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京都の休み処


 京都の散策時、昼食やたまの夕食などをとり、京都の味をあじわった。といって、料亭などのお店には行く事は出来なかったが、私が立ち寄ったお店などをまとめてみたい。と云って、食通ではないので、味そのもの評価など出来るものではないので、どのようなお店があったかという記録という感じとなる。
ここでは、食事という範囲から喫茶やお菓子などタイトルのお休みというイメージに合うと思うものとしたい。

分類

 湯豆腐

 京都と云えば、湯豆腐という感じだ。京都の地下水に恵まれたこの地では、美味しい豆腐の店が多いし、お寺の精進料理にも欠かせないものだ。シンプルな料理だが、豆腐と出汁のコンビネーションが大事だ。出汁は殆どが昆布ダシだが、昆布の再利用によりダシが味わえない場合もあった。昆布の味わいが残る昆布を使ってもらいたのだが。

 うどん・蕎麦
 元々、うどんや蕎麦が好きなので、昼時には、散策している近くのうどんや蕎麦屋に立ち寄った。市内では、やはりうどん屋の方が多いように思える。京のうどんは、やはり出汁がポイントだが、うどんそのものに特徴があるところなどバラエティに富んでいる。


 京料理
 京料理というジャンルや定義がハッキリしないが、まず京の素材、特に京野菜や豆腐・湯葉などを使っている和風の食事所という広い範囲で考えることにする。いま少し、その中味を見てみると、次のように分けられる。
  有職料理ーー朝廷などの高貴な人達の儀式に則った料理といえ、京料理の基本になったといえる。
  精進料理ーー寺院の食事であり、獣肉や魚介を排した食材でたくみに調理された料理。
  懐石料理ーー茶の湯の席にて供される食事が茶懐石の一汁三菜を基本とした料理。
などが、基本となり、更に都という点からも地方や外国の料理も伝わっていて、これらが融合してきて、今日の京料理の型を作ったと云われる。そんな京料理だが、本格的とか老舗などという料理屋は無理。気軽に味わえる店ばかりだが。

 一般料理
 京料理以外というとごへいがあるかもしれないが、上記のアイテムに入らない料理をまとめておく。

 喫茶・お菓子

 京都散策時、必ずと云って良いほど、抹茶を中心とした喫茶をした。特に、妻が抹茶好きなので、私はコーヒーなどを 相伴。京都は何処に出かけても、お茶が楽しめるのはさすがだ。お茶の文化が根付いている証拠なのだろう。そんな中でも妻に云わせれば、美味しくいれてくれる処もあればそうでない処もあるので、何時しか立ち寄るお店も固定化してくる。抹茶といえば、和菓子の世界となる。京都は、和菓子の有名なお店が多いのも当然だ。ただ、菓子というのは、あくまで茶席に出されるものを言い、お団子などは別扱いしている。しかし、ここでは、お団子類も含めてお菓子の範疇とするが、それがごく自然のようにも思える。

おこのみ 地域 お店 ひとこと
湯豆腐 南禅寺 奥丹 南禅寺の横にある何時も行列のたえない湯豆腐料理の老舗で、350年の歴史を持つとか。滋賀・比良の大豆と東山・白川の地下水を使った木綿ごし豆腐は、ややコシがあるのが特徴。暖かければ、庭園で食するのも一興だ。
順正 順正書院跡に建つ築160年以上の建物で湯豆腐を味わう。建物内には、昔のものが飾られていて、庭園とあいまって京の風情を思わせる。豆腐の持つ甘味を引き出すというタレが特徴。
聴松院 奥丹の横に並ぶ南禅寺の塔頭だが、湯豆腐を味わえる。方丈の広縁に座り、庭園を眺めながらの七輪で湯豆腐を味わうのは、気持ちまでが満腹感を味あわせてもらえそうだ。
天龍寺 竹むら 京の豆腐で有名な、「森嘉」を取り入れたお店だ。天龍寺の斜め前にあり、土日は何時も行列を作っている。出汁は、カツオと昆布だしで、冬の名物・柚子釜だ。
西山艸堂 天龍寺の塔頭である妙知院直営のお店。ここも「森嘉」の豆腐を使っている。閑静な禅宗寺の座敷でのひと時は、心休まる感じがする。
清涼寺 竹仙 地元の人は、嵯峨釈迦堂と呼ぶ清涼寺境内にあるお店。一度、観光バスに乗った時このお店に案内され、湯豆腐を食べた。一つの部屋に大人数で食べたので、あまり印象に残っていない。ここも豆腐は森嘉だ。
うどん
そば
平安神宮 京采家 平安神宮への参道沿いにあるうどんの店。お店に入るとカウンターとテーブル席が数席ある。カウンター内には、料亭の板前のような料理人がいる。うどんの店という感じがしない。少々高価だが、何時もスッポンうどんを頼む。初めて食べた時のうどん汁の美味さが、強く残っているためだが、回数を重ねる毎に微妙な感じで店を出るのもこの出汁に慣れてしまったからだろうか
阿国庵 平安神宮の東側にあるそば屋さん。店内の真ん中に囲炉裏を囲むような楕円形のテーブル席がある。そばは、細めの手打ち麺でコシがあってのどごしがよい。
京都御苑 竹邑庵太郎敦盛 御苑の西側の路地を入ったところにあるそば屋さんだ。あつあつで食べるせいろ蒸しから名付けられたあつもりそばが有名だ。殻つきのそばを丸ごと挽いた粉が使われた黒そばでこしがある。再訪したかったが、機会を逃してしまった。
本家尾張屋 車屋町通り沿いにある老舗のそば屋さんだ。しなびた感じの門を潜り、お店に入っていくのも風情がある。名物「宝来そば」で。二八そばにわさび、のり、ねぎ、ゴマ、紅葉おろし、錦糸玉子、椎茸、エビのあられ揚げなどの薬味で味わう。出雲そばのような感じだ。
四条河原 晦庵 河道屋 麩屋町通り沿いにあるそばぼうろうの総本家。京の町家風の数奇屋造りの建物だ。中国の火鍋子をヒントとした「芳香炉」、鍋にそばやうどんと共に湯葉や真蒸、飛龍頭、鶏肉などを入れる。鍋とそばという組み合わせの妙に感心してしまう。座敷の奥には、京都の町家らしい坪庭が情緒を感じさせる。
祇園 松葉 南座の西となりにあり、にしんそばをの元祖として有名。
北野天満宮 たわらや 天満宮の前にある伝統あるうどんやさんだ。町家に入ったような感じの土間、テーブル席と座敷がある。試作のうえ復活させたのが「たわらや」うどんで極太のうどんが三本入っているとのことだが、何時も、既に売り切れていて食べる機会を逃してしまった。何れ 食べてみたい一品だ。
曼殊院 弁天茶屋 曼殊院の門前に構える茶屋風おそばや。景色や庭を見ながらの食事は、風情がある。
山科 萬寿亭橘 随心院の傍にある築370年という建屋で、中は広くゆったりとした部屋が広がっている。天ざるのボリュームも多く、そばそのものも美味しい。。
安兵衛 毘沙門堂への道途中にある。宇治茶を入れてうったおらがそばが名物。そば会席も楽しめる。
京料理 西陣 西陣魚新 観光コースにて、昼食で案内された有職料理の店。案内された2階の中央部には、有職料理に関する文献などが展示されていて、その伝統などの一端を知ることが出来る。
天き 西陣のはずれ天満宮の近くにある天ぷらをメインとした会席料理の店。
近為 有名なお漬物屋さんだが、おくで漬物料理を味合わせてもらえるが、前もって予約していないと、無理な場合が多い。幾つかの漬物をぶぶ茶漬けで味わえるのも京都ならではか。
八坂神社 豆水楼 本店は木屋町にある豆腐料理のお店だが、東大路通沿いに開店している。豆腐をメインにしているだけ、豆腐の持つ独特の風味や感触が楽しめる。
いもぼう平野屋本店 円山公園内にある老舗。京都伝統料理の一つであるいもぼう。一子相伝といわれるエビ芋と棒鱈の干物を炊き合わせたいもぼうが有名。味付けがポイントになるのだろう。
大安 漬物屋で有名だが、四条通りに面した店では、2階で漬物懐石といった感じで食事ができる。季節毎に違った漬物を味合えるのも楽しい。
五条 半兵衛麩 五条橋の東に近い、なま麩の店だが、麩をいろいろな料理仕立てにして味合わせてくれる。昼食時のみで、予約しておく必要がある。麩を田楽にしたり、精進煮や白味噌仕立てなど出される。
大徳寺 鉄鉢料理  泉仙 鉄鉢とは、僧が食物を受けるための鉄製の丸い鉢のことだが、この鉄鉢を形どった器で精進料理を味合える。大徳寺の塔頭の大慈院と大徳寺の西側にある紫野店がある。待つ事を覚悟すれば、大慈院がお勧め。庭で楽しめる
天龍寺 篩月 天龍寺の方丈内で精進料理が味合える。一汁一飯五菜が基本で、賓客を接待するための料理だったとか。五菜は、煮物、和え物、胡麻豆腐、盛り合わせ、漬物のお五品であるが、当然量は多くない。
妙心寺 阿じろ 妙心寺での法要や行事の際に精進料理を提供していた仕出専門であったのを昭和63年から南門の近くで店を出している。予約なしで飛び込み新館に案内されたが、新館とはいえ内装には欅などの木で豪華。料理も京野菜を使い工夫をこらしている。量的にも十分なもの。
萬長 妙心寺も北門近くにある。観光シーズンだと行列している。2段の手桶に川魚、山菜などの季節ものを盛り込んだ弁当が味わえる。
西京 筍亭 筍の名産地である西京区にある筍中心の料理が味わえる。お店も山間の谷間にある風情のあるところで、部屋から竹林を眺めながらの筍料理は格別だ。
宇治 鮎宗 、宇治川で捕れる鰻をいいむしにした天ざる茶そば季節の点心が名物。京料理というよりそばの範疇が良いかもしれないが。
一般料理 御所 はふう 肉料理のお店。御苑の南側にある。テイクアウトのカツサンドが人気。一度、味わってみたかった。
マダム紅蘭 御苑前の丸太町通り沿いの中華料理のお店。町家風の建屋で美味しい中華を味わえる。
祇園 いづう 有名なさば寿司の店。昆布で巻かれたさば寿司を買い、家に戻って食べるのが格別だった。
いづ重 いづうから分家し、八坂神社前で開いているさば寿司の名店。
天周 天ぷらの店。昼時の穴子天丼が名物。
下鴨 花折 さば寿司の名店。本店は、さば街道の京都との境に近い花折にある。その出店が下鴨神社近くにあり、そこで味わうこともできる。
西陣 鳥岩楼 鳥料理専門で、町家風建屋で、中庭が京都の風情を感じさせる。。昼食時には親子丼が楽しめる。
喫茶・お菓子 四条河原 林万昌堂 甘栗で有名なお店だが、2階に小さな喫茶室がある。京都からの帰り、阪急を利用したりするとき必ず立ち寄った。そこで、甘栗と抹茶が定番。
虎屋 羊羹で有名な虎屋が四条通り沿いにある。2階に洒落た感じの喫茶室がある。ここでは、羊羹と抹茶が定番。
祇園 小森 祇園白川のほとりに佇むロケーションで人気がある甘味所だ。
三条 イノダコーヒー 京都では有名な老舗のコーヒー店。広い店内だが、何時も満席状態だ。
寺町 一保堂茶舗 宇治茶の専門店で、創業280年という老舗。店内に喫茶室があり、抹茶だけではなく、お茶の淹れ方を教えてもらい自分で淹れて飲む事ができる。
堀川今出川 鶴屋吉信 老舗の和菓子屋。2階にある茶室では、職人が作る生菓子を戴き抹茶を楽しめる。
天満宮 栗餅所澤屋
豊国神社 甘春堂 1階では、和菓子の実演販売をしている。2階にやや広めの喫茶室がある。抹茶茶碗のような茶寿器が有名。祝い事などで使うようだ。
三年坂 京都 阪口
八坂神社 中村 八坂神社正面口にある料亭中村楼のお茶やさんで、気楽にお茶を楽しめる。昔ながらの火鉢を横にして、参道を眺めながらの一服となる。
長楽館 明治時代の後期に建てられた洋館。館内で喫茶でき、重厚な建物内部を見ることができる。
哲学の道 叶匠壽庵 哲学の道沿いにあり、立礼席での本格的なお点前が頂ける。内部の庭園も見事だ。
百万遍 緑寿庵清水
下鴨神社 加茂みたらし団子
出町柳 ふたば
上賀茂神社 神馬堂
一口メモ
  • 湯豆腐は、精進料理の一つだが、大きなお寺の近くには、こうした湯豆腐や蕎麦屋が多い。こうしたお店は、お寺への調達店が多く、伝統をもった味付けになっている。
  • 「森嘉」は、嵯峨野 清涼寺脇にある豆腐屋さんで。時々立ち寄り、豆腐を持ち帰るのは大変なので、良く飛頭龍(がんもどき)を買い求めたものだ。