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ごく最近、ダ・ビンチの描いた壁画「最後の晩餐」が超高解像度のデジカメで撮影されたことがニュースで報じられました。イタリヤのある 会社が壁画を160億画素のデジタル画像として収録し、インターネットで公開する計画だそうです。160億画素といえば、現代の市販最高級のデジカメ
の1600倍の解像度に相当します。
「最後の晩餐」は世界遺産となっておりますが、過去数百年の歴史の中で、戦争や改築その他諸々の環境変化により劣化や損傷がかなり
進行しています。従って今の段階でデジタル画像の形にしておけば、画像自体には劣化が起こり得ないので、永久保存することができます。
日本でも今日、キトラ古墳の壁画の保存管理がいろいろ問題になっています。1000年を越える長い間土中に眠っていたものを、
突然開放して俗世界の外気に触れさせるのですから、カビなどが付着したりして急速に劣化や損傷が進むのは当然です。さらに管理に人が
関わるので、人的ミスによる損傷も起きます。現代の科学技術を駆使してこれからの保存管理に最善を尽くしたとしても、次の1000年先
まで品質を維持できるかどうかは保障できないでしょう。だからできるだけ早い時期に、デジタル技術で高解像度のコピーを収録しておくこと
は大きな意味があります。
さて私どもは趣味の絵画を楽しんでいます。苦心して描いた作品はどれも愛着があります。そのままの形でいつまでも保存しておきたく
なります。しかしこの道に熱が入れば入るほどに作品の数が増えていきます。人によっては100点を超え、あるいは1000点を超える人だって
おります。そうなると当然保存場所に困ってしまいます。また、油彩画などの作品は、時とともに損傷が進行します。適切な温湿度の維持など、
管理に余ほどの注意を払わなければ、変色、ひび割れ、カビの付着などに悩まされます。
その解決策として、従来、作品を写真に撮り、DPEのプリント形で保存する人も居られたと思いますが、DPEは機械で自動処理されます
ので、プリントの段階で色合いに狂いがあったり、また年月を経て色あせたりします。最近は個人でインクジェットプリンターを使ってプリント
することが多くなりましたが、この場合は印刷時に色合いを個々に修正することはある程度可能です。しかしプリントされたインク自体の
経年変化は止める事はできません。
従って、私どもの作品も冒頭で掲げた文化遺産に倣って、デジタルカメラでデジタル画像として保存するのが最良の方法と考えられます。
もちろん世界遺産ならぬ私どもの作品ですから、解像度で500万画素程度の、言わば中程度のデジカメであれば充分です。デジタル画像は
デジタルな処理ですから、画像ファイルとしてとっておく分には、CDやDVDと同じように全く劣化がなく、経年変化が起こりません。ここが非常に
重要なところです。
元の画像を再生するにはインクジェットプリンタで十分です。しかもそれは必要の都度、必要な数だけ行えば良いのです。プリンタの調子 によってはその折に色合いが変わる虞がありますが、プリンタの操作に慣れた人なら、全く問題なく忠実度の高い再生ができます。むしろ重要
なのは、 撮影の段階で原画に忠実な画像ファイルを作っておくことです。 デジタル画像は管理に経費も場所もとりません。例えば小銭入れに収まる程度の 小さなメモリースティック一本で、数百万画素の解像度
の画像を数百点も収録できます。自身が注いだ情熱の労作の数々をこのような簡便で安全な形で保存することができます。また次の世代の人達 への、至ってスマートなプレゼントにもなります。
2008/1/1
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