1999年11月中旬の日常

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1999年11月11日(木)

 元号だと1が六つ並ぶが西暦を採用しているこの日記では大した感慨なし。11年11月11日11時11分の切符獲得に躍起になっている人々もいたような話をニュースでしていたが、へー、としか思わない。馬鹿馬鹿しいとまでは思わないけれど私の趣味じゃないらしい要するに。

 折角ローテーションを換えて貰っても最初の木曜日は暇だったりする。バイト先と行きつけのCD屋で買い物をし、あとはCG下絵のラフを何度も描く。うむ、森江春策の絵は当初の芦辺氏の要望である「竹野内豊」路線から「(ちょっと年食った)堂本剛」へ推移し、私の中では俄に「実写版・サラリーマン金太郎(即ち高橋克典)」に変容しつつある。――いいや、このまんま行こ。取り敢えず絵的な格好良さは増したぞ。処で今日買ったCDは郷 ひろみ『GOLDFINGER'99』(Sony Records)。やってもうた。振り付き? ……手だけでいい?

 速報。京極夏彦『百鬼徒然袋−雨』及び妖怪シリーズ副読本多田克己『百鬼読解 妖怪の正体とは?』(ともに講談社ノベルス)、ちゃんと刊行されました。恐らく大手取次からの正式配本は明日以降でしょう。小説の方にはあろうことか探偵小説なるアオリが添えてあります。多田克己氏の本の方は、新刊に至るまでの一連の妖怪シリーズに登場した妖異のものども+次なる長篇の主人公「陰摩羅鬼」について解説しております。挿画は全て京極夏彦氏の手になるものなので、ファンなら間違っても無視してはなりません。暫くお絵かきに心を注いでいたため、読書は滞っているのですが(しかも森江春策の絵を描くために『殺人喜劇の13人』が停滞しているという矛盾に満ちた状況)、一段落付き次第、一気読みする覚悟です。当サイトの書評欄で唯一、ほぼリアルタイムで対応しているのが京極作品なのである。

 掲示板にも書いたがこっちにも書く。12月16日、さだまさしの新盤『新・帰郷』が発売されるそうです。まさしんぐWORLDのホームページから直に入荷した最新情報。さだまさしは以前にも『帰郷』という題名のセルフカバーアルバムを発売しており、その続編的意味合いが濃いようです。収録曲は、著名なものだと「つゆのあとさき」「晩鐘」「飛梅」「檸檬」「秋桜」「セロ弾きのゴーシュ」など、全14曲。これからさだまさしに触れてみようとお考えの方や、昔好きだったけど遠離っていたという方、一度お手にとって下さいませ。入門・復習に打って付けの選曲となっております。当然私は全曲持ってるんだが、それでも買う。これを通ってなお興味をお持ちの方は掲示板にでもそう書き込んで下さい。どんどん悪の道に引きずり込んでさしあげます。そして来年、共に長崎参りを致しましょう。

 先月に引き続き、また漫画の負債が出来てしまった。今えっちらおっちら消化している最中。今更だが野間美由紀さんの漫画は面白いです。辛辣な表現者の見地からすると、ここまで冷静かつテキストに依存した本格ものをコミックにする必然性はどの程度あるのか、などと考えてしまうのですが、お話の組み立てそのものは流石に達者。今回読んだのは先月の新刊『アダマントの砦』(白泉社・花とゆめコミックス)ですが、私自身のお気に入りは第二話。表題作である第一話は、導入以外がややありがちに流れているのだが、第二話は運命の悪戯を巧妙に演出しているのが好き。第三話は、着眼はいいのにややまとまりが悪いか?(しかし冷たいな俺)でも面白いです。そう言えば来月出る文庫版の解説は芦辺さんだったよーな。……あ、ちゃんとリスト更新しないと。因みに漫画の負債は今日漸く一桁に戻りました。ふええ。

 そうそう、第二掲示板は今後ゲーム&第一掲示板ではやばそうなディープな話題を主に扱う方向にしていこうか、などと考えております。というか内田さんがさっさとやばい方向を輸入し始めているからなし崩しにそうせざるを得なくなりつつある。という訳で、ゲームの話(18禁に限定しません、但しネタバレは禁止か伏せ字にすること)、及びちと危険な匂いのする話題はそちらで振って下さい。但し、生々しく法律に抵触するのは無論のことペケよ。


1999年11月12日(金)

 己のボケを自ら突っ込む。昨日、掲示板に書き込んだ情報はさだまさしの新盤についてではなく、さだまさしの所属事務所「さだ企画」で12/1より開始するインターネット接続サービス&メールサービス「@masashi.ne.jp」のことである。多分契約すると思う私。そうしたらそっちを公開アドレスにすると思う私。近いうちにさだまさしのホームページ上で手続きが出来るようになるようです。

「今日は雨が強くなるらしいから」と親に言われて車に同乗して職場に向かったのだが午前中から午後四時頃まで纏まった雨が降る様子はなし。そして仕事もなし。午後ぼーっとしていたら親父(取締役だ)が「三時頃まで待機して何もないようなら帰っていいぞ」などと言い出す。足がねえよ。
 朝と夕方二度バイト先の本屋を訪れて、コミックビームの最新号に太田忠司『大鴉博士 新宿少年探偵団』(講談社文庫)恩田 陸『木曜組曲』(徳間書店)島田荘司『最後のディナー』(原書房)を購入。新宿少年探偵団は、前巻の文庫化に際して辰巳四郎氏を装幀に起用したのが不興を買ったのか、今回はノベルス版同様大貫健一氏のイラストが表紙を飾り、挿画もほぼノベルス通りのものが収録されている。しかし表紙絵はキャラクターデザインを変更したものなのに、挿絵はノベルス版をそのまま流用しているのはちと手落ちではないだろうか。『最後のディナー』は御手洗シリーズ、と呼ぶべきなのか石岡シリーズと呼ぶべきなのか。書き下ろし作品以外はコミックアンソロジーに収録された短編なので既読なのだが、表題作は一応御手洗が謎解きをしているので御手洗シリーズに数えてもいいのだろうか。ほぼ正方形の変形装幀で、定形のカバーを用いている書店では迷惑するだろうなー。因みに私のバイト先が定形を採用していたりする。

 近所に新しい古本屋が出来た。看板や貼り紙に現れているとおり主体はコミックとビデオ(二階にアダルトが山積しているらしい。見なかったけど)で、書籍はコミックの間を縫うように散在しているだけ、といった感じ。講談社版の横溝正史作品集があちこち歯抜けで、竹本健治『狂い壁狂い窓』(講談社ノベルス)が初版・帯なしの比較的綺麗な状態で置いてあるのを見かけたが、ふんぎりがつかずに見送った。文庫が一冊80円、三冊で200円というのは書いてあるのだが、他の一般書籍については価格を明示していないのも二の足を踏ませる一因だった。如何にも開店したてで、一応書籍や文庫は五十音順になっているものの棚があちこちに散っていてまだ整頓がなっていないという印象。一部の棚が衝立の向こうになっていて手出ししづらかったりもしている。暫く経ってからまた仕切り直してみることにする。
 そんな風にぼーっと棚を眺めていたら、後ろの方で何やら紙を破るような剣呑な音がした。驚いて振り返ると――レジで従業員二人が本に掛かったカバーを外している姿がそこにある。なお、剥いでいるカバーは私のバイト先のものだった。わーい沢山裸に剥かれてるーっっ

 荷物に埋もれる机を掘り返し(作業領域だけは確保してあるんだがあとはがらくたの山。CDも積み上がってる)、あるプロバイダとの契約書を引っ張り出した。メールのやり取りにすら使っていなかったアカウントだったのだが、先日ちょっと日記で言及したCGIを本気で実践するために、死蔵品もここらで活用してみようという気になったのだ。で、幾つかの設定を修正して、メールソフトに登録して、試しにメールボックスを点検してみる……暫くほったらかしにしていたから、多分あるだろうな、と思っていたら案の定、二通ばかり残っていた。一個はプロバイダからの情報メールだったのだが……不思議なのが一個、届いていた。
 件名は「8日はOKです(T.O)」、着信は11/4。肝心の文章は一切書かれていない。無論、送信者の名前にも心当たりはない。宛先がeメールアドレスそのものになっていたなら書き間違いで済ませることも出来ようが、宛先の欄には間違いなく私の名前が入っているのだ。8日って何。今週の月曜日って何かあったか。何なの一体。送信者のアドレスは一目瞭然なので確認してもいいんだが……それ程のことでもないような気もするのだが気になって仕方がないのだけれどやっぱりどうでもいいような気がして結局俺はどうするのだ。
 しかし目下最大の悩みは、このアドレス一体何に使うのか、ということだったりする。……ポスペでもやるか?


1999年11月13日(土)

 日記が習慣化した、完全に。ぼーぜんと時間を過ごしていたのに、0時が近付くと俄に「あ、書かねと」という気分になったのである。恐るべし。普通の日記がこんなに長く続いたこともなかったが。

 日中にお買い物。PC用ゲームソフトの『ニーベルングの指輪』(SUCCESS)、それとFont集を一本。これでやっとイメージしていた看板が作れる。『ニーベルング〜』はCD-ROM6枚組という久々に見る過激な分量の海外物アドベンチャー。……もしかして初めてやる海外物AVGか? 『MYST』などの下馬評などから推すにどうも私好みではない、という認識が固定してしまって今まで手をつけずに来た海外物である。縁があったので試しに購入してみた次第。どうも初っ端から目的が明瞭としないため、とっつきがなく進めづらい。グラフィックは綺麗なんだが、冒頭だけ見ると私向きではないかも知れない。時間を見付けてじっくりとやってみてから、改めて判断します。いつや。

 芦辺 拓『殺人喜劇の13人』(講談社文庫)読了。ああ、本格ミステリだ。構成や叙述の部分で青臭さは否めないながらも、惜しげもなくつぎ込まれたトリックに周到な伏線、そして解決部分の精緻さ。傷を補ってあまりある情熱に満ち溢れた本格ミステリである。なんで今までこれ程の作品を読まなかったのだ、って文庫化になるのを待っていたからなんだけどさ。書籍を買ってすぐに文庫が出る、という事態にまだ怯えていた時期だったからね、存在を知ったのが。勿体ない。それ以上に読むのに時間を掛けすぎたのが痛い。一日二日程度で読み切ってしまえばもっと素直に感激できただろうに。何故そんなに時間がかかったのか、って森江春策の絵なんか描いていたからじゃねえか!! 本末転倒。早くかこ。


1999年11月14日(日)

 今後は少し能動的になろうと心に決めた。待つこと自体は嫌いではないが、ちゃんと決まった約束などどこにもないのであれば自分から会いに行った方が精神衛生上遙かにまし、というものだ。
 ……さて、私は何の話をしているのやら。

 今日はひたすら家に籠もって、日中は読書を中心にお絵かきと部屋の片付け、というか寝台の上に堆く積もった雑誌の整頓。一応現時点の最優先事項はお絵かきなので、本格的なお片づけは厳禁なのである(何故かというと、作業のとばっちりを食って下絵を描いた紙をぐしゃぐしゃにしかねないからだ)。いやー、しかし……私、定期購読誌多すぎだなこりゃ。溜まる筈だよ。ベッドの上に未だ「1999年2月号」とか「1999年5月号」とかいうのが混在している辺り、どうやら今年のはじめから一度も整理してなかったようだし。月に一度は真面目に整頓しないと結局あとで苦労するのだと、実感しているつもりなんだが、結局解っているだけでは駄目なのか、それとも根本的に自覚が足りないのか。いずれにしても早くお絵かきしないと、と一体何回書いていることやら。

 吉田拓郎のベストアルバム、ジャケットの爪がまた壊れた。しかも、交換後から今日までほったらかしにしてあって、今日初めて開封したのだ。その間にもしかしたら手荒な扱いをしたかも知れないが、こうも簡単に破損するのは些か変。もう一度販売店に連絡したところ、発売元では同種の報告を受けていないという話だったが……。二度、同じ質の不良品にぶつかる可能性もないではないが、後顧のために直に話を聞いておくのも悪くはあるまい。兎に角後日もう一度販売店に交換してもらって、同時にフォーライフ(発売元)の連絡先も窺う、という手筈を整えた(ホームページに連絡先は記載されているのだが、何処に話をすればいいのかよく解らないのである。多分管理部辺りだとは思うのだけど)。面倒臭いーと言いながら買い物に行く大義名分が出来たとこっそり喜んでいる私って一体。


1999年11月15日(月)

 どうも根本的に筆無精の質である。こうして対象をあまり特定しない文章であれば割とすらすら書けるのだが(創作は別ね)、e-Mailにせよ郵便にせよ、特定の個人宛に出す手紙というものに異様な苦手意識がある。出さなければいけない郵便二つにせめてもの謝意を文章にして添えようと便箋まで用意したというのになかなか書き出せない。いざ書き出せばある程度の文章はすぐに結べるのだが、そこにかかるまでが兎に角長い。午前中、各々一葉ずつの礼状をどうにか認めて同封し、午後一番で郵便局に持ち込んだ。都内だからおそらく明日か明後日までには届く筈。間が空いてしまって申し訳ないです。

 午前中は例によって暇だったにも拘わらず、何故投函が午後になってしまったか。まだ書状がかけなかった、という事情もある。が、最大の理由はまた別にある。書状を認めているうちに照れを感じて、一旦席を立つとバイクに乗って出立した。背中のリュックには吉田拓郎のCDが入っている。昨日触れたあの件で出掛けたのだ。その前に丁度通り道なのでバイト先に寄り、二階堂黎人『諏訪湖マジック』(トクマ・ノベルズ)(と京極の新刊もう一冊……)を購入した――で、ここで何故かUターン。そそくさと帰宅して整腸薬を飲む……そういうことである。尾籠な話で失礼。

 ぼさっとしているうちに雨が降り出し、午後は身動きがならず、自転車で職場最寄りの郵便局に立ち寄るのが精一杯だった。吉田拓郎は明日交換して貰うことにして、帰路も両親の車に便乗させて貰う、がそれでも本屋には寄ってもらう。漫画が何冊かと文庫が入っているかも知れないから、すぐに終わる、と言って待って貰った。で、店内をざっと物色。馳 星周『M』(文藝春秋)竹本健治『パーミリオンのネコ 殺戮のための超・絶・技・巧』小松左京『夜が明けたら』(このタイトルを見るたびに頭の中に「りりぃ」の歌声が……)、柴田よしき『RED RAIN』(以上三冊、角川春樹事務所・ハルキ文庫)大岡昇平『事件』北方謙三『渇きの街』星新一『妄想銀行』松平 厳(注・「いわお」の字は旧字です)『乱歩と東京』(以上四冊、双葉文庫・日本推理作家協会賞受賞作全集)、あと、漫画が三冊
 ……………………
 何となく背中を丸めて車に戻った。

 柴田よしき『RIKO -女神の永遠-』(角川文庫)読了。久しぶりに集中的に読んだ(それでも二日かかった)。いや、面白いです。濃厚な性の匂い(決して不埒な意味合いではなく)に好き嫌いの差が極端に出るだろうが、徹底的に突き詰めたジェンダーの相克というテーマもその描き方も私好み。初期作品だからか、文章に人によっては取っ付きづらくなる種類のアクがあるし、プロットにも雑さが目立つのだが、それ以上に読み手を惹きつける筆力が凄い。柴田作品はこれから刊行順に添って読んでいくつもりだったが、否が応にも期待は高まる。うう楽しみやん。でも読むもの・読みたいものが多すぎるというのも一種の不幸だな(贅沢な)。

 じまんばなし。皆さんは30MBのプログラムをインターネットでダウンロードするのに何分かかりますか。今夜、某所でずーっと発売が延び延びになっている某ソフトのオートデモが公開されたので、早速ダウンロードしてみたんです。0時33分頃に開始して、終わったのは0時56分。久々にケーブルネット接続の恩恵を実感した一瞬。因みに某ソフトはここからリンクを辿っていくとダウンロードページに辿り着きます。但し、言うまでもなく18禁よん


1999年11月16日(火)

 やっと吉田拓郎のCDを交換に行った。もう苦情を言うのも面倒臭い心境ではあったが一応連絡先を教えて貰う。次があった場合は流石にじかに訴えた方がいいだろうし。で、ついでにHI-POSI『4N5』(Heat Wave)を買う。第二掲示板でちらっと話題になって、もりばやしみほがヴォーカルを担当していると聴いたので、思わず。決心するに至るファクターがちゃんと介在していたとはいえ、実に簡単に感化されてしまう男である。
 何だかよく解らない題名の読みは「シンゴ」らしい。出来自体はなかなか。最近流行のガールズポップ系とは微妙にずれた、囁きに近い歌い方と過剰なリズムセッションで理論武装したテクノ、といった感じ。何故今までまともに名前を知らなかったのか、と思っていたが……宜なるかな。売れにくいわこれは。個人的に一番困ったちゃんはジャケットデザイン。時々発売される紙製の、かつてのLPを思わせるポケット式のデザイン(これ、LPのように元々のサイズが大きいものなら問題はないのだが、CDぐらいのサイズだと簡単にポケットから滑落して却って危ないと思うのだが……)にちょっとした工夫を凝らしたものなのだが、これがどうにも扱いづらい。壊れると泣きたくなりそうだし。いや、でも楽曲自体は、繰り返し聴いているうちに癖になってきます。不思議な魅力だ。今後もちまちま付き合ってみるかも。しかし……いつの間にこんなに沢山発売してたんじゃ。

 夕方からバイト。先週は雨模様だったので楽だったのだが、好天に恵まれた今日はなかなかの人手で結構忙しい。暇なら暇で疲れるものだが、忙しいときも当然の如く疲れは溜まる。久々にバイト先でまともに働いた、という心地がして今とてもグロッキー。今夜は掲示板へのレスもサボろうかなー、などと思ったり。例によって斑っ気だからあっさり翻意するかも知れないけれど。

 帰宅すると、私宛の荷物が届いていた。『ダークロウズ』(アリスソフト・18禁)。ユーザークラブ通販で注文したもので、特典付きで発売三日前指定で発送されたものである。だからリアルタイムで見ている方、店に行ってもまだないよ。それはそうとこのソフトの一般発売は11/18。今日は16。一日遅い。実は昨日届かなかった段階で変だとは思っていたのだが。しかし、母の話では、宅配便の人間は昨日の夕方確かに来た(通販では配送時刻指定が出来、私は18〜20時でお願いしてあった)、と言ったそうだ。そりはおかしい。今日はともかく、昨日は午後6時頃にはほぼ全員が家内にいたのである。想定しうる原因は、夕方から夜半にかけての大雨で玄関先からの呼び声が聴こえなかった、という奴だが、宅配便の人間が言うにはちゃんとチャイムを鳴らした筈だ、と。しかし本当にチャイムを鳴らしたのであればその時間帯階下の台所に立っていた母が真っ先に気付いた筈だ――尤も、私の母とこの問答をした宅配員は昨日の担当ではなかったそうな。昨日は早々と帰宅して玄関前の門も閉めてしまっていたため、宅配員がチャイムに向かう前に挫折したかどうかしたのであろう。怠慢もいいところだが。
 しかし――肝心の荷物。箱がデカい。思わずフォント+2してしまうぐらいデカい。そして軽い。中身はソフトとクッション。いやー並べて書くと柔らかそう。ソフト以外はクッションだけ。当然だろうと仰言るか? でも入っているのは文字通りのクッションなんだが。え、じゃあそれが特典なんだろう、ですと? ――そのとおりです。しかし無駄が多い。ソフトもクッションも出してしまったあと、普通の方は後始末に困るだろうが。私? 私は嬉しいよ。何故って、本を仕舞う箱が増えたからね。ふーんだ。


1999年11月17日(水)

 今読んでいるのは京極夏彦『百器徒然袋−雨』(講談社ノベルス)。最近ひたすらお絵かきの日々で、読書は仕事中の小閑のみ選んでしているので進捗はいまいちなのだが、取り敢えず第一話『鳴釜』は読了。バイト先の常連さんに伺って予備知識はあったが……いやー、コメディだこれは。アオリの「探偵小説」という文句にも偽りはないが(榎木津の造形や展開の具合にホームズ譚の正嫡といった風情がある)、久々に「愉しい」小説を読んでいる、という実感がある。それにしても白樺湖で一体何があったのだ。

 それにしても癖になるぞハイポジ。何だか一日中聞いてしまったではないか。

 今使っているPHSの使い勝手がいまいち良くないので、そろそろ機種変更しようかと思っている。私が契約しているのはDDIポケット。そこで俄に気になるのがあのH゛という奴。江口洋介とトータス松本が出演しているCMのあれである(ところであのCMにおける二人の関係って一体何なんだ? 誰か教えてくれー)。音が良くなるとか繋がりやすくなるといった些末には全く興味がないのだが、これまでの契約の延長で利用できるのであれば、候補に加えても悪くない――というか、機体価格に+機体変更手数料ぐらいで済むならそちらを選択した方が遙かにいい。という訳で帰途、上野に寄って某量販店で説明を聞きパンフレットを頂戴してきた。どうやらある程度の期間契約が持続しているなら、番号もそのままで移行できるらしい。ならば万事問題なし。後日、所用のついでに機種変更します。しかし、店頭で眺めていて思ったのだが、携帯電話本体ってどうしてこんなに沢山種類があるんでしょう。しかも機能的に似たり寄ったりのが。無意味に迷わされるではないか。そしてもう一つの困ったちゃんは「オープン価格」という奴。性能が殆ど同じなら価格と筐体デザインが思案の材料になるのだが、この際標準小売価格が示されていれば実勢価格も大凡の想像がつくというのに、「オープン価格」では店頭で比較検討するしかない。数枚のパンフレットを前に途方に暮れる私であった。
 因みにこのハイブリッド携帯の「H゛」という名称、私は何となく「ヘッジ」と読んでいた。正しくは「エッジ」。いやまあそう言われればその通りなのだが、何となく腑に落ちないのがどうも。

 ――さて、それから数分後。「H゛」CMにおける江口洋介とトータス松本の関係、こちらのホームページに記載されていることに気付きました。CM最新作(どちらの携帯の音がいいか、シューマイと餃子を賭けて勝負する奴)に関してはそれまでと設定が違うような気がしていたのですが、特筆していないということは同じなのでしょう。江口が社長でトータスが専務。しかもかなり親しげなのに江口が「H゛」を利用しはじめたことを知らなかったらしいトータスって一体。


1999年11月18日(木)

 忙しかった訳じゃないのだが、校正箇所の指定がなかなか届かないため暫く居残り。その間にほぼ間違いなく訂正するだろうと思われる箇所についてこちらで直そうとしたのだが……巧くいかない。自宅でPhotoShopばかり修練を積んで、Illustratorから目を背けていたツケがいきなり噴出した気分である。やはり副読本でも購入してきて、もう少し真面目に学ぶべきだろうか。さんざん手こずった挙句に何がまずかったのかは判明したので、今後同じ失態を犯すことはないにしても、だ。結局指定が届いたのは7時近く。帰り際にPHSの機種交換をしてこようと思っていたのだが、ちと遅くなってしまったので明日に順延。これで11桁表示に対応していない機体とお別れだ、と楽しみにしていたというのに。

 ……うん、今日は書くことが殆どないぞ今の処。あ、そうそう、さる方から『別冊シャレード20号 芦辺拓特集』と『QUIJINKYO49 特集・芦辺拓』のコピーを戴きました。ある程度追いついたら読むのです。ほくほく。
 兎に角今日はこれだけアップしたら懸案に取りかかろうと思います。じゃあねー。


1999年11月19日(金)

 朝、簡単な仕事をひとつ済ませると、次の用事までの空き時間を利用して上野へ馳せた。某量販店でPHSを交換するのである。だが、まだ開店間際だった所為か店員の数が少なく、肝心の「H゛」の売り場付近に人がいない。数少ない店員はそれぞれ新規・更新契約の手続きに右往左往しているので、呼び止めるのも悪い気がして、一旦場を離れてPCソフト売場へ。目当ては二つあって少し迷おうかと思っていたのだが、一方は発見できず選択の余地なく『トゥインクル・レビュー』(Fairy Tale)を購入。買ってから言うのも何だが妙に魅力を感じないソフトである。一応遊ぶつもりだがこれを書いている今もまだ封を切っていないし(尤も、手をつけていない理由はもう一つあるが――それは後述)、何故これ程の短期間に同一レーベルから二本のソフトを発売するのか今ひとつ理解できない。しかも来月にももう一本発売するぞ。どういうつもりだ。……話が逸れた。ともあれ時間もあまりないので、もう一本には執着しないことにして再び一階の携帯・PHS売場へ。……処でもう一本って何のことだと思います? 当たっても何もあげないけど。
 今度は簡単に店員が捕まった。早速交渉にかかる。が、当初の希望だったフリップタイプ(番号キー部分に蓋が出来る奴)は現時点でPanasonic一社のみの供給で、しかも現在品切れなのだという。供給数が多くないそうで何処に行っても品薄らしい。仕方がないので、キー部分剥き出しのストレートタイプで、東芝製の奴を選んだ。契約や設定の移行に20分ほどかかるというので、その間を利用して明正堂を訪ねる。KADOKAWAミステリが未入手だったのだが、この雑誌の特徴としてあまり店員に認識されていない、その上売り切れ、というお馴染みの状況が再現されただけだった。梁石日の新刊や先日発見できなかった『ポジオリ教授の事件簿』も見付けたが、迷っている時間がなかったのでそのまま出る。PHSを受け取ると、既に帰投するつもりだった時刻はとうに過ぎている。泡食って職場に戻るが、用事はあっさりと終わるのであった。元々私がいる必要はないんじゃないかと思っていたが。……まあ、ほかの買い物は後日でも構うまい。
 待機中の暇を利用して、PHSの電話帳データを移動する……と言っても、元々が受け専用として契約したものなので、大した数は登録していなかったためさっさと終わる。しかし前の機種はカタカナ表記だったため見た目に雲泥の差がある。
 ほかの機能もちまちまとチェック。特に、個人的に楽しみだったのが着信メロディ設定である。既存のものを利用するのは信条ゆえ耐えがたいものがあるので、手動でメロディをせっせと入力する。たっぷり3時間ぐらいかけて完成しました、椎名林檎『正しい街』。最早膏肓の域に達しつつあります。ギター片手にまず楽譜を作成し、幾度も研鑽を繰り返した結果、なかなかの出来になりました。音の同時発色が三つぐらいまで可能ならもっと手の込んだものを作っていただろうが(それとも辛抱できずに頓挫していたか?)、主旋律のみなので休符の処などは細かく端折っている。それでも原典のニュアンスはかなり再現できたのではないか、と自画自賛してみたり。しかし新規入力が一曲では寂しいので、もう一曲ぐらい登録してみたいのだけど……はて、何がいいやら。いい案御座いませんか? ありましたら送信フォームからどうぞ。満足するのは多分私だけですが。

 ……などと莫迦をやっている場合ではない。まだCGの下絵が三、四枚ペン入れを終えていない。何より、さっさとこの風邪気味の身体を全快させなければ。

 唐突な話題。ここ二、三日ワイドショー等を騒がせている某団体の元代表氏の発言を聞くたびにどうしてこうも笑えるのか、と思っていたのだが、今さっき突然気付いた。幾つかの掲示板に登場する某氏に似ているのだ――論旨が、でなくて質問への対応の仕方が。自分の論理が何処か歪んでいることに気付かず、その論理を冷静に積み上げていくと自分以外の全てが間違っているという趣旨になっていることにまるで無自覚なのだ。その癖ちゃんと議論が成立していると思い込んでいるようだし。腹から湧いてくる笑いはどす黒く、そのことに我ながら嫌悪感を禁じ得ない。一度見つめ直してみたらどうですか、自分と世間との関係性について。


1999年11月20日(土)

 というわけでリターンマッチ。前回のバカ買いで発見できなかったT・S・ストリブリング『ポジオリ教授の事件簿』(翔泳社)を含めて、標的は大体定まっている。出陣は11時頃とやや遅めになったが、十分ほどで捜していたものは全て腕の中にあった。『ポジオリ教授〜』に東雅夫・編『怪猫鬼談』(人類文化社)山口雅也『ミステリーDiscを聴こう』(メディアファクトリー)飛鳥部勝則『N・Aの扉』(新潟日報事業社)、とKADOKAWAミステリの最新号、以上五冊。数は少なくとも、新刊で買うと莫迦にならない。他にも柴田よしきさんの未購入分を候補に入れていたのだが、店頭在庫の状態が悪すぎるので断念した。店員に他の在庫を当たって貰うという方法もないではなかったが、そこまでするのは諸般の理由から躊躇われて、五冊のみ抱えてレジに向かう。
 そこで止めればいいのに、帰途もう一件寄ってしまう――と言っても今度はCD。さほど悩むことなくHI-POSI『GLUON』(日本コロムビア)を購入した。帰宅後ネットで検索をかけてみたのだが、どうもこのユニット随分と紆余曲折を経験しているようで、今市場に出回っているのは再々デビュー後の作品群であるらしい。それ以前はフルアルバムすら発売されていない。――うーん、普及してあげたくなってきた(やめい)。取り敢えず非公式ページらしきものを発見したので日記内にてリンクしておきます。ここここ。CDのレビューもそのうち真面目にやります。そのうち。
 昼食は近所の行きつけのうどん屋。先日両親が訪れた際に『本格推理15』をあげていたので、食後客の切れ目で暇になっていた旦那に捕まって小説談義になる。と言っても私は専ら聞くだけだった。以前は身辺にミステリ者が殆ど居らず禁断症状気味だったが、HPを立ち上げてからはミステリというジャンル自体に執着のない、あっても薄めという感じの人の意見に飢えるようになってきたので、それなりに参考になった。しかしいつ席を立ったらいいんだか。お客が纏まって入ってきた隙を見て漸く解放される。しかし、やはり三国志ぐらいは通読した方がいいんだろうか。……気力なし。

 記録を見直してみると、どうも私は今週一杯かけて京極夏彦の新刊を読んでいる。いい加減手前の鈍さに腹が立ってきたので、作業にかかる前に読了してしまうことにした。――そう言えば今月に入ってからまだ一本もまともな感想をアップしていないじゃないか。ネタはあるというのに。

 ……ところで、「幻想的掲示板」というのは、常連の殆どがトップページを通らずに訪問しているんだろうか……たまには見ましょうよトップページ。倉阪鬼一郎氏のページや東雅夫氏のページの更新時期も解りますし(……そう言えば東さんのページの復活はいつなんだろう……)、重要な連絡事項も記載されていますし。ちなみにここで張ったリンクは仮の幻想的掲示板の方です。

 暫くまともな更新をしていなかったし、書きかけで野晒しにしているのがいい加減恥ずかしくなってきたので、一旦お絵かきも読書も中止して山田風太郎『忍法関ヶ原』(講談社文庫)の感想を書き上げた。粗筋を記す段で迷いが生じまくって今まで頓挫していたのだが、久しぶりに手をつけたら意外にすらすらと書けた。あー胸の支えが降りた。これで漸く他の書評にもかかれるぞ、と。忍法帖布教計画もそろそろ簡単な改築を加えるつもりです。


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