草加市の小学校の校庭に錆びた釘 調査はされているか M君
荻窪小の事故から1年が経ちました。しかし今でも、スズランテープが巻きついた釘が、児童の下駄箱のそばに無防備に保管されています(U字形の釘も)。下の画像。2024年6月27日撮影。 その釘が校庭に埋められたままになっています。下の画像。
2023年4月13日の荻窪小の事故からの経緯
2023年5月12日、文部科学省は各学校で安全点検が確実に行われるよう、全国の教育委員会などに通知しました。草加市教育委員会への情報公開請求で確認されています。
しかし、2023年6月1日、6月8日、10月19日、11月2日に草加市のA小学校の校庭で錆びた釘が発見されました。4度目です。
草加市の教育委員会が、各学校に文部科学省の通知を連絡、徹底していれば、4度も、校庭で錆びた釘が発見される事はなかったでしょう。小学校校庭の大量くぎ問題 実効性ある安全点検調査は「学校任せ」でよいのか:東京新聞 TOKYO Web
草加市教育委員会への情報公開請求
令和5年6月6日。公開請求する公文書の名称又は内容
杉並区の小学校で先月、校庭から突き出ていたくぎで児童が大けがをした事故を受け、文部科学省は5月12日、各学校で安全点検が確実に行われるよう、全国の教育委員会などに通知しました。上記の文部科学省の通知の公開を請求します。
6月1日、小学校の校庭で釘を発見
下の画像は、2023年6月1日、草加市の小学校の校庭で見つかったスズラン テープ付きの釘の写真です。スズラン テープが付いていない釘を含め、全部で5本あります。
6月8日、さらに小学校の校庭で釘を発見
5月12日、文部科学省は各学校で安全点検が確実に行われるよう、全国の教育委員会などに通知しました。にも関わらず、6月8日に、草加市の小学校の校庭で、新たな釘が発見されました。釘はトラックを囲うロープの脇に落ちていました。
小学校の校庭で見つかった釘に関するニュース
- 5月11日小学校の校庭、地中に釘など544本 児童が転倒、十数針縫う大けが:朝日新聞デジタル
4月13日に杉並区立荻窪小の児童が体育の授業中に転倒して釘に左ひざを打ちつけ、十数針縫う怪我をする事故が起きた。この記事に掲載されている写真では、釘の頭の部分にスズラン テープのようなものが巻きつけられています。 - 5月16日校庭のくぎで児童大けが 文科省が全国に安全点検を通知|NHK首都圏のニュース
事故を受けて文部科学省は5月12日、各学校で安全点検が確実に行われるよう、全国の教育委員会などに通知しました。通知では、校庭などでくぎやガラスなどの危険物がないかや、ブロック塀やフェンスに破損がないかなどについて点検をするよう促しています。 - 5月16日釘など計1350本、杉並の学校など43施設に 児童けがで緊急点検:朝日新聞デジタル
杉並区立荻窪小で、児童が転倒した際に校庭の釘が原因でひざに大けがをした問題を受け、区教委が区内の公立小中学校に緊急点検を求めたところ、釘など計1350本が見つかった - 5月25日『なぜ、校庭の「くぎ」金属探知機で調査…たった40分の調査で複数見つかる〈宮城・岩沼市〉|FNNプライムオンライン』
都内の小学校の校庭で、転倒した児童が、突き出ていたくぎで大けがをする事故を受け、教育委員会は、市内全ての小中学校で調査を行う。 - 5月30日葛飾区でも校庭から釘、小中20校から350本 金属探知機で調査へ:朝日新聞デジタル
葛飾区でも校庭から釘が発見された。 - 5月31日小中学校の校庭からくぎ 新たに江東区・北区などでも見つかる|NHK|教育
- 5月30日、江東区では、21か所の校庭から合わせて772本のくぎや金属片が埋まっているのが見つかりました。
- 5月31日、北区では、区立の7校の小中学校の校庭から合わせて277本のくぎやフックが見つかりました。
- 5月31日、江戸川区では区立の3校の小中学校の校庭から合わせて187本のくぎが見つかりました。
上記のニュースに見られるように、この小学校の校庭の釘の問題は、一部の学校だけに見られるヒューマンエラーでは、ありません。全国的、構造的な問題です。
杉並区立荻窪小で発見された釘にも、岩沼市立岩沼小学校で発見された釘にも、釘の頭の部分にスズラン テープのようなものが巻きつけられています。 スズラン テープを目印にするのは、全国的に行われているのです。
何故、小学校の校庭に大量の釘があるのか
運動会では、トラックや団体競技の為に、校庭にラインを引きます。ところが、このラインは次の年の運動会には消えてしまいます。そこで、ライン引きの目印となるマーカー(スズラン テープが使われる事が多い)に釘をつけて地面に埋め込みます。
スズラン テープで縛られた釘は、頭が見えないように完全に土の中に埋められ、テープの部分だけが土の表面に出ています。
この時点では、釘に児童の靴が引っ掛からないように配慮して、埋められます。この作業が完璧な学校ほど、教師は安心してしまい、撤去するのを怠りがちです。この上を児童が体育の授業で走っても、なかなか抜けません。
ところが、小学校の校庭は少年野球や少年サッカーが使います。彼らは、トンボを使いグランドの整備をします。その結果、何本かが抜けて地面の表面に転がります。あるいは、雨で校庭に水たまりができると、彼らのコーチは、溝を掘って水をグランドの外へ流そうとします。
以上の結果が、草加市の小学校やyoutube動画にあるスズラン テープ付きの釘です。
6月1日草加市の小学校の校庭を調査
ニュースから、校庭の釘問題は構造的な問題なので、草加市でも起きているかも知れないと思い、ある一つの小学校を調査しました。すると30分で、5本の錆びた釘を発見しました。(冒頭の写真)
コロナで、運動会はこの3年間、行われておらず、釘が錆びていることから、この状態は数年放置されてきた事が判ります。これは、全国的な状況で、報道で新品の釘が見つかった例は知りません。
草加市の特殊事情
10年ぐらい前、草加市の小学校の体育主任会議での事。ある体育主任が、運動会で使っている釘は危ないので、全部撤去し、今後は使用しないよう提案しました。ある小学校では、その通り実行し、釘がない状態になっています。しかし、画像の小学校では、そうしなかった為、今でも校庭に釘が残っています。
草加市の教育委員会の対応
足立区教委は杉並での事故が報道された5日11日付で、区立小学校、中学校に校庭を点検するよう通知。
一方、草加市の教育委員会は、市内の小学校に校庭を点検するよう通知していないので、6月1日に校庭に釘が残っていた。多分、100本ぐらいは、まだ、残っているだろう。
問題はまだある。小学校の校庭は、6月5日以降、放課後子ども教室や学童保育も使います。この二つは草加市子ども育成課の管轄です。(役所の縦割り行政で)たとえ、教育委員会が点検の通知をしても、この二つの児童は、校庭に釘が残っている状況で活動するのです。
杉並区立荻窪小は、3日間、校庭を閉鎖しました。草加市教育委員会、子ども育成課は、安全が確認されるまで、校庭の使用禁止を通知すべきでしょう。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。