草加市の小学校の校庭で錆びた釘が5ケ月で4回見つかった

2023年6月1日 6月8日 10月19日 11月2日に草加市の小学校の校庭で釘が発見されました。全部合わせて10本の釘です。

荻窪小学校の釘

2023年4月13日に杉並区立荻窪小学校の児童が転倒して釘にひざを打ちつけ、十数針縫う怪我をする事故が起きました。この事故を受け、荻窪小学校は、3日間、校庭を閉鎖しました。教職員全員で点検し、金属探知機で2度調査した結果、544本の釘とフックが見つかりました。

草加市の小学校の釘

荻窪小の事故後、草加市では校庭の点検をしなかった結果、釘が10本見つかりました。金属探知機は使わなかったようです。

6月1日に発見された錆びた釘

6月1日に小学校の校庭で発見された釘の写真これらの釘は、全て地面に落ちていたものです。5本の釘のうち3本には、スズランテープが巻きつけられていました。これなら、金属探知機を使わなくとも簡単に見つかります。

6月8日に発見された錆びた釘

6月8日に小学校の校庭で発見された釘の写真下図のように、校庭に置かれたロープの脇に落ちていました。これもスズランテープが巻きつけられていたので、容易に見つかりました。 6月8日に小学校の校庭に落ちていた釘とロープの写真

10月19日に発見された錆びた釘

10月19日に小学校の校庭で発見された釘の写真3本とも、スズランテープが巻きつけられています。

11月2日に発見された錆びた釘

11月2日に小学校の校庭で発見された釘の写真荻窪小学校の事故から、半年近く経っても錆びた釘が見つかっています。

なぜ校庭で釘が発見されるのか

校庭に釘が打ち込まれているからです。運動会などで、校庭にラインを引く際に、目印として、釘にスズランテープを巻き付け、グラウンドに埋めるのです。この事は、全国の小学校で行われているので、『校庭の釘』は、荻窪小学校だけの問題ではないのです。「運動会 スズランテープ 釘」を検索してみれば判ります。

文部科学省の対応

文部科学省は、全国の小学校で釘を校庭に埋める習慣がある事は知っていたと思いますが、荻窪小学校の事故を受けて、改めて都道府県の教育委員会に通知を出しました。(令和5年5月12日)

下記の文部科学省の通知は、草加市教育委員会に公文書公開請求書をして、手に入れたものです。

公文書公開請求書 令和5年6月6日 教育委員会 宛
杉並区の荻窪小学校で先月、校庭から突き出ていたくぎで児童が大けがをした事故を受け、文部科学省は5月12日、各学校で安全点検が確実に行われるよう、全国の教育委員会などに通知しました。
上記の文部科学省の通知の公開を請求します。

文部科学省の通知

令和5年5月12日の文部科学省の通知。校庭等における危険物の確認・除去等について

上記のpngファイルは読みにくいので、OCRを使ってテキストデータに変換しました。

事務連絡 令和5年5月12日

各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課 各都道府県私立学校主管課 附属学校を置く各国立大学法人担当課 御中

文部科学省総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課

校庭等における危険物の確認・除去等について

このたび、体育の授業中に転倒した児童が、校庭に放置された釘で裂傷を負うという事故が発生しました。

学校において児童生徒等が安心して活動するためには、校庭も含めた安全管理が適切に行われることが重要です。

文部科学省で作成している「学校安全資料(「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育)」においても、下記のとおり、校庭等における安全管理の項目を示しているところです。

ついては、各学校において校舎等の外も含めた安全点検が確実になされるよう、よろしくお取り計らいいただきますようお願いします。

学校安全資料(「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育)(P.117)

(2)校舎外・国舎外の安全管理

対象 校地、園庭、運動場等
  • 砂場における危険物の有無
  • 校門等の施錠、錠の故障の有無、かぎの管理
  • 地面の勾配や凸凹
  • 地面の排水状態
  • 危険物(ガラス、石、くぎなど)の有無
  • ブロック塀、フェンスや外壁(特にブロック塀)と、その支柱やひびの破損や劣化
  • 部外者や動物の進入の有無
  • 植生(目の高さの枝)など

※児童生徒等が最も活発に活動を行い、休み時間、クラブ活動など自由に遊べる場所であることに留意する。

【担当】文部科学省総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課安全教育推進室 学校安全係

この文書は通達ではなく通知で、あくまで「お願い」です。宛先は各都道府県教育委員会となっていて、埼玉県教育委員会から草加市教育委員会へ送られたものです。

文科省は事故後、全国の教育委員会に校庭の安全点検の徹底を呼びかける通知を出しましたが、くぎの本数や事故件数を取りまとめるまではしていません。また、「100ページ以上の学校安全資料に書いてある」と、文科省に責任はないと言い訳しています。

草加市教育委員会は、この文書を各小学校にどのように伝達したかは、不明です。しかし、冒頭に書いたとおり「6月1日 6月8日 10月19日 11月2日の4回にわたり。小学校の校庭で釘が発見された」事実の責任は、文科省・教育委員会・学校長のどこにあるのでしょう。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。