化学反応式の係数と問題
- 化学反応式を全て覚えるのは困難です。そこで化学反応式を作るには、正しい化学式を書く事と、係数により左右の原子数を合わせる事の理解が必要です。
- 正しい化学式を書く。中学では丸暗記でも、高校では原則を覚えないといけません。
- 係数による左右の原子数の合わせ方。(好きな所に係数1か2を入れる)
- 化学反応式の練習問題を最後に行います。化学反応式の問題
正しい化学式を書く
係数による左右の原子数の合わせ方
銅と酸素が反応して酸化銅になる。
まず正しい化学式を書きます。Cu+O2→CuO
次に好きな所(複雑そうな化学式が良い)に係数1か2を入れます。 Cu+O2→1CuO 左辺のO原子が2個、右辺が1個で合いません。
係数を2にすると Cu+O2→2CuO 左右のO原子の個数が合いました。
Cuの原子の個数を合わせる為に、2Cu+O2→2CuO 終わり。 この時、Cu2+O2→2CuOとしてはダメです。銅の化学式はCuです。
酸化銀→銀+酸素
正しい化学式を書きます。Ag2O→Ag+O2 酸化銀の化学式は上の表。
好きな所(複雑そうな化学式が良い)に係数1か2を入れます。 1Ag2O→Ag+O2 左辺のO原子が1個、右辺が2個で合いません。
係数を2にすると 2Ag2O→Ag+O2 左右のO原子の個数が合いました。 Agの原子の個数を合わせる為に、2Ag2O→4Ag+O2 終わり。
化学反応式の問題
- 水の電気分解 水→水素+酸素
- 水素+塩素→塩化水素(塩酸)
- マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+二酸化炭素+水
炭酸CO3 (こじつけですが、炭酸は炭素に酸素が、さん個つく) 炭酸水素ナトリウム←は逆から書いて、NaHCO3。 炭酸ナトリウムは炭酸水素ナトリウムの水素がナトリウムに代わったもので、炭酸ナトリウムナトリウム。つまり、Na2CO3。
化学式だけ書けば、NaHCO3→Na2CO3+CO2+H2O
次に、炭酸水素ナトリウムに係数2を付けて、左右の原子の個数を合わせる。
- 鉄+酸素→酸化鉄(II)
石灰石(炭酸カルシウム)+塩酸(塩化水素)→塩化カルシウム+二酸化炭素+水
Caはイオンになると+2、CO3炭酸は-2。
石灰水は水酸化カルシウムCa(OH)2の水溶液。混同しない様に。
窒素+水素→アンモニア アンモニアの化学式はNH3、窒素はN2。
化学式の書き方は単体と化合物では、少し違います。単体の化学式は分子式か組成式。化合物は主にイオン結合のものを説明します。
単体の化学式
単体で2がつくものは、酸素O2(王監督)。窒素N2(長島監督)。水素H2(原監督)とハロゲンのフッ素F2。塩素Cl2。臭素Br2。ヨウ素I2。これ以外は、元素記号をそのまま書く。鉄Fe,銅Cu,炭素Cなど。
化合物の化学式
酸化鉄の化学式はFeO。酸化銅CuO。酸化銀Ag2O。同じ金属の酸化物なのに2が付いたり、付かなかったりするのは何故でしょう。FeとCuはイオンになった時[+2]、Agは[+1]。Oは[-2]ですが。
+1 | +1 | +1 | +2 | +2 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
H 水素 | Na ナトリウム | Ag 銀 | Fe 鉄 | Cu 銅 | ||
-1 | Cl | HCl | NaCl | AgCl | FeCl2 | CuCl2 |
塩化 | 塩化水素 | 塩化ナトリウム | 塩化銀 | 塩化鉄 | 塩化銅 | |
-2 | O | H2O | Na2O | Ag2O | FeO | CuO |
酸化 | (水) | 酸化ナトリウム | 酸化銀 | 酸化鉄 | 酸化銅 | |
-2 | S | H2S | Na2S | Ag2S | FeS | CuS |
硫化 | 硫化水素 | 硫化ナトリウム | 硫化銀 | 硫化鉄 | 硫化銅 |
原子数を合わせる為には、化学式(係数を含む)の中の原子の個数を計算できないと、いけません。
化学式(係数を含む)の中の原子の個数
問題。3Ag2Oの中に、Ag原子、O原子は、いくつあるでしょうか。
3Ag2O=Ag2O+Ag2O+Ag2Oです。(数学の、3x2y=x2y+x2y+x2yと同じ)∴Ag原子は2×3=6個、O原子は1×3=3個。
原子数の合わせ方 好きな所に係数1か2
原子数の合わせ方の練習問題。次の文章を化学反応式で表せ。
次の化学反応式を書け。化学反応式の答をクリックすると答が見られます。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。