スイートピーの補足遺伝子の問題
優性の純系(遺伝子型CCPP、形質は紫)と劣性の純系(遺伝子型ccpp、形質は白)を掛け合わせて、できたF1(遺伝子型CcPp、形質は紫)について
- 補足遺伝子の問題:F2の代の紫と白の比は?F2の代の紫と白の比(答 紫:白=9:7)
- 補足遺伝子の問題:F3の代の紫と白の比は?F3の代の紫と白の比(答 紫:白=25:39)
紫になる遺伝子型は4通り。白になる遺伝子型は5通り。下の図。
スイートピーの遺伝子の問題を考えるには、補足遺伝子CとPの働きを知る事が重要です。
二組の補足遺伝子CとPの働き
スイートピーの花の色は二組の補足遺伝子CとPの働きによって決まります。
二組の補足遺伝子(CとP)は、二組の化学反応(C反応とP反応)に関わっています。花の色が紫になるには、以下の反応が全て起きないといけません。無機物→【C反応】→無色の色素原→【P反応】→紫色の色素。
- C遺伝子・・・C反応に関わる酵素を作る。
- c遺伝子・・・C反応に関わる酵素を作らない。
- P遺伝子・・・P反応に関わる酵素を作る。
- p遺伝子・・・P反応に関わる酵素を作らない。
(参考)色素原=Chromogen。紫=Purple。もちろん、大文字が優性。結局、大文字のCを一つ以上、かつ、大文字のPも一つ以上持つ場合が紫になります。
紫になる遺伝子型は4通り
- CCPP
- CCPp
- CcPP
- CcPp
白になる遺伝子型は5通り
- ccPP(大文字のCがない)
- ccPp(大文字のCがない)
- ccpp(大文字のCもPもない)
- CCpp(大文字のPがない)
- Ccpp(大文字のPがない)
問題 F2の代の紫と白の比
F1を自家受精してできるF2の代の紫と白の比はどうなるか。
解説:(CcPp)の自家受精の結果のF2の遺伝子型とその比は、F1の雄性配偶子(CP,Cp,cP,cp)と雌性配偶子(CP,Cp,cP,cp)の組み合わせの表を作るのだが、結論だけ書くと、
CCPP:CCPp:CCpp:CcPP:CcPp:Ccpp:ccPP:ccPp:ccpp
=1 : 2 : 1 : 2 : 4 : 2 : 1 : 2 :1となる。
この結果は「ヘテロ(異なる大文字、小文字)は2倍」で説明できる。(CcPpは2倍の2倍で4倍)
紫=1+2+2+4=9。白=16−9=7。F2の代の紫と白の比=9:7。
問題 F3の代の紫と白の比
F2を自家受精したF3の代の紫と白の比はどうなるか。
解説1:F2の紫を自家受精した場合。
F2の紫の遺伝子型はCCPP、CCPp、CcPP、CcPpの4通りであるが、『同じ割合で生まれていない』という事がポイントである。
CCPP=1とすると、CCPp=2倍、CcPP=2倍、CcPp=4倍である。4通りの場合について、F3の紫と白の比は、
- F2(CCPP)×F2(CCPP)の場合→
F3 紫:白=1:0=4:0(合計4個体) - F2(CCPp)×F2(CCPp)の場合→
F3 紫:白=3:1=6:2(合計4個体×2) - F2(CcPP)×F2(CcPP)の場合→
F3 紫:白=3:1=6:2(合計4個体×2) - F2(CcPp)×F2(CcPp)の場合→
F3 紫:白=9:7(合計4個体×4)
F3の紫と白の比=(4+6+6+9):(0+2+2+7)
=25:11- F2(CCPP)×F2(CCPP)の場合→
解説2:F2の白を自家受精した場合。
F2の白の遺伝子型はCCpp、Ccpp、ccPP、ccPp、ccppの5通りであるが、『同じ割合で生まれていない』という事がポイントである。
CCpp=1とすると、Ccpp=2倍、ccPP=1倍、ccPp=2倍、ccpp=1倍である。4通りの場合について、F3の紫と白の比は、
- F2(CCpp)×F2(CCpp)の場合→
F3 紫:白=0:1=0:4(合計4) - F2(Ccpp)×F2(Ccpp)の場合→
F3 紫:白=0:1=0:8(合計8) - F2(ccPP)×F2(ccPP)の場合→
F3 紫:白=0:1=0:4(合計4) - F2(ccPp)×F2(ccPp)の場合→
F3 紫:白=0:1=0:8(合計8) - F2(ccpp)×F2(ccpp)の場合→
F3 紫:白=0:1=0:4(合計4)
F3の紫と白の比=0:28
- F2(CCpp)×F2(CCpp)の場合→
上記の2つを合わせて、F3の紫と白の比=25:39
F2の紫を自家受精したF3の遺伝の公式
無理やり作れば、
(CP+CP)2+2(CP+Cp)2+2(CP+cP)2+(CP+Cp+cP+cp)2のかっこを外すという事だが、どこかで、間違えそう。
スイートピーの補足遺伝子の問題と解説へ
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。