2000年5月上旬の日常

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2000年5月1日(月)

 ゲームをやり続けていて気づけば深夜の三時。昨晩は『まじかる☆アンティーク』のあるキャラの攻略方法の理不尽なまでの難しさに激怒し、その所為でまんじりともせず延々試行錯誤を繰り返していたため、昼間は寝不足だった。幸いにして、というかごく自然の成り行きというか、仕事は全くなかったので昼過ぎには帰宅し、昼寝したあとは流石に懲りて『不確定世界の探偵紳士』を進める。アドベンチャーものとしては破格の自由度の高さを誇っているが、反面事件毎に先に進める要素が見つけづらくこちらも往生した。特に暗号もどき、子供だましと言えばそうだがこじつけが過ぎてすぐには真意を掴みかねたぞ。そのために三日ぐらいシナリオを戻した。他にもゲームについてあれこれ言いたいことはあるが時間がないので一旦省略。覚えていればいつか書くだろうきっと。
 夕食は両親が近所の知り合いを誘って近くのお好み焼き屋に行くというのでそれにくっついて行く。父の提言で注文した納豆もんじゃにチーズを入れ、更に青海苔・山葵までまぶしたのがハイライトだった。最初は納豆の匂いが狭い店内に広がって騒然としたが、いざ食べてみると意外といける。他の席にいた二組にもちょっとずつお裾分けして感動を分かち合った。

 今日我が家に新たに積み重なった本は稲川淳二『稲川淳二のこの心霊体験がスゴイ!!』(竹書房文庫)竹本 泉『さよりなパラレル(3)』(角川書店・カドカワコミックスドラゴンJr.)若竹七海『火天風神』北川歩実『猿の証言』(以上新潮文庫)、そして芦辺 拓『怪人対名探偵』(講談社ノベルス)ほか定期購読誌一冊。芦辺さんの新刊は今夜中にスキャナーにかけて書影を例の場所に掲げるつもりだったのだが、結局今の今までゲームに明け暮れていたため機会を失う。すいません明後日までには必ず。


2000年5月2日(火)

 今週は結局仕事なし。あ、バイトはあったか。最近あまりにも読書が滞りがちなので空き時間は主に読書に費やし、午後は惰眠を貪るが誰も起こしてくれずそのまま夕方になりバイトに向かう。
 店員の方から話があって、私は今月いっぱいでバイトを辞めることになった。未練とかそういうものは特にない。そもそも昨年の三月に実家の仕事を手伝うことが決まったため辞めるという話をしたのだが後継がなかなか見つからず、また新しいバイトが入っても時間の都合がつかないとかなかなか仕事に慣れないとか問題があったため以後も暫く僅かに時間を減らしただけのスケジュールで働き続け、漸く落ち着いたかと思ったら今度は社長の体調が思わしくなく、せめて夜だけでも休養を採りたいという話になって私が週二回、昨年末ぐらいからやっと週一のゆるやかなペースにこぎ着けたのだった。結局二月末に社長が亡くなり奥さんや娘さんが店の経営に携わるようになって少しずつ店内の様子も移ろい、そして先日新しいバイトが入ったこともあって、私は退職を願ってから実に一年以上かかってやっと完璧にお役御免となった訳である。まあ辞めようがどうしようが私が店の常連を続けることに変わりはない。唯一苦しいのは、僅かとはいえ貴重な収入源が失われることか。……どこかの月刊誌で雑文書き使ってくれないかなー。18禁ゲームについてならかなり熱く語る自信があるのだが。

 本日のお買い物は神坂一・トミイ大塚『スレイヤーズすぺしゃる(1)』(角川書店・カドカワコミックスドラゴンJr.)森生まさみ『聖はいぱあ警備隊(10)』やまざき貴子『っポイ!(16)』(以上白泉社・花とゆめコミックス)中井英夫『薔薇幻視』(東京創元社・創元ライブラリ・中井英夫全集(11))田中芳樹+らいとすたっふ『アルスラーン戦記読本』(角川文庫)。『黒衣の短歌史』は一体いつ発売になるんだか。

 芦辺拓著作リストに、やっと最新刊の書影その他を掲載する。スキャナーにかけて画像を作ることぐらい、どんなにかかっても三十分程度で済むことは解っているのだけど、すぐに取り組めない無精さが自分で厭だ。

 明日から五連休である。といっても前に記したように、私の主な仕事は室内の補修工事ということになるのだけど。


2000年5月3日(水)

 何となくいつもより早起きしてしまった五連休初日。あと一篇を残すのみとなっていた芦辺 拓『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』(原書房)を読み終え、先日の観劇オフの文章に「これは書いて置かねば!」と思いつつ書き漏らしていた点を幾つか追加する。結局平日と同じ事をやっているだけのような気がするのだが。

 昨日のことだが稲川淳二『稲川淳二のこの心霊体験がスゴイ!!』(竹書房文庫)を読了する。新耳袋のような端正な怪談集を通ったあとでは、気楽な語り口調そのままの文体や中途半端な因果関係の描き方などに不満を覚えてしまう。第一章のみが稲川淳二の体験や見聞による物語で、それ以降はホームページなどに寄せられた一般読者の体験談が綴られているのだが、その後ろに稲川淳二による講評が載っているのが邪魔。体験談に過ぎないものに点数をつけるんじゃない。やはり稲川淳二は語りそのもので聴いた方がいい、という訳で六月にCDが出るらしい。

『名探偵博覧会〜』の感想を書こうと思ったのだが、久しぶりに粗筋を細かく搾り取っていたら疲れた。後ろ二本分の粗筋を残して頓挫する。明日ね明日。

 久々に近所にある行きつけのうどん屋で昼食を採ろうと出向いたのだが、ここ暫くの御多分に漏れず、店から人が溢れて待っている状態。十分ほど待ったが状況は良くならないので、駅を挟んだ反対側にあるラーメン屋で食べる。繁盛しているのはいいんだが、お陰でご無沙汰になってしまっている。時間をずらさないと駄目なんだろうか。

 夕方に『不確定世界の探偵紳士』(digiANIME・18禁)を終らせる。悪くないです。この脚本家の癖である論理的誤謬や伏線の回収の甘さ、妙な当て字、演出やシステム面での拙さなどなどといった一連の欠点は全く補われていないのだが、旧作に近い世界観を用意したこと、比較的自由度が高くゲームとしてある程度成立しうるスタイルを選択したことで、かなり心地よく遊べる仕上がりだった。相変わらずの点として挙げた論理的誤謬、逆にあまりに御都合主義が強すぎるシナリオ展開など、純粋な物語として見た場合、やはり傷が多すぎるのと、旧作に較べてカタストロフィに乏しいのが難だが、所謂アドベンチャースタイルのゲームとしては近年屈指の収穫と言っても過言ではないだろう。『真・瑠璃色の雪』に次いで今年度のベスト候補に挙げてもいい。ただ、題名にある「不確定世界」という言葉はあまり適当とは思えなかった。意図は理解できるが題名に冠するほど説得力は感じられなかった。

 ゲームやって読書して、とやっていたら案の定片付けは進まなかった。山を軽く切り崩して、若干安定性のある形に整え直しただけ。


2000年5月4日(木)

 どうも今日の朝のテレビ番組で紹介されてしまったらしい、この辺。昨日の雪辱に行きつけのうどん屋を訪れるも、そもそも町中に人が溢れていて店の前には八人からの順番待ちの列が出来ている。やむなく、ちょっと奥まったところにある、こちらも最近ご贔屓の中華料理店で昼食を採ったが……釈然としない、という段階を越えて訳もなく腹が立ってくる。そう簡単にメディアに乗せられるんじゃねーよ、と。無論理不尽な怒りだと自覚しているのだけれど。
 暫く食べに行っていないため親もやや欲求不満だったようで、夕飯はここで掻き揚げとうどんを持ち帰りで出して貰い、それを自宅で食べた。

 昨日からの宿題を一個片づける。芦辺 拓『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』(原書房)の感想をどうにか脱稿。元々短編集は書く粗筋の量が多い分手間がかかるのだが、今回はいつにもまして書き込んでしまった嫌いがある。身贔屓でも何でもなく優れた作品集だと思います。日中には仕上がったので日記に先んじてここだけサーバに転送してしまい、早速御報告いただいた誤記などを修正したり。
 夕方からはテレビを眺めながらまた部屋の中にある山を切り崩す。何故室内に斯くも大量の本が積み上がったのかと言えば、買ったあと「これは早めに読もう」と脇に寄せた新刊が、結局読むペースが追い付かず徒に増えてしまったのが最大の原因だろう。加えて、読むことよりも収集を優先し、成る可く棚に収めるようにしていた書籍類が収まりきらずに溢れ出してきたのも拙かった。特にジュブナイルやファンタジー系の、巻数が二桁に及ぶものが負担となっている(特に異様にペースの速いグインサーガ)。当分は読むものが大体決まっているので、暫くは読む可能性の低い新書や文庫本を選んで、先日追加した段ボール箱にどんどん収めていく。が、思ったより新書が溜まらない。最近は書籍購入が中心になっていることと、やはり新書の刊行点数が文庫のそれとは比較にならない所為だろう。苦慮の挙句に、棚にある漫画から既に完結したシリーズもの(当然新書版)を一緒にしてしまうことにする。が、その辺りで夜も更けてきた。あまり執着すると周囲が寝静まっても潮時が見出せなくなる危険もあったので、箱一つ埋まらないままだったが一旦切り上げる。
 そのあと、そろそろ「戯れ」のゲーム評を追加しようと思い、下準備だけざっと施した。と言っても、日記内に留めたコメントを剔出してファイルにコピー&ペーストしただけだが。新規執筆予定は『ロードラブストーリー』『不確定世界の探偵紳士』『まじかる☆アンティーク』そして何故か今更『White Album』の四点。さて、ちゃんと書けるかな。

 ミュンヒハウゼン症候群、に、代理ミュンヒハウゼン症候群、ね。ちょっと調べてみるべ。それとも部屋の何処かに埋まっている資料に書いてあったか?


2000年5月5日(金)

 前から今日はCDとDVDを買い込むのだと心に決めていた。先日買いに来たら既に売り切れていた『マトリックス 《ROM対応特別版》』(ワーナーホームビデオ)に遂に完結『彼氏彼女の事情 Op.6』(GAINAX)、それと南々見組『チッチナ』(Sony Records・以上DVD Video)……最後のを何故買ったかと言うと、1050円ととても安かったから……だけではなく、もっと単純に見たかったからだ。6月に発売されるらしい舞台版『ナトゥ』も購入する予定。CDは、以前にもちらっと触れた渡辺貞夫『SADAO 2000』(verve/Polydor)綾戸智絵『LOVE』(ewe records)、そしてファンとして不覚にも買い忘れていたさだまさし『21世紀の君たちへ 〜A Son For Children』(Free Flight/テイチク)の三枚。殆ど心積もりが出来ていたものばかりだったため、余裕を持って家を出たのだが実際には三十分とかからずに買い物は終ってしまう。上野近辺の異常な混み具合に巻き込まれ、結局買い物をしている時間より往還に費やした時間の方が多かった気がする。
 取り敢えず綾戸智絵の方を先に聴きつつ、1時過ぎに昼食を買いに行く。が、このとき衝撃的な事実が判明する。
 駅前のマク○ナルドが潰れていた。内部が取り壊されているだけなら改装を先に考慮するところだが、看板がすっきり外されているとあっては倒産した可能性の方が高いだろう。何てこった。マクド○ルドの味そのものに未練はないものの、ここが無くなると私の住居から徒歩十分以内で行けるファーストフード店は壊滅したことになる。というか、駅前に大手のファーストフード店が一軒もない地域って23区内では珍しすぎないか。確かにドト○ルとかて○やとか吉野○はあるんだが、マクドナ○ドやロ○テリアとは系統が違うからなぁ。
 今日はその手のものが食いたかったため、一旦自宅に戻ってから一駅先にあるケン○ッキーまでバイクを走らせた。はー。

 午後一眠りしたあとはたらたらたらたらと部屋の片付けの続き。このまま今月いっぱいの仕事にしてしまおうかという不埒な妄想に浸りつつ。更に昨日より山が低くなり、段ボール箱はもう一つ埋まった。今までは屋内のとある収納区画に段ボール箱を避難させていたのだが、母から元住居の方に少し移しておけとの言葉を賜ったので、箱何個分か向こうに持っていこうと思う。だが、そうするには箱の中に何が仕舞ってあるのかチェックして、蔵書データに書き込んでおかないと拙い――そうしないとどこに何があるのか把握できなくなってしまうからだ(今まではちゃんと把握できていたのか、というツッコミは厳禁)。つまり、明日以降にその作業も追加しなければいけない訳で――絶対連休中には終らない。
 それと、必要があって芦辺 拓さんの著書を棚の空いた箇所に並べておく。実際に利用するのは六月から七月の間になる筈だが、その時点ですぐに用意できるとは限らないし。……つまり、ここ数日で片づけても一月後には元の木阿弥になっていることを覚悟しているんだね私は。

 先ず綾戸智絵『LOVE』(ewe records)から聴いた。素敵。何故メジャーデビュー二年程度でこれほどの支持を集めているのか、納得も行くというもの。オリジナル曲はなく全てスタンダードか綾戸のセレクトした名曲ばかりなのだが、何れも完璧に消化され綾戸智絵の楽曲に変貌している。「Moon River」、「Day Tripper」、「Can't Help Falling in Love」、「どんなときも」(槇原のあの曲に英語詞を当てたもの)、「Love」(ジョン・レノンの代表作ね)、全て原曲の持つ思いを留めながらも、随所に鏤めた捻りと跳躍で全く異なった光を放っている。ポップスだとばかり思っていた「どんなときも」など、ブルージーな味わいを備えて原曲以上に強かな人間像を描き出している(個人的に、この時期にこの曲をカバーしたのは、作曲者に対するエールの意味合いも隠っているように思えたが、多分穿ちすぎだろう)。いいぞ。今まで躊躇していたが、これを機に旧盤も追々揃えます。ああまた深みに填ってしまったような……
 続いて、昼飯を食しつつ南々見組『チッチナ』(Sony Records・DVD Video)を鑑賞する。楽しいから全てよし。何だかかなり近所でロケをやっていたようだが二日間の強行軍でやっていたのでは行き会うはずもなく。
 渡辺貞夫『SADAO 2000』(verve/Polydor)。名義こそ渡辺貞夫だが、ナベサダのサックスと同等ぐらいにリチャード・ボナのヴォーカルが露出しており、ナベサダXボナのコラボレーションと言った方がより正確だろう。雑誌記事に見られた「無国籍」という前評判の印象から、もっとリズム先行の楽曲を予想していたのだが、一貫して非常にメロディアスな作りだった。色々語るのはもう少し聴いてからにしよう。

 最近気になっていること。ラガーライトのCMは舞の海が出演しているのだが、あれは合成だろうか本人だろうか。御存知の方教えて。

 ――そうそう、実はこのサイト、アドレスにある「members」が不要となりました。先月末からそういうスタイルになったのですが、「members」が入っていても問題なく見られるので格段連絡することもなくそのままにしてました。解りやすくなるので、略したい方だけそのように修正してください。つまり「http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/」となります。私自身、最近他人様のサイトで自己紹介する場合はこちらを採用してます。


2000年5月6日(土)

 片付けの手を休めて、本を読む。初回点検のために車の販売店を訪れた両親に付き合いながらちまちま読む読む。そして夕方頃に北上秋彦『呪葬』(ASPECT・A-NOVELS)を読み終える。……辛いなぁ。面白くなる要素はあると思うんだけど……。
 点検中に販売店の近所にあるDIY用品店に出向き、文庫を収納できる透明なボックスを二個とブックエンドを買う。

 昨晩、『不確定世界の探偵紳士』(digiANIME・18禁)のCGギャラリーをコンプリートし、噂の"奥義モード"に突入する……俄に脱力した。面白いけどせめて文章弄ろうよ少しぐらい。何だかスタッフが無駄な労力を払っていたのをまざまざと見せつけられるようで妙な哀愁すら感じる。何のことか解らない方は美術館のCGを完璧に集めてみよう。ここが頼りになる。ただ、この通りに進めると何ヶ所か抜け落ちてしまうので要注意。

『マトリックス [ROM対応特別版]』と格闘する。ROMコンテンツが巧く再生されないのだ。この特別版は通常のプレイヤーに挿入すればそのままDVDメニューが表示されるが、PCで利用されるとまず「PC Friendly」なるソフトウェアのインストールを要求し、それからROMコンテンツの再生が可能となる。先ず、このコンテンツには根本的な欠陥があって、1280x1024サイズでの再生には対応していないらしい。1024x768での再現を優先しているようで、先述の画面サイズのまま開始すると、ウィンドウが画面の左上にきっちり1024x768のサイズで表示されるのだが、肝心の内容は画面サイズに対する中央位置に表示される――つまり、ソフトウェアのウィンドウからすると右下の方に、端っこが欠けた状態で表示される訳だ。そのために、一部のコンテンツに移動するためのボタンがこの状態では見えなくなってしまう。まあこれだけなら、再生する前に画面のサイズのみ変更すれば済む話なのだが、いざそこからDVD Videoの再生機能を立ち上げようとすると、フリーズしてしまう。ソフトのみ強制終了させようにも、最早OSが満足に反応しない。DVDを挿入したときにオートランで立ち上がる初期画面からVideo再生を選択すれば、一応は再生を開始するのだが、音声のみ、画面は真っ黒なままでいっこうに表示されない。私はVartexLinkなる会社で販売されている「RealMagic Hollywood Plus」というハードウェアデコーダーを利用しているのだが、どうやら問題はこれがその時点で使用しているドライバーと「PC Friendly」との相性にあるらしい。実際、この段階でも「Realmagic」謹製の再生ソフトを利用すれば問題なく鑑賞できた。
 そうと判明した段階でドライバーの入れ替えを行えば良かったのだが、何となく「ソフトウェアデコーダーでは問題は起きるんだろうか」などと考えてしまい、PCに添付されていたソフトウェアデコーダーをインストールし(前に発生したトラブルの時に消失したまま再インストールしていなかったのだ)、「PC Friendly」の設定を若干弄ってそちらに対応させて、改めて『マトリックス』のDVDを挿入しROMコンテンツからのビデオ再生を試してみる……重傷になった。何故かリージョンコードに異常を発見し、フリーズこそしないものの「このDVDは明らかに偽物です」などと巫山戯たメッセージを出して強制終了してしまう。この段階で漸く「Hollywood Plus」のドライバー及び再生ソフトをヴァージョンアップするが、先に入れたソフトウェアデコーダーの異常を引きずってまだ再生できない。ソフトウェアデコーダーをアンインストールしたことで、起動画面から直にビデオを再生し始めた場合については問題解消したが、依然他のROMコンテンツでビデオ部分を応用するものを再生しようとするとフリーズしてしまう。いつまでも格闘し続けていても埒が明きそうにないので、一旦ビデオ再生から鑑賞し始めたが、何となく乗り切れず途中で止める。詰まらないとかそういう段階でもなくただこちらの気分の問題だ。これも後日、サポートに問い合わせた方がいいだろうな。
 おまけ。そんなこんなで各種ソフトのインストール・アンインストールを繰り返していたら、Windowsの表示がおかしくなった。チェックボックスやウィンドウの拡大・最小化・閉鎖のボタンが変な表示に入れ替わってしまっている。再起動程度では直ってくれない。大した問題はないといえばそうなのだが、何だか気持ち悪い。Microsoftのサポートが利用できるなら月曜日にでも問い合わせればいいのだけれど、以前のトラブルの際に期間限定のサポートを発動させてしまい、記憶が確かなら既にタイムアウトとなっている筈。さて、そうなると一体どこに訊ねればいいのやら。

 眠いから今日もちょっと早めに寝よう。こんなことを言いながら連休中は毎日、常より早めに就寝しているのであった。

 リンクページにある早見裕司さんのサイト『逝川堂本舗』のアドレスを修正しました。御丁寧にもご本人から連絡を戴いていたのに、無精から先送りにしていたのだった。御免なさい御免なさい。


2000年5月7日(日)

 秋葉原にある楽器店を見に行く。先日唆された挙句に値段を眺めるぐらいいいかな、という気分になってしまったのだが、久々に訪れてみて改めてここが私にとって鬼門であることを思い知った。私がPCを導入した動機の最たるものは「小説も書けてプリントが早いゲーム機」になるから、というものだったが、その他にもお絵かきに活用したい、という願望と共にDTMへの羨望が色濃くあった。結局機材を揃えるのに結構金がかかり、また操作手順を覚えるだけでかなりの時を費やし肝心の作曲がいつから出来るか全く予測がつかない、といった理由から、DTMだけは極力避けて通るようにしていたのだ。だが、小説書きとお絵かきの環境は最早これ以上手をつけるところがない(最近Painterが要るかな、とは思っているがそれだけ)という段階に達しており、その状態で楽器店一階に並んだDTM機材を眺めていると、予算もないのにシステム構成を思案している自分に気づいてしまうのである。因みに今日の主たる目的はウクレレの品揃えを確認することにあったのだが、結局メインに眺めていたのはギター類、それもフルアコやレスポールスタイルを品定めしては「どっちならPCに入力するのに向いているか」などと夢想を繰り返し、その都度打ち消していた始末。何も買わずに出たがそれは物欲が萎えたからではなく旺盛すぎるが故にブレーキがかかったと言うべきだ。
 付記。ウクレレのコーナーは以前訪れたときと較べて明らかに拡大されていた。前はアコースティックギターが陳列された一画の手前にこぢんまりと十数本程度が並ぶばかりだったのだが、アコースティックの手前にあるベースコーナーを侵蝕して三十数本が連なり足許には教則本などが置かれている。つくづく流行なのだ。しかし何度見ても高木ブーモデルに心惹かれる私であった。
 更にもう一つ余談。私の見ている前で、何本も試し弾きした挙句に、マーティンを現金で購入していった御仁がいた(殆どのモデルが20万を下らない)。指を銜えて見送る。

『マトリックス』、ちょこっとだけのつもりが結局通して見てしまう。なるほど、これは痺れます。シナリオにはかなり疑問を差し挟む余地があるが、一々表現が斬新でその推移を眺めているだけでも飽きない。正直なところ続編の出来には不安を覚えるが、この作品のみならいくら繰り返して鑑賞していてもいいかな、と思わされる。これだけのために5.1チャンネル対応スピーカー導入したろかな、と一瞬思ったぐらい。

 夜更けに、親に渡すため音楽CDをコピーしようとしたところ、ソフトが正常に作動せず都合四枚のCD-Rを駄目にした。その上音楽CDの自動挿入が巧く動作しなくなり、Windowsのシステムファイルを丸ごと再インストールする羽目に陥る。ふた月に一回はこんな風にPCと格闘してるなー、と嘆息した。原因はソフトウェアではなく、CD-RWの書き込み能力が汚れか何かで低下していることにあるのだろう、というのが現時点での結論。何にしても、明確な対策が講じられない間はCDをコピーしないのが無難だろうな。案外、コピー専用でないソフトで、内容を管理しながら焼けば成功するような気もするのだが、もう試す気力もなし。それで失敗したら苛立ちで眠れないよ私。

 部屋の掃除、あんまり進まなかった。山は大分低くなったけど。明日以降もちまちまと続ける。


2000年5月8日(月)

 一週間以上ぶりの仕事――だが、やったことと言えば以前のデータの文章を一部手直しして出力しただけ。確かに月曜火曜は暇だと繰り返し喚いているが、せめて連休明けぐらい目が覚めるほど忙しくてもいいじゃないかと思うのだが。
 暇だから、という訳ではなく純粋に止められなかったのである。芦辺 拓『怪人対名探偵』(講談社ノベルス)読了。これは面白い。贔屓目なしでお勧め。『地底獣国の殺人』にしてもそうだが、本来「本格ミステリ」に染まないスタイルを取り込んでなお意地でも論理ミステリを構築する精神に敬服します。しかし本当に扱い変わったねえ森江さん。
 今日買った本は定期購読誌のみ。あと岡村靖幸『真夜中のサイクリング』(Epic Records)を購入した。公式サイトで試聴して、興味を持ちつつアルバム待ちかな、と判断していたのだが、カップリング曲が何故か『なごり雪』だったのが異常に気になって結局買ってしまった。表題曲はこちらで実際にサビを聴いて戴くとして、『なごり雪』は案の定伊勢正三作詞作曲のそれであり、原曲のコード進行を大胆に弄り、ファンキーなロックバラードに仕立てている。イルカの歌声が完璧に馴染んでしまった曲のため依然妙な違和感がまとわりつくが、ちゃんと岡村靖幸として消化しており面白い出来。ただ、表題曲とそのインスト版に『なごり雪』のたった三曲で、マキシシングルとはいえ1223円はちょっと割高という気がした。これで『なごり雪』がアルバムに収録されたら損だな。

 知らないうちに一万カウントが迫っている……特に提供できるようなものもないので(ダブりとかあまり持ってませんし)、御礼CGをトップにでかでかと掲げるだけにしようかと思っていたのですがまだ準備してません。今夜始めます。


2000年5月9日(火)

 昨晩、日記を転送したあと何故かチャットをしながら『JM』のDVDを一通り見てしまう。買ったこと自体が「『マトリックス』以前の、キアヌ・リープスが主演したSF」という連想からだったのだが、今回未視聴DVDの中から(他にも5、6枚……)取り出したのも先日勢い余って『マトリックス』を通して見てしまったことに拠る。SFとしての構想以上に、特異な設定に活路を求めたアクションムービーという趣が濃いのだが、当時から普及しつつあったインターネットを奇妙な形で作品世界に取り込んでいて、今見るとなかなか面白い。しかし380ギガバイトもあるデータって……あの設定でそんなに容量必要なのか、と思ったのだが。そう言えば私は昔からSFアクションは結構好きなのだと今頃気づく。ターミネーターとかトータルリコールとかユニバーサルソルジャーとか。

 今日は昨日よりも仕事がない。寝る前は思わずチャットを始めてしまったため手付かずとなったお絵かきの練習をする。ここで大体構図を決めてから下書きに入り、そのあとペン入れするなり直接スキャナーで取り込むなりするのが、近頃は私の流儀となった。いきなり下書きしたりタブレットで直に、という真似はどうも出来ない。今回はトップのCG更新と同時に、前々から触れている作業上の要請もあってお絵かきにかかっているのだが……それにしても、インターバルを置くたびに微妙に絵柄が変わるな。当たり前か。

 読書意欲が若干回復しつつある現在、それでもここ暫くのホラー&ミステリ漬けに倦みを覚え、ちょっと毛色の違うものに手をつけてみた。ビル・ミルコウスキー『ジャコ・パストリアスの肖像(新装版)』(リットー・ミュージック)。そろそろジャコの他の作品を購入してみようかと思い始め、その予習も兼ねて取り組んだのだが、これを読んで解ったのは、ジャコには後期などなかったのだ、ということ。デビュー作の『Jaco Pastrious』とその前後に収録されたサイドメン作品(パット・メセニー『Bright Size Life』など)、『Black Market』以降のWeather Report参加作品にジョニ・ミッチェルのアルバム及びライブへの参加、そして伝説となった『Word of Mouth』とそのビッグ・バンドを従えた、『Invitation』までのワーナー時代の作品群――結局、これがミュージシャンとしてのジャコ・パストリアスの最盛期であったと言うことらしい。それ以後にも収められた音源は存在し、各々CD化されたりしているのだが、特に前述のもの以外でジャコの名前がメインに掲げられたものは全て死後様々な思惑によって日の目を見たものばかりで、厳密な「ジャコ・パストリアスのアルバム」は後期には存在しない、と見た方が正しいようだ。『ジャコ・パストリアスの肖像』(因みにジャコのデビューアルバムの邦題と同じだ。紛らわしい)はあと三章ほど読み残しているので、これについての感想はまた後日にするが、今後ジャコの他のアルバムに取りかかる場合はそれ相応の覚悟を決めた方がいいらしい、と改めて思う。取り敢えず次に入手するのは『Word of Mouth』に続いてリリースされる予定だった幻の3rd『Holiday for Pans』がいいかな、と考え始めていたのだが、こここのページの記述からすると、あまり期待に添わない出来のようだ――するとやはり『Twins I & II』か、連作『Live in New York City』を順に拾っていくべきなんだろうか? ……などと他の人には間違いなくどーでもいいことで一人思い悩むのであった。

 バイト中、妙に内的テンション高し。MIDI入力用のキーボードと簡易デジタルレコーディング機器、それとあくまでDTMに利用するための安めのエレキギター、このくらいの構成なら多少無理をすれば揃えられるかな、などと無茶なことを夢想していた(なお、MIDI音源だけは結構いいのを既に持っている。これを購入したのも、実はゲームのBGMを成る可く望ましい形で聴くためだった……)。昨年末来のジャズ熱は私に危険な影響を及ぼしている。


2000年5月10日(水)

 講談社ノベルスの芦辺さんのを除いた新作全点(浦賀和宏『記号を食う魔女』高里椎奈『金糸雀が啼く夜』氷川 透『真っ暗な夜明け』森 博嗣『夢・出逢い・魔性』)に吾妻ひでお『やけくそ天使(3)』(秋田文庫)竹本 泉『アップルパラダイス(1)』(ノアール出版)の六冊を朝に、栗本 薫『グイン・サーガ(72) パロの苦悶』(ハヤカワ文庫JA)U-turn『U-turnのマジ怖ッ!!』(角川書店・ザ・テレビジョン文庫)柴田よしき『紫のアリス』(廣済堂出版)の三冊を夕方に購入。
『アップルパラダイス』は竹本泉の数あるシリーズの中で屈指の出来だと思ってます――というかこれ以上の真似はそうそう出来まいと言うか。学校の下は大理石の坑道跡で穴だらけになっていて学校の裏には山じゃなくてファラオの遺跡があって敷地内に灯台が存在してしかも空はXXXX。これも三ヶ月連続でノアール出版から復刻される模様なので、気になる方はご一読あれ。『さよりなパラレル』もそうだが、入手困難な作品が復刻されるのはやはり嬉しい。因みに最近は有り難い復刻が多い。『ゲームセンターあらし』もそうだが、川原由美子の『前略ミルクハウス』が朝日ソノラマ文庫から刊行が予定されているし、野間美由紀さんの『パズルゲームはいすくーる』も順次文庫版が出るらしい(これは現役本だが、深川は最近入った読者なので、今から旧刊を折節チェックするよりは新刊として定期的に出てくれる方が有り難いのである。予算が組みやすいから)。この流れに乗って竹本泉の『魔法使いさんおしずかに』も何処かで復刻してくれないかなー。
 何故U-turnの本に手を出したのかは謎。内容は悪くないが雑感めいた記事でページを埋めるのは止めよう。買ったその日に読み終えられる手軽さは、嬉しいんだか悲しいんだか。
 柴田さんの『紫のアリス』は、例の廣済堂文芸部門撤退を受けて、これだけ未購入だったのを昨日思い出し、駄目で元々の覚悟で注文してみたもの。案外楽に入った――いや、寧ろこういう時期だからこそ入荷しやすいのかも。もう少し遅くなると辛くなるのではないかと思われる。欲しい作品がまだ残っている、という方は今ぐらいが最後のチャンスかも。
 そろそろ「グイン・サーガ」も読み始めないといけない。このままでは引き離されるばかりだ。まだ五巻+外伝一巻しか読んでないのよ。

 デジカメを買う前にもっとPCを勉強しなさい従姉よ。そしてそこまで理解していないなら先に私に相談しろと言っておろうが。

 昨日触れたビル・ミルコウスキー『ジャコ・パストリアスの肖像』(リットーミュージック)読了。筆者がジャコと直接付き合うようになったのが『ワード・オブ・マウス』以降だったこともあるのか、最盛期より晩年の反問の日々に紙幅が割かれている。周辺人物の証言を中心にした構成はその失墜の様を切実に伝えて痛々しいが、ジャコという天才的アーティストの短い絶頂を惜しみつつも必要以上に彼を伝説として描くまいという姿勢が窺われる。ファンやこれからジャコを知ろうと思う向きなら必読、そうでなくとも一人の人間の記録としてなかなか興味深い読み物であり、一読の価値はある。ただ、立て続けに繰り出されるジャズ界のビッグネームや専門用語がある程度は理解できた方がいいのは無論だが。


「若おやじの日々」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)
どなたかもっと早く本を読む方法をご教授下さい(本気)。

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