SME3009II impの謎

Vinyl AsylumにBrian Kearns氏が投稿した記事(2002年4月18日)などから要約すると:

Original 3009,3009II,3009II impの設計は基本的には共通だが 3009II impの後期型(S/N が439606以降のもの)から新設計に変更。即ちLinear Offsetが88.873mm(EP&LP共用のStevenson type)から93.5mm(LP専用のBaerwald type)になった。Linear OffsetというのはSMEが採用しているアーム設計法でオフセット角に換算すると実効長231.2mmとした場合 前期型3009IIimpはsin-1(88.873/231.2) で22.6度。 後期型3009IIimpはsin-1(93.5/231.2) で23.8度。 通常の設計ではアームの長さが変わるとこの角度も変わるが Linear offsetで設計した場合その数値(mm)自体は変えなくてよいという利点があります。 Alignment protractorはLinear Offset数値が同じであればアームの実効長が変わっても共通にできる。だから新設計(Linear offset 約93.5mm)の3009R/3010R/3012R/3009III(CA1b付き)/3009IIIS/後期型3009IIimpは同じalignment protractor(#2295) が使えるようです。Linear Offsetの数値は2つの0ポイントの中点(平均)に当たります。例えばLinear Offsetが90mmならNULL Pointは: 90mm±αになります。つまり90mmの1点だけか、2点以上は80/100、70/110、60/120、55/125等の2点設定になるだけです。

レコードの中心から見てa(及びc),bを0地点のradiusと同じすると、直線abの半分がLinear Offset長 (=a+α=b-α)。 apbという二等辺三角形をLinear Offset長を底辺として2分すると上図に3つの直角3角形が見えます。内周側0地点を表すpcを斜辺とする3角形はレコード中心とpを結ぶ線を軸として左の3角形を反転させたもの[言い換えると内周側0地点での三角形を反転し外周側0地点での三角形と接続するとapbという二等辺三角形ができる]apb二等辺三角形を水平に左右にずらす(Alignment 調整する)とnull pointとしてのa(及びc)とbの位置がそれに従って変化します。0地点が1個(radius a = radius b)は2分点をレコードの中心に合わせた時(α=0)に起こることも上図で分かりますーその時盤上にnull pointがある条件下でのオ-バーハング最大値、Arm Distance最小値=実効長L*COS(オフセット角)となり、それ以上のオーバーハングではnull pointがなくなる。又abを極端に中心からずらす、即ちArm Distanceを増やしオーバーハングを減らし過ぎても音溝上にnull pointがなくなる。上図で2分点の位置が中心より左側になる時はb<aとなるだけでアームのDistanceは再びその最小値から増えていることに注意ください。アーム支点の位置はレコードの中心との関係(即ちDISTANCE)で見ると360度どの位置に置いても構わないのですが、(レコードが右回転だから?又は右利きの人に扱いやすくするため?)ターンテーブルの右側にアームを設置するのが通例です。DennessenやToulanのGeodiscというAlignment Toolも原理的には上の右の図と同じですが、Baerwald typeのリニアオフセット(93.4mm or 93.5mm)に限定した設計なので、他のリニアオフセット長のアームには利用できません。

上の左図はBaerwaldタイプに近い数値=Linear Offset長93mmの一例: 実効長229mm・オフセット角約24度・標準オーバーハング18mmとしたときのArm Distanceは211mmで0ポイントは66mmと120mmを示しています。ついでながら、細長いスロットのあるシェル上で針先をシェルの中心に沿って移動しても実効長とオフセット角は変わりますがリニアオフセット長さは変わらないので、ベッドプレート上でアーム支点を移動してMounting Distance及びOverhangを調整(調整可能範囲はベッドプレート中心から±12.7mm=half inchーそれを超えた場合はアーム穴=ベッドプレート設置位置の変更が必要)すれば、実効長に関係なく一定のnull pointsが得られます(リニアオフセット長にあわせて一つのプロトラクターを用意すればいいわけです)。但し、リニアオフセット長さがもともと違う設計のアームに対し無理やり66/121mm近辺にあわせることは、リニアオフセットを変更することになり、シェル上の中心線からカートリッジを捻って取り付けることになりますー海外のマニアでそんなことを勧めていますが、私は賛成できませんー何故ならシェルのところで視認できる量は角度で1度、長さで0.5mmが限界ではないかと思われますので、アームの設計製作以上のアライメント精度を一般ユーザーが出せるとは思えません。従ってアームのリニアオフセット長さにあったnull pointプロトラクターに合わせる(又はMounting Distanceを確認したうえで指定のオーバーハングに合わせる)方が良いと思っています(設計製作のいい加減な<行儀の悪いアーム>は別として)。右上の図はこのアームの速度振幅10cm/s信号に対しての最大歪です。通称Baerwaldタイプは音溝半径を60.325〜146.05としたときの最適なリニアオフセットを計算しているので、57.5〜146.5としたときはオーバーハングは短め17mm、アームDistanceは大きめの212mmの設定も同様に低歪になりますー実際のレコードの音溝範囲は個々に違っていますのであくまでも相対的・便宜的なものです。しかも速度振幅10cm/sの信号はかなり大き目の信号なので平均的には、オーバーハングで+1〜-2mm、又は内周の0ポイント65mm±10mm程度の許容範囲で設定すればほぼ問題ないと思われます(ごちゃごちゃ言ってる割に身も蓋もない結論)。一部のTranscription用途のアームを除けば、LP用アームのリニアオフセットは概ね85〜95mmの間に分布しています。

(アームの)造作と(水平トラッキング角度誤差を少なくする)調整は本質としては同一なのですが、ArmそのもののGeometry(Linear Offsetと実効長で決まる三角形)とそのAlignment(OverhangやMounting Distanceの調整)を分けて考えた方が分かりやすいと思います。Arm with certain fixed offset length irrespective of effective length L has potential for aligning on the same 2 Null Points as designed.

Protractor Alignmentの0ポイントは: 後期型/新型のプロトラクターは2点を示すtwo null points protractorで66mmと121mm(Linear offset約93.5に対し±27.5mm) 前期型/旧型では60.325mmと117.421mm(Linear offset88.873に対し±28.548mm)プロトラクターは60.325mm1点を示す簡易式。 アームの長さは同じとしてもオフセット角度の違いでベッドプレート/arm distance偏差がでる。 3009の実効長231.2mmはシェルの固定穴中心から9.5mmのところを針先として測っているらしい。ベットプレート上センターからスピンドル中心までの距離を215.4mmとした場合以下のとおり[上記Linear Offsetと0地点はあくまでも計算上の値なので実際の製作・設置とは隔たりがあることを念頭においてください]:

3009IIimp前期型/旧型:ベットプレート上センターにアームを置き60.325mm(と117.4mm)のプロトラクターに合わせる。すると結果としてのオーバーハングは15.86mm。内周側0地点を60.325mmした理由は当時のIECの溝規格の最内周だったから?(下の表参照)追記:初期(1958年)のIECの記述はインチ単位で表記されていました。2 3/8 inch=60.325mm for transcription recordings。ただしcommercial records の最内周については記述がありませんので旧IECからの不適切な引用のように思います。興味のある方はPersonal Note on Record Specifications (English)Comparative Table of Standards for 30cm LPをご覧ください。EP/LP共用の通称StevensonタイプはLPの最内周を0地点としていますがそれは見かけだけで、実は内周側はEP(最小音溝半径JIS53/RIAA54mm)外周側はLP(最大音溝半径旧IEC146.05/新IEC146.3/JIS146.5mm)の範囲内での最小歪を目指したものです。それでStevensonタイプはBaerwaldタイプより各0地点が内周側にずれています[特定の音溝範囲内で最小の水平トラッキング歪を目指している点では同じ設計方法です]。

30cm (12inch) Long Play Records

IEC Inner Groove Radius (Min) 60.325 (60)?
IEC Outer Groove Radius (Max) 146.05?
DIN Inner Groove Radius (Min) 57.5
DIN Outer Groove Radius (Max) 146.3
JIS Inner Groove Radius  57.6以上
JIS Outer Groove Radius  146.5以下
注: 上記IECはどうも怪しい。現在のIEC60098(1987)は少し違う数値を示しています。

3009IIimp後期型:ベットプレート上アームをターンテーブルがわに2.15mm寄せて66mmと120.89mmのプロトラクターに合わせる。 結果としてのオーバーハングは17.95mm。内周側66mmにし外周側121mmにして旧タイプに比べ外寄りにした理由は普通レコードは最内周まで音を刻んでいないからと、通称BaerwaldタイプはLP専用だから。個人的な印象ですが70年代半ばにはシングルEPからアルバムLPに比重が移ったと同時に25cm盤の生産が少なくなったと感じます。スロベニアのユーザーからはShure M97xEを付けた時SME Series IIIや3009Rと同じくL233.2mm Overhang 17.8mm Distance 215.4mmの時null pointsが66/121mmのプロトラクターに一致したとの報告もあり、実効長については疑問を抱いています。

3009R:実効長は少し長い233.2mm。ベットプレート上センターにアームを置き66mmと120.89mmのプロトラクターに合わせる。すると結果としてのオーバーハングは17.8mm

私のはシリアルナンバーがS/N 131459ですので旧型のアームで60.325mmと 117.42mmに0ポイントが在ることになります。私のprotractor で6cmのところに矢印があったのに一致します《ほっとしました》。中古で入手したのでMounting template はコピーです。このテンプレートでは3009が213.5mmで3012が293mmになっているのでSeriesIIからの使い回しらしい(註:1968年頃のSeriesIIのBrochureによるとArm Distanceは3009が8.43inch=214mmで3012が11.58inch=294mmとなっています)。impが登場した1972年に3012IIは生産中止になっている。コネクターも4ピンのものからRCAに換わったタイプがあるようです。IIimpのナイフエッジはモールドのはずですがII型までのようにスチールになっているものもあるそうです(optionだった?)。ベットプレート上の位置だけでなく他にもいろいろ疑問(実効長の記述の齟齬)があり完全にブライアン説に同意していません(頑固だなぁ)SMEのベットプレートは3009系のショートアーム間で互換性を持たせるためとアライメント調整を前提としているためアームの支点が常にそのベッドプレート上センターにあるとは限らない マニュアルを正確に読むとArm Distanceではなく、Bedplate Centre to Turntable Centreを規定しているので、Bedplateを取り付ける位置を指示しているだけで、その数値〔特に古いマニュアル]からOverhangを算定するのは適切ではない。ベットプレートは製作加工誤差から逃げる英国流の上手い(ズルイ)仕掛けとも考えられる。

シェルとアームが一体化されたModel 3009 Series II improved又はS2シェル付属3009/S2はコネクターやベアリングの材質だけでなく、他にも少しだけ外観が違うものがあります。新旧のマニュアルと私の現物をみると、アームリフター回りが違っています。1.一番古いと思われるのがリフターの受けがメタルクリップでアーム側についている。2.現在のは黒いアーム受けがリフター側に付いている。3.私のはリフターの受けがプラスチックでアームを取り巻くようになっていてナイフエッジのパーツと一体化されています。

ハーマンの記事は1981年以前の古いマニュアルに基づいているようです。 300とかV/IV等最近のアームの記述では同一ですが古典的なアームについては 以下のように違いがあります。元々SMEの発表当時のマニュアルでは inchが主表示で、併記されているmmは相当いい加減な変換数値になっていました。 その誤差は1/64inch(0.4mm)を超えた不整合な数値に変換されています。 製造規格が変わったとは思えないので、設計や生産が変わらなければ、 古いマニュアルを信じ、現行のSMEのサイトを信じない理由は私には見つかりません-私は現物で検証できない限りはどちらも信じない。 私を含め日本人はWesternerの書いたものを信じすぎる、 とそのWesternerから言われてしまったことがあります。シリングが廃止されたのが71年、inchよりもmm表記が普通になったのはその後(80年代)そしてECの一員になりつつもなり切れていない英国の大陸化現象(Continentalization)。皮相な見方でしょうか?

2003年現在のサイト比較

Harman Site SME Site
SME3009-R Effective Length 231.8 233.2 
Arm Distance 〔註参照]  215.4 215.4 
SME3010-R Effective Length 237.0 239.3
Arm Distance 〔註参照]  222.0 222.0 
SME3012-R Effective Length 307.3  308.8
Arm Distance 〔註参照]  294.1 295.6
 3009 II imp Effective Length 229.0  231.2
Arm Distance 〔註参照]  217.9 215.4

註:マニュアルを正確に読むとArm Distanceではなく、Bedplate Centre to Turntable Centreを規定しているので、その数値〔特に古いマニュアル]からOverhangを算定するのは必ずしも適切とは言えない。

 

各種の垂直ベアリングを折り紙や直角三角形定規でシミュレーションしました。

J字のナイフエッジ軸受けはかなり特殊です。ワンポイントとも最近のオフセットラインにあわせるベアリングとも位置が違っています。上図の軸受けから三角形の底辺に向かって斜めに下ろした線が軸受けに直交するラインです。したがって、ワンポイント以上に上下によりヘッドが煽られます。以下はどれも実効長を231mmとしオフセット角22.6度のアームの高さ調整(VTAが2度変わる)をした場合の計算例です。

Type of vertical bearing Change of VTA Up-down of arm post sidewise slant of shell
Modern arm - Bearings aligned with Linear offset line 2 degrees 7.4mm 0
Uni-pivoted arm 2 degrees 8.7mm 0.8 degree
SME3009imp 2 degrees 10.0mm 1.6 degrees

カートリッジ/シェルから見た時、SME3009impは高さ調整5mmで1度角度が変わります-と同時に約0.8度シェルが横に傾いてしまいます。針と支点は最初から同一水平面にないので下図の各所の数値は仮定ですが上記のVTAと横方向の傾きのシミュレーションには十分です。垂直運動の仮想軸はGBのラインです。アームを水平にした時、カートリッジの針先はナイフエッジ支点より12±2mmくらい低い位置になります。従って、表の数値はアームポストを上げてVTAを増やした場合です。アームポストを下げVTAをマイナス側にした時、針先が支点位置と水平になるまではオフセット長さも実効長も僅かに長くなりますが、カートリッジのボディがレコードに接触する恐れがあるので実際にはVTAをマイナス側にすることは希少な設定といえます(アームポストの高さ調整の本来の目的はターンテーブル+シート+盤の高低変化、或いはカートリッジの針先から取り付け面までの高低変化に合わせカートリッジを水平を保つためのもので、VTAを変える為にあるのではありません)。特にJ字のSMEでは高さの割りにVTAが変化しにくいことが表から分かります。

針圧付加機能:PDが221mm、針圧錘は22.6g、スライド量15mmでVTF約1.5gです。厳密には221÷22.6(mm/g)なので1.5gには14.7mmのスライド量ですが目盛りは15.24mmになっています(1目盛りは1/10inch=2.54mm)。そのため理論上は4%ほど針圧が目盛りより多く掛かるのはナイフエッジとはいえ1g以下では内部配線の影響で感度鈍るのでそれを考慮に入れた設計だとすれば巧妙です(0.01gの分解能のデジタルスケールHL-100での実測でも1g目盛り以上は多めにかかる事を確認できました)。0.25g刻みで1.5gまでの目盛りですが一番引き出した場合には2.2gの針圧になりました。針圧計を使えばバランス錘を近づけることで針圧はさらに増やせます。カートリッジの自重が4-9gの範囲を超えバランスが取れない場合の錘(LWR/MWR/HWR)もオプションでありました。針圧を増やした時に対応するバイアス錘Double Bias Weight(Part No. 1915/DBW)も用意されていて、装着時のバイアス目盛りは(0.25gではなく)0.5g刻みとして読むことになっていました。シェル交換型S2と一体型impのバランス錘は同じではありません。imp用の錘(1901)をS2に付けるとカートリッジの自重は0.25-5gの範囲になり、逆にS2の錘(1902)をimpに付けると8g弱-13g弱。ラテラルバランスをとるWayrod上の目盛りは12gまでしかないのと、針圧を付加するRider weight自体は不変なので、実際にはカートリッジの自重は12g以下でないと辻褄が合わなくなりますが???

カウンター錘とカートリッジ自重の範囲の表:impの標準錘1901は90gですが他の錘は予想重量です。なおS2の標準錘は1902です。カートリッジが調整範囲より重いとカウンターウエイトのネジがはっきり見える状態になるのが限界の目安。

Balance Weight Weights except 1901:90g are only estimation 
Part Number Weight(g) range of cartridge weight on imp range of cartridge weight on imp/S2
1901/LWR 70g 1.9-4.5g 0-1.9g
1901 90g 4-9g 0.25-5g
1902 110g 7.9-12.9g 4-9g
1902/MWR 130g 11.5-17.5g 8-14g
1902/HWR 160g 17.5-24.5g 13.25-21.9g

アームポスト高さを変化させるとVTAの変化以上に音質が変わるのはナイフエッジに掛かる動的な加重変化の影響ではないだろうか? ナイフエッジに対してアームの先は正対していないので上下させるとそれぞれのエッジへの荷重が左右で違ってくる。最悪の場合は片持ち状態になる。首紐を片手で持って犬の散歩をするようなもの、或いは片手を子供に取られた時バランスを崩すようなものか? 静的なバランスだけ考えるなら、針圧を掛けアームパイプの直線部を台に置きカウンター軸をドライバーなどで垂直に持ち上げた時、ナイフエッジが離れるのが左右同時ならナイフエッジ上の左右バランスは取れている。しかし上図を見ると針圧が掛かる方向も直接針先ではなくアーム直線部の延長線上にあって針先と直角に交わる仮想点Dに掛かるが、針先と盤からの反発力はA点にある。糸吊り式のアンチスケートバイアスも厳密に考えればラテラルバランスを崩す捻りの方向に働くので厄介(重・力gfは力であると同時に質量)。アイクマン氏の製品化されなかったアームもご覧ください。SME30xxシリーズでは針圧を調整すると静的な水平バランスが少し変わってしまいます。ソニーのS字のアームPUA-237やPUA-286などではJ字のアームのラテラルバランサーの取り付け位置と方向について検討した上で、より合理的な動的にも平衡するラテラルバランスを提示しました(米国特許3492006)。

Analysis of Knife-edges 
Distance between edges 2 cm
Distance to stylus from centre of bearing 23 cm
Included angle (tip-right edge-left edge) 73 degree
Distance to stylus from right edge 23.27248226 cm
Distance to stylus from left edge 22.76821401 cm
Included angle (right edge-left edge-tip) 102.1812757 degree
Included angle (right edge-tip-left edge) 4.81872429 degree
When tip is up or down from level, what should occur?
If the arm shall not rotate sidewise and pickup head is elevated vertically against pivots on warped record (+/-3mm).
Stylus tip level up 0.3cm left edge height 75 micron higher than right edge height 
Stylus tip level down 0.3cm

right edge height 56 micron higher than left edge height

J字のナイフエッジ軸受けアームの調整は針圧・ラテラル・ポスト高さなどすべてが互いに関係しあっていて複雑です。3009impは軽針圧のカートリッジで上手に調整できるとInfinityのBlack Widow並に素晴らしい性能を発揮しますが同じく取り扱いが簡単ではありません。どちらのオイルバスもナイフエッジの軸受け自体のほうをオイルダンプしたほうが良かったように思います。因みにSMEのオイルバスによるダンピングは1975年前後の研究(Leigh Phoenix's article on tonearm damping: BASS-03-04-7501b.pdf available at the BAS speaker )等に基づいているようですーその中でBob GrahamがSME3009impにSTP oilバスとパドルを組み合わせる工夫をしています。STPはガソリン添加剤(Oil Treatment)の商標です。問題は適切な粘度とパドルの大小によるダンピング量なのです。Boston Audio Societyの編集者の一員Harry Zwickerは”Most manufacturers have, in the past, attempted to reduce tonearm pivot friction to a minimum, but few have ever tried to sell their arms on the basis of proper damping (e.g., note the number of hi-fi salons that offer damping modifications for SME arms).”と言及しています。

SMEのナイフエッジがJ字の直線部に直交して、何故針の方向に向いていないのか疑問に思っていましたら、フランクフルトのKempinskiホテルで催されたHigh End 2003でIkedaやRegaのアームに混じってSMEタイプのストレートアームが出展されていました。J字のアームをそのままストレートに直したへんてこりんな形状でした。この場合VTF錘はwand上を移動させるべきなのにVTF錘が横につくのでラテラルバランスが取れない奇妙な構造です。なりより美的デザインとはかけ離れています。私は3009III以降のアームはライカのM型以降と同様に、何か無骨な感じがして余り興味がもてません。SMEのJ型には使う前から惹かれるものがあったのですが。。。機能だけでなく容姿風情に引かれるのは<自然には直線はない>アールヌーボーの趣味なのでしょうか? HFN2004年2月号をみると、SMEは3009IIimpとRの後続シリーズとしてM2シリーズを発表、M2-9,M2-10,M2-12の3種が春からMISSIONやT+Aのターンテーブル用に出荷されているそうです! 軸受けはナイフエッジから普通のベアリングに変更され、交換可能な専用マグネシウム・ヘッドシェル付きのストレートステンレスパイプのようです。High End 2003等に出品されていた試作品との違いは不合理なラテラルバランス軸の錘移動はやめて普通のアーム外観になっているところです。

不思議なのはアンチスケーティング用のバイアス錘の重さとバーの長さとの関係です。3009impの場合、重さは2.9gでバイアスバーの刻みは3.8mm/0.25gで1.5gまで刻まれています(バイアスバーの刻みの最大長はアームの支点から約22.8mm)。3009Rは1.9mm/0.25gで0.5gから5gまで刻まれています(バイアスバーの刻みの最大長は約38mm)。するとRと3.8mm/0.5gで刻まれているIIの場合バイアス錘の重さは2倍の5.8gでないとimpと同じアンチスケーティング・フォースが得られないはずです。3009TYPEIIIでは約2.5mm/0.25gで0.25gから2.5gまで刻まれバイアスバーの刻みの最大長は約25mmです。これら糸つり式のアンチスケーティング・フォースは計算しやすいのですが、上記を考えると実際に上手く動作しているか疑問ですーもうワケワカラン一体どれが本当なの? 錘とバイアスに見合う実効摩擦係数を以下のように計算しました。Equation for coefficient of friction between stylus and record=Bias Weight*Bias Scale distance from pivot centre at VTF 1g/Length(228 to 233.2mm)/SIN(max tracking angle)    註:Series IIのバイアス錘は2.9gとの報告が多いですが、オリジナルは4.5gだったと思われその場合は後のRに近い設定になります。SMEの最近のサイトでは以下の表のようにR用とS2impのDBWが共用になっていますが2004年のサイトでは次のように記されていました:”1915/DBW: Doubles the anti-skating force applied when a vertical tracking force in excess of 1,5g is required with Series II Improved arms. See information sheet No. 21 for details of use.” 技術資料No.21で”improved armにDBW装着時のバイアス目盛りは(0.25gではなく)0.5g刻みとして読む”ように指示されています。2004年の段階では4.5gのバイアス錘がSERIES IIIとR用に供給されていました。このようにSME自身でもサービスのために当座の部品を供給したことがあったようです。

Part number Drawing Description Usage
1915 P0441 Bias Weight S2
3520 P0672 Bias Weight S3, M2
1915DBW P0441/D Bias Weight S2, R 
 
SME 3009 実効摩擦係数 バイアス錘
Series II  0.23 (0.35) 2.9g (4.5g)
II improved  0.44-0.45 2.9g
R  0.34 (0.42) 4.5g (5.6g)
Series III  0.45-0.46 4.5g

井上敏也監修「レコードとレコード・プレーヤ」(ラジオ技術社1979)P.264に以下の<針先と摩擦係数の関係>の表が載っていました。ただし摩擦実効値が針圧x摩擦係数x√2なのか或いは針圧x実効摩擦係数なのかは明記されていません。私の上の表では単純に摩擦実効値=針圧x実効摩擦係数として計算しています(もしも針圧x摩擦係数x√2から逆算した場合は相当する摩擦係数が低いものとなり、Series II impとIII以外のバイアス設計は低めの設定になると考えられます)。弾性体の上で圧力と摩擦が直線的に比例するものなのかは疑問に思っています。いっそのこと付いているだけで安心を与えるようなバイアス機構なんて潔く捨ててしまった方が良いと言う極論まで出てきそうです。 註:英国のRangabeは√2を掛けるか掛けないかの係数の混乱について「friction drag and bias compensation (HFN FEB.1970)」で理論上の摩擦係数true rate of coefficient of friction μ=1/√2 of the value measured in the grooveと便宜的な実効摩擦係数coefficient of dragに分けた上で、針圧に直接掛ける実数範囲(drag coefficient)を平均0.27-0.5としていますので、以下の表も針圧に直接掛ける係数だと思います。1972年生まれの3009impはこのような背景で設定されたようです。即ち1971年山本氏が提示した摩擦係数μ0.3は摩擦上の理論値で、実効摩擦係数は0.424だったようです。しかし摩擦係数x√2=実効摩擦係数とすることの妥当性についてはいまだ疑念を持っています。溝の無い平面に針を落とした場合には摩擦が少なくなるはずですが、針底面の曲率はV溝における壁面接触時のfrontal radiusより小さい(接触面積が小さく圧力が増えることにより深くレコードを凹ます)ので、実際の抵抗は無音V溝より増えることがありますーDualの技師もUS Patent3328037-1967にて平面や音溝ではなく無音V溝にて摩擦を測るべきとしています。又、高域信号の場合に摩擦が多くなる理由は:カートリッジの高域端の機械インピーダンスが高い(針先を動かすのに必要な力が増える)ことが原因とする説もあります。動態上は圧力が均等に二分されることは少なく、平面接触でもないものの摩擦係数を云々すること自体が的外れなのではないか?弾性体であるレコードにおいて針の溝抵抗の経験値・実測値として捉えた方が良いと思います。同じ速度振幅の音溝信号でもレコードの盤質が異なると溝抵抗も異なることも報告されています(Rangabe)。

The relation between stylus tip and coefficient of kinetic friction (meaning drag coefficient?)

Groove and modulation Spherical tip (17μ) Elliptical tip (7x17μ) Shibata tip (7x65μ)
Mute plain groove 0.25 0.3 0.28
3〜10cm/s 0.3 0.4 0.35
8〜16cm/s 0.45 0.55 0.5
30kHz 5cm/s 0.4 0.5 0.45

以下に再掲載した図は係数を0.424とした時のものですが、この計算をする時にマニュアルを読み返しバイアスを実際に適応してみると、バイアスを変える時にはハンガーポスト(bias guide)も調整し直さなければ外周位置で糸とレバーが直角にならないことに気付きました。

Side Thrust Force=IF, Anti-skating Force=IFC, 実効摩擦係数uとして、一定針圧下でIFC/IF比とL/R音溝圧力比の関係を表にしてみました。SME3009impの例ですが実際のAnti-skating device形式を無視し単純にIFCの力を変えた場合ですーL/R圧力比は水平トラッキングエラー0地点(offset angle=tracking angle)での値を代表値としました。レコード盤に偏心や摩擦力の増減がなければIFにつり合うIFCの設計が出来ますが、テストレコードでさえそんな完璧なレコードは少ないので実際のAnti-skating device設定は相当いい加減です。

バイアス調整と摩擦力の問題はHiFi News October 1969にJohn Wright氏の詳細な報告[Bias Correction and Dynamic Conditions]があります。その実験では(シュアV15タイプII & IIIの開発者James Kogenのアイディアにより)カートリッジ本体をマイクロベアリングを介して(内部配線を取り除いて感度2.74mgにした)Decca International Armに取り付け、実際の音溝でside thrustとそれに釣り合う(無接触式のマグネット式バイアスを修正calibrationして)バイアス量を読み取る装置を使用している。その報告によると摩擦力は1.針圧に正比例し 2.楕円針は一般に丸針より大きいが、同じ丸針間では針の曲率半径に逆比例 3.音溝速度振幅の3要素に比例して増えるとのことですが、私はレコードの盤質(弾性)とカートリッジのダンパーのコンプライアンスも関係しているのではないかと素人考えしています。弾性変形の無い硬いもの同士のほうが一般に摩擦が少ないのと静摩擦係数は動摩擦係数より大きいのは粗さ斜面の仕事量(凸凹面が摺りあわない程度まで一方が持ち上げられる揚力)から推察できます。

針の形状とAnti-Skating バイアスの関係は:丸針S<4chシバタ針を含むラインコンタクト針L<楕円針Eの順に深くする設定が普通ですがEmpireのアームの設定ではE<L<Sと逆転しています。私の経験でも楕円針のほうが丸針より摩擦が多いとは一概にいえないようです。これは針自体の品質形状(公称名とは程遠い加工形状のものもある)と盤質で違いがでるのかもしれません。

SMEのDetachable Shellsの変遷についてドイツの友人から次の内容の報告を受けました。

I measured my headshells. Dimensions were achieved by measuring the distance from the inner edge of the hole to the connection flange to the arm + half the measured hole diameter. I have three SME headshells:

a. old (from Series 1 age), heavy about 12 grams without cartridge bolts
b. mid age (black SME logo with silver bordered, black letters), perforated holes and embossed logo, 5-6 grams with handle without cartridge bolts, handle to be fixed between cartridge and headshell
c. current (black SME logo with silver bordered, black letters) perforated  6-7 grams with handle without cartridge bolts, smooth cartridge mounting surface, handle bolted on side of headshell.

distances:
a. 39,2mm + 1,3mm = 40,5mm 
b. 39,5mm + 1,3mm = 40,8mm
c. 40,0mm + 1,5mm = 41,5mm

上記のaは60年代初頭のオリジナルシェル(何故かS.3と呼ばれている)で、bはimpモデルに付いているS-2(6.5g)、cは現行のS-2R(8g)と思われます。1963年頃のオリジナルシェルは次の画像のタイプですがSHUREの文字が同居していないのが本当のオリジナル?それ以前はOrtofonのGシェルを転用して装備しSMEオリジナルのシェルはなかったそうだ。S.3に指掛けがないのはII時代の後期(1968年頃)からオプションになったS.2(S-2の原型)でも同様で、impのシェルS-2になってカートリッジとシェル間に挟む形で指かけが標準付属するようになりました。

この報告に基づいて次の表を作成しました。IEC98(1987)ではカートリッジ上の取り付け穴・針先間隔9.5±1mmですがJIS C5503(1979)では10mm±3mmでした。SMEのこのタイプの場合、固定穴のシェル上でオーバーハング調整ができない代わりに、ベッドプレート上でアーム全体を移動調整することで水平トラッキング角度誤差を少なくできます。シェル上の針位置はSMEロゴマークの中心直下になるのが標準のようです。アームの実効長もそれを標準として測るのですが、カートリッジはかなり偏差があるので実効長も実際には違ってしまう。

ALIGNMENT OF CARTRIDGE ON DETACHABLE SHELL
Centre of mounting holes of cartridge to stylus tip (IEC) 9.5mm±1mm
(3/8inch)
Centre of mounting holes on shell to shell connector (SME) 40.5mm±1mm
(1 19/32inch)
Pick-up Head Length (stylus to shell connector) 50mm±2mm
(1 31/32inch)

歴代のSME3012/3009の外観についてはドイツのHolger氏によるサイト(英文)が分かりやすい。

Series Iと Series IIの時代でもCounter Weight/Lateral Balance Weightがそれぞれワンピースのものと2分割になったものが共存している。恐らくカートリッジのウエイトにあわせたオプションだったーアメリカ向けはSMEの米国代理店だったShureを考慮した? 通称Series Iの中にはUr-3012(prototype試作品)とも呼ぶべきAikman氏が自分のために作ったアーム、Pickard氏が注文した最初のロット72units=half gross(£25/unit)、商業ベースで生産した約2500unitsの少なくとも3種のアームが含まれていて、実効長の記述も様々。内実は高い生産技術を持った町工場みたいなものだったようです。ベッドプレートの裏についているSerial NoもSeries IIになってから付けられたようです。各アームの概観と正式な呼称についてはSME社のサービス部が作成したpdfファイルをご覧ください。下はimpの初期時代(1970年代前半)の特殊コネクタとケーブルです。アンプ側は異様に長いピンが付いたRCAタイププラグ(SME ENGLANDの刻印)で接続します。私のケーブルのアームアース(Ground)はRCAプラグ右チャンネルのグランドにも接続されていました。短いアース線はベルトドライブなど絶縁されたターンテーブルシャーシに接続します。この短いアース線は(DDなど絶縁されていないターンテーブルが登場したので)行き場がなくなり、取り合えずbed plateのネジに再接続する場合もありました(ソケットで元々アームアースは取れている)。各国の規格や用途に合わせていろんな接続プラグが供給されていたようです(5-pole DINプラグ[S2L4D]まであったーテープデッキによく使われた「録再」コネクターでアーム用としては稀)。バイアス調整やScreening CanもSeries IIから標準装備された(特殊ターミナルは下向き)。ケーブルに黒く巻いたものが見えるのはトライ・アソシエイツのTRIGUARD(導電不織布)を巻いたものです(効果の程ははっきりしませんでしたが、私は転売やオークション出品など考えない・手元で使い潰す主義なのでいろいろ手を加えています)。

3009/3012モデルの変遷については諸説ありますが(特に何年まで既生産在庫があったかは不明)、およそ次ぎのようになっています。次世代モデルへの移行期には新旧の部品を取り混ぜた物も多く、前述のごとくoffset角や実効長が初期と後期で違うものがあります。アームチューブの材質は初めは真鍮に鍍金したものでしたが製品として発売したもの(1960年頃)はステンレス(1963年頃のカタログではwood-lined stainless steel tube arm)になっているようです。以後、IIのアルミ、IIIのチタン、Rのステンレスといろんな材質が使われています。現行のM2シリーズが後継モデルとされていますが、ナイフエッジ軸受けを廃止したことなどから内容的に別シリーズで300やV・VIと旧シリーズの折衷のように見えます。

Year Model Name Remarks
1959-1962 3012 First commercial model Various OEM headshells
1960-1962 3009  Various OEM headshells
1962-1972 3012II/3009II headshells: S.3 (early) or S.2 (no finger hook) or S-2(later around 1968) 
1972-2004 3009II imp with non-detachable shell and imp/S2 with detachable shell S-2 In mid 70s, above special connector was changed to RCA-type terminals.
1977-(1994?) 3009III exchangeable wand with fixed shell 
1979-(1996?) 3009IIIS exchangeable wand with fixed shell 
1980/1981-2004 3012R/3009R headshell S-2R. In the end of year 1980 3012R and next year 3009R
1981 3012-Gold (Limited product) headshell S-2R
1982-2004 3010R headshell S-2R
1984 3012R-Pro (Special with silver wires) headshell S-2R

What is Lateral Balance?

The following drawings (much deformed and exaggerated) show simplified models with particles of mass concentrating around counter weight and pickup head only, ignoring mass of wand etc.

When the arm base is set inclined, the arm if balanced laterally will not rotate or swing while the arm with lateral unbalance will move right or left in accordance with the position of center of gravity against the horizontal bearings.

Why right or left and not one direction of movement with lateral unbalanced arm? The centre of gravity for lateral unbalanced arm will move around lateral bearing when the arm travels from the rim of record toward the centre of spindle - see next picture showing lateral unbalance weight on inclined lateral bearing - rotation of 380degrees rotation is unreal but shown for reference only.

Simulation about rotational force and side thrust at stylus point due to lateral unbalance. The weight of movable parts for arm (M) including cartridge is ranging from 100g to 300g roughly. Inclination angle of base in degree (A). The radius (R) from the centre of lateral bearing to the centre of gravity. The effective length (L) of arm. Equation for imaginable side thrust (max) at stylus position is M*SIN(A*PI()/180)*R/L
For example the parameters are set as M 150g, A 2degrees, R 0.5cm, L 23cm, then maximum side thrust at stylus is estimated at 0.114g. This is worst imaginable case when the unbalance direction R (radius line) and the direction of inclination of the base A (usually the longitudinal inclination of arm) are crossing perpendicularly as shown above. Lateral unbalance radius R can be reduced/adjusted within 1mm by shifting lateral balance weight.

The wayrod of SME3009imp has marked divisions every 1/10inch=2.54mm for the VTF and Lateral Balance (matching with Cartridge Weight).  VTF 0 to 1.5g (each 0.25g step) and Cartridge Weight markings starts at 2g and end at 12g (2g step). VTF division is almost correct. I assume the lateral division on wayrod is rough (the rider weight and wayrod are exchangeable between imp with non-detachable shell and imp/S2 with detachable shell S2).

Usually the lateral balance is not critical with normal pivoted arms because it is not the usual practice to incline the base more than 2 degrees from level. 

What is "Average" "Effective" Mass

The effective mass of arms is not easy to be measured. The following values indicated by SME themselves from time to time are not exact and often misunderstood. Please note that SME refers to "average" value. Why "average" - in my understanding the effective value shall be affected by the position of counter weight. Moreover the rear part of arm is usually jointed with elastic material to front main wand.  The whole rear part shall be counted among static inertia. However in dynamic damping theory the mass of rear part is partially counted at the low resonance frequency. Thus the mass as seen from stylus point is changing as per frequencies (DC/Null/Static > around Resonance Frequency > over Resonance Frequency/Audio Range as in case of effective compliance of cartridge). IMO: any value for the "effective" mass is only relative and not absolute.

MODEL NAME Average Effective Mass REMARKS
3009II 12.5 g with SME non-perforated plain sheet shell
9.5 g with Shell type S-2 
3009II improved (integrated) suitable for high compliance cartridge
6.5 g Old leaflet indicated 9.5g
3009/S2 (with detachable shell S-2) suitable for high compliance cartridge
9.5 g Old leaflet indicated 12.5g
3009III 4.5 g original wand with small shell
5.0 g modified with CA-1(large shell)
3009IIIS 4.5 g original wand with small shell
5.0 g modified with CA-1(large shell)
3009R 12.7 g suitable for mid and low compliance cartridge
3010R 12.8 g suitable for mid and low compliance cartridge
3012R 14 g suitable for mid and low compliance cartridge
V/IV 10-11 g suitable for middle compliance cartridge
309 9.5 g suitable for middle compliance cartridge
310 9.7 g suitable for middle compliance cartridge
312 12 g suitable for mid and low compliance cartridge

A model of arm explaining the effective mass measured at stylus point

ホームページへ戻る