正しいエタノール濃度とハッピーのアルコール消毒液

コロナウイルス感染対策として、アルコール手指消毒液の使用があります。しかし、正しい使用方法でないと効果が下がります。エタノール濃度と消毒時間（擦り込み時間）が重要です。

前半では一般的なアルコール消毒液の使い方、後半では放課後子ども教室ハッピーでの不適切なアルコール消毒液の使い方を述べます。

一般的なアルコール消毒液の正しいエタノール濃度

国の基準のエタノール濃度が70%～95%のものを使います。スーパーの入口に置いてあるアルコール消毒液は、国の基準を満たさないものがあります。

「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について（厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ」から引用。
『＜使用方法＞濃度70％以上95%以下のエタノールを用いて、よくすりこみます。60％台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70％以上のエタノールが入手困難な場合には、60％台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。』

正しいアルコール消毒液の使い方

擦り込み時間と使用量が重要です。

ポンプはしっかり押しきり、手指に擦り込みます。「15秒の擦り込み時間で、乾いてしまう場合は、使用量が不十分」というのが、WHOのガイドラインです。この場合は、アルコール消毒液を追加します。

多数の人が１つのアルコール消毒剤を使うのは危険

「大阪府／府政への意見の公表／ 新型コロナウイルス感染対策のための店舗等の入り口に設置されている消毒剤について」より引用

  1. 問題は、この手のポンプに多くの人の手が触れることです。手押しポンプの上部は不潔そのものです。私はやむなく、指一本で相当力を入れて反対側の手で消毒液を受け、溜まった消毒液でその指を最初に消毒します。
  2. さらに、白い容器に『消毒薬』と印刷された紙を貼り付けたものも見受けられ、（製品名が判らないので）中に何が入っているのかわからないものを手に噴霧することを求められています。
  3. 店舗が行政指導に従って、形だけと思って客に要求していることが、形だけところか却って有害となりえるのです。

受付日 2020年6月29日。公表日 2021年2月24日

１については、店舗だけでなく、小学校や放課後子ども教室でも同様です。

２については、草加市役所や公共施設で使われている消毒薬でも同様です。メーカーが作ったままの容器を使うと、国の基準を満たしていない事が判ってしまうからでしょうが、却って不信感を招きます。

３については、間違った情報から国や自治体が、時々行っている事です。

アルコール消毒液に使えるアルコールとダメなもの

アルコールとは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基で置き換えた物質の総称で、沢山の種類があります。

  • エタノール：アルコール消毒液の主成分。酒に含まれるアルコール。一般的には弱毒性。
  • グリセリン：3価のアルコール。ネバネバしたジェルタイプのアルコール消毒液に使われている。
  • イソプロパノール：毒性はエタノールより2倍程度高い。エタノールにイソプロパノールを添加すると、飲用できなくなる為、酒税が免除される安価な消毒用アルコールIPになる。
  • メタノール：非常に毒性が強く、誤飲すると失明、死に至る場合もある。昔は、小学校の理科の実験でアルコールランプの燃料として使われていた。

放課後子ども教室ハッピーのアルコール消毒液

放課後子ども教室ハッピーでは、サイキョウ・ファーマ社のHAND GEL消毒液を使っていましたが、花王のハンドスキッシュEXに代える予定です。どちらも、アルコール消毒液としては不適切です。

サイキョウ・ファーマ社のHAND GEL消毒液

サイキョウ・ファーマ社のHAND GELの写真右の画像は、2021年11月から2022年7月まで、放課後子ども教室ハッピーで、使っていたサイキョウ・ファーマ社のHAND GEL消毒液です。GELタイプです。

ジェルタイプのものは、グリセリンが配合されている為ネバネバしていて、目に入った時洗い流しにくいのです。ネバネバが嫌いな低学年の児童は手のひらを振って、早く乾かそうとするので、消毒液が飛散します。近くの児童の目に入ったら、危険です。

ナマズやウナギ等のネバネバした生物を触るのが嫌いな人は多くいます。人間は、本能的にネバネバが嫌いです。それは、腐敗した食物がネバネバするので、生きる為に避けようとするからです。

ネバネバのグリセリンは保湿の為に配合されているのですが、児童には理解できません。児童用にわざわざ、ネバネバのグリセリンを入れる必要はありません。

放課後子ども教室ハッピーは1本の鉛筆を児童が共用

花王のハンドスキッシュEX

花王のハンドスキッシュEXの写真右の画像は、2022年9月から、サイキョウ・ファーマ社のHAND GEL消毒液に代わり、放課後子ども教室ハッピーで使う予定の花王のハンドスキッシュEXです。GELタイプではなく、液体タイプですが、これも不適切なアルコール消毒液です。

花王ハンドスキッシュEXのHPを見ると、アルコール濃度が、厚生労働省が推奨する基準を満たしていません。70%以下の65%です。

厚生労働省は、『70％以上のエタノールが入手困難な場合には、60％台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。』と、言っているのです。現在は、70％以上のエタノールが入手困難な状況ではありません。

また、『60％台のエタノールによる消毒でも一定の有効性がある』の意味は、「60％台のエタノールは、70%以上のものより劣る」という事を遠まわしに表現する霞が関文学です。

放課後子ども教室ハッピーの不適切なハンドスキッシュEX

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。