ヘッドライト・テールライト

-37- (2008.5 - 2008.7 ) 


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 ('08/7/30) 
一般道へ「誘導される」大型トラック

朝出勤の身支度をしながら目をやっていたNHK「おはよう日本」で、高騰するガソリン価格への対応で、トラックが高速道路から一般道へと流れている問題をレポートしておりました。

『国道に大型トラック集中 〜原油高騰の波紋〜』
http://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/index.html
関東方面に北陸から輸送される物資のルートに異変が起きている。これまで高速道路を走っていた
大型トラックが、原油高騰のあおりを受けて、一般道に迂回するため、一部の国道に集中している
のだ。睡眠時間を削って走る大型トラックは地域住民の生活を脅かし始めている。
番組は原油高が引き起こしている問題として報道していました。けれど、これは今回の原油高がなくてもすでに起っている問題であって、たまたまガソリン価格が上昇したために、それが目に見えるほどに増加しただけのことです。(「有料道路のあり方についての意見募集 公開投稿」参照)

トラックの燃費はいかほどのものか私は知りませんが、移動距離に占めるガソリンと高速料金の割合を数字とグラフで示せば、問題の所在は、原油の高騰だけにあるのでなく、そもそも物流の効率化に寄与するはずの自動車専用道路が逆にそれを阻害している現状にこそある、ということが浮かび上がってくることでしょう。


 ('08/7/12) 
真夜中の大型バイク

ツーリングで帰りが遅くなったのでもなければ、まず真夜中に大型バイクが住宅街を走っていることはありません。マンションであれ戸建て住宅であれ、バイク窃盗の大半は真夜中から未明にかけての犯行です。大型バイク、とくにスーパースポーツが深夜の街中を走っていたら、その乗り手の服装や装備にご注意を。以下は、やはり深夜の犯行の No.4'328 台東区 FZ-1さんの被害状況です。

・敷地内の段差に壁に沿って置いてありました。
・ハンドルロックはかけており、隣には原付をおいていましたが、被害にあった
 のは大型バイクのみ。
・原付にはアラーム機能がついており、動かされた形跡がありましたが、自宅に
 いた者は気づきませんでした。
・近隣に停めてあったバイクは被害にあいませんでした。
・盗難時に壁にぶつけたのか、バイクの破片が落ちていました。


 ('08/7/9) 
警戒!真夜中の二人乗りビッグスクータ

ここのところ連続している大型バイクの窃盗の手口は、盗難車に乗って逃走するというものです。そのためには、大型スクータに二人乗りでやってきて、1人が盗んだバイクを運転します。他に見張り役にもう一台が一緒のケースがあります。したがって、犯行前は二人乗り、犯行後は盗難車と1人乗りのビックスクータが一緒に走行しています。深夜マンションに二人乗りのビッグスクータが乗り入れてきたら、住人かどうか警戒を。また、夜中にビッグスクータとそれに似合わない大型バイクが並走していたら、盗難車かも知れません。目撃情報をお寄せください。


 ('08/7/7) 
もうひとつの監視カメラ映像

荒川区で被害にあわれたNo.4'325ハーレーさんは、その犯行の一部始終をやはり監視カメラがとらえておりました。それによると、犯行時間はわずか3分。同じ荒川区でハーレーの盗難が連続していることから、皆さんに注意を呼びかけて欲しいとの一文を添えてくださいました。

本日、監視カメラの映像を確認し、(中略)
その映像の結果、7/5(土)20:16〜20:19の
私が帰宅して、45分後のたった3分の手際の良さ、とういう、犯行でした。

その映像をダビングしてもらい、本日、警察に一応提出した結果、
刑事の方が2名いらしていただき、現場検証をしてくださいました。
その時に刑事さんが、7月に入って、荒川区で、H-Dが3台目の盗難だそうです。

皆様に、荒川区近辺の要注意を流していただければとおもいます。
取り急ぎ、ご報告まで。


 ('08/7/6) 
GSX-R1000盗難の映像

No.4'316 R1000さんの監視カメラ映像がニュースで報道されました。その映像が以下のブログでご覧になれます。

http://blogs.yahoo.co.jp/gsx_r750sp/54153222.html
一時は鳴りを潜めていた組織的窃盗団ですが、再び活動を始めています。かつては年間24万台で推移していたオートバイ窃盗件数は7年程前から減少に向かい、今では年間8万台ほどまで減少しました。しかし、これはアジアで現地生産が主流になった原付きバイクを日本から調達する意味がなくなっただけで、値の張る大型バイクは依然として、大都市圏の住宅事情の貧困さと、日本の密輸監視体制が甘いことと相まって、まだまだ国際的窃盗団のターゲットになっています。

 ('08/7/1) 
川崎でGSX-R1000が連続盗難

川崎市でGSX-R1000の被害が連続して報告されています。No.4'316とNo.4'319です。No.4'316のR1000さんからは監視カメラの映像を提供いただいています。それを見ると、大型スクーターに二人乗りでやって来て、もう一台の大型スクーターの見張りをおいて1人がバイク置き場から押して敷地外へ出ていく様子がはっきりと見えます。ターゲットを決めて犯行に及んでいることから、プロの窃盗団に見えます。とくにR1000をお持ちの方、あるいは友人で持っている方は警戒、注意を呼びかけていただけないでしょうか。


 ('08/6/29) 
意外な飛行機の燃費 続き

タイミングよくNHKが今日の夜のニュースで、旅客機の「燃費運航法」を報道していました。

『滑空して降下 日航が新運航法』
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015563691000.html

地球温暖化対策を進めるため、日本航空は、旅客機の二酸化炭素の排出源となっているエンジ
ンの出力をぎりぎりまで絞って、着陸直前までグライダーのように降下する新しい運航方法を、
6月から国際線の一部に導入しました。
(中略)
旅客機が着陸のため高度1万メートルの上空から降下していく際、エンジンの出力をぎりぎり
まで絞ってグライダーのように飛行します。
この航行法で「1回の運航で最大675キロの燃料を節約」できるといいます。200トンもの燃料を消費する長距離国際線ではこの節約分も微々たるものですが、中距離や国内線のフライトでも採用すれば、効果的ではあるでしょう。バイクでたとえると、高速のサービスエリアの手前でクラッチを切って惰性走行して徐々にスピードを落とすようなものでしょうか。

 ('08/6/27) 
意外な飛行機の燃費

『週刊ダイヤモンド』の6月28日号の特集「エアライン&エアポート」を見ていたら、AIRBUS A380 についてこんな記述がありました。

(A380は)乗客525人を乗せた状態で、旅客1人あたり100キロメートルの飛行に要する燃料の
量は3リットル以下になるとエアバスは試算する。1リットル当たり33キロメートルというのは、
燃費のよい乗用車よりも遥かに燃料消費は少ない(燃料の種類や単価は異なるが)。
(57ページ)
525人とは満席の場合で、1人当たりの燃費計算としてはベストの条件でしょう。ふだん席が埋まるのは7割前後でしょうか。そうすると1人当たり燃費はもっと落ちて、ツーリングバイク並か。

私は、飛行機って、もっと効率的な燃料消費の移動手段とばかり思い込んでおりました。A380は現在シンガポール航空が東京線に就航していますが、なんだか、525人のバイクツーリストが連なって「空の道」を駆けていくシーンを想像してしまいました。これでも、大量に旅客を運ぶ大型機は1人当たりの燃費がいいほうです。

シンガポールまでは無給油のノンストップで飛行しますから、さぞかし燃料もたくさん搭載するんだろうと、機体のデータを捜したら、シンガポール航空のHPに資料がありました。それによると、

最大離陸重量  560トン
最大無燃料重量 361トン
最大燃料容量  310,400リットル
http://www.singaporeair.co.jp/a380/content/aircraft/index.html「シンガポール航空 A380データ」
ジェット機の燃料はケロシン。ケロシンとは灯油のことで、市販の灯油とほぼ同じ主成分。その比重は約0.8。したがって、A380が満タンにする燃料の重さは250トンほど。すると機体総重量に燃料が占める割合は、最大でなんと45%。まるで「空飛ぶドラム缶」。

これだけ消費する燃料ですから、原油高となれば航空運賃にはね返ります。実際は燃料の高騰分は「燃油サーチャージ」として別途徴収されます。今回私のドイツ往復ではその追加料金は4万円ほど。それでも、往きも帰りも、おもに日本人の観光客で満席でした。


 ('08/6/18) 
蘇る歴史 - TIMES ARCHIVE

イギリスのTIMES紙がそのオンライン版で過去の記事をその紙面のままデータベースとして公開しています。

『英Times、200年に渡る記事を完全デジタルデータベース化』(Yahoo News! 6月16日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080616-00000011-imp-sci
英Timesはこのほど、1785年から1985年までに200年間に渡る記事を検索可能な形で
デジタルアーカイブ化し、データベースを公開した。
利用は今のところ無料ですが、登録手続が必要です。実際に検索を試すと紙面の記事のテキストがハイライトされます。これまで限られた図書館や資料室でのみ閲覧するしかなかった新聞がアクセス可能になりました。7年前にGoogleを利用したときのような驚嘆を覚えます。 たとえば、キーワードに「HONDA ISLE MAN 1961」で検索すると、ホンダが1961年マン島TTで125ccと250ccを制覇した6月13日の紙面が見つかります。
"T.T. RECORDS AT DOUGLAS"
FROM OUR CORRESPONDENT DOUGLAS, I.O.M., JUNE 12 
M. Hailwood, a 21-year-old Oxford rider, completed a double in yesterday's 
International T.T. motor-cycle races in the Isle of Man, where he was 
successful in the 125 c.c. and 250 c.c. classes, both in record time.

『ダグラスのT.T.で新記録』
マン島ダグラス 6月12日 特派員発
マン島にて昨日開催された国際T.T.二輪レースにおいて、21歳のオクスフォードの
ライダーM. ヘイルウッドが125ccと250ccの2冠を制した。二つともこれまでのコース
レコードを更新した。
このヘッドラインに続いて、乗っていたマシンがHONDAであることが文面に出てきますが、専門誌や業界紙ではないせいでしょう、日本のモーターサイクルの偉業のような扱いにはなっていません。でも、事実がどう報道されたかということも、これまたひとつの事実として見ないとなりません。

1785年から1985年の200年というと、フランス革命からマッキントッシュ誕生までという区切りにも見えます。新聞の歴史は同時に印刷の歴史でもあります。上記200年は、印刷というメディアが社会を変革してきた時代、そしてそれがDTPとして万人の手に届くものになった現代へと続きます。

1985年から現代までの紙面もアーカイブ作業が続いていますが、この期間はページ数とコンテンツが急増した時代で、「1785年から1985年の期間よりも1985年から2005年までのコンテンツ量のほうが多い」といいます。


 ('08/6/16) 
蘇るCBX

出張先はドイツのデュッセルドルフで、そこで4年毎に開催される世界で最大の印刷機材展drupaに参加しておりました。日本でも同様の展示会に行かれたことのある方はご存知でしょうが、印刷機が回りますので、普段縁のない大判の印刷物を入場者は自由に持ち帰ることもできます。ハーレーの写真などはよく目にします。メッキ部分が多いので、金属の光沢感がどれだけ出せるかが印刷物の品質評価の目安にもなります。

ハーレー以外でもデザインに秀でたバイクはいくらでもあるのに、これまで印刷見本に使われたケースを知りません。ところが今回のdrupaでは日本のM社のブースでなんとCBX1000が印刷されておりました。空冷6気筒のエンジンを強調したアングル。この写真を選んだ社員はきっとバイク乗りでしょう。さっそく持ち帰って現地スタッフに見せたら、あまりバイクに詳しくない彼は6気筒を「これは実写か、CGか?」

日本でCBXというとまずCBX400Fを指しますが、この1000ccバイクのエンブレムは単に「CBX」。Xだけ大きくデザインされているので、これは究極のCBというネーミングのつもりだったのでしょう。バイクとしての機能性はないが、エンジニアの遊び心が生んだ時代の落とし子モデル。それが今見るとそのメカっぽさが斬新な被写体ともなっています。


 ('08/6/13) 
更新再開のお知らせ

ずっと仕事で海外へ出ておりました。帰国は10日だったのですが、預けた手荷物がいまだ届かず、連日航空会社に督促をしているところで、まだ「帰国」気分ではありません。いつもはこのPowerBookを携えるのですが、今回はホテルからネット接続できないため、家に置いて出かけました。持って行かなくて幸い。パソコン本体は機内持ち込みにしますが、ACアダプターはスーツケースにいつも入れます。電源を取れなくて、PowerBookがNon-powerブックになるところでした。


 ('08/5/24) 
更新お休みのお知らせ

仕事の関係で明日からしばらく更新ができなくなります。新規登録の方には申し訳ありませんが、再開までお待ちくださるよう、ご諒解お願いいたします。


 ('08/5/20) 
被害者になるのも予期しないとき

窃盗犯罪の被害者になるのもどこか天災に似て、「まさか自分の身に」という思い込みが誰にもあります。被害状況を伝えてくださる方は、それが他のライダーの注意を喚起することになれば、との願いを込めています。No.4'300 静岡県袋井市のHornet900さんから。

はじめまして、[K]と申します。
この度はバイクを盗難されまして藁にも縋る思いで投稿致しました。
発見に繋がる有力な情報入手はもとより自分の盗難発生状況を皆さんに
知って頂き防犯に繋がればと思います。

*犯行時は照明センサーの位置が移動されていた。
*犯行時、スクーターらしき排気音が隣家の前を何度も往復していた証言あり
*犯行日前日、夜中の1時頃、近所をGパン姿の男性がジョギング?を何日かに
 かけて行なっていた証言あり


 ('08/5/18) 
天災と人災

そもそも『マオ』と長野聖火リレーについて言及したのがきっかけでした。四川省大地震は想像した以上に被害の大きさと悲惨さが明らかになっています。一部のニュース記事でも触れていますが、同じM7.8の大地震がおよそ30年前の1976年7月28日、河北省唐山市で発生しています。それは毛沢東と文化大革命の最後の年。上記『マオ』の最終章に以下のくだりがあります。

最期の数週間を、毛沢東は中南海に特別に建てられた何の個性もない建物の中で過ごした。
この建物も例によって「202」というコードネームのみで呼ばれ、毛沢東仕様の安全基準
を満たした耐震構造になっていた。1976年7月末、北京から東へ160キロの工業都市唐山を壊
滅させたマグニチュード7.8の巨大地震が首都を揺すぶったあと、毛沢東は「202」に移
された。唐山では24万人(公式発表)ないし60万人(非公式発表)の死者が出た。(中略)
しかし、中国政府は諸外国から寄せられた救援の申し出を断った。毛沢東政権の面目躍如で
ある。この決断のせいで、助かったかも知れない多くの命が失われた。
(ユン・チアン『マオ』下巻 509-510ページ)
死者が24万人という数字も、発生から3年も経ってから公表されたもの。それまで、被害の実態が伏せられたままであったこと、その数字も信憑性がなく、実際の犠牲者は60万人にものぼるとされています。それが上の「非公式発表」です。それは外国からの救援を拒絶したことばかりでなく、そもそも毛沢東政権が満足な救援活動を行わずに、被害を拡大させた要因もあろうかと思います。

その点、今回はいくらか遅きに失したとはいえ、日本からの救援支援部隊を受け入れたのは、30年前のような情報鎖国政策を取れなくなっていることもあるでしょう。

ところで、日本のほかに派遣を受け入れられた救援部隊がなぜ韓国、シンガポール、ロシアに限られたのか、疑問が湧きます。イギリスBBCは、これら3国からの救援チームが日本からの救援部隊に続いて被災地に入ったことを報じた上で、次のように続けています。

However, a British rescue team standing by in Hong Kong is returning home 
after being refused permission to travel to the earthquake zone.
「しかし、香港で待機していたイギリスの救援チームは被災地への派遣を拒まれた
ために帰国の途についた」
"China praises world's quake aid"(BBC NEWS 5月18日 08:37 GMT)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7406830.stm
同じ天災のサイクロンの被害に見舞われた軍政下のミャンマーでは、30年前の毛沢東さながら、外国からの人的支援を拒絶して自国民を死に追いやっています。イギリスのブラウン首相はそんなミャンマーの軍事政権に対し、「天災が人災に変わりつつある」と批判しつつ、援助物資を被災地に届ける努力を続けています。 

 ('08/5/14) 
人間が起こす地震、人間が拡大させる被害

「三峡ダム 地震」のキーワードでGoogle検索をすると、実際にダムが地震を引き起こしている事実がヒットします。なかでも、

『人間が起こした地震』 http://shima3.fc2web.com/sekou9701damzisin.htm
『三峡ダムって何?』 http://www.teamrenzan.com/archives/writer/hara/post_204.html
がよくまとまっています。ダムばかりでなく、阪神淡路大震災と明石海峡大橋の工事との因果関係、2004年の新潟中越地震と南長岡ガス田との関連も示唆されています。地震が起るといつも「活断層」がどうのと、プレート移動の地球物理の話ばかりがニュースで繰り返されますが、中には「人為的」な地震もあることを初めて知りました。

今回の四川大地震も、たとえ三峡ダムが誘発したものでなかっとしても、それはダムの周辺で大地震が起るのは実はこれから、ということにもなります。

次々と明らかになる被害実態がニュースの大部分を占めますが、それとともに、中国指導層がどう対応しているかが、いろんな事実を語ることになります。たとえば、毎日新聞が伝えた以下の短いニュース、

総務省消防庁は13日深夜、中国からの派遣要請に備え、国際緊急援助隊の消防部門を構成する
東京消防庁や北九州市消防局など全国の5消防本部に対して出していた成田空港(千葉県)への
参集命令を解除した。中国側が「現時点での援助要請は見送る」と外交ルートを通じて断ってき
たためで、今後も要請があれば対応する。
『<四川大地震>中国の要請なく派遣中止 消防庁』 (毎日新聞 5月14日)
http://news.livedoor.com/article/detail/3638513/
つまり、災害専門チームに「来てくれなくてもいい」と断ってきたということで、これは中国にはいくらでも人がいるから、とも受け取れますが、ほんとは被災者に直接接することで、被害の実態ばかりでなく被災者の生の声が海外の人間に伝わることを恐れてのことではないかと、解釈するのが妥当でしょう。地方の、とくに農村部で被害が拡大しても「たいしたことではない」という「毛思想」のお告げのままか。それでも聖火は何事もなかったように走りました。

 ('08/5/12) 
四川省大地震と三峡ダム

午後、勤務する会社の上海事務所から電話があり、「上海で地震があり、ビルに避難勧告がでたので、これから事務所が空になります」。たいした揺れではなかったものの、まあ、上海で地震とはなんて珍しい。地震のない国かと思っていましたが、さてはあまりに高層ビルをポンポン積み上げたので、重みで地盤が沈下でもしたのかな、と思いきや、その後ニュースで震源地は四川省で、なんとマグニチュード7.8と報道されました。

昨年の柏崎刈羽地震(中越沖地震)がM6.8だったことからしても、M7.8は大震災です。大地震はいつもそうですが、被害の実態が明らかになるのにはずいぶんと時間がかかるものです。M7クラスの地震があったという事実だけで、緊急救援対策を始動させないとならない、と感じます。

ところで、なんで四川省で地震が、と訝しんでいたら、続報に「三峡ダムは異常なし」という報道もありました。そういや、三峡ダムが近くにあるはず、とあらためてWikipediaで調べたら、こんなくだりがありました。

2006年8月、香港の中国人権情報センターは三年以内に三峡ダムが強い地震を引き起こす可能性が
あると発表した。また中国国務院の温家宝総理もこの件について憂慮しているとも添えられている。
同発表によると、当局は1993年より同ダム近辺についての地質調査を行っているが、その結果およ
び重要な地質資料が極秘となっている為に、外部機関が精査することが出来ないとしている。
蓄積された水の重さにダム付近の岩盤や地質が耐え切れずに「地震」を引き起こすのでは無いかと
いう懸念が寄せられている。
(Wikipedia 『三峡ダム』
はたして、今回の地震は「ダムに被害を及ぼさなかった」ものか、それとも全く逆で、そもそも「ダムが引き起こした」ものなのか。

 ('08/5/9) 
放置バイクがあります

「近所を散歩している時に盗難バイクらしき車両を見つけ」ました、とのお知らせを横浜の方からいただきました。ナンバー照合でヒットしなかったとのことで、写真もお送りいただきました。ご協力ありがとうございます。以下の2台です。部品取りされています。

Majesty 1 岡崎 た 461
TW200 1 横浜 う 5312

なお巡回の警官も、盗まれて放置されているバイクと分かっても、すすんでナンバー照合はしないものです。ただ、住人の方から通報があるとすぐに検証に来てくれますので、お手数ですが、110番通報していただけないでしょうか。


 ('08/5/1) 
聖火のエベレスト登頂になんの意味がある

毛沢東と文化大革命について書いたときに、長野の聖火リレーについてちょっと触れました。日本のニュース映像では、大きくサイズも揃った赤い中国国旗がたくさん振られているのが目立ちました。あたかも40年前の紅衛兵が日本に派遣されたような印象さえ与えたものです。統率もあるように見えましたが、

長野市を走った26日の聖火リレーでは、約5千人の中国人留学生らが日本各地から
集まった。東京から参加した複数の留学生によると、前日から夜行バスで向かい、
1人2千円の交通費を負担したが、残りの費用は、すべて大使館側が負担してくれた
という。
『「聖火応援隊」やっぱり動員 中国当局が旅費負担』(4月29日 asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/0429/TKY200804280362.html
との続報がありました。さもありなん、というところか。海外のニュースはどうかというと、イギリスBBCは

Scuffles in Japan at torch relay
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7368307.stm

で、「数千人の中国支持者と数十人の抗議者が道路に並び...」と記事にした上で、ビデオ映像も両者を対等に扱っていました。さらに、「1400年の歴史を持つ仏教寺院」の中国のチベット弾圧抗議にからんでスタート地点が変更になったことも伝えています。その善光寺、そのために嫌がらせも受けたようですが、

北京五輪の聖火リレーの出発地を辞退した長野市の善光寺が、リレー当日の26日朝、
チベットでの暴動で亡くなった人たちを、民族の違いにかかわらず名前を読み上げて
弔う。企画した住職らは「出発地は辞退したが、イデオロギーや宗教を超えて世界平和
を願う善光寺の立ち位置は変わらない」と訴える。
『善光寺 聖火リレーの朝、チベット騒乱犠牲者を追悼へ』(4月21日 asahi.com)
というのは、デモクラシーの社会では普通のことなのですが、そんな良心を貫くことにも勇気がいるような空気がただようニッポン。私はすっかり善光寺ファンになりました。

その聖火リレーですが、エベレスト登頂が迫っています。これを正直にばかばかしいことと批判するジャーナリストやスポーツ関係者はあまり見かけませんが、そんななかで、登山家の野口健さんは目に余る中国政府の傲慢さを見かねて、そのHPで「300人つぎ込めば聖火を山頂に上げられるといった発想はまるで203高地」と語気を強めて批判しています。

中国政府は聖火リレーをチョモランマの山頂まで行なうと発表。昨年、春は聖火リレー
する中国隊が訓練の為に約300人がチョモランマ登山を行っていた。どうやら今年の
5月10日に聖火を山頂に上げなければならないとのこと。チョモランマを相手に登ら
なければならない中国隊員からしたら登頂の日時を決められてはたまったものじゃない
だろう。しかし、政府からの命令となればマスト。

この春にチョモランマでの清掃活動を予定していたが、チョモランマにゴミがあること
を公にしない事、ゴミの写真、映像の撮影の禁止など多くの制約があるとの連絡を頂い
た。昨年春も聖火リレー隊から「めでたいオリンピック前にチョモランマが汚れている
事を公にするのは不謹慎だ。活動を止めて欲しい」などと注文がついたが、もちろん受
け入れるわけにはいかなかった。

「スピルバーグ監督の北京オリンピック辞退に共感 」(野口健公式サイト富士山から日本を変える)
http://www.noguchi-ken.com/message/b_num/2008/0315.html
「沿道」で見守る人もいない中で、たかが燃える火をエベレストに持ち上げることに何の意味があるものか。キリマンジャロに掲げた灯火とは大違いです。



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