月夜裏 野々香 小説の部屋

  

仮想戦記 『日清不戦』

 

第41話 1933年 『目頭が熱くなる・・・』

 アメリカで禁酒法が廃止。

 ルーズベルトがが第32代大統領に選ばれ、

 ニューディール政策が始る。

 

 

 赤レンガの住人たち

 実弾射撃場

 「・・・・・・・」

 「・・・悪くはないよ。本当に」

 「M2重機関銃は、航空機用の機銃に良いように思うが・・・・」

 「もちろんだとも、機銃本体の金額と戦闘機の数で・・・」

 「とりあえず2をかける」

 「それに命数分の弾数をかけ、これをいくらと試算するだろう」

 「年間に何回銃身を交換するかをかけ、年間の管理維持費を出して」

 「保管費用と整備費用で・・・・・・足が出るな」

 「・・・・・」

 「あと、初期訓練費もかけないとな」

 「・・・・・」

 「無理」

 「・・・・・」

  

  

 日差しの強いアフリカの大地。

 黒人たちが集まっていた。

 彼らは、驚くほど勘と目が良い。

 気付かれないように風下から近付いて隠れる。

 ピエールという名前は、漁師上がりの聖人

 サン・ピエールから取ったものらしい。

 キリストと一緒に海を歩いたそうだ、

 自分には無理だろう。

 キリストを知らないと言って三度、鶏に鳴かれた精神状態は共感できた。

 愛用の小銃はタイプ38と呼ばれる日本製。

 インド兵から貰ったものでクルミ材の肌触りが気に入って使っている。

 10発装填もあるが、こいつは5発装填。

 武器らしくない漆仕上げの装飾も気に入っている。

 モーゼルも良いがタイプ38は弾数を持ち運びやすいのが良い。

 どっちが良いというわけではなく、

 ドイツ陣地からタイプ38の銃声が聞こえた時もある。

 戦場でタイプ38の銃口を向けられていたらと思うと、

 生きた心地がしない。

 

 白人の植民地経営は、大まかでこうだ。

 まず、工業品でいろんなものを交換。

 現地に商品や食料が溢れかえる、土地を買い始める。

 あとは、それを繰り返し、土地から追い出していく。

 さらに食料まで買い占める。

 で商品を止める。

 彼らが生活苦から立ち上がってくるところを・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・ バァアンンン〜 ・・・・・・・・・

 アフリカの大地で銃声が響き広がっていく。

 準備が整っていない時にリーダーを倒せば時間を稼ぐことが出来る。

 準備が出来ていたら、待ち構えて、一網打尽。

 自分が出て行くとしたら、

 黒人の大多数にとって幸いなことだ。

 どちらにしろ彼らに残された道は狭められている、

 やせた土地への居留地か、

 未開地への逃亡か、

 飢え死にか、

 射殺されるかしかなかった。

 それにつけても、

 アメリカの大統領が民族自決権や人権を持ち出し、

 フランスを非難とは片腹痛い。

 アメリカ人が北アメリカで散々やってきたことだ。

 それをフランスが北アフリカで、やったからといって批判する。

 ルーズベルトを狙撃した人間は、失敗したらしい、

 俺に頼んでいたら成功していただろう。

 黒人たちの喧騒の中、

 倒れた黒い肉体から出る赤い血がアフリカの大地に染み込んでいく。

  

  

 ゴーストップ事件

 大阪市天神橋六丁目交差点で信号無視をした兵隊が

 交通整理中の警官に止められ、

 白昼の公衆の面前で処罰されると言う

 前代未聞の事件が起きた。

 この一件は、兵隊側が詫びたと言うことで落ち着くところが

 兵隊側の事情が新聞に載った。

 “曰く。旅団本部への定時報告義務があり”

 “本来なら自転車を使うところが故障で使えず、走っていた”

 と言うことだった。

 日露戦争以前の年代物、

 ズタボロ自転車の写真が新聞に掲載されると国民の涙を誘う。

 そして、連邦議会でも議題として取り上げられると、

 大衆の国防省への同情が国民運動となり議会を動かした。

 運輸省は、このままでは不味いと一計を案じる。

 “国防省思いやり口座” の開設を提案する。

 既に根回しが済み、予算審議と決済が終わっている、

 国民の意識に委ねようという発想だった。

 もし、少し多そうなら、

 次ぎの予算で国防費を少し減らそうかという黒い思惑もある。

 しかし、意外にも “国防省思いやり口座” は、人気があったらしく、

 銀行に行列が出来たりもする。

  

  

 赤レンガの住人たち

 動き出す日本国防省。

 予算が集まり次第、

 優先順位が付いていた項目にしたがって、

 次から次へと軍事増強が進む。

 「・・・正面戦力は、ほどほどにしておいた方が良いな」

 「うん、やっぱり戦力が少なさそうと国民に思わせておくとか」

 「アメリカとドイツの戦艦が強いとか思わせた方が良いよ」

 「ということは慌てて戦艦とか作ると」

 「思いやり口座への振込みが減るということか・・・・・」

 「なるべく、日本艦隊を国民に見せないようにして」

 「アメリカ、イギリス、オランダ、ドイツの戦艦に訪問してもらおう」

 「訓練が出来るな、武器弾薬のストックも増やせる」

 「まともな戦闘機も、爆撃機も、開発できるぞ」

 「あまり強くなさそうなやつで揃えて」

 「常に軍事的な脆弱感を国民に印象つけるべきだよな」

 「そんなのカタログ値を下げて、公表すればどうにでもなるよ」

 「とりあえず。M2重機関銃は、了承ぉっと」

 印鑑が押される。

  

  

 とある町、

 駅の近くに住むというのは便利なものだ。

 バス(ディーゼルエンジン)の交通網もしっかりしている。

 しかし、バス停から少し離れた場所でも

 区画のレンタル店があれば楽だ。

 家の近くでレンタル自動車を借りて駅に向かう。

 そして、駅のレンタル自動車置き場に車を置いて電車に乗り職場に行く。

 返りはその逆になる。

 ただ近距離の移動だけなら

 電気自動車は便利なものだ。レンタル代も安い。

 運輸省の思惑があるのだろう。

 かなり低めに価格を設定しているようだ。

 車の生産性も悪くない。

 蓄電池とタイヤに仕込んだモーターと

 車体本体の5つのモーターと操作系の機構があれば箱だった。

   

  1899年、

  カミーユ・ジェナッツィのジャメ・コンタント号、

  60馬力の電気モーター2つを後輪に直結。105kmを出したらしい。

 

 性能が向上しても市販用だとそうも行かない。

 いまでは、鉛電池から、ニッケル・アルカリ蓄電池に変わっていた。

 車輪の中にモーターを組み、4輪駆動。

 6輪駆動や8輪駆動だと、

 さらに速くなり、価格が高騰する。

 さらに車体のモーターで加速する。

 電圧の調整が難しいらしいが

 国防省に電気戦車を作らせた時の技術らしい。

 80キロぐらいなら出せる。

 もっと速く、180kmくらいで走らせることも出来るらしい。

 蓄電池との関係で制限されている。

 それでも外国から戻ってきた人間は、エンジン音がないと物足りない。

 電気自動車でレンタル車が多いのは

 買うと充電の長さに呆れることになるからだ。

 乗りたいときに乗れないのでは話しにならない。

 というわけで、運輸省は駅の周囲をバスの交通網で張り巡らせ、

 一定の間隔で土地を買うとレンタル自動車を運営する。

 採算は、度外視で始めるが人口が増えると意外にも黒字になる。

 当然、名勝・旧跡にまでレンタル自動車の店が伸びて行く。

 ここまで徹底的にやられると、呆れる、

 日本連邦は、全体主義、社会主義化しているのでは?

 と錯覚したりもする。

 しかし、実際は、規制緩和が進み民主化も進んでいた。

 日本の場合、時折、不正腐敗が発覚し、

 規制が強化されるか、罰則が強化され。

 そして、しばらくすると法改正されて規制緩和、

 同じことが繰り返されてイタチごっこ。

 不正腐敗が増えれば規制が強化され。

 不正腐敗が減れば規制が緩和される。

 法規制は、国民の良識・モラルに反比例する単純な話しだ。

 土木建設車両やトラックは、ディーゼルエンジンが多く。

 ガソリンエンジンの車両は、政府・官僚・警察・軍隊の専用になった。

 庶民の足は、鉄道、バス、レンタル電気自動車。自転車だろうか。

 最近はソケット式の簡易蓄電池を売っている店も多く。

 蓄電池が足りなくなると、

 そこで買い、最寄のレンタル自動車置き場まで乗っていくことになる。

 諸外国では、ガソリン車、ディーゼル車が一般的なのに日本は違った。

 理由は “国内の燃料消費を抑えて、日本国の強靭さを保とう” だった。

 しかし、それは、理由でなく、口実。

 運輸省の本音は、近距離用の電気自動車なら、

 短・中・長距離の鉄道と住み分けが出来て

 鉄道投資が無駄にならないという思惑。

 己が利権構造を日本国民に押し付けていた。

 バッテリーの寿命も適当な税収になり、

 あちらこちらに蓄電池の再生工場が作られた。

 電気自動車の性能は、車体の軽量化に合わせて向上していた。

 “日本人は、日本という国家の飼い犬のようだ”

 これは良く言われている。

 白人だけでなく。有色人、特に中国人は良く使う。

 そして、日本人が、言い返すのが

 “白人は本心から言っているが、中国人は妬んで言ってる”

 と。皮肉なことに

 この日本の鉄道システムごと、

 揚子江経済圏に丸写しする列強の意図があるらしい。

 理由は、それほど利権と収益が大きいらしい。

 そして、発電と送電の関係から、盗まれる心配が少ないらしい。

  

  

 呉工廠

 オランダ女王がシャンペンを割ると。

 オランダ戦艦

 フローニンゲン、フレヴォラント、ゼーラント、リンブルグが、

 海に向かって滑り落ちていく。

 進水式は日蘭両国で盛大に華やかに行われた。

 艤装は、日蘭の技術者・作業員で進めていく。

 オランダの新型戦艦を見ようと

 各国の政府や海軍関係者も見学にきていた。

 そして、進水式が終わると、

 各国の政府役人や軍人と運輸省の役人が電探や球状艦首で、

 あれこれと、交渉が始まる。

 実のところ、二つとも運輸省主導で進められていたモノで

 権利は運輸省にあった。

 運輸省は、更に潤う事になりそうだ。

 欧米諸国も、日本に揚子江経済圏の入り口を押さえられ、

 人質に取られている。

 そして、日本も、欧米諸国に資源地と消費地を押さえられている。

 互いの相互依存と弱みが大きいのか、

 欧米列強は日本と正直な取引をする。

 それでも、新型の改扶桑型戦艦4隻の性能を理解していくと

 欧米列強も青くなっていく。

 それまで冶金技術で劣っていると思い込んでいたのが大間違い。

 日本は、アメリカ、イギリス、ドイツと

 遜色ない装甲版を製造していたことが判明する。

 いくら資源とのバーター取引でも

 日本製の戦艦が国外向けに建造されては困る。

 10000トン以上の軍艦を輸出することを

 全面的に禁止する会合がもたれた。

 来年のワシントンで会議で・・・・・

 と、なるところを戦艦を建造できない中進国が反発する。

 ブラジル、アルゼンチン、チリ、

 メキシコ、トルコ、ドナウ連邦、

 華北連邦、華南合衆国、聖ロシア帝国・・・・

 国力で勝るアメリカ、イギリス、ドイツだったが、

 この時ばかりは、人数に圧倒される。

 そして、国際連盟で軍艦輸出規制会議が話し合われることになった。

 資源の無い国、日本。

 しかし、日本の沿線経済圏はモノで溢れ返っている。

 揚子江向けの輸出。

 そして、華北・華南でも

 収入のある中国人が少しずつ増えているのか、

 日本の産業は、フル回転操業だった。

   

  

  

 某省庁の近くの喫茶店 “月影”

 「揚子江に基幹になる発電、製鉄所、鉄道が整備されてしまった」

 「今の好景気は、揚子江で工場群が建設されるまでだろう」

 「あと、裕福な人間は、日本製より舶来製を買おうとする」

 「最近は、品質に差はなくなったがステータスの差は、大きい」

 「扶桑州の開発は?」

 「石炭と鉄鉱石は、自分のところの建設で使っているよ」

 「財源は木材、皮革物、漁業、希少金属、宝石、金・・・」

 「開発中は、天然ガス、オイルシェール、オイルサンドだ」

 「瑞穂は、どうするんだ?」

 「水田と熱帯果物でそれなりに潤っているようだ」

 「熱帯果物は、敷島で成功していたから、それを丸写ししただけだけどな」

 「オーストラリアは、土壌が良くないから食料が売れているらしい」

 「文句を言っているらしいがね」

 「あははは」

 「そりゃ 元オーストラリアの領土だからな」

 「オーストラリア人の人口が増えて、食料を止めたらどうなるか見ものだな」

 「そりゃ 泣き付いてくるだろうな」

 「また、シドニー事件を起こさなければ良いがね」

 「そこまで、バカじゃないだろう」

 「たぶんね。農家の次男坊や三男坊の一部は、瑞穂に行きそうだな」

 「ああ、しかし、問題は出雲だな、石炭が取れなくなったら負担が大きくなる」

 「運輸省が出張って行くさ」

 「あいつらか」

 「運輸省は日本の領土のあるところ、どこでも。という感じだな」

 「社会整備とある程度の産業が軌道に乗れば人口も増える」

 「規模は小さくても技術的は高い」

 「日本に発注しようという国も少なくないだろう」

 「たぶん、鉄道も瑞穂にも行くだろう」

 「あいつらの利権構造体に入るというのもな〜」

 「最近は、アレルギー反応を起こす日本人も少なくない」

 「そういう人間は、揚子江や北欧、瑞穂に行く」

 「瑞穂は、時間の問題だろうから」

 「ベルバームのようにアメリカにまで行く人間もいるな」

 「結局、賃金、保障が違うだけで中国人は嫌々働かされ」

 「日本人は渋々働かされているわけだ」

 「内容は違うが仕事量は大して変わらないよ」

 「日本は、中国人の様に不安は無いが、その分、窮屈さがある」

 「その上に洗濯機が欲しいだの、掃除機が欲しいだの・・・・」

 「せ、洗濯機〜 そ、掃除機〜」

 「おうよ。アメリカ映画を見たんじゃないか」

 「大恐慌で失業者が溢れているのにロクな物を発明しないよ。あいつら」

 「はぁ〜 奥さんに時間作ったって暇だからって、浮気されるだけだぜ」

 「あははは、だけどな・・・」

 「戦争でもしないと女が強くなるよな〜」 ため息。

 「そうそう。夫を立てないというか、まったくもって、度し難いね」

 「あの横柄な態度」

 「まったくだ。ああいう人種は、たらいと砧(きぬた)で十分」

 「祖母なんか、むかしは洗濯洗剤なんて、なかったと言ったんだぞ」

 「そうそう。いらない、いらない」

 「「・・・・・・・・」」

 「・・・・・ 買うのか?」

 「んんん・・・男の甲斐性とか言われるとな・・・」

 日本経済が強くなると、映画の宣伝か、

 洗濯機が売れるようになったりもする。

 当然、国産で販売する企業もある、

 今のところアメリカ製洗濯機が良かった。

  

  

 瑞穂

 区画で整理された水田が広がり、効率良く米が収穫されていく。

 敷島で成功した企業農法が改良されながら瑞穂に定着していく。

 そして、商品価値の高い、

 マンゴ、パパイヤ、パイナップル、

 アセロラ、ゴマ、ゴム、コーヒー、バナナ・・・・

 熱帯作物のプランテーションが整備されていく。

 もっとも、働いているのは、現地民でなく日本人で生活も自由。

 大規模栽培の農園制度という点だけが一致していた。

 欧米のプランテーションと違い、

 一つ一つの規模が小さく区分けされ、

 自然と調和しようという意識があった。

 また企業から独立しているグループもあって、多様だった。

 もう一つ、盛んになり始めていた産業もあった。

 暑過ぎて、日本庭園が造れない。

 しかし、現地の熱帯樹林で、

 日本風の庭園を作ろうとするグループが現れた。

 これは敷島でも起こってブレークした。

 瑞穂でも、独自に熱帯庭園造り。

 南米、アフリカ、インド、東南アジアの熱帯樹を輸入したり。

 日本風の感性が生かされる。

 地上の楽園と、いわれるほど大規模なものになったりもする。

 腐臭の強いラフレシアと呼ばれる世界最大の花は珍しく。

 ブラジルのイペと呼ばれる木は、白色、黄色、オレンジ色、ピンク、赤紫の花が咲く。

     

イペの木

   

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

  

桜の木

   

 桜のような感覚で愛でる事が出来るらしく、

 街路樹替わりに植林されていた。

 観光で訪れた日本人が、いろどりの多様さを見て

 “桜が負けた” と、ショックを起こしたり。

 熱帯植物なども、ここから出荷され、

 南の楽園とも思える環境が作られていく。

 そして、国際色も強い。

 北のドイツ帝国、西のオランダ連邦との交流は、以前より増えていた。

 ニューギニア島で開発が進んでいたのは、日本領南部域。

 ドイツとオランダは、この地域の牽引役を揚子江自由経済に頼っていた。

 日本は、ダイレクトに南部域に移民と投資。

 そして、奴隷制度を使わず、

 日本人の手で開発していた意識の違いが差となって表面化する。

 土地に対する思い入れの違いは、愛着の差として少なからず出てくる。

 土着の思いが積み重なり、

 現在の日本領、ドイツ領、オランダ領の差となっていた。

 

 しかし、大戦後、オランダは、本国を旧インドネシアに移動させ。

 ドイツも、白人の入植者を増加させようとしている、

 状況は変化しそうな勢いだ。

 もっとも、オランダ人ならジャカルタか、スマトラに住みたがり。

 ドイツ人なら山東半島に住みたがるのが道理で、

 すぐには変わりそうにない。

   

 

 瑞穂のとある高台の館

 熱帯の果物、マンゴ、パイナップル、パパイヤ、スイカが並び。

 ジュースがテーブルに並べられていた。

 高台は見晴らしが良く、

 少しばかり涼しい風が流れていた。

 「・・・日本庭園は実に素晴らしいですな」 ドイツ人

 アセロラジュースを飲んでいる日本人が苦笑する。

 瑞穂庭園は、少しばかり日本庭園に似せていた。

 しかし、日本本土の日本庭園とは、まったく違う代物になっていた。

 日本庭園が、こじんまりとした箱庭型で、

 小宇宙的な調和で組み立てられていたのに対し、

 瑞穂庭園は、外の自然に手を加えながら徐々に日本風の庭園に変えて、

 外界の風景と境界がない形に落ち着いていた。

 瑞穂庭園文化として、日本から独立した観がある。

 「ドイツの庭園は、どうなのです?」

 「ふっ イギリスとフランスの模造ですよ。左右対称のね」

 「日本人の様にアンバランスな調和と感性を」

 「ドイツ人は持ち合わせていませんよ」 オランダ人 ニヤリ

 「・・ドイツ民族は神から与えられた一つの属性として」

 「格調性と科学的な機能美を追求しているだけですよ」

 「ドイツ人というのは、面白い人種でしょう」 オランダ人 ケラケラ

 「ふんっ オランダ人は、いい加減で自己主張が強いから嫌われるんだ」

 「自己主張は強いが、いい加減ではないぞ。理屈屋のドイツ人」

 「ふんっ 協調性の無い連中だ」

 「造って貰った戦艦同士をぶつけるなよ」

 「バカいうな。オランダ海軍に、そんな、みっともない歴史は無いわ」

 「ははは、面白い冗談だ」

 「「ふんっ!」」

 「ははは・・・・」

 ドイツ人の組織主義とオランダ人の独りよがりな性格には慣れてきた。

 しかし、どう付き合っていけば良いかは、今後の課題であり、

 和を尊ぶ日本人は返って誤解されたりもする。

 日本人ほど、自己主張が少ない民族は世界的に珍しい。

 長いモノに巻かれたりもする、

 かといって完全に事大主義というわけでもなく、根回ししたりもする。

 これは、下層階級だけというわけでなく、

 上層階級も、下層階級も、というところ。

 多くの外国人は、日本人の繊細=神経質。和の文化=事勿れ。

 を知ると付いていけなくなるだろう。

  

  

 某工場で

 「ふっ あのねぇ〜 国防省さん」

 「こんな仕様のエンジンは駄目だよ」

 「・・・・・・・・」

 「いくら馬力が上がってもねぇ」

 「・・・・・・・・」

 「レース用なら良いけどねぇ〜」

 「・・・・・・・・」

 「いま、ラインが余ってなくてね」

 「こんなエンジン作らされても、すぐにお釈迦になるよ」

 「いや、しかし・・・・」

 「悪いことは言わないから」

 「エンジンだけは、堅実にな物にした方が良いよ」

 「まぁ〜」

 「生産性に問題があるが、やれるとすれば、ここと、ここと・・・」

 「あとは・・・ここぐらいだな・・・・」

 「・・・・・」

 「民間機は、人を乗せているから落ちたら終わりなんだよ」

 「軍用機だって人が乗っているんだろう」

 「・・・・」

 「まぁ〜 あと、適当に削られそうなところは、探してみるがね。高くなるよ」

 「そ、それは、何とか」

 「・・・・・まぁ〜 そういうことなら、ラインを空けてみるがね」

 「じゃ それで」

 「あっ 悪いことは言わないから」

 「数を揃えるならエンジンは、いじくっていないもので機体を作った方が良いよ」

 「これは本音だよ」

 「う、上には、伝えておきます」

 この時期、日本の民間機は圧倒的に多かった。

 飛ぶ鳥を落とす勢いだろうか、

 日本−聖ロシア帝国−揚子江−ドイツ領−

 −アメリカ領−イギリス領−オランダ連邦をルートに運行。

 路線もインド、東南アジア、ニューギニアにまで達している。

 就航している民間機も2000機に達し、

 電探と無線による誘導技術も進んでいた。

   

 最大の4発旅客機は、ドイツのユンカースG38をモデルにした蛾のような機体。

 そして、運輸省と日本航空は、不断の改良を重ねて別物にしていく。

 ユモエンジンは、880馬力に向上。

 客席を兼ねた1.7mもある翼厚は、80cmへ。

 さらに流体力学上の利点があっても

 製造が面倒な波板がなくなり。

 外板と枠組みとの一体構造が進む。

 

 技術者たち。

 「モノコック構造は、震動と音が五月蠅くなるな」

 「そういう構造だからな」

 「低翼にした方が脚の重量をケチることが出来るぞ」

 「整備の時も主翼が低いと楽だ」

 「いっそ、主翼でなく機体から脚を出せば・・・・」

 「無理だろう。風で傾いたら主翼が滑走路を擦る」

 「んん・・・」

 「エンジン以外は、別物になりそうだな」

 「いっそ、水上旅客機は?」

 「運輸省が嫌がっているだろう」

 「駅で乗り換えられる陸上飛行機が良いとね」

 「やっぱり」

 日本の工業力は裾野が広く。

 そして、航空分野でもある程度進んでいた。

 ドイツ本国がユンカースG38を6機しか生産していないのに。

 日本では、8機が生産されて、改良型が10機。

 さらに低翼型で完全に設計が変わった機体へと変貌していく。

 因みに36年に就航する傑作DC-3との乗員数と比べると

 割り損していることがわかる。

   

自重

最大重量

水/空

馬力

全長×全幅

翼面積

最大速度

航続距離

乗員

乗客

生産

自重/馬力

全備/馬力
(kg) (kg) (m) (u) (km/h) (km)          

G38

14920

21200

800×4

23.20×44.00

305

210

2000

7

34

1929

4.6625t

6.6250t
G38改 13000 21200 880×4 23.20×44.00 305 260 2000 5 40 1933 4.2386t 6.0227t
DC-3 8256 11794 1200×2 19.43×29.11 91.69 365 2575 3 28 1936 3.4400t 4.9141t

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ドイツのツェッペリン飛行船。

ツェッペリン飛行船。

自重

最大重量

水/空

馬力

全長×直径

最大速度

航続距離

乗員

乗客

生産

自重/馬力

全備/馬力

(kg) (kg)     (m) (km/h) (km)          

195600

 

900×6

248×41.8

135

14000

 

70

1933

 

 

 

 

 

(1200×6)

 

 

 

 

84t

 

 

 

 この時代の飛行機では、不可能な性能だった。

 ドイツ帝国は、大恐慌で経済が冷え込んでも、

 それなりの国力を維持していた。

 そのため、ヒットラーはドイツ民衆の支持を受けられずに政治的に失速。

 おかげで、ツェッペリン社は、業績を上げることが出来た。

 不便と言われ、事故が多いと言われながら

 ドイツ海外州路線を繋ぐ飛行船は使われている。

 戦争で負けていないドイツ帝国は、

 ツェッペリン飛行船の技術の大半を独占したままだった。

 そして、ドイツ空軍は、積載量84トンに注目した。

 戦闘機や爆撃機を装備できるのではないかと。

 また、日本から電探を購入すれば、

 電子の目を持つ強力な索敵飛行船になるのではないかと。

 そして、ドイツは、日本に飛行船をリースしていた。

 どうせ、模倣できまいという、

 思い上がった結論だった。

 しかし、それは、誤りで、基礎になる飛行船産業が無くても、

 飛行船、そのものがあれば、改装できる力はあった。

 予算に余裕が出来た日本国防省は、

 強力な電探を構造一体型で取り付けた索敵飛行船を計画する。

 この飛行船なら電探で広い海域を索敵し、

 戦闘機に発見される前に先に発見。

 護衛の戦闘機を1機か、2機装備すれば、

 時間を稼いで逃げ出すことも出来た。

 当然、天候観測や空域の安全性。

 そして、飛行機に限界を感じていた運輸省も

 国防省が地上設備に金を出すのならと興味を示す。

 この時の運輸省と国防省の配分と権利の駆け引きは、

 あまりにも、えげつないため省略・・・・・・・

   

 赤レンガの住人たち

 なにやら、はさみでフィルムと写真が細かく切られていく。

 「水素は、危なくないか?」

 「これは機密だがね」

 「扶桑州でヘリウムが少し採れるらしい」

 「量が少ないから水素と合わせて使うことになりそうだ」

 「それに水素の方が軽いからね」

 「燃えるのが怖いな」

 「その点は、ドイツの飛行船をリースしているうちに教わったよ」

 「何とかなりそうだ」

 「不時着して壊れたモノを詳細に調べただけだろう」

 「それでも、同じものは作れそうだよ」

 「アルミ株を買うべきだろうな」

 「改良でも、それなりに使う」

 「アルミじゃなくて、ジェラルミンだろう。戦艦は、止めたのか?」

 「んん・・・やっぱり、戦艦を建造すると」

 「“思いやり口座” への振込みが減るかもしれないから」

 「正面戦力は後回しか」

 「わからないように内堀からゆっくりと」

 「なるべく欧米の戦艦で強そうな写真を選んで冊子を作らないとな・・・・・」

 「やっぱり、飛行船と空母だろうな」

 「そういえば、ドイツも、ハインケル戦闘機装備の飛行船を建造しているんじゃないか」

 「そりゃ 飛行船を大西洋にばら撒けば」

 「Uボートを誘導できて面白いからな」

 「天候に弱いという点を除けば、小型空母より飛行船が良いよ」

 「しかし、運輸省のカラ出張を暴いて良いところまでいったのに」

 「最後の最後で個人攻撃で汚い真似しやがって」

 「むかつく連中だぜ」

 「忘れたいと思っているのに思い出させるな」

 「だからってよ」

 「ふっ 俺たちが、そんなにモテるわけ無いんだよ」

 「なにが奥様は、ご理解がありますねだ」

 「くっそぉ〜 土壇場で切り返しやがって」

 バラバラに切られたフィルムと写真が

 ゴミ箱に投げ入れられる。

 平和な日本、男の甲斐性は神通力が弱かった。

   

  

 イギリス国防省

 沈痛な表情を浮かべる将校がいた。

 ドイツ飛行船の問題だった。

 「小型空母を建造して船団を守るのが良いと思うがね」

 「いや、巡洋艦に水上戦闘機を搭載すれば、それで十分に撃墜できるよ」

 「その気になれば商船だって、水上戦闘機を搭載できる」

 「飛行船は、時速120km以上で逃げるんだぞ」

 「それにハインケルの戦闘機が装備されていると言う話しもある」

 「巡洋艦搭載の水上戦闘機だと逆に撃墜されてしまう可能性だってある」

 「そして、船団の位置は、バレバレ」

 「あとは、Uボートの襲撃に遭うだけだ」

 「ツェッペリン飛行船と同様の飛行船は建造できないのか?」

 「大戦中に何隻か捕獲しているがね」

 「イギリスは、飛行船より船の方が重要なのだよ」

 「ドイツのような規模で飛行船を建造する意味がないだろう」

 「つまり建造できても1隻当たりのコストは割高ということか」

 「潜水艦を誘導するのに飛行船は有用だろう」

 「潜水艦から船団を守るのも飛行船は有用でないかな」

 「しかし、高速の飛行船を船団に張り付かせるのは、無駄ではないかね」

 「小型空母なら、もっと、いろんなものも運べる」

 「そうでもなかろう」

 「少なくとも飛行船は、潜水艦から攻撃は受けないで済むし、良く見える」

 「風に煽られなければね・・・・・」

 「しかし、ドイツ飛行船は優れているぞ」

 「見よう見まねで建造したR101飛行船は落ちただろう」

 「ドイツの飛行船だって落ちているさ」

 「それにアメリカ海軍のアクロンとメイコンは偵察機を載せているじゃないか」

 「アクロンは落ちただろう」

 「対潜用飛行船は検討するとして、堅実な空母も建造しても良いと思うが」

 「飛行船で採算レベルに達しているドイツが羨ましいものだ」

 「船で負けたから、飛行船に集中しているだけさ」

 「それに飛行船でいくら人が死んでも構わないと思っているのだろう」

 「ドイツ人も、日本人も、良くやるよ」

 日独とも事故で飛行船が失われても

 奇跡的に乗員は、助かっていた。

 「南西アフリカ、東アフリカ、太平洋のドイツ領を」

 「自由に行き来できる飛行船が便利なのさ」

 「日本も海外州に行きやすい」

 「・・・しかし、不況が終わらないと何も出来ないよ」

 ため息が漏れた。

  

  

 ベルバーム社 (ブローニング社)

 アメリカのベルバーム社は、生産の7割近くを土木建設用具製造にシフト。

 ニューディール政策の波に乗って業績を伸ばしていく。

 実戦で効果を確認されていないM2重機関砲を

 日本に叩き売っても文句を言う人間は少ない。

 大恐慌が世界の半分を覆っても戦争の兆候は低く、

 アメリカ国内は、失業者が多いままだった。

 元失業者の無言の圧力に負けた研究開発チームは、

 7.62mmで新規の機銃を開発させられると半分が同業他社に転職していく。

  

 日本資本ベルバーム社の失業者雇用で

 アメリカ人の日本人に対する認識が変わる。

 1924年に施行された移民法

 “自由なる白人およびアフリカ人ならびにその子孫たる外国人”

 という移民制限。

 日露戦争時の第26代大統領ルーズベルトも、

 従兄弟の第32代大統領ルーズベルトも、

 排日問題で日本と関わっていた。

 どちらも白人至上主義的な要素があった。

 しかし、それより帝国主義の方が強く。

 強い国に敬意を払う単純明快さを持ち合わせている。

 「国際的に承認された独立国の国民は、移民できる」

 が付け加えられる。

 この時代、移民法に当てはまる、

 国際的に承認された独立国というと、

 日本のことだった。

  

  

 ベルバーム社

 「ようやく移民法が改正か」

 「これで面倒な法律上の規制は緩和されるな」

 「ええ、しかし、これで日本への自動車輸出攻勢は強くなりそうですね」

 「そうだな、電気自動車もレンタルで短距離と割り切って使えば悪くは無いがね」

 「ベルバーム社が日本への窓口になるので?」

 「そういう、約束だよ」

 「もっともガソリン自動車が売れるかどうか、わからないがね」

 「それ以外のものなら、かなり、良い商品がある」

 「他の日本企業が乗り込んでくるかもしれませんね」

 「大恐慌のアメリカに乗り込んでくるような酔狂な人間は少ないだろうな」

 「企業なら我々くらいのものだ」

 「仕事さえあれば労働内容の割に収入が良いのですがね」

 「日本人は知らないようです」

 「ふっ そうだな」

 「日本は資本主義が進んでも資源がなく」

 「基礎になる技能者は、まだ少ないから生産性は低い」

 「貧乏性の上に生かさず殺さずという伝統が残って搾取され」

 「吸い上げられた分が国力として転化されていく」

 「資源の無い小国が国際社会で威勢を保持しようと思うなら」

 「少なからず無理をしなければならない」

 「小国の選択の一つだな」

 「そういえば、タイ王国も立憲君主制へと移行したそうです」

 「その方が、無節操に混乱しやすいが、近代化しやすいだろうな」

    

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です。

 

 ~~~\(^・^) <  国防省の皆様、おめでとうございます。  > (^・^)/~~~

 ~~~\(^・^) <   永い艱難辛苦の時代が終わって、  > (^・^)/~~~

~~~\(^・^) <     国防費が増えました♪      > (^・^)/~~~

 

 国民の意識によって予算が増減しますが、

 特別会計? 扱いです。

 ・・・・ぅぅぅ・・・・目頭に熱いものが・・・・・

日清不戦の世界です

M2重機関砲

航空用

項目

6.5mm重機関砲

航空用

1645mm

1645mm

全長

1280mm

1280mm

1143mm

1143mm

銃身長

797mm

797mm

陸上は不採用

38kg

重量

52kg

10s

12.7mm×99

使用弾薬

6.5mm×50

48g

弾頭重量

9g

ベルト給弾

ベルト給弾

装弾数

ベルト給弾

ベルト給弾

853m/s

853m/s

初速

762m/s

762m/s

約400〜600発/分

700発/分

発射速度

550発/分

550発/分

700〜1000m

700〜1000m

射程

約4000m

約4000m

  

  

  

  

  

 6.5mm小銃の射程が異常に長い・・・・

 と思って調べてみると有効射程距離というのがあって、

 それだと1000m。

 ホッとしました。

 って、1000m先の標的って、・・・・ゴ○ゴ13?

 M2重機関砲は、工作機と設計図を利用して生産。

 50口径12.7mm機関砲として採用されました。

 ただし、M2重機関砲の命中率の悪さが問題となり。

 貧乏性の日本人は、当たらない弾薬など

 無駄という結論を出して陸上用で不採用。

 航空機専用機関砲として改良されてしまいました。

 まず、冶金技術で自己不信があったのか、

 厚みが増され、液冷装置で重量が増し。

 それで命数が伸びて、故障率の低下と、

 発射速度が微妙に上がりました。

   

 日清不戦の日本軍は、侵略性が乏しく。

 貧乏性が残っているので、

 6.5mm機関砲、迫撃砲、擲弾筒で、チマチマ狙ってと言う感じです。

 大威力の機関砲でバラバラと景気良く撃ち撒くり、

 相手がひるんだ時に突入すると言う発想は、なかったようです。

 史実で世界的に有名になるはずだった

 ブローニング12.7mm機関砲は、日本に叩き売られ、

 日本の航空機用機関砲としてだけ、

 知られるようになりました。

 アメリカ軍は、7.62mm×63で戦うのでしょうか。

 それとも20mm? 23mm? 37mm?

 それ以外の砲熕兵器

 50口径40mm機関砲(2ポンド砲:ポムポム砲:毘式)。

 45口径76.2mm砲。

 50口径120mmの砲(既に改良)

 大元は、イギリスの艦砲で大戦の借金代わりに貰い。

 さらにライセンス生産が進んでいる砲熕兵器です。

 元々、艦砲なので海軍は良いのですが、

 陸軍は、砲の本体以外は、改造して量産しています。

 もし、機動兵団が、対戦車砲として使えるとすれば、 

 50口径40mm砲。 野砲に改造した76.2mm砲でしょうか。

 国防予算が増加したので、それぞれ改良する予定です。

 しかし、海軍で速射砲は、連射というイメージですが、

 陸軍で速射砲は、初速です。

 そして、初速も連射も程度が低い40mm砲。

 ここで、北欧諸国と仲のよい日本は、

 ボフォース社と接近するかもです。

   

 飛行船は、しぶとく、というよりドイツが大戦で負けず。

 ヒットラーの失速で、がんばっています。

 アメリカも、イギリスも、飛行船が事故で失われ、低迷しています。

 そして、ほとんどがドイツ製ですが60隻以上が就役して

 世界中を飛んでいます。

 戦闘機搭載の飛行船同士の戦いが・・・

 あ、あるんだろうか・・・・

  

 

 

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第40話 1932年 『曇りのち曇り』

第41話 1933年 『目頭が熱くなる・・・』

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