1999年7月中旬の日常

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1999年7月11日(日)

 今日のお昼はカレーきしめん。冗談のつもりだったのに。麺の量に対してカレーがちょっと足りなかったが、でも旨い。因みに言い出したのは店主の方だぞ俺は何も云ってないぞ。

 長篇をバリバリ書くつもりが以下略。

 現実逃避なのか、ホームページ造りが楽しい。Page Mill が直感的な操作に適している所為かもしれない。それ以前にマニュアルがマニュアルの体裁をなしてないのが問題なのだが。取り敢えずソフトとしては優秀。たまたま某青木光恵さんのマンガで名前を見たから選択しただけなんだが、拾い物だったかも。

 若おやじの血が騒いであの論争に口を挟みたくなるが思い留まる。突っ込みたかった点が本来の論旨から外れているから止めたのだが、しかしあの論争は中心人物がそういう論旨以外の点にいらん突っ込みを入れるから、いつまでたっても収まらないんでないのか? そもそも争点は一体何だったのだ?! 何故いらんところまで罵詈雑言を飛ばしあうのだっ??! ……まあ、そういう状況だから関わり合いになりたくないんですけどね、結局。第一私は議論に向いてないのだ本来は。


1999年7月12日(月)

 長篇をバリバリ……はい、いい加減にします。しかし本当に洒落にならんなこの状態は。

 今日購入したのは近藤史恵『カナリヤは眠れない』柴田よしき『ゆび』荒俣宏・田中聡『東京妖怪地図』(いずれも祥伝社文庫)。買いに行ったら社長に清酒を持たされた。

 リンクページを作っていたら止まらなくなる。『SMAP X SMAP』を見ながら、自分に打擲する気分で一部コンテンツをタイトルだけ書き込んだり。


1999年7月13日(火)

 まだ日付が変わったばかりである。長篇の直しを続けているうちに何故かいきなりホラーな短篇のアイディアが浮かび、慌ててメモを取る。ホラーについては門外漢のつもりだったのに。怖いかどうかは兎も角、いろんな意味で私らしいテーマ。書き上がったらHPにアップしてみましょうか……その前に長篇、ね。

 ちょっと考えていて、自分が何故某掲示板の論争に興味を持てずにいたのか、ようやく理解した。要はあれはジャンル論争なんですね。そもそもの争点はSFというジャンルの位置づけとその内訳であり、そこから敷衍してホラーやミステリとの相関関係について争論していると。即ち、ジャンルを規定して作家を量ることに何ら興味のない私のような輩には、端から無縁の世界だった訳である。そういう作業自体は否定しないし、それぞれのジャンル史を語る上で必要不可欠な手続きだとは思っていても、少なくとも自分の仕事だとは思っていない私には関心の持ちようもない。……まあ野次馬根性はあるんですけどね。それしかないから、特に首を突っ込む気も起きない訳だ。 

 毎日毎日記録するのが面倒なくらい細々と本を買っている……今日特筆しておくべきは小池田マヤ『…すぎなレボリューション(1)』(講談社・KissKC)でしょうか。内面描写が諄い、(私とは別の世界で)説教くさい、とか、どうも苦手な部分はあるのだが、どうにも目が離せず単行本は欠かさず買っている。ツボを押さえた展開はなまじのストーリーものなどより読み応えがあるし。ただ、最近舞台が拡がるにつれて作品傾向が似通ってきているのが心配。そのスタイルが幾つかの単語で表現できてしまうのだな。思いつくまま列記すると、有能、軽薄、恋愛、変身、それと懊悩――こんな具合に、である。パターンを持っているのは商業漫画家として悪いことではなかろうが、紙面を移してもあまり代わり映えがしない、という印象を与えてしまうのは如何なものかと。尤も、この辺を議論すると終いには編集者の姿勢まで問わなきゃならなくなるのだが。まあ、多分ご本人の意思なんだとは思うのですけどね。
 と、ここまで書いて気付いた。さっき列記した言葉って、恋愛ドラマの王道なんだよな。ハーレクイン的、とでも喩えようか(あんまりそっちの知識はないんですが)。軽薄な登場人物、というのは現代的なアイテムだとしても、他は恒久不変のシチュエーションと云い切ってもいい。はー成る程なー。だから愛憎半ばしてるんだな俺。はー……。
 言い忘れていました。深川の創作における原体験はあだち 充のタッチです。納得していただけますか?

 日記を書いたり掲示板に書き込んだりしている間に無為に時が過ぎていく。ああ……やっぱり簡単には終らなかったか……

 ……処で。まだデジアニメはメールでのユーザーサポート要請に応えていない。最早どうでもいいけどな、色んな意味で。


1999年7月14日(水)

 午前中とても忙しかったのは仕事の合間にわざわざ本を探しに行ってしまったからだろう。KADOKAWAミステリのプレ創刊号がない。某大型チェーン書店の店員の反応が遅い。有無を確認しただけなのに四人でリレーして結論は「在庫ありません」。仕方なく佐藤賢一『王妃の離婚』(集英社)の初版を捜し出してそれだけ買った。その一連の手続きの間に仕事の連絡が入って泡食って仕事場に戻る。蒸し暑い汗だくじゃあ。確か今日は一日中雨ではなかったのか。因みにKADOKAWAミステリはバイト先の方に本社注文して貰った。そして昼飯を食っている間に表は雨。ここまでを書いた時点ではまた止んでいるようだ。何じゃこの陽気は。

 大書店では刊行済みの作品が直木賞などの候補になったりすると、新たに入荷したもののみを平積みにする傾向がある。つまり、前々から棚にあったものはそのままお座なりにされがちなのだ。従って、急に話題に上った書籍を初版で入手しようと思った場合、平積みの底にないようであれば、取り敢えず棚を捜すのが得策、という訳。……以上、生活にあまり必要ない裏技でした。興味ないですか。すまぬ。

 夕方に再びバイト先の本屋へ買い物だけに行く。KADOKAWAミステリは品切重版検討中で身近な処では八方塞がりとなった。しょうがないから富士見ファンタジア文庫の新刊と、ある少女漫画を買って帰る。で、買った漫画を読んでいると……何だか自分の感性がいよいよおやじ化しているのを再確認しているような気がして辛い。何が辛いってキャラの過剰なドライさが鼻につく。もうちょっと執念を見せてもおかしくないだろう第一くっついたり離れたりが早過ぎるじゃないかそもそも話の焦点は一体何処なんだ??! ……失礼しました。それはそうとセイバーマリオネットJも完結である。あかほり氏もあちこちに拡げまくった風呂敷を一つずつ畳み始めているようだ。すぐに次を予告してしまうのが業病と言おうか……
 帰途にCDも見に行ったのだが、SMAPのアルバム買おうかそれともいつもと系統の違うのを買ってみようかなどと悩んでいると、刷り込みの如く延々とルパン三世のリミックスアルバムがかけられている。本当に刷り込まれそうだったので何も買わずに退散した。いやいいアルバムだと思うんだけど……ほら洗脳されてるじゃないか。

 ここ数日ゲームをやってない。長篇がなかなか終らない所為なんですけどね。それ以前に、やってて疲れるソフトが多くて多くて。


1999年7月15日(木)

 日付が変わって三時間。長篇の直しの続き。文章の短縮に気を配り過ぎた所為か、解決編に必要な記述が結構洩れている。前に行ったり後ろに行ったりしながらちまちまと直し続ける。本当に丸ごと書き直してるのだよ。このペースだと初稿との比較で三百枚ぐらい減りそうだが、脱稿までにあとどのくらい掛かるのかは不明。HP用の素材が作りたくて仕方がない。けどこっちが終らなきゃ安心して手が付けられない。あああジレンマ。仕方がないから手慰みにたった三時間分の日記を付けている。

 翌朝。就寝前の余波が私を嬲る。長篇をほっぽって『ADAM THE DOUBLE FACTOR』(C's Ware)のレビューを書き始めてしまう。何せ言いたいことは沢山あったので熱が入り、力余って文章が縒れては書き直し構成し直し、なんてやっていたものだからひととおり仕上げるだけで午前が終ってしまった(無論仕事の合間に書いたのだ、念のため)。そして午後は執筆に割く時間なし。何でここまで来て遅滞するんだろう。

 暑さと軽い冷房症らしきもので頭痛がするのを堪えてバイト。仕事前から仕事中にかけてめぼしい本を集めておいて、終業後に清算。八千円弱。ばかじゃなかろうかと自分でも思うが世間にはもっと凄い人もいるんだしと自分を慰めてみたりして。
 買った本は京極夏彦『百鬼夜行―陰』(講談社ノベルス)ジェイムズ・リー・バーク『シマロン・ローズ』岡嶋二人『眠れぬ夜の報復』山田風太郎『風来忍法帖』(以上、講談社文庫)泡坂妻夫『花嫁のさけび』平山夢明『東京伝説』(以上、ハルキ文庫)『グイン・サーガ・ハンドブック2』(ハヤカワ文庫JA)、それと漫画三冊。予定通りの買い物もあれば殆ど衝動に近いものもあり。

 先日初版を発掘して購入した佐藤賢一氏の作品が直木賞受賞。勝ったって感じ。……俗ですね私も。


1999年7月16日(金)

 どうもテーマに惹かれて仕方がなかったために、平山夢明『東京伝説-呪われた街の怖い話-』(ハルキ文庫)さっさと読了。真実味の濃い都市伝説、といった風情でなかなか興味深い。このシチュエイションをフィクションに変換して突き詰めればなかなか面白い作品になるんじゃないか、というテーマを至極あっさり処理しているのがいっそ巧み。ただ、てにをはの扱いがちょこちょこ誤っていたり、解説では誉めている(まあ貶すはずがないんだが)語句の用法にも、首を傾げたくなるものを散見した。しかしまあその程度は瑕疵ですな。なまじ現実に迫るものを感じさせるので、神経の細い人には勧められない(本当に強迫神経症になるかも知らんて)が、一読の価値有りと見ました。ネタ本にしたいぐらいだ。

 夕刻、帰り際に本屋に行ってまた散財。漫画四冊に連城三紀彦『火恋』(文藝春秋)を買う。連城さんは読むより先に文庫化されそうな気もするが(最近そういうケースが多いんですよ私)それも一興。

 帰宅してみたらデジアニメから郵便が来ていた。『プレゼントプレイ』の修整ディスクである。開封してみると、製品版と全く同じデザインの二枚のディスク……脱力。混同したらどうしてくれるねん。本当に気が利かないったら――いや大体理由は察しがつくんですが、それでもねぇ。取り敢えず元のディスクはパッケージに仕舞い、手続きに従って修正版をインストール、一話だけプレイしてみる。バグは解消……されてるんでしょうか。解りません。たまたま遊んだエピソードが『一話に一個、お約束脱衣ムービー』の鉄則をいきなり破ってくれた話だったため、肝心のムービーのチェックが出来なかったのですわ。どちらにしてもメッセージスキップが出来ない、コマンド選択の反応がやたら遅い、といったシステム的な不満を解消したものではないので、今まで通りちまちま進めるのみですな。しかしやっぱり解らない。一体これの何処が「華」やかな「劇」なんでしょか。地味な内面描写に終始してるんだもん。

 ……となりの山田くん、明日見に行こうかなあ、などと思う。初日に見に行くなんて、昔親父の仕事に付き合ったときぐらいしかなかったのだが。

 長篇、今頃軌道に乗る。遅い。最終章は勢いで書く必要があるので、日・月辺りに根を詰めて仕上げてしまいたい。すると投稿は……月末ですか。果たして今度はいつ結果が解るのか。


1999年7月17日(土)

 雨が降りそうなので映画は止めた。自転車で行ける距離に一軒上映館があるのだが、入っているうちに降られた、というのは何故か生理的に厭なのだ。という訳でこの日記などに使っているタイルのGIFファイルをちょっと手直し。最初に作った物は継ぎ目が出る上に字が若干見辛かったので、ちょっと工夫を凝らしてみた。ひとまずこれで決定稿としたいが元来斑っ気なので先のことは解らん。

 とかなんとかいいながら外出(それが斑っ気だと言うのじゃ)。仕事場のMac用にスピーカーを買うのが主目的、ついでにゲームソフトも適当に見繕う、という目論見があったのだが、薄々感じていたとおり何もなし。発見はいろいろあった。DVDは入荷しないとか言いながらC's Ware旧作のDVD化された奴が入ってる。嫌味言ったろうかと思ったが我ながら非道に思えたので止める。それとLeafの旧作のリニューアルパッケージを眺めた。何故か原盤通りの『To Heart』を除いて、3作の扉絵が差し替えになっている。それはまあ情報として得ていたんだが……水無月さん絵柄変わりすぎ。殆ど別人だ別人。……それはさておき、以前はこの店、古くなっても時流から外れてもなかなか値下げをしなかったのだが、売れ筋から外れた作品が結構値下がりしている。以下危険なので伏せ字、URANのここ暫くの新作とか『ONE』のスタッフが抜けたTacticsの最新作とかシナリオどっちらけの『リップスティックAdv EX』とか軒並み希望小売価格から2〜3000円下がっていた。ちょっと触手が伸びないでもなかったが、確率七割以上でクソゲーだろうから堪える。『スターウォーズ エピソード1 レーサー』を買うか買うまいかギリギリまで迷ったが、取り敢えず止めて結局スピーカーだけ抱えて帰る。汗だく。しかし多少汗をかいた方が体調がいいのは、体力だけは未だ健全だという証拠だろうか。それとも何かが無駄に蓄積しているのか(多分ストレスではなかろうが)。ううう、やっぱりツーリング行きたい。

 ホームページ造りは危険な誘惑。唯一構成が決まっていなかった「懊悩」のページを組み、昔ちょっとだけ書いていた書評もどきを張り付けたりする。

 長篇を書いていて倦むと掲示板を彷徨する癖がついた。今日も今日迚漂っていたら不吉な話を目にする。Leafがアンケートを返送したユーザーに配布しているという『こみっくパーティー』の修整ディスクに、またもバグがあるという話。またもまたもよ。まだ私の許にはディスクが届いていないので何とも言えないが……うーむ。翻って『プレゼントプレイ』の修正版の内容が気懸かりになってきた……


1999年7月18日(日)

 哀しい話。昨日はカレーうどんを頼もうとしたらルーが無くなっていた。今日雪辱とばかりに別の店で頼んだら、うどんが終っていた(そこはうどんもそばも一日に出す数が決まっているのである)。消沈。来週こそ喰う。

 黙々と長篇を書く。一応最終章だが何処までエピソードを切り、何処まで心情を描いていいものか迷いながらなので結構しんどい。煮詰まったので久々に『スターウォーズ』をやってみたり。進んだ。少しだけ。やっぱり反射神経切れてるんだな俺。


1999年7月19日(月)

 大森望氏の処の掲示板が再び死んだ。しかしすぐさま緊急の掲示板が用意されたので例によって覗く。トップのイラストに悶絶。これ。

 解らない向きには解らないだろうが。解ったら静かに堪能してくれ。
 何故か早々と帰宅。ぬへーとしてたら奇妙な宅配便が届く。『プレゼントプレイ』修整ディスク再び。黙殺しても良かったんだが良心が咎めて一応連絡した。どうやらアンケートとユーザーサポート依頼書を別途に送付したため、双方の経路で送られてしまったらしい。対応策は後日連絡するそうな。……だんだん気の毒になってきたな。

 大森望氏の処の掲示板が突如蘇生した。何事。

 先日書いた『こみっくパーティー』のバグ修整ファイルVer1.2が発表されたのでさっさとダウンロード、インストールしてしまう。結果は知らない。大体発売数日でメインキャラは殆ど攻略してたからなー(隠しキャラだけは面倒なので未攻略)。ソフトを削除していないだけで長いことまともに遊んでない。しかし何でこーバグフィックスの報告ばっかりなんだか。

 今日で学生は一学期終了か。……何か感覚が遠いな。


1999年7月20日(火)

 朝、腓(こむら)返り。寝覚め最悪

 昼食は雪辱のカレーうどん。納得。

 などと下らないことばかり書かなければいけないほど何もない日だった。だらだらと長篇を直し続けるが、縛りがないと一気呵成に、とは行かないようだ。でもあと五十枚も書けば終るのである。長かったよーまだ続くんだよー。

 ……っと書き忘れてました。息抜きにネットを彷徨いていたら、高見広春『バトルロワイヤル』の評判が当初認識していたより評判がいいことに気付き、慌ててバイト先の本屋に連絡したら「売れ切れたよ」ぐわぁーんあーんあーん……ついでに「本が溜まってるから早く取りに来てね」へーい。どのくらい溜まっているか予定表を眺める……あかん。明日は一万越えるかも知れん久しぶりに。『バトルロワイヤル』はかなり私好みそうなので買いだし、『KADOKAWAミステリ』もちょっと意地で捜したいし『青春と読書』8月号も色々あるから入手しておきたいし……久々に本屋巡りをする必要がありそうなり。でも水曜日ってそんな時間あったっけ俺。


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