2001年3月上旬の日常
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2001年3月1日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day01うああああああ、三月になってもた。
どーも調子が出ません。疲れが溜まって思考回路の動作性能がかなり落ちているような気がします。懸案の短篇一本は、昨晩からどうにか山を越えられそうな気配を見せてきたが依然として完成せず、そうこうしているうちに全く違ったアイディアが湧いてきてしまったり。……いや、このアイディア、非常に私のツボで拡大して使いたいくらいなんだが……ああ、どないしましょ。ますますミステリ系から遠退いていくぞ。……というかね、今ね、無性にありきたりな恋愛物を描きたいのよ。設定だけは異常なものにしたりして、ね……そうして描きたいものが積み上がっていくのが自分にとって最大のフラストレーションなんだが。即ち自縄自縛。
本日のお買い物
1,『サクラ大戦2 〜君、死にたもうことなかれ〜 初回限定版』(SEGA・Windows対応ゲーム)
……結局買っちゃったよおい。他に何か、再販の安いソフトを買おうと悩むが、それは短篇が仕上がったときのご褒美に取っておくことにする。候補は『プリンセスメーカー』(第一作な)に『ネクストテトリス』、あとハロルド警部シリーズあたりで。……急にね、普通のゲームが恋しくなってきたのよ。
それはそうと、この『サクラ大戦2』PC版はインストールディスク五枚にゲームディスク三枚の大ボリューム、最大インストールを行うと1.5GB以上を消費するという凄まじい代物。オリジナルのスペックをPC上で見栄えよく再現し、更に新機能を搭載させるにはこれだけ必要だった、ということだろう。あまり聴かなくなったMP3を処分してスペースを作り、他の作業でだらだらしながらのインストールは想像以上に時間がかかった。で、いざプレイしてみると……オープニングテーマで歌詞が表示されない。一枚絵の静止画で、口パク・瞬きのみアニメーションを行うものが幾つかあるのだが、それが口と目の部分(つまり動く部分のみ)しか見えない。このまま続けても腰が砕けるだけだ、と思い、原因究明を試みた……と言っても、ことがグラフィック関連のみなのを考えれば問題はDirectXのヴァージョンかディスプレイドライバにあるのは容易に想像がつく。
で、まずDirectXのヴァージョンを、既にアップデートしてあった8.0から、『サクラ大戦2』同梱の7.0aに戻してみる。改善せず。次は、ディスプレイドライバの更新を試みる。使用しているPCは牛さん謹製のものなので、まずは牛さんのサポートから対応したグラフィックドライバをダウンロードしてくる。だが、タイムスタンプを見た時点で駄目な気がした。日付は1999年6月頃のもの……よもやこれで最新のDirectX対応はしているまいと思いつつ、一応現在使用しているものよりは新しいのでアップデートしてみた――案の定、症状は改善していない。では、とグラフィックチップの供給元で最新のドライバーの有無を確認する。利用しているのはRIVA TNTのメモリ16MBのもの。既に二年以上を経過したもののため非対応という可能性も念頭に置いていたが、意外や意外、メーカーのnVIDIAではTNTから最新のGForceまでをひとつの汎用ドライバでサポートしていたのである。万一のことを考えて先程ダウンロードした牛さん供給のドライバを保管しつつ、nVIDIAのドライバをインストールしてみたところ、無事症状は解消された。良かった良かったこれで心置きなく遊べる……が、牛さんのドライバ管理の杜撰さまで発見してしまい、将来に不安材料を見てしまった気もするが。
で、そんなこんなで格闘していたら肝心のゲームを遊んでいる時間は現在までありませんでした。というわけで、感想は書くにしても後日……そもそも私はサターン版を持っていながら30分で止めてしまった(詰まらないからではない、ひたすら疲れるのだシステムが)不届き者故、いつまで続くかどうか。いやそれ以前に、このゲームには前作のクリアデータを読み込んで物語に反映させる機能があるのだが、私は前作さくらしか攻略していないのである。困った。せめて紅蘭だけでも続きのシナリオが見たいのにぃぃぃ。
2001年3月2日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day02途中で終わらせるのがいい加減気持ち悪くなったので『サクラ大戦2 〜君、死にたもうことなかれ〜 初回限定版』(SEGA・Windows対応ゲーム)第一話だけ終わらせる。前に30分ぐらいだけ遊んだときと基本的な感想は同じ。……良く出来てるけど、疲れる。選択肢のたびに走る緊張感が何とも言えない。攻略本がないと消耗して消耗して仕方ないぞ。
で、昨日も記したとおり、このゲームは前作のクリアデータを継承して若干本来と異なった展開を楽しめる。だが私は1人分しか攻略しておらず、必然的にそのキャラのデータを読み込んで始めたのだけど、どうも物足りない、というか気になって仕方ないので、他のキャラのクリアデータ継承シナリオも見てみようと改めて第一作を最初から始めてしまう……どういうことだやること増えてるじゃん。尚、当時は相当美麗に見えたアニメーション、『2』と比較すると非常に雑です。mpegとaviの底力の違いを見た気がする。峠を越えて執筆そのものは閊えなくなってきたが、気力が磨り減っているためちょっと書くと手が止まってしまう。一方昨日得た想は頭の中で無限増殖を繰り返しており何らかの形で書き留めておかなくては、と焦燥感を募らせる。ああ堂々巡り。
本日のお買い物
1,丹沢 恵『ごめんあそばせ(10)』(芳文社・まんがタイムコミックス)
2,ほったゆみ・小畑健『ヒカルの碁(11)』(集英社・ジャンプコミックス)
3,森岡浩之・原作『星界の戦旗 Volume.06』(バンダイビジュアル・DVD Video)
と、定期購読の雑誌『Outrider』。そろそろツーリングに適した季節になり、こういう雑誌は目の毒と感じるようになってきた。……読むとふらふら出歩きたくなるんだよなあ。職場の状況からすると迂闊に休めないからなあ。
2001年3月3日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day03……休祝日を妙に動かすぐらいなら、雛祭りを休日にしてくれないものだろうか。
今日は脳味噌リセットの日。創作活動も仕事も読書もせずにのんべんだらり……とゲームをする。『サクラ大戦』シリーズは時間がかかって仕方ありません。二本同時にやっている所為もあるが未だ一回りも終わってねえやはははははははは。
今日はそんな感じで過ごし、兎に角疲れを取るのである。意欲があっても集中力と持久力がなければ進むものも進まない。明日、恢復具合を見て作業に復帰するつもり。というわけで明日から再始動しますので今日は見逃してくださいぃぃぃぃぃぃぃ。
2001年3月4日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day04今月も、毎週映画を見に行くのかも知れません。第一回の今日は――『アンブレイカブル』(ブエナビスタ配給)再鑑賞。見に行くという母に従って上野まで出かける……が、第一回上映の時間を間違えてしまい、一時間ほど半端な空きが出来てしまった。その間を利用して、観賞後にする予定だった買い物を先に済ませる。
ヨドバシカメラで仕事用のフロッピー・MOと、先日の予告通り『プリンセスメーカー』(CYBERFRONT/NINELIVES・ウインドウズ対応ゲーム)を購入する。前に来たときには低価格ソフトはひとつの棚に統一して置いていたのが、今日はサイバーフロントのもののみ別の棚に移されていた。改善はいいが改悪は止めなさい。
次いで松坂屋に向かう。訳あって自宅階段の壁に小さめの絵を飾ろうという話になっていたため、それを買いに来たのである。試行錯誤の果てに南館四階の一画に額とポストカード・上質印刷絵画を扱っている売り場を発見した。私は傍観するはずが、フォトスタンドにきたのじゅんこ作品が入っているのを発見してから俄に発憤、あれこれ口を挟んでしまう。結局売場の女性の厚意で、スタンドに入っていたきたのじゅんこのものを含めたポストカード数枚と、それらに適当なサイズの額を三枚購入した。私はと言うと、きたのじゅんこの『シルフィード』と題されたイラストのA4大サイズのものに未練たらたらなのであった……額込みで2500円。畜生いつか買いに来たる。
その後、マクドナルドで簡単な食事を買って漸く映画鑑賞……と言っても私は二回目、先に一時間ほど軽い運動があってしかもここ数日の倦怠感も手伝って、頭痛と欠伸に度々見舞われていたのだった。細部の伏線を確認したり、懸賞に応募するためにある表現を目を皿にして探してみたり(のちに確認したところ、結構簡単なところに発見したりして……)、二回目でも充分に楽しめたのだが。終幕後身支度をしていると、後ろの座席で女性ふたりの会話が耳に入る。
「……結局、どーして『アンブレイカブル』って言うのか解らなかったねー」「そうだねー」
……見りゃ解るだろが見りゃ!!!! というか貴様ら、字面で推測つかないのか?! 「BREAK」は「壊れる」「ある領域から別の領域に移行する(突出する)」といったニュアンスがある、後ろの「ABLE」は「可能である」「能力」という具合に「出来る」という意味合いを前の単語に添え、頭の「UN」は「BREAK」を打ち消す効果がある。即ち「壊れない(壊れにくい)もの」といった意味がある。――そんなこと説明されないでも察しろーっ!!!
ひたすらツッコミたい衝動に駆られたが、気付いたときには姿を消していたため叶わなかった。まだゲームを続ける。『プリンセスメーカー』は……何と言おうか、やっぱり古い。一部無理に色数を増やしているところもあるようだが基本的に256色で彩色されたCGはやはり見劣りがするし、シミュレーション部分も繊細さ・プレイヤーへの配慮の細やかさという点で『2』『ゆめみる妖精』に遠く及ばない。……娘のデザインは一番好きなんだけどね。
『サクラ大戦』は『2』を一旦脇に置いて、ひたすら第一作を紅蘭中心で進める。別キャラ攻略をスムーズに行うため、他ふたりほど好感度を稼いだデータを残しておいたり。……進んでいない作業が気に掛かってはいるのだが、お陰で幾分リフレッシュできてきたような気がするのだった。いい加減復帰せねば。……って、今日からじゃなかったのか?で、紅蘭をヒロインに祭り上げたところでよーやく『サクラ大戦』を一旦終わらせ、俄に執筆に戻る。一時間で4枚、と決めて実践。これが実際に出来るのだから、どうやら復調の兆しが見えた。……夏まで持続してくれればいいんだけど。
2001年3月5日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day05『サクラ大戦2 〜君、死にたもうことなかれ〜 初回限定版』(SEGA・Windows対応ゲーム)には、PC版独自の機能として「蒸気カメラ」なるものが備わっている。これはゲーム中、任意の場所でF12キーを押すと、その時表示されているグラフィックを撮影・記録してくれる、というもの。記録した画像はゲームから独立したプログラムとしての「蒸気カメラ」で閲覧でき、更に壁紙に指定・BMPに変換することが出来る。
とは言え私の場合、遊んでいるときは基本的にこんな機能のことなど忘れている(つーかそれどころじゃないもの)から、プログラムを起動しても保存されているグラフィックの数はたかが知れている。で、昨晩ふと「蒸気カメラ」を起動してみると……何故か、特定のキャラが妙に多い。要するに、そのキャラ絡みのイベントでこの機能を思い出す例が多い、ということなのだろうが……我ながら大いに問題があるような気がする、そのキャラとはさて果たして誰か。本日のお買い物
1,橘 裕『Honey(3)』(白泉社・花とゆめコミックス)
ざっと流してみただけだが、どーも個人的にあまり愉しくない展開に向かいつつあるような。最近私の嗜好に、「過去の因縁に頼らない物語」を欲する傾向があるため余計に反感を覚えているのだけど……何それを言い出したら殆どのお話は過去の因縁に頼ってるじゃないか、ですと? 仰言るとおり、だがその扱い方にこそ作者のセンスを問いたいわけで……という話をし出すと長いので省略。何にしても、このシリーズはもーちょっと突き抜けてくれた方が嬉しかったのだが。軽く雄叫びを挙げてみたりする。……まだ現物を目の当たりにするまで安心は出来ないと思うのだけど、取り敢えず喜んでおこうっと。どっちにしてもこれで作業を止めていい訳でも止める気になった訳でもないんだから。
2001年3月6日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day0621インチのブラウン管交換程度で13万もかかるか? 使い始めて二年程度でそんな部品完全交換のようなトラブルが起きたというのに、原因が解らないというだけで請求をこっちにまわすのか? 何よりどうしてそんな無体な請求に疑義を唱えないのだ代理店。それで務まるなら私ゃ始めから全部自分でメーカーと取り引きしてるわい。
本日のお買い物
1,七月鏡一・藤原芳秀『闇のイージス(1)』(小学館・ヤングサンデーコミックス)
2,山田風太郎『人間臨終図鑑I』(徳間文庫)
3,福永武彦『加田伶太郎全集』(扶桑社文庫・昭和ミステリ秘宝)
4,『ミステリマガジン 2001年4月号』(早川書房)
『ジーザス』コンビの復活となる1は躊躇なく購入。題名がどっかで見たことがあるような気がするのがネックだが。
3は新潮文庫版が知らない間に絶版となっていたため、私にとっては待望の一冊だった。人が何と言おうと買う。
で、発売からやや遅れての購入となった4は、芦辺 拓氏と二階堂黎人氏の書き下ろしパスティーシュを含むジョン・ディクスン・カー特集。長篇リストに多士済々のエッセイ、海外のパスティーシュに未訳中篇の掲載など盛り沢山の内容だがそれにしても高い値段のためになんとなく躊躇していたのであった。……ジャーロ二号も途中で止まってるしな。取り敢えず芦辺さんのだけでも読もうと着手するも、完全にベクトルが創作の方(及びゲーム……)に向かっているため、果たしていつ読み終えるやら。このまま次のパスティーシュ作品集刊行までほったらかしというのは自分でもやだなー。他、明日発売予定のDVDを買いに帰宅途中寄り道するも、延期であった。いつも思うのだが、こういうソフトの遅れる要因って一体何なんだろうか。
2001年3月7日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day07本日の大ポカ。作業用データの同期を収めてあるZipディスクを自宅に忘れる。お陰で仕事の空き時間に作業が出来ず、仕方なくアナログで出来ることを優先する……が、これは今やる必要のない内容だったような。
今書いている作品はなるべく今週中に仕上げたいので、仕事がこれ以上来ないのを見越して早めに帰宅する。MP3をバックにさっさと作業を始めよう……としたところ、聴こうと思っていたデータのタグ情報が消えてしまっている。どうやら以前に操作したとき、誤って消してしまったらしい。それもこれも利用しているソフトの使い勝手が悪すぎるからだとぶりぶり憤りつつ、フリーウェアのタグ編集ソフトなどを併用して情報を再度入力する。想像より紛失分が少なかったために、一時間ほどで状況は改善したが、結局早退した時間分をこの作業に奪われる格好となった……ああ、意味なし。職場のモニターの件は未だ紛糾中。代理店の若者、交渉能力ゼロなのかもしかして。――因みに、若者と言ったが多分実年齢は私より上。
本日のお買い物
1,丹沢 恵『あしたもゲンキ!(4)』(竹書房・BAMBOO COMICS)
どうも4コマ漫画家の単行本というのは一時期に集中して発売される傾向があるんじゃないかと最近思えてきた。先日の森村あおいしかり、小池田マヤ然り。……ところで、小池田マヤはあと一巻で完結という作品が二つほどあったはずなのだが、一年以上ブランクがあるのは一体どうしたことだろう。……概ね理由は想像できるのだが。今日聴きたかったデータ、というのはCharlie Haden & Pat Metheny“Beyond The Missouri Sky”。先頃今年度グラミー賞受賞をネタに騒いだばかりだが、実はメセニーのグラミー獲得はこれが初めてではない。グラミー賞公式サイトにて検索すれば解ることだが(ここに私が検索した結果があります)、この“Beyond The Missouri Sky”をはじめとして、最新の受賞を含めて14回も賜杯を得ている。しかも、一覧とディスコグラフィーをよくよく比較してみると、パット・メセニー・グループとしては“Offramp”の受賞以来、二枚を除いた全てのアルバムで獲得しているのだ。こうなると「取るのが当たり前」とさえ見えてしまうから凄い。グループ以外でも、畢生の名作“Secret Story”に、チック・コリア&ゲイリー・バートンらとの共演“Like Minds”など、ファンとしても成る程と思うところでは全て勝者となっている。その中でひとつだけ異色なのが、グループとしての最新アルバム“Imaginary Day”収録の楽曲“The Roots of Coincidence”で得たタイトルである。アルバムとしては「Jazz」のカテゴリで獲得しているにも拘わらず、この曲は[Best Rock Instrumental Performance]部門での受賞なのだ。このアルバムの特異な性質が窺われるエピソード。
……は兎も角、問題の“Beyond The Missouri Sky”。これはその後ろに「(Short Stories)」と添えられているところからも窺えるように、一曲一曲が何らかの物語的を想起させる、叙情的な雰囲気を備えている。購入当時は「地味なアルバム」という印象が強かったが、この端正な演奏が聴けば聴くほど味わい深いのだ。演奏者はベース担当のチャーリー・ヘイデン(矢野顕子とメセニーの架け橋となった人物でもある)と、アコースティックギター及びダビングでのシンセサイザーを担当したメセニーのふたりだけ。それが地味な印象に繋がっているのだが、まるでお互いの精神世界に分け入るような、静かながら果敢な演奏はグラミー獲得も充分に頷けるもの。
と同時に、グラミー賞の名前は大きいが反面部門が多すぎて細かいところはリスナーにまるで浸透していない、というやるせなさを感じてしまう。いーいアルバムなのにねー。何故ファンになるまで知らないんだか私も。
なお、もしこれを読んでメセニーを聴いてみたいと思われた向きは、グループ最新アルバム“Imaginary Day”か、単独名義での“Secret Story”から入ることをお薦めします。間違ってもいきなりトリオ作品から入ったり、いきなり“Zero Torelance for Silence”や“Sign of 4”から挑戦してはいけません。
2001年3月8日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day08時々親父が取引先の人間を連れてきて酒や食事を奢っている。私は渉外担当ではないので彼らとの付き合いはなく、食事の時間帯だけ束の間同席するのだが、それでも一応は会話をする。それで映画業界の近況や裏話をこっそり仕入れたりしているわけだが、昨晩はちょっと困った。先日、この日記でかなーりきつい調子で言及したデザイナーが、上司(こちらは何度も見えている)とともに訪れたのである。……無論、会話中そんなことはおくびにも触れなかったが。
で、昨晩は無事に乗り切ったものの、今朝になって母が職場に置きっぱなしになっていた『本格推理15』のストックを拾っていた。何事かと訊けば、昨晩のデザイナー氏、最近ミステリをよく読んでいるそうで、私の知らぬ間にこれを提供する約束が出来ていたらしい。……お読みになった奇特な向きは御存知だろう、あれには当サイトのアドレスが明記してある。――当該する日付に書いたことは当人にも説明したことであり、撤回する必然性は感じないのだけれど。自らが与り知らぬところで言及されるのは果たしてどんな心境なのやら。……と客観的に分析しようとする自分もどうかと思わないでもない。仕事の空き時間にバイクをショップに持ち寄り、チェーンにブレーキパッドなど各種消耗品を交換して貰う。気付けば六年以上も乗っており、すっかり日常の足と化したが未だまともに遠出していない(一昨年のツーリングぐらいだ……って、ルポの執筆途中で止めたままだ……)。各所に調整を施され軽快な乗り心地となったバイクでの帰途、今年こそ何処かに出かけたいものだと念ずる。……関西っすか?
本日のお買い物
1,舞城王太郎『煙か土か食い物 Smoke, Soil or Sacrifices』
2,東海洋士『刻Y卵(こくあらん)』
3,石崎幸二『あなたがいない島』(以上、講談社ノベルス)
コリン・ウィルソンは高すぎて駄目です。今月ばっかりは勘弁してください。なお、2の『Y』は「ふたまた」「あげまき」という訓読みのあるれっきとした漢字ですが、当然の如く常用漢字には指定されておらず殆どのフォントでは表示すら出来ない模様。のため、アルファベットYの大文字で代用した次第。無理矢理打つとただ「?」とだけ表示されます。『奇跡体験!アンビリバボー』のスタッフはもう自分で取材するのは止めなさい。何が『埋蔵金発掘プロジェクト完結編』だ! 何がたたりだ! チーフディレクター1人がちょっと具合を悪くしたぐらいで中断するならはじめから計画自体立てるんじゃないっ!!! そもそも祟りがあるにしたって、そこが伝説の十三塚という証明ではなくただ単にかつての霊園や墓標であった可能性の方が高いとは考えないのか?!……ツッコミどころ満載で毎回愉しませて貰っているが、今回はちょっと行き過ぎである。まあ、回りの犠牲を顧みない人間が最後の自分の身可愛さに計画を中断させる、という構図をほったらかしに放送している辺り、如何にこのスタッフに客観性が欠如しているかをよく証明しているんだけども。
2001年3月9日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day09仕事は暇だが、作業は漸くひとつが佳境。相変わらずクライマックスにかかると進行が早いが、何を書いても「解決編」もどきや解説部分が長めになってしまうのはどーしたらいいやら。現在の見通しで、全体の1/5が解決編もどき。……まあ、その辺は容赦していただくとしても、全体に実験的な表現が目立ってしまったのはちょっと拙かったかもしれん。自分ではなかなか納得のいく出来にはなってきているのだが。
本日のお買い物
1,ロクニシコージ『すべてに射矢ガール(1)』(講談社・ヤンマガKC)
2,栗本 薫『グイン・サーガ78 ルノリアの奇跡』(早川書房・ハヤカワ文庫JA)
1は某氏から推薦されたもの。成る程、頭から矢を生やした少女というのは装飾であり、根っこは非常に真っ直ぐな(愚直と表現したくなるくらいの)青春物語。ところどころわざとらしさが鼻についたり、いまいち安定していない絵柄が気になるものの、面白い。この先も期待大。
2001年3月10日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010301~.htm#Day10ここ暫くほぼ恒例と化した週末の映画鑑賞。
『バガー・ヴァンスの伝説』(20世紀フォックス配給):1916年、ジョージア州サヴァンナ。16歳でトーナメント初優勝を遂げたラナルフ・ジュナはまさに人生の春を謳歌していた。敵なしで勝ち続け、サヴァンナ一の大富豪インヴァゴードン家の子女・アデールとの恋も得て順風満帆であったが、折から勃発した世界大戦に出征、そこで目撃した地獄に打ちのめされて失意のうちに帰国、隠遁者のような暮らしを送る。
それから12年、大恐慌の直中にあって町中が失業と貧困とに喘ぐ中、アデールの父は以前から全財産を費やして建築していた最高級のゴルフ場をオープンに漕ぎ着けるも営業不振から自殺、アデールは負債とゴルフ場との経営を一身に背負わされた。起死回生の一策としてアデールはスタープレイヤーであるウォルター・ヘーゲンとボビー・ジョーンズを招いてのエキシビジョンマッチを企画する。そして、地元からはハーディ少年の提案により、ジュナが招かれた。「スゥイングを失ってしまった」と言いはじめは乗り気でなかったジュナだが、「ここで抱かれてみれば」という冗談に呼応してまで参加を望んだアデールにほだされるように、夜間に練習を始める。その宵闇から、バガー・ヴァンスと名乗る黒人が飄然と現れて、「自分をキャディーとして雇ってくれ」と言い出した。やがてハーディ少年もキャディー助手となって、エキシビジョンマッチは開催された――
――何と言おうか、一番オーソドックスな映画作品という趣がある。ゴルフと人生を重ね合わせて、かつての神童を「失った自分のスゥイングを取り戻せ」と導く不思議なキャディーに纏わるファンタジックな物語。オーソドックスな材料を用いてオーソドックスな筋書きを辿っているだけなのだが、その王道ぶりが堂に入っていて巧い。『クリムゾン・リバー』のような緊張とも『ペイ・フォワード』のような圧倒的感動とも違う、最もあるべき映画の姿を体現した一篇だろう。「完璧な映画」という当地マスコミの評も頷ける。個人的には、未だに好きな映画として五指に挙げる『リバー・ランズ・スルー・イット』の監督でもあるロバート・レッドフォード作品と言うこともあってその映像美に期待していたのだが、こちらも全く裏切られず満悦した。取り分け、人間的だが何処か天使めいて描写されたヴァンスを、登場したときと同様に闇に返す処理は、定番だがそれ故にツボを突いていていい。エピローグもまた同様。映像的な美しさと敢えて裏切らないストーリー展開が却って心地よいのだ。
『リバー〜』の時も「フィッシングって綺麗なスポーツやねー」と思わされたが、今回も案の定「ゴルフって綺麗なスポーツやね〜」と思わされて帰った(無論プレイヤーの真剣さにも依るのだろうが)。この説得力こそ本編の真髄かも知れない。……にしても、節操なさ過ぎかも知れんな私は。
帰宅後も映画熱醒めやらず、未鑑賞DVDから『スピード』を見る。食事と日記を書くときのBGV程度のつもりが見入ってしまう。あの内容だからねー。
先日、初めて「発泡酒」を飲む。某社が遂にこの市場に参加したとして大々的に広告しているアレなんだが……不味い。はっきり言って、無茶苦茶不味い。飲んでいるときの苦みに深みも味わいも感じられないし、「さっぱり」を謳っているくせに舌にいつまでも砂のようにざらついた後味を残して、不快感ばっかり与えられる。如何に私が酒を飲むようになって短いと言っても、これが不味いという感想は覆そうにないと思うんだが。試しに別の会社の発泡酒も飲んでみたが――数倍ましだった。というわけで、私は当分この会社の酒類は出されても飲まないことにします。あー気分悪い。リンクしちゃうぞ畜生。
「若おやじの日々」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)。
ゲームやりたい本読みたい尚かつ映画も見たい(病気)。