ABO式血液型の凝集原,凝集素と血液型の遺伝

A型とO型は何が違うのか。O型(オー)はゼロ型を意味します。凝集原Aも凝集原Bも持たない血液型を凝集原なしという事で(ゼロ)型と呼ばれていました。(ゼロ)と(オー)は似ているので、いつしか、(ゼロ)型がO型(オー)になりました。

A型とO型は何が違うのか

赤血球表面の凝集原と血漿中の凝集素が違います。(赤血球に限らず、細胞の表面には特殊な物質(糖タンパクなど)があります。)

凝集原の違い

  • A型の赤血球表面には凝集原Aがあります。(A型物質=Nアセチル ガラクトース アミン)
  • B型の赤血球表面には凝集原Bがあります。(B型物質=β ガラクトース)
  • AB型の赤血球表面には凝集原Aと凝集原Bの両方があります。
  • O型の赤血球表面にはどちらもありません。(O型はゼロ型を意味します。)

ガラクトースはグルコース(ブドウ糖)の異性体(化学式が同じで、構造が違う)

凝集素の違い

  • A型の血漿中には凝集素βがあります。
  • B型の血漿中には凝集素αがあります。
  • AB型の血漿中には、どちらもありません。
  • O型の血漿中には凝集素α、凝集素βの両方があります。

凝集反応

凝集原Aと凝集素α、凝集原Bと凝集素βが出会うと、凝集反応というのが起きて、血の固まりができてしまいます。当然、どの血液型の人も、その組み合わせを持っていません。異なる血液型の血液を輸血すると、その組み合わせが生じます。

ABO式血液型の遺伝子

A遺伝子、B遺伝子、O遺伝子の3種類があります。(普通の遺伝は遺伝子が2種類なので、3種類の場合、複対立遺伝子と言います)全ての人はこのA、B、O遺伝子を2個ずつ持っています。(父親からもらったものと、母親からもらったもの)

遺伝子型(遺伝子の持ち方)は、6種類あります。

  • 遺伝子型AA、AOは・・・A型になります。(AとOを持つ場合はAが優性なので(優先される)A型になります。)
  • 遺伝子型BB、BOは・・・B型になります。(BとOを持つ場合はBが優性なので(優先される)B型になります。)
  • 遺伝子型ABは・・・AB型になります。(AとBを持つ場合はA、Bが対等な立場なので(優劣関係がない)中間のAB型になります。)
  • 遺伝子型OOは・・・O型になります。

子供への遺伝子の渡し方

一般的に子供へは2つの遺伝子のうち1つを渡します。よって、遺伝子型AOの人は、A遺伝子かO遺伝子のどちらかを、子供に渡します。遺伝子型AAの人は、必ず、A遺伝子を、子供に渡します。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。