2000年4月下旬の日常
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2000年4月21日(金)
深川 拓私室にて地滑り発生。復旧は速やかに完了したが首脳陣は早急な環境の改善が必要との認識を改めて表明し、今月末から五月初頭にかけて大規模な補修工事を行う意向を固めた。だが首脳部には一般から相次ぐ公約違反と計画性の乏しさを指摘する声も多く、その完遂が現在から危ぶまれている――
――一体何が起きたのかは適当に想像していただくとして、そのトラブルによっていつもより一時間早く目醒めてしまった。ここで二度寝すると次の起床が辛くなるのは自明だったので、そのまま俯せになって読書をする。
止まない雨の中、両親の車に便乗して出勤するも私の仕事はない。引き続き読書にかまけ、久々に――調べてみたら何とMYSCONの当日(3/12)以来に、一冊読み終えた。大多和伴彦・編『憑き者』(ASPECT A-NOVELS)。ある人との約束もあったので、一旦作業を止めて感想の下書きをする。結局それで午前中が潰れた。そして結局今日一日私は暇だった。
夕方バイト先にて買い物をする。まだ小雨がぱらついていたので、夕食の買い物をする母の車に一緒に乗せて貰った。宮部みゆき『ぼんくら』(講談社)と永野のりこ『STAND☆BY み〜ちぇ!!(1)』(講談社・マガジンZKC)を買い、そして遅れて来た母には永 六輔『「無償」の仕事』(講談社+α新書)を買わせる。車で一旦職場まで帰る道々、凶悪な思いつきに身を委ねてしまう。
帰宅後は下書きを黙々と改稿・校正し、約束していた方にメールで送信すると、更にサイトに載せるため若干体裁を変更する。そうして出来上がったのがこちら。うーん、読み終えたのが一月ぶりぐらいなら、書評は何と二ヶ月ぶりだ。続いて読む二冊も訳あって書評は必ず書く予定なのだが、それが済んだらまた滞るんだろうなきっと。気長にお付き合い下さい。凶悪な思いつき。さだまさしの名曲『無縁坂』詞の一節、「母がまだ若い頃 僕の手を引いて」という箇所、「引いて」を「轢いて」と聴き代えるのである……なお予備知識として、無縁坂の上には東大病院が存在することを申し添えておこう。
※ ※ ※ 午後11時過ぎにカウンターの数値がリセットされているのを発見。前に見たカウンターの数値を漠然としか覚えていなかったので、大体9150と見て数値を設定し直しました。うーん、自前で作ったから修復は楽だが、色々と心許ないぞ。
2000年4月22日(土)
昼間ドライブに付き合う。疲れた。書くことは色々あるが明日詳述する。はあ。
んで明けて……更にその深夜にここを記す。ぼさーっとしていたので早くも記憶が曖昧だが御容赦下さい。
十時前に、親父が新たにリースした車に乗り込む。先週同様、ドライブそのものよりもカーナビの使い勝手を確かめるのが目当てのため、まず目的地を適当に探す。あれこれ協議した結果、何故か那珂湊魚市場センターなる場所に決定されてしまった。高速優先・幹線道路優先でルートを弾き出す。到着予定時刻はこの段階で12時45分ぐらい、とカーナビは計測していた。
出発する。高速に乗る前からカーナビは素敵な指示を出してくれた。ある橋の手前の交差点は、地元の人間なら知っている終日右折禁止のポイントなのだが、そこでカーナビは何故か右折を指示する。しかも、問題の橋をわざわざ迂回して更に下流にある橋を渡らせ、そこから高速に乗るよう指示しているのだが、両親曰く、その通りに走っていると高速に乗れない――高速周辺の道路状況は複雑怪奇である。カーナビにはその辺の細かなデータは入力されていなかったらしい。早速ケチが付く。
が、一旦高速に乗ってしまえば問題はない。常磐自動車道に出ると、音声案内が「ここから暫く道なりです」と宣った――ここで右折だ左折だと指示されても困るわな。
因みに親父はペースが速い。日頃から車での外回りを主な仕事にしており、付き合いなどで高速を利用する機会も多い所為――だと昔は思っていたが実際は単なる気性の問題だろう。速度超過でしょっぴかれると非常に困るので、何キロ毎時で走ったのかはここには記さないが、同乗したこっちの方が余計に神経をすり減らしている気がする、そのくらいの速度であったとだけ言っておこう。
40分ほど走った処で、最近開通したばかりの北関東自動車道への分岐が見えてきた。すかさず親父はそちらへハンドルを切る。が、カーナビの指示は依然常磐道を道なりに、である。どうするか、と眺めていると――車の軌道は、道無き道を走っていた。レインボーブリッジ開通当時には、表示の中で海上を疾走する車が多数あったらしいが、よもやこういう形で目の当たりにするとは。開通したて、しかも未だ全線開通に至っていないため、カーナビには未登録だったらしい。最初のうちこそ「ルートを外れたので再計算します」という表示を繰り返し、その度あらぬ方向へ私たちを導こうとしていたが、そのうち諦めたかのように沈黙した。
開通したての高速道路など滅多に走れるものではない。他の高速は脇の植え込みも中央分離帯も頭上を跨ぐ陸橋も排気ガスに冒されどことなく薄汚れた雰囲気があるが、北関東道脇の光景も長閑なら分離帯の反射板も美麗、アスファルトは轍もついておらず清潔感に満ちている。思わず数枚写真を撮ってみた。なお、アスファルトの上にぼんやりと人魂みたいなのが見える! と指摘する向きがあるかも知れませんので先に申し上げておきますと、それはフロントガラスに衝突し落命された虫の残滓です。
目的地の那珂湊が近づくと、不意に真っ正面に海が拡がって見えた。依然カーナビは役立たずのため、適当なところで高速を出るが、辺りは一目でそれと解る大規模開発の真っ直中にあり、白い荒野のあちこちにクレーンが恐竜のように首を擡げている。出て暫くの処に「展望台」と記された標識が立っていたため、現在地の確認ぐらいは出来るだろうとそちらへ向かう――だが、そこにあったのは「展望台」という語感から私たちが咄嗟に想像したような、見晴らしのいい高台にある休憩地点、といったものではなく、まさに文字通りの展望台――より適当な言葉を選ぶなら、物見櫓と言った方が解りやすい代物だった。鋼鉄製の物見櫓。階段を心許なく上がると、確かに思い掛けず美しい眺望が開けていたが――やっぱり現在地はよく解らない。改めてこの周辺には何もないのだと悟っただけであった。一応写真は撮っておいたが本当に見るところがないので掲載しない。すぐにその場を辞去しようとして、展望台の真下にあった案内板に気づいてそちらを眺める。
――だから何処なんだよ。
たまたま居合わせたバイクのお兄ちゃんに那珂湊のある方向を訊ね、依然意味不明の動きを続けるカーナビを時たま参考にしつつ、また三十分ほど車を走らせて、漸く那珂湊港に到着する。時刻は12時。それでも当初カーナビが予測した到着時刻よりも40分以上早かった。
出先では取り敢えず蕎麦屋を探すのが我が家の習性であるのだが、あちこち見回っても蕎麦屋らしきものは見当たらない。漁港に近いこともあって寿司屋、和風海鮮レストランが主流であり、蕎麦うどんの類はその中で脇役に押しやられている模様。先に買い物だけ済ませて、車での帰途に蕎麦屋を探して食事を採ろうと決め、先の散策中に当たりを付けた売場で買い物を済ませる。鰹、鮭の切り身、やや小降りのタラバガニ二匹、サザエを1kg。鰹はその場で三枚におろしてくれたのだが、その間店の親父がとてもうるさかった。何を言っていたのか覚えていないぐらい。……まあ、他に客がいない時間帯だった所為もあるのだろう。
帰り道、どうにか「田舎そば」の看板を上げている店を発見し昼食を採った。田舎そば、というと私の行きつけの店のひとつも分類されるのだが、案の定つゆの味が近く、そば・うどんで共通のつゆを使っていた模様。なかなかこしのあるうどんで、それなりに堪能する。
その後、水戸付近にある「旅の駅」にて野菜を仕入れ、あとは常磐道に乗って帰宅。道々私は「逃げ水をデジカメに収める」というかなり無駄な努力を屡々続けた。成果のうちひとつが→の写真。……解りますか? 進路の消失点付近に微かな光源が見えると思いますが、その手前当たりのアスファルトが黒ずんでいるのがそれ……の筈。撮影した中では一番まともに写っているのだけれど……やはり、無駄な努力だったような気がする。
そのあと、常磐道の出口と首都高速で渋滞に捕まりつつ、3時40分頃に無事帰宅。いつも思うことだが、親父の高速運転に付き合うのは生きた心地がしない。帰宅後はだらだらと某ゲームをやって過ごす。思いの外ドライブの話が長引いたので、ゲームについての詳細は明日付けの日記にて記します。アップロードも24日の夜。
それにしても行きたかった恐怖の会。
2000年4月23日(日)
正午少し前、秋葉原までお買い物に出掛ける。最大の目的は21日に発売した『マトリックス』のROM対応版DVDだったのだが、発売から二日で品切れになっていた。いつものようにジャズのCDをあれこれ眺めて悩んだ挙句に買ったのは『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom(2)』(Vap・DVD Video)と『機動警察パトレイバー アーリーデイズ(1)』(バンダイビジュアル・DVD Video)の二枚。前者は、まだ一巻を見ていないためやや躊躇があったが揃えるだけ揃えることにする。後者は、この間文庫版を買ってしまったのと、結局同時進行だったOVA版は一度も見た覚えがなかったので(いや、確かTV版が始まる前後に纏めて放映したのを一部だけ見たような気はしたのだが)、いい機会なので買い、ひとまず二話まで鑑賞する…………古い。特に主題歌。その反面、パトレイバーという大がかりな前提は兎も角(大体二足歩行のシステムは未だに十分に解明されているわけじゃないのだ)、社会背景などはそれなりに正鵠を射ている箇所も散見されて面白い。しかしコミック版と較べてキャラ設定にかなり異同があったのだな。後藤さんが所謂「昼行灯」という雰囲気ではなく、どことなくダーティーな言動をしている辺りとか、遊馬が積極的に警察勤めを厭がっている辺りとか。
ジャズのCDは、もう少し買いたいものを煮詰めてからまとめ買いすることにした。パット・メセニーが粗方揃って以来、聴きたいものが増えてしまっていつも選択に窮してます。土曜日から月曜日まで、『あすは恋して Prime Beat Planet』(UNBALANCE)をちんたら遊んでおりました。前述の通り、価格からすれば非常にコストパフォーマンスは高い。シナリオ・システムは大雑把で細かいところにまで目が行き届いていないが、寧ろご愛敬といった感じで楽しめる。「話の種」という、何処かで既にやっていそうで意外と手付かずだった手法を選び、そこを比較的丁寧に組み立てることでゲームとしての緊張感を高め、充分に値段分以上は遊ばせてくれる内容。特に「悩みの種」は取得から解決までの期間が限られており、その間にどうすれば解決できるか、うまいタイムテーブルを組むのに慣れと工夫が必要で、その過程が思いの外面白いのだ。現時点までに7人のキャラを攻略しているが(しかし、どう見てもこれ、男性キャラも攻略可能になっているんだが……)、シナリオ自体は「センチメンタル・グラフィティ」とか「カノン」とかに代表される、過去の想い出捜しの話であり、見事なまでの御都合主義ぶりに失笑させられるが、きっぱりと割り切ってその路線を目指しているのが好感触を与えているのかも知れない。その割り切りぶり故に、所謂「恋愛シミュレーション」に不慣れなプレイヤーを遠離けかねないが、興味を覚えたのなら手に取るだけの価値はある、と断言しよう。中古屋で買えば更にお得な筈。
ただ、このソフトの内容でちょっと気になるのは、ミュージシャンや作家、タレントの名前に、実在のものを捻るのではなくそのままの形で出してしまっていること。リアルタイムで遊んでいる私には問題はないにしても、時間が経つにつれて白々しくなるのが必定だと思うのだが。「そらやっぱり大阪府知事やから」という言い訳の元で某エロダコ氏の名前が使われていたのが非常に印象的だった。哀愁を垣間見る。
もう一点。このソフト、システムのデザインや細部の反応の具合、中途半端に臭く所々で気が利かない台詞廻しなど、あちこちで私に妙な既視感を齎したのだが、その原因が判明した。発売元はアンバランスという会社だが、どうもソフトの製作自体はFamily Softという会社が請け負っていたらしい。代表作、PCでは『初恋ばれんたいん』とか『パラPARAパラダイス(竹本 泉・原作)』とか。特にグラフィックの塗り方とか、所々浮ついた会話なんかはもろに『初恋ばれんたいん』を彷彿とさせるのだ。但し、出来は『初恋〜』より格段にまし……というか、余計な小細工をしていない分鼻につく部分が減ったからなのかも知れないが。私は柳原みわの声に弱い。トラウマ?
2000年4月24日(月)
毎度のことであるが月曜は暇。滞りがちだった読書を軽く進めると、例によってバイト先で暇を潰す。すがやみつる『ゲームセンターあらし(2)』(太田出版)と和田慎二『怪盗アマリリス(1)(2)』(朝日ソノラマ)を購入する。前者は後日言及するとして、問題は後者……確かに連載開始からだと八年以上、完結からでも四、五年は経過しているだろうが、『少女鮫』の唐突な完結から半年程度で版元移動……そして、ほぼ時を同じくして『超少女明日香』もメディアファクトリーから復刻を始めた――こちらは『コミックフラッパー』で新作連載が行われていることとの絡みはあるにしても、あまりに素早い展開である。裏事情を詮索したくなるのが人情というものだろう。……まあ、作品が手に入りやすければどうでもいいんですけどね読者は。
先日デジカメで撮影した画像が印刷所からの太鼓判を頂戴した。これで僅かながら臨時収入が確定。私の現状からすれば大した助けにもならない金額だが、ないよりはまし。仕事で意味不明のトラブルに悩まされたが気分的には帳消しとなる。安い性格だ。この臨時収入は計算上、週末には必ず吹き飛ぶ予定であるが。
2000年4月25日(火)
この時期恒例、来月の購入予定表の決定版を作成する……火の車続行決定。五月中に二度ある予定の臨時収入で多少は軽減される筈だが……どっちにしても余裕のない日々は続く。兎に角月初めは部屋を片付けることに専念しよう……
今日のお買い物、倉阪鬼一郎『夢の断片、悪夢の破片 倉阪鬼一郎のブックガイド』(同文書院)に昨日ちらっと触れた和田慎二『超少女明日香(1)(2)』(MFコミックス)、臣士れい『臣士魔法劇場 リスキー☆セフティ(3)』(メディアワークス・電撃コミックス)ほか定期購読誌二冊。『超少女明日香』は三巻まで同時発売だったが、纏めて買っても読んでいる時間がないので(というか、『〜あらし』二巻がまだ残っているから)明日以降にした。先週発売した『不確定世界の探偵紳士』(digiANIME・18禁)を、悩んだ挙句買う気になってきたのだが、そこまで遠出する精神的余裕はなし。また週末に大物が出る予定なのでそれまで待つ。
因みにこのソフトは、この日記を書き始めた当時に私を色んな意味で悩ませてくれた名品『プレゼントプレイ』と同じ会社から発売される作品であり、噂に拠ればシナリオ担当も同一人物(だとすれば企画・ゲームデザインも同じ)である。一連の経緯は購入当日から辿って理解していただくとして――ともあれ、私が何故珍しく発売日に店へと走らなかったのかは、その辺からも充分察していただける筈。世評が悪くないので買う意志を決めた今もまだどこか躊躇いを感じているのである。既に一点だけ、digiANIMEと名乗っておきながら何故声はおろかアニメーションも導入していない作品を出すんだよという不満を抱いているのだが、まあもともとあってもなくても構わない主義なので忘れてあげることにしよう――だが、この日にダブって届いた修正ディスクの処置について、こちらから確認したにもかかわらず依然連絡をしてこないのは、流石にユーザーサポートの応対として拙いような気がするんだが。九ヶ月以上前の話でこっちも忘れかかっていたのだが、思い出した以上もう一度確認した方がいいのか、連絡しない向こうの方が悪いのじゃと見切りを付けて誰かに無償で譲ってしまうか……予定表を作成するため、取次から書店に配布している情報誌をバイト先で借りてきて、ざっと目を通していたのだが、そのうちふと気づくことがあった。
柴田 よしき 象牙色の眠り 廣済堂出版 書籍 ― ― 2000/1/29 柴田 よしき 星の海を君と泳ごう 時の鐘を君と鳴らそう ASPEST 書籍 ― ― 2000/2/29 柴田 よしき 貴船菊の白 実業之日本社 書籍 ― ― 2000/3/15 この表は私がExcelを利用して作っている蔵書記録からコピーしたものである。最後尾の日付は私が購入した日付であって厳密に発売日という訳ではないが、バイト先に根回しはしてあるし自分でもちょくちょく大型書店に出掛けて点検した上で購入しているのでほぼイコール発売日と捉えて貰ってもいいと思う。
さて、では来月の購入予定から二冊抜粋しよう。
柴田 よしき 月神の浅き夢 角川書店 文庫 角川文庫 RIKOシリーズ(03) 2000/5/25 柴田 よしき 桜さがし 集英社 書籍 ― ― 2000/5/25 こちらの最後尾は発売予定日であり決定日に非ず。一方は四六判からの文庫化なので除外しても構わないが、どちらにしても予定通り刊行されるのならば、今年に入ってから柴田氏の自著単行本はほぼ月刊ペースで発売されていることになる。更に自著を含めなければ、
大多和 伴彦・編 憑き者 ASPECT 新書 A-NOVELS ― 2000/3/25 における書き下ろし作品をはじめとして各種アンソロジーにも寄稿しているし、無論雑誌書き下ろしの短編も存在する。何にしても空恐ろしいことである。柴田さんは今、月産何枚ぐらいのペースで活動されているのだ。そしてこの破竹の勢いはいつまで続くのだ。
2000年4月26日(水)
自宅のパソコンのATOKがはっきりとおかしくなった。「だからといって」、と入力して変換すると、日本語入力に対応した殆どのソフトが強制終了されてしまう。前にも似たようなトラブルはあったものの、今回はちょっと重傷である。何せこのページを作成しているホームページビルダー上で禁断のフレーズを入力しようとすると(本当に危険なので用心しいしい書いているんです)、強制終了どころの騒ぎではなく、システムがほぼフリーズ同然の状態に陥ってしまう。因みに現時点で同様の異常が発生することを確認したソフトは、
・一太郎9
・インターネットエクスプローラー5.0(だから書き込みも油断をすると強制終了されてしまう)
・Em Editorなど各種エディター
そしてとどめのホームページビルダー、である。暫く執筆作業を紙と鉛筆で行っていたため気づかなかったのかも知れない。兎に角一太郎がやられているのが深刻である。今までは差し迫って必要ではないだろうと買わずに済ませていた一太郎10及びATOK13だったが、こうなると買うことも視野にいれないといけない。何せこの短い文章を書いている間にも三回ぐらいダウンしているのだ。どうやら引っかかっているのは「と」という助詞らしいのだが……お陰で避けようがない。結構癖で「と」は使っているのである。このままでは、というか明らかに作業に支障を来しているので、早急に対策を講じなければ。あれこれ書いている余裕すらないので今日はこれだけ。ひとます、デフラグとスキャンディスクだけは試している最中だが……。In Deepに長文の書き込みをする予定だったのに畜生。スキャンディスク及びデフラグ完了。状況改善せず。エラーは検出したし修復もしたはずなのだが直らない、ということはやはりATOKと辞書との絡みかな。処で一連のシステムチェックを行ったらホームページビルダーの様子がおかしくなった。勘弁してくれー。
――以下の文章は、27日に問題が解消されてから、記憶を遡って記述したものである。ために、細部が普段以上に曖昧となっていると思われるがご了承を願いたい。
買い物。まずは執事さんがちょっとムッとされていたらしいと学会『トンデモ超常現象99の真相』(宝島社文庫)。ちなみに私はこのシリーズを所謂トンデモ本そのものを読まずに識った気になるための資料として活用してます。何故かというと、オリジナルを読むと染まりそうだから。構想中の作品に、ちょっと電波系な娘が登場する予定なのだが、と学会が扱っている書籍群をそのまま参考にしてしまうと、その枠内でしかトンデモな論理を構築できそうにないから。あまりにオリジナリティのあるトンデモ娘を作ってしまっては作品がそのブッ飛び具合に呑まれてしまう危険があり、そういう娘を出す場合は、所謂こうした本を書く人々の発想の傾向を探り、その平均線か平均からやや逸脱した辺りで論理を落ち着かせる必要がある、と考えているのだ(作品の構想が、ブッ飛んだ論理を必要としているのならその限りではないが)。従って、所謂「トンデモ本」の傾向と思考の軌跡に照準を合わせ研究すると学会の一連の著書は、そうした平均値を私の中で規定するのに結構役に立つのである。――無論、内容も楽しんではいますけどね。親本には手をつけず、全て文庫化してから読んでいるもので、この本が果たして執事さんの言うようにユーモアに欠けるものなのか私には断言できかねるが、既読の旧著は決してユーモアに欠くものでも愛のないものでもなかった、とだけは申し上げておきましょう。本書も半ば以上資料目的での購入である。
以下全て漫画で和田慎二『超少女明日香(3)』(メディアファクトリー・MFコミックス)、玉井雪雄『IWAMAL番外編 WATABUKI綿吹動物捕者帳』(小学館・ビッグコミックス)、近藤るるる『黒蘭(1)』(カドカワコミックスエース)。
水曜日としては暇、というかまともに仕事をした覚えなし。私がやったのは、ちょっとした文字の入出力のみじゃなかっただろうか。あとはだらだら買ってきた漫画を読む。帰宅後は……上記の作業で忙殺。スキャンディスクとデフラグで都合五時間ぐらいかかってるんだもん。今日は久々にPC上で作業をするつもりだったのだがすっかり意欲が削がれ、お絵かきをしたり小説を読み進めたりしつつマシンの点検を横目で眺める。お陰で読書は進んだのだけど。
2000年4月28日(金)
朝の段階でもうデータが届いているものだと思って早めに出勤したが勘違いだった。何もせずそのままソフトを買いに出かける。『マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術師〜 初回限定版』と『エリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術師2〜』(ともにImagineer)の二本。昨年末にPC版の発売が予告されていたが今日まで延期しまくっていたもの。そのあとバイト先で定期購読誌を、別の本屋で山口雅也『キッド・ピストルズの妄想』(東京創元社・創元推理文庫)とロアルド・ダール『少年』(ハヤカワ文庫HM)を購入する。『〜妄想』は高校時代に、自習時間に学校から三省堂まで自転車を飛ばして買いに行った覚えがある。今にして思うと、一番虚心にミステリを楽しんでいた時期だったんだなー。さて、再読する機会はいつ来るのやら。
他に書くことがないので、昨日〜今日で仕入れたゲーム、それぞれ冒頭のみ遊んでみた段階での印象を書いてみる。
まずは、以前通販で予約しておいて、今日出勤前に届けられた『まじかる☆アンティーク』(Leaf・18禁)について。インストーラーやシステムの外観などは流石に整っている。相変わらず主題歌のミックス状態が良くないんだが、それ以上に気に掛かったのが、文章がF&Cっぽい。汗マークや怒りマークといった外字が頻繁に使われていること、やたら語尾に「ぜ」をつけたりすること(あ、これはLeafの作品でもよく見られるな)、説明しなくてもいいことにやたら注釈をつけてエピソードの勢いを削いでいること。この辺はF&C作品において一番私の鼻についていた点で、当然そう言うからには非常に不快なのである。
世界観などは非常にベタ。お約束の世界が続くので、冒頭は主人公らが会話している端から裏の事情も次の展開も読める。まあ、キャラクターは確立しているようだし、ツボを押さえているから詰まらないということもなさそうだが……もう一つの気懸かりは、シミュレーション部分がやや煩瑣であるところ。一回目はそこそこ楽しめるだろうが、二回目以降、キャラクター攻略に特化した遊び方をしたときに、シミュレーション部分の手続きの面倒が興を殺ぐことも考えられる。
次に手をつけたのは『マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術師〜』(Imagineer)。『エリーのアトリエ』PS版を遊んだことはあったのだが、『マリー〜』はこれが初めて。当時の評判は耳にしていたので、期待しながらCD-ROMを入れる……が、インストーラが動き始めたところで早くも厭な予感を覚えた。インストーラは起動とともに「初期化に必要なファイルをコピーしています…」というメッセージを表示し、インストールの下準備を行っているのだが、この仕組み、私がシナリオやシステムを酷評し続けたある18禁ソフトメーカーが利用していたインストーラーと酷似しているのだ。よもやまさか、と思いマニュアル後ろの方に記載されている制作スタッフの一覧を眺めると……あった。件の18禁メーカーで企画とシナリオを担当していた(つまり個人的に諸悪の根元と睨んでいる)人物の名前が、スペシャルサンクスのところに。制作協力として掲げられている企業の中にも、見覚えのある名前が。どうやら、件の18禁メーカーそのものではないが、関連のある企業やスタッフが制作に携わっているらしい。この段階で、内容はともかく、システム面には大いに不安を感じていたのだが、やはり、システムに不備が多い。初めて起動したとき、アプリケーションはウィンドウ方式で表示されるのだが、ちゃんとフルスクリーンにも対応しているのに、その切り替えを行うには一度ゲームを始めてコンフィグを選び、そこで設定し直さなければならない。しかも、そういう構造のため、一旦フルスクリーン表示に切り替えてしまうとゲームを終了させる場合もコンフィグ或いはシステム画面を呼び出さなければならず、素早くゲームを終了させたいときには困る。多分ショートカットで強制終了させることは可能だろうが、あくまでもショートカットのそれは強制で行うものなのだから、アプリケーション内でもう少し丁寧にフォローしていただきたいところ。ゲームの内容は……まだ取っかかりです。
次は『不確定世界の探偵紳士』(digiANIME・18禁)。……またしてもインストールに配慮が乏しい。前の『プレゼントプレイ』もそうだったが、この会社のソフトはフルインストール以外の選択肢がないのだ。450MBというサイズは『PP』の1Gに較べればまだ良心的だが、音声もアニメーションも抜きなのだから、やはり嵩張っている、という印象が強い。んでゲームを始めると、面白いことに『マリーのアトリエ』と同じ欠点が見られるのだ。一応こちらはウィンドウ表示のときはメニューバーが上部に設定され、そこで各種の設定を調整できるのだが、フルスクリーンにすると、主人公の事務所に場面が移るまで設定の切り替えはおろか通常の終了手続きが出来ない。インストールの際に、ゲームでは珍しく権利云々やインストール作業についての注意を細々と表示するくせに、ソフト自体の融通が利かないのは相変わらず。
そして、肝心のゲームの内容。冒頭に献辞が述べられ、そこにHiroyuki.Kと署名がある以上、今回は自分がクリエイターであることを伏せるつもりはないらしい。『EVE burst error』『この世の果てで恋を歌う少女 YU-NO』『エクソダスギルティー』などを制作した菅野ひろゆき氏が、恐らく本編においてもシナリオを担当している。そのことは、選択肢に対する反応やシステムの組み立てを見ても解るのだが……いい面もそのままなら悪い癖もそのまま、といった感じ。時々センスは感じるのだが概ねおやじっぽい台詞回しとギャグ、セーブやシステム設定変更が主人公の本拠でしか出来ないといった気の利かないところもそのまんま。もう苦言を呈するのも飽きてきたんだけど……。
幸いなのは、そうしてシステム面で文句を付けたい部分は多々あっても、ゲームとして遊べない、と即座に決めつけられるほど低レベルのソフトはなかったこと。暫くは遊べそうです……って、FFVIIIもまだ終らせてないんだった。去年の『恋に落ちたシェイクスピア』もそうだったが、何故そうまでオスカー獲得を前面に押し出すのだろう『アメリカン・ビューティ』のCM。品は落ちるし却って反感を買う危険もあると思うのだけど。少なくとも私はあのCMを見るたびに鼻の奥がちりちりと疼く。なんとかしてくれ。
2000年4月29日(土)
西澤保彦・原作の劇『彼女が死んだ夜』を記念した、西澤ファンクラブオフ会に参加してきました。疲れているので甚だ簡単ではありますが。もしかしたら明日以降詳しく書き直すかもね。
午後4時頃に家を出るまでにあれこれ片を付けてしまおう、と思っていたのだが、結局ゲームに没頭してしまう。『まじかる☆アンティーク』。三周りほどしてみて、私にとってはちょっと致命的とも言える欠陥を見つけてしまったのだが、詳しくは後日。
気づけば午後4時過ぎ。慌てて荷物を詰め両親と入れ違いに家を出る。荻窪アール・コリン前に着いたのが5時15分ぐらい。非常に狭い会場で、舞台設計そのものがお手製と思しい。座敷に直に座っての観劇は熱気が立ちこめていて、開演前に上着を脱ぎ損なった自分を呪った。私は何の因果か最前列。文字通り間近で見る演技は結構迫力がある。
劇の出来も良かった。狭い舞台構成を極限まで応用し、ある場面では「なんで裏口から入るんですか?!」と言いつつ俳優が観客席の後ろから舞台まで突っ切っていく、という芸も見せてくれた。流石に長編一本をそのまま舞台化するのは無理があると見えて、論理や証拠を所々端折っていて結論がやや突飛めいてしまったが、あの痛烈な結末を前後にほろりとさせる演出を加えることで綺麗に纏めており、シナリオも上質。また、狭い空間が奏功してか、私が忌み嫌う舞台向けの演技――腹から絞り出す声、過剰な身振りといったものが抑えられていた点にも好感を覚えた。演技そのものも大袈裟と抑圧とのバランスが巧く、見ている限り文句の付け所がない。その一方で微妙な心理表現や細部の描写も間近に捉えられ、普通の劇場よりも確かな臨場感を得られたのもいい。堪能しました。特に響いたのは、クロージングテーマが椎名林檎『君ノ瞳ニ恋シテル』であったこと。出演者紹介のバックで流れていたのだが、作品に通底するテーマと共鳴して、沁みた。
場所を新宿に移して、懇親会。このときの話題で、原作の既読者と未読者とではある場面での反応が異なっていたことに気づく――というか、何故か私の周辺には既読だったのが私一人だったので、全体でアンケートを採った場合また別の結論になるのかも知れないが。途中で役者のみなさんにお願いしてチラシにサインを戴いたりした(タイミングが合わず全員の方から戴くことは出来なかった)。ヤクザ役の方は本来コメディアンをなさっているそうな。私、真ん前でドス振り回されて怖かったんです。はい。西澤さんにも『解体諸因』(講談社ノベルス)にサインを戴く。頑張って下さい、とのお言葉を賜って恐縮する。他にも意外な作家さんがいらしてちょっとお話をさせてもらったり。言っていいのかどうか解らないので一旦名前を出すのは控えますが、幸運でした、とだけ。いい情報も貰ったし。一次会の閉会後、二次会会場に移動する前に、所用でここで抜けられる柴田よしきさんにもサインを戴いた。機会はこれまでもあったのだが何故か貰い損ねていたのであった。
二次会はカラオケである。Ledの皆さんの嗜好がそっちに偏っていた所為か、私がいた時間帯はアニメソング中心だった。最後に野間美由紀さんにもサインを戴いて、私は終電を狙って早退する。機械のトラブルもあって歌えなかったのが残念だったが、まあ仕方ない。
2000年4月30日(日)
面倒なので、今日のところは29日の日記はそのままにしておく。
昨日の西澤ファンクラブ観劇オフのためにわざわざ名古屋から出てきたたれきゅんと帽子屋両者、それに関東在住だが昨日のオフには参加しなかったゆきりん&かなぞうらと銀座で昼食を採ることに。起床後場所の連絡を受けてバイクで現地まで向かったのだが、何故か私に場所を伝えたゆきりんが一番遅く来る(と言っても10分足らずだったが)。今度遅れたら遅刻魔と呼ぶ、と警告しておく。かなぞうは友人のライブに参加したとかで昨日のオフを欠席したのだが、そのライブの場所が水戸だったこと、二次会はほとんど自由参加であったことなどを聞いてしきりに悔しがっていた。
最初は煉瓦亭を訪れるつもりが、日曜定休だったためイタリアンレストランのバイキングに変更された。結局徹夜だった筈なのにたれきゅんはまだ元気そう……に見えた。或いはただ寝不足でテンションが高かっただけかも知れない。帽子屋はだいぶグロッキーの様子だったが。色々話をするがあまりここでは書けない。
1時間以上だらだらしたあと店を出て、何故か山野楽器を訪れる。最近ウクレレに凝っているかなぞうに唆されてたれきゅんがそのつもりになってしまったのだった。無論私も背中を押したのだが。店員と相談している間私は店内を右往左往する。楽器、特に弦楽器は見ると何故か手に取りたくなる悪癖が私にはある。結局たれきゅんはアクセサリ各種含め三万ほどを事実上衝動買いした。
再度場所を移して、ファーストフード感覚の喫茶店二階にて歓談する。やっぱり書けない内容が中心。帽子屋は殆ど沈没していた。今度は私が唆されるが大丈夫、ウクレレなら間違いなくそのうち買う。
店を出たところで、かなぞう・ゆきりんは名古屋組二人を見送るために一緒に駅に向かう、ということで私は別れる。帰途、八重洲ブックセンターに寄り真保裕一『ストロボ』(新潮エンタテインメント倶楽部SS)を買って帰った。文中敬称略だが深い意味はない。
さて、しつこく遊んでいる『まじかる☆アンティーク』(Leaf・18禁)である。まだ攻略済みのキャラは僅かに二人、他にもメインヒロインのエンディングは三回見たがどうも正しい結末ではないようなので、やり直す必要があるだろう。それでも、本編の欠点はよーく理解できたと思う。結局のところ、『こみっくパーティ』と同じ種類の勘違いが作品に残っているのである。つまり、シミュレーションと謳いながら結末はキャラ攻略に依存し、結局特定の条件(フラグ)探しを強要するアドベンチャーゲームの変形になっているだけ、というもの。シナリオやシステム・音楽・CGなど細部の質が悪くないので遊ぶ上で苦痛を感じたりはしないまでも、フラグ条件がアドベンチャー部分での行動に左右されすぎること、またシミュレーション部分で立つフラグの内容が見えない点など、ネット上の攻略ページや雑誌の攻略記事に頼ることを前提にさせるような組み立てに、私はどうしても賛同できないのだ。
キャラ毎のシナリオは着眼点がそこそこ評価できるので、シナリオを読む、という意図のみで遊ぶならひとまず及第点としておこう。ただ、終盤でたったひとつ行動を忘れただけで、シミュレーション部分での結果が全て無に帰されるような話作りは、やはり戴けない。