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木造建築物の床部分の構造

 木造建築物の床部分を支えるため、建物の基礎部分に組み立てられた、 「大引き」、「根太」、床(下地合板やフローリングなどの床材)などを使った構造部分は「床組(ゆかぐみ)」と呼ばれます。

 つまり、「床組」とは床を直接支える骨組みのこと。  「床組」で床部分を支えることで、歩行時の荷重や家具の重さを分散させ、 建物の強度や安定性を保つという重要な役割を果たします。

束立て床 古民家の床組み構造は、図のように「土台」をベースとして、 「大引・床束」から構成される部材が縦横に配置されることで、1階部分の床に掛かる荷重を支える、「束立て床」となっています。

「束立て床」に於ける「床組」の基本的な構造としては、地面に「束石」と呼ばれる、建物の荷重を地面に伝える役割を担う礎石が、 等間隔に配置されています。

その「束石」の上に木材の束(床束・ゆかづか)を立て、その上に「大引き」と呼ばれる横木を渡します。

つまり、地面と建物は留め具などで結合されておらず、建物は鎹(かすがい)で留めた床束を介して束石に乗っているだけ、 という構造となっています。  それに対し、現代建築では建物全体がボルトで基礎コンクリートにガッチリ緊結されています。

 このページでは床組みの主な構成部材のひとつ、「大引き」をメインに記述しています。  「大引き」から上の部材(根太)や、 床材(断熱材や下地合板、フローリングなど)が関係する「床組」については 大引きより上の部分の床組みに記述しています。


 「床組」には、以下の4種類があります。

▼「床組の種類」▼

(2022.6.12)


古民家の土台組み・【束立て床】

 一般的な【束立て床】では、90㎜から105㎜角の「大引き」を910㎜間隔に配置し、その上に45㎜角の「根太」を303㎜間隔で並べ、その上に、厚さ12㎜の「下地合板」、 さらに12㎜厚の「フローリング」を張るのが基本です。

 「大引き」は床の荷重を支え、床の高さを調整する役割も担っており、水平性を保つ主要な構造材です。     大引きは土台より若干細い部材で、長さ1間(1.8m)以上の大引きは、梁となります。

大引きは地面と直接繋がっておらず宙ぶらりの状態で、そこを地面の束石と大引きの間に、床束と呼ばれる部材を入れ支えています。   大引きの両端は土台が支えています。

これが建物の自重や風等の力を基礎に伝達し支える古民家の骨組み・「床組」の特徴となっています。

 大引きの上に、直交するように並べられるのが、「根太」と呼ばれる部材です。  「根太」の上には下地用合板が張られ、 その上に「床板(フローリング)」が貼られます。 「根太」は床板のたわみを防ぎ、安定した歩行面を作る役割があります。

 正しく組まれた「床組」は、建物の水平性を確保し、荷重をバランスよく分布させることで、地震時の揺れを分散し、家全体の耐震性を高めます。  さらに、 床下の換気や断熱の確保など、様々な役目を果たします。

 反対に、不適切な「床組」だと、床が沈む、床鳴りがする、床板がたわむ、隙間ができるといった、様々な問題を引き起こします。 それを防ぐためにも、 定められた各部材の規格を守り、指定された寸法、間隔、高さを正しく保ち、継ぎ目は適切に処理して、正確に施工することが求められます。


「束立て床」は日本の気候に適した仕組み

 日本の伝統的な木造建築で広く用いられていた床の構造・束立て床は、床を地面から浮かせることで、床下に空気の流れを生み出し、 床下の湿気を効果的に逃がす構造となっています。

 さらに、床下に空間ができるため、配管や配線を容易に敷設でき、メンテナンスや改修工事をしやすいというメリットもあり、日本の高温多湿な気候に対応した優れた仕組みとなっています。    そのためには床下の通気口は絶対に塞がないことが重要です。

 一方、床下の通気がいいということは、地面の冷気が室内に伝わり、冬場は床板が冷えてしまいます。  そこで、 「根太」材の間に断熱材が入れるのが一般的で、寒冷地では床暖房を設置することもあります。    また、阪神淡路大震災の倒壊被害は、腐朽や蟻害の見つかった住宅は、新しいか古いかを問わず90%以上が全壊したとされます。  湿気があると シロアリ被害を受けるので、定期的な防蟻・防虫処理が必要です。

 木材の強度は時間の経過とともに増すといわれています。  つまり、伐採されると時間の経過とともに「セルロースの結晶化」が進み、 木は硬く強くなっていき、例えば、檜は伐採後の200年で2~3割も強度が増すとされます。     さらに、1000年経っても、強度は徐々には低下するものの、その強度が伐採当初を下回ることがない、といいます。

 古民家リフォームにおいては、湿気被害を受ける箇所の大引きや根太、柱の根本、土台など、ほとんどの部材は交換するのがお約束で、 地面に近い箇所、つまり土台部分は腐食部分の交換など、かなり手を加える必要がありますが、基本的に腰から上の部分は、 補修の必要はほとんどなく、間取り変更工事がメインとなります。(2025.10.20)

 

床を支える土台「床組み」の計画図

 今回の古民家リフォームでは、洋間、茶の間、台所、和室、納戸の、土台を除く既存床組部分(大引き・根太・床材)を 解体撤去し、新たに床組を造り直す。

使用する大引きは「ヒノキ材」がベストだが、予算の関係もあり今回は900×900×4000mmの杉材を使う。

内訳は4000mmが9本。  2063mmが9本。  2564mmが6本で、トータル24本必要となる。

HCだとこのサイズの大引きは杉材だと安い物で3000円前後なので、約8万円ほど。  束は余った大引きを利用する。

根太は45×45×4000mmの杉材。

内訳は4000mmが47本。  920mmが9本なので、約50本必要。  HCだとこのサイズの根太は杉材なら1000円前後なので、約5万円ほど。

図面にはないが、広間と寝室も太鼓根太を外して根太を使いたい。  その場合、根太は後80本ほど必要となるのでトータル160本ほど必要。

ピンコロ(コンクリート製の束石)は、大体910mm間隔に敷き詰めるので、90個必要となる。  因みに200×200×200㎜サイズ(重量約16㎏)のピンコロ単価はHCでは1200円前後なので、 ピンコロだけでザックリ約11万円ほどかかる。

 ピンコロはDIY用のコンクリート・ミキサーを購入して自作するが、高さは200mmではなく150mmとする。


      

土台の計画図・大引きの基本知識
【古民家の床組み(土台部分)】

「床組(ゆかぐみ)」とは、木造建築物において、床面を支えるための、大引きや根太などの骨組のことを指す。

古民家の床組みは、束石にそのまま乗せられただけの構造。  束石に固定されていないので、地震時には左右に動く。

そのため、束石の頭部面積はできるだけ広くしておきたい。
【土台と大引き】

大引き(おおびき)とは、床と根太を支える横木(横架材)で土台に接合される。 大引き下に3寸(90cm)間隔で床束を入れる。

床の基礎的な部分である「大引き(105~120㎜の角材)」は、水平にして束で支える。  一般的に大引きの芯々は909mmで配置する。

床下地に1820×910の尺モジュール合板を使う場合、120mm角大引きだと、ピッチを910-120(60+60)=790mmにすれば、大引き上に合板端がキッチリ載る。
【「大引き」は魚の骨のように渡される】

大引き材は4mで販売されているが、部屋は短手でも4m以上ある場合も。 一本の大引きで届かない場合、中央に長い大引きを渡して中継させる。

廻りの土台と中央の大引きに対し、魚の骨のように左右に大引きを渡す。  大引きは谷状態(下側に曲がる)に使い、床束で持ち上げるようにする。

長さ1間(1.8m)以上の大引きは、梁と呼ばれる。  
【左右を空け等間隔で根太を張る計算式(1)】

L=n×W+(n+1)×S、の式で根太間の隙間を求める。

図の場合、幅(L)は2400、根太太さ(W)は90mm。 根太を4本入れるので(n)は4となる。

2400=4×90+(4+1)×S →  2400=360+5×S →
2040=5×S       →  S=408

これにより、間隔を408mmにすれば、等間隔で根太を収められる。     
【左右に余白を取らず等間隔で根太を張る計算式(2)】

L=n×W+(n-1)×Sの式で根太間の隙間を求める。

図の場合、幅(L)は2400、根太太さ(W)は90mm。 根太を5本入れるので(n)は5となる。

2400=5×90+(5-1)×S →  2400=450+4×S →
1950=4×S       →  S=487.58

これにより、間隔を487.5mmにすれば、等間隔で根太を収められる。   ■間隔を計算するプログラム■     
【大引きを張り、床束を入れる】

大引きの配置間隔は芯々(部材と部材の中心から中心までの寸法)910mmにすること。

このピッチを守れば910×1820mmの定尺合板を使うと、合板端が大引き中心にピッタリ乗る。

90mm角材をピッチ910mmに配置すれば、大引き間の間隔は825mmになる。

ピンコロサイズは、200×200×150mm(高さ)。
【床束を設置する】

大引きを910mm間隔で配置したら、90mm角の束石と大引きの間に床束を入れ、ビスで斜め止めする。

床下は湿気があるうえ、ホコリも舞っていて、これが束の木口(きぐち・束石との合わせ目)の周囲に積る。 それが水気を吸って束を腐らせ、   ふやけた結果床が下がる、という現象が起こる。

そのため、束はヒノキかスギの腐りにくい芯持ち材の赤身を使え、と言われる。 束の端部にはシロアリ予防の防腐剤を塗る。  
【床束について】

床下は湿気があるうえ、ホコリも舞っていて、これが束の木口(きぐち・束石との合わせ目)の周囲に積る。 それが水気を吸って束を腐らせ、   ふやけた結果床が下がる、という現象が起こる。

そのため、束はヒノキかスギの腐りにくい芯持ち材の赤身を使え、と言われる。 束の端部にはシロアリ予防の防腐剤を塗る。

既存の束を使う場合、高さ調整は「矢」でも行える。  
【根がらみ貫】

独立基礎で昔の玉石(ぎょくいし)の束石をつかっていた時代は、束石が平らではなく、そこに乗る床束も不安定だった。

そのため、「根がらみ貫(ねがらみぬき)」を使って束同士を連結していた。

「根がらみ貫」は平らなベタ基礎や布基礎では、もう使用されなくなっている。
【火打ち土台】

床の変形を防止するために設ける斜材。

1階の床に設けるものを火打ち土台、2階などの床や小屋組に設けるものを火打ち梁。



【重量物が載る部分の床組みを補強】

ピアノや薪ストーブなど重いものを置く箇所は、大引きを追加して頑丈な床組みにしておくことで、少なくとも床が抜けて床下へ燃焼中のストーブが落下し火災発生、という最悪のケースは防止できる。

大引きや根太を張った後では、工事が面倒になるので出来るだけ事前に計画しておく。

この後、床に断熱材を敷き込み、「剛床工法」用合板を乗せる。  追加材の防虫対策も忘れずに。
【ベタ基礎を使った土台と大引きの配置】

現代ではベタ基礎に必要な部分だけ基礎を立ち上げる工法が一般的。

寒冷地では地面が凍結して膨張し、建物を押し上げる「凍上」が発生する可能性があり、北海道や東北地方など寒冷地では、 必要な部分だけに基礎を設置する「布基礎」が多く採用される。
【「剛床工法」とは】

「剛床工法」も根太レス工法の1つ。  根太は使わず大引きを縦横に組み合わせる。

床下地合板の厚みは24mm以上。  床板の厚みを増すことで強度が上がり、揺れや重さを床板の“面”全体で吸収・拡散できるので、一か所にかかる負担を軽減できる。





大引きを支える床束

     
【土台間に渡される大引きを支える床束】

土台から土台に渡す大引は、たわむので、大引の下に約910mm間隔で束を置き、地面から支える。

この床(大引き)を支える束(短い柱)が、床束(ゆかづか)。 「玉石建て構法」基礎で建てられている古民家は「床束」と地面は結合されておらず、 地震の際は「遊び」となり柔構造の働きをする。

床束が床の重さをしっかり支えるためには、床束が接する地盤をよく締め固め、束石、土間コンクリート、ベタ基礎などを設置する。

現在の束石はコンクリートだが、昔は自然石が使われていた。
【床束を使った大引き高さの調整方法】

大引きと床束の隙間に矢(クサビ)を押し込み、高さの微調整を行う。

新規の大引きなら、「鋼製束」を取り付けてから組むと楽。

現代の建築は、コンクリート基礎に「鋼製束」を置き、垂直方向に基礎と大引きをツッパリ補強するのが一般的。

【布基礎は使わず、鋼製束で土台を支える例】

大引きは谷状態(下側に曲がる)に使い、鋼製束で持ち上げるようにする。

木材強度は、繊維と直角方向は弱く、土台に柱がめり込むことも考えられる。  対策として柱のホゾを基礎に載せるか、土台を太くする。   防腐剤としてキシラデコールなどを塗布しておく。
【便利な工業製床束】

いまは鋼製製の床束が主流。 ネジをまわすことにより高さ調整が可能。 固定するときは鋼製束の真ん中をしっかり握りナットで固定。 プラ製もある。

床の高さを微調整でき、下がったりしても、簡単に調整できるのでとても便利。  湿気の多い床下でも腐朽することはない。

サイズは50mm単位であるので、目的高さに合わせる。 ジャッキ代わりにも使える。
【土台に大引きを載せる】

土台と束石に大引きを載せる。 大引きは曲がり方向を下にして設置し鋼製束で持ち上げて水平にする。

大引き高さの確認は水糸が楽。  高さ確認する厚み材は《座金》が便利。

プラ束を使うと大引き高さ調整が楽。
【工業製床束は互い違いに配置】

床束を大引きに取りつける。

床束は一方にツバがあるので、取り付けるときはツバが互い違いになるよう配置する。



【束はボンドで束ブロックに固定】

床束は「ボンド束職人」などのウレタン接着剤を使い束ブロックと固定する。

束ブロック表面に砂など汚れがあると着きが悪いので清掃しておく。

圧着した時、ボンドが穴からはみ出してくる。 さらに今回はやらないが、束をコンクリート・ビスで固定すれば完璧。





土台と大引きの「納まり」・仕口

 「仕口」とは、二つの木材を直角あるいは斜めに接合する方法、 または,その部分やホゾ。  「継手」とは木材の長さを増すために材を継ぎ足す工法。

 「納まり」とは、部材の構成や位置関係を整え、各部の材料を見栄えよく、かつ機能的に組み上げること。  「納まり」は、いかに少ない材料で、 構造的に優れた工法を用いるかがキモであり、床と壁 壁と天井など、部材が交わるところをどう納めるのかが重要。     伝統軸組み工法では先人たちの知恵が詰まっている。        

土台と大引きの「納まり」・仕口
【土台の大引きの接合(1)】

大引きとは、床部分の重さを受け止める部材で、両端が土台に架かる。

大引きサイズは標準だと90mm角。   910mm間隔で土台に組まれる。

リフォームでは面倒な仕口加工はほとんどしない。  「大入れ蟻掛け」でさえ、よほどの手練れでもない限りまずやらず、 簡単なイモづけ(ドン付・継手や仕口加工なし)と専用金具で固定している。



【土台と大引きの接合(1)...分解図】

「大入れ掛け」加工は、土台を欠いて、そこに大引きを架けるだけ。

以前は、土台と大引きの仕口は「大入れ蟻掛け」が一般的だったが、いまは簡単な「大入れ掛け」が一般的。

リフォームでは本格的な「大入れ蟻掛け」などまずやらない。

【土台と大引きの接合例】

床部分の重さを受け止める大引きは、両端を「腰掛大入れ」で土台にビス止めする。   N75を2本打ちする。

大引きは910mm間隔で土台に組まれるのが一般的。

リフォームでは、床を張る前に、土台・大引き・床束はよく清掃し、防腐剤を丁寧に塗布しておく。

一般的に「土台:120mm・大引き:105mm」。 1ランク落とせば「土台:105mm・大引き:90mm」。 木造軸組構法の一般使用資材

【土台と大引きの接合例】

床部分の重さを受け止める大引きは、両端を「腰掛大入れ」で土台にビス止めする。   N75を2本打ちする。

大引きは910mm間隔で土台に組まれるのが一般的。

リフォームでは、床を張る前に、土台・大引き・床束はよく清掃し、防腐剤を丁寧に塗布しておく。

一般的に「土台:120mm・大引き:105mm」。 1ランク落とせば「土台:105mm・大引き:90mm」。 木造軸組構法の一般使用資材

大入れ掛け 【シンプルな土台と大引きの仕口】

プロは土台と大引きの仕口は「大入れ蟻掛け」にするが、シロウトなら簡単な「大入れ掛け」が一般的。

土台に120mm、大引きに105~90mmの材を使う場合、一番簡単なのは土台側だけ15mmの段差をつける。

一応、「大入れ(腰掛部分)」を設け、引きが載る形にはなるので、いも助接合よりは、まし。

大入れ掛け 【大引き側も加工する仕口...「大入れ掛け」】

大引きを斜め留めする釘は、N75を2本打ちすることが決められている。

一応、「大入れ(腰掛部分)」を設けるので、土台に大引きが載る形にはなる。

「いもすけ」 【ホントはやってはいけない仕口・その1  「いもすけ」】

仕口を全く加工せず、切ったままポン付するのが「いもすけ(ドン付・継手や仕口加工なし)」。

素人リフォームでは、簡単な「大入れ掛け」加工もせず、いもすけで接合するケースもある。

ビスや釘だけで荷重を受けているため、構造的にはアウト。  ただ、接続金物が優秀になったので併用すれば問題ないケースも多い。  いずれ「いもすけ」が主流になるかも。
【真ん中の大引きを105mmにした加工】

90mm大引きの端は加工せずスッポリ収める。

リフォームでは本格的な「大入れ蟻掛け」などまずやらず、それどころか、簡単な「大入れ掛け」加工もせず、 簡単なイモづけ(ドン付・継手や仕口加工なし)で終えるケースもある。

イモづけでも、専用金具を適切に使えば強度的に問題ないとされる。
【大引き90mm同士の「大入れ」加工】

タテ方向の大引き端は、「大入れ」加工する。



【土台に両側から大引きが接合される仕口】

土台の上に配置されるので、段付き加工はしない。

木材強度は、繊維と直角方向は弱く、土台に柱がめり込むことも考えられる。  対策として柱のホゾを基礎に載せるか、柱を太くする。

また、土台と基礎は「アンカーボルト」で結束する。





土台と大引きの結合

 

     

大引きを土台と柱に結合
【ピンコロを設置する】

束の配置が決まったら、モルタルの上にピンコロを設置して、高さを揃えておく。

既存の土台部分や大引き、根太などを撤去し、地面を整地する。 土台に残っている釘は抜いておく。



【既存の床全面を外して土台から再構築】

一旦すべての床材を撤去し、更地から整備していく。   傷んだ柱や土台の修復・補強が終わったら、大引きで柱と土台を連結し固定する。

古い床組みを一度リセットし、床全てをフラットにする。 大引きを渡す前に、ピンコロ設置個所は、 砕石とコンクリートでしっかり固めておく。

一本材の大引きで届かない場合、中央に長い大引きを渡して中継させる。
【土台と大引きの交叉】

大引きを土台や柱と結合する場合、「大引き受け金具」を使うと楽で速い。 こちらは大引きを包むタイプ。

使う場合は、予め大引きに「大引き受け金具」を装着して使う。



【大引き専用の固定金具】

最近のリフォームにおいては、土台と大引きの接合は、イモづけ(ドン付・継手や仕口加工しない)と専用金具で行うのが主流。

そのため、大引きを組み込んだ後に取り付けて使うタイプの「大引き受け金具」を使う。  このタイプの金具を固定する場合は、付属の釘を使う。

そもそも、リフォームで材を差し替える場合、ホゾがあると部材間に入っていかない。
【大引き受け金具】

大引きを土台に結合する場合、「大入れかけ」などの加工が必要だが、「大引き受け金具」がある。

ビスではなく付属のスクリュウ釘打ちする必要があるが、打ち付けるだけなので簡単施工できる。

釘は大引き端に打つので、割れ防止のため下穴をあけておいた方がいい。
【大引き受け金具】

似たような金具に、柱と梁(柱貫)の結合でも使える「ジョイントコーナー」がある。

これだと材の加工は不要で、かつ強度も確保できる。

【大引きに床束を取り付ける】

柱と柱、土台と柱の間に渡した大引きに、「床束」を取り付ける。

大引きを910mm間隔で配置したら、束石と大引きをビスで斜め止めする。  「床束」の木口にも防腐剤を塗布しておくのを忘れずに。

今回は予算節減で鋼製束は極力使わず、「床束」は大引きの端材を利用する。

大引きを張り、ジャッキで高さを調整

レーザーで基準線を出しておき、基準ラインに合わせ根太掛けを左右両面に取り付け、大引きを渡す。

高さが揃うところまで、ジャッキで大引きを持ち上げれば、「床束」の必要長さが求められる。   天端高さは「床束」の長さで決まる。

大引きは谷状態(下側に曲がる)に使い、床束で持ち上げる方向に張る。

【全面に張られた大引き】

一般的に、大引きは91cm間隔で並べられ、長さは3~4m。

床束と束石に支えられている。

その上に大引きと直行する形で根太が乗り、床合板を張る。

    
【横方向にも大引きを渡し強度を上げる】

大引きを縦方向にだけ渡すだけではなく、図のように中間にも横方向に大引きを配置すると強度か世上がる。

大引きは、予め防腐剤をしみ込ませた材を使うと楽。

【基礎に土台を固定するやり方・簡易版】

基礎にパッキンを敷き、アンカーボルトを通して土台を設置。 アンカーボルト間隔は1m。  アンカーボルトは土台を固定するもので、 構造上さほど大きな力を受ける訳ではない。

現在では柱に発生する大きな引き抜き力は主にホールダウン金物が負担する仕組みとなっている。

基礎パッキンは基礎にも土台にも固定しないで置くだけ。 だからアンカーボルトが基礎パッキンの中を通っている必要がある。

【土台の加工】

基礎の上に設置する土台の、アンカーボルトの位置にホゾ穴をあける。

座金は四角。  ホゾ穴は頭が土台から出ない深さに彫り込む。

アンカーボルトの間隔について、建築基準法には「土台は、基礎に緊結しなければならない」とあるが間隔について明記されていない。 2階建て住宅の場合、 基礎長2.7m以内(1.5間)ごとに設置することが多い。

 画像の一部は「DIY JP channel」より引用。



「剛床工法(根太レス工法)」の床組み

 「根太レス工法」....最近は「根太」を置かず、大引きの上に24㎜の構造用合板を直接打ち、その上に床材を貼る「根太レス(直貼り工法)」が増えてきました。 施工が容易な根太レス工法は、工期も根太工法より短く、 仕上がりにムラが起きにくいのが特徴で、 また根太や火打ち梁を使っていないので費用を安くでき、さらに床の位置も下げられ、部屋空間を高くできるというメリットがあります。

 ただ、床構造用合板の接着剤は湿気に弱く、20年ほどでブヨブヨになるとされますから、湿気対策は丁寧にやっておく必要があります。 さらに、 大引き間隔910㎜にする場合、303㎜間隔で根太を配置し、 12㎜の構造用合板で構成される根太工法と同じ床強度にするなら、根太工法より3倍広いので、 構造用合板も3倍の36㎜厚が必要とされ 24㎜厚程度の構造用合板では、大引きと大引きのまん中付近が「たわむ」、「踏み心地が柔らかい」という状態になりやすいとされます。

 従来の根太工法でも、根太のサイズを45mm×105mm以上とし、 床下地合板を規定に準じて設けると剛床仕様となり、火打ち梁を外す事が可能です。

 「剛床工法」....根太や火打ち梁を使わない剛床工法は、水平保持力が高く地震の横揺れや、歪みに強い工法とされます。  

 根太のサイズは、一般的な根太工法では、概ね幅45mm、高さ(成)45mmだが、根太工法で剛床仕様とする場合は、45mm×105mm以上とし、 下記に示す梁と根太の高さ関係による取り決めに従い施工する事が求められる。

▼根太と梁が同じ高さの場合▼


▼根太と梁の上端天が違う場合▼




「剛床工法」の床組み

 「剛床工法」も根太レス工法の1つ。  根太は使わず大引きを縦横に組み合わせる。   床下地合板の厚みは24mm以上を使う。

 床板の厚みを増すことで強度が上がり、揺れや重さを床板の“面”全体で吸収・拡散できるので、一か所にかかる負担を軽減できる。        

【「剛床工法」の大引き配置】

床の基礎的な部分である「大引き(90㎜角以上推奨)」は、120㎜×120㎜の角材を組み、水平に並んでいるか確認し束で支える。  大引きの芯々は909mmで配置する。

最近は木製束の代わりに、高さが調整できる鋼製束が主流のようだが、今回は既存の木製束を再利用する。

ピアノや薪ストーブなど重いものを置く箇所は、必要に応じ束の間隔を狭くする。
【「剛床工法」の断熱材】







【「剛床工法」の壁際の収め】

「根太レス工法」であれ[剛床工法]にせよ、床下地材は壁の下にまで貼られてしまう構造となる。

そのため、もしリフォームで床の張り替えということになると、壁の下にある床下地材をどう撤去するには相当な手間と費用が掛かる。  長く住むのなら要検討事項。 合板は出隅・入隅の加工が必要になるが、マルチツールがあると便利。





「金物」を使った補強

 金物を使えば安心、というのは必ずしも正しくないそうで、金物で固定された建物は、一度目の揺れで金物が破損すると急に強度が落ちて、二度目の揺れで倒壊してしまうのだとか。    つまり、金物は連続したダメージに弱い。

 その点、伝統構法であれば、ある程度までなら、木組がしなって持ちこたえるとされる。      

【後施工金物1による柱と土台の緊結】

耐震補強に「カネシン後施工金物」を使用することにより容易に柱・梁の増設ができる。

ビス止め金物なので木材の欠損を抑えられる。

羽子板ボルトの施工ができない部分でも可能。

檜もシロアリの被害は避けられないが、昔からシロアリ被害を受けにくいのは「栗の木」とされる。     





シロアリ対策は重要

 土台の防腐剤塗布は、建築基準法では地面から1m以内の土台は必須とされるが、木材の含水量が15%くらいを保持し、床下が換気され湿度が安定した状態ならば、クレオトップ(クレオソート)、 九三七一などの防腐剤塗布は必要でなくなる。

 しかし、なかなかそのような環境の木造日本家屋家は少なく、建物の寿命をのばすには永続性のあるシロアリ対策が非常に重要。  日本の家屋に被害を及ぼしている 「地下シロアリ」に分類される「イエシロアリ」や「ヤマトシロアリ」は水分を好み、 地盤面に近いところから食害してくるが、定期的に床下を点検して蟻道がなければ、シロアリ被害が発生していないことをある程度判断することが可能。

 そのため、「長期優良住宅」の認定基準の一つの「劣化対策等級3」に定められているシロアリ対策(防蟻)の認定基準のうち 「薬剤処理」は「地面から1m」まででもよいとされている。  現在主流となっている合成殺虫剤系の防蟻処理は、5年程度で防蟻効果がなくなるとされるが、 駆除作業は床下のみでよかったので対応が出来ていた。

 しかし、近年では従来の「地下シロアリ」とはまったく生態が異なる、外来種の「アメリカカンザイシロアリ」による被害拡大が懸念されており、被害は岩手県あたりまで拡大している。    このシロアリは輸入家具から発生するとみられるが、厄介なのは水分をあまり必要とせず、蟻道をつくらないので発見が難しいこと。

 また「地下シロアリ」はヒノキをあまり好まないが、外来種はヒノキが大好物。  駆除方法も面倒で手間も金もかかるが、簡単な外来種シロアリ対策としては「地面から1m以内の外壁の軸組等」だけではなく、 人体に無害のホウ酸処理を主要構造部も含めて、床下だけではなく屋根裏まですべての箇所にほどこす。

 すでに建っている住宅の場合は、細かいホウ酸の粉を床下や小屋裏に噴霧する「ダスティング処理」もある。   シロアリは巣に帰ってから自分や仲間でお互いに足を舐め合ってきれいにする習性があるので、シロアリが床下や小屋裏のホウ酸の上を歩くと、 シロアリの足に粉が付くので、ホウ酸が体内に入って死んでしまう。  さらに、死んだ仲間を食べる習性もあるため、ホウ酸入りの死骸を口に入れたシロアリもまた死んでしまう。(2025.10.20)

 

土台シロアリ・防湿対策

     
床下土台工事
【水性シロアリ防護】

大引きを配置する前に、木材部分の防腐・防虫対策をしておく。

低臭性なので既築住宅で使うのに適している。

ローラーハケで直接木材に塗布していく。

【シロアリ防護の「土壌処理剤」】

ピンコロを配置したら、土壌処理剤のシロアリ防護剤を、噴霧器やジョウロで撒く。

土壌処理なので、木材ではなく、地面とピンコロの周辺に散布していく。

防護剤はコスパのいい、20倍稀釈の《水性白アリスーパーPHI》がお勧め。 高さは1mまでが基準。
【シロアリ被害の対処】

食われてしまった土台は、それ以上被害が拡大しないよう、ドリルで穴をあけ、薬剤を注入する。

土台が元に戻るわけではないが、内部のシロアリ退治と、次のシロアリ侵入を防ぐ。

害虫はどこからでも上がってくるので、基礎の立ち上がり、束石にも薬剤を撒いておく。
【床下の調湿材】

土の地面に敷くタイプ。








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