなえて帽子と靴に防水スプレーをかけるグループ、激しいパフォーマンスに飾りが取れたりホツレが出たりしたユニフォームを繕うグループ、疲労と緊張で筋肉痛などを訴えダウン寸前の生徒にマーサージほどこすグループ、引きずる足のテーピングを新たに巻きなおすグループ、バッテリーパーカッションの最終チューニングを行うグループと、さしずめ戦国武将の合戦前夜を思わせる光景があちらこちらで見られた。
これらの準備は深夜まで続くが、天気予報では無情にも明日の降水確率は70%・・・・
生徒の宿泊棟の部屋には「テルテル坊主」が・・・・
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