三次方程式 因数分解による解き方と多項式の除法

因数定理三次方程式の因数分解が教科書の順番ですが、三次方程式の解き方から始めた方が理解し易いと思います。

重要なのは、多項式の除法です。組立除法より簡単です。組立除法は、いりません。以下の多項式の除法だけを見ればいいかもしれません。

三次方程式の因数分解による解き方

三次方程式を解くとは、因数分解して、(X-A)(X-B)(X-C) = 0 とする事です。この時、三次方程式の解はX=A, B, Cとなります。

三次方程式の練習問題

三次方程式X−6X+11X−6=0の解は?
左辺を因数分解すると、(X−1)(X−2)(X−3)=0ですから、解はX=1,2,3です。

左辺を因数分解するには、どうしたら良いかは、追々、説明します。

解の求め方

練習問題の解、1,2,3をどうしたら求められるでしょうか。

f(X)=X−6X+11X−6=(X−1)(X−2)(X−3)とすると、

  • f(1)=(1−1)×(1−2)×(1−3)=0
  • f(2)=(2−1)×(2−2)×(2−3)=0
  • f(3)=(3−1)×(3−2)×(3−3)=0

これが、なんとなくの因数定理です。少し正確に言うと、f(a)=0ならば、f(X)は、(X-a)を因数に持つというのが因数定理です。(当たり前だけど)

解の候補

(X-A)(X-B)(X-C)を展開するとX3−ABCですが、練習問題の場合は、(X−1)(X−2)(X−3)を展開すると、X・・・−6となります。

−ABCが−6だから、A、B、Cの候補は定数項ABCの約数。つまり、かけて、−6になる数です。

よって、解の候補は+1、+2、+3、+6、−1、−2、−3、−6です。
f(1)、f(2)、f(3)、f(6)、f(−1)、f(−2)、f(−3)、f(−6)を計算すると、f(X)=0となるのはX=1、2、3の時で、解はX=1,2,3です。

ただ、f(1)からf(−6)までを全て計算するのは面倒です。実は、1つだけで計算すれば良いのですが。

三次方程式の解き方・教科書の解法

  1. 解の候補を1つだけ求めます。

    計算が簡単なf(1)を求めると、f(1)=0となる事が分かります。

    因数定理よりf(X)は(X−1)で割り切れて、X−6X+11X−6=(X−1)(X+□X+△)となるはずです。

  2. 多項式の除法で(X+□X+△)を求めます。

    (X+□X+△)=(X−6X+11X−6)÷(X−1)=−5X+6になって、X−6X+11X−6=(X−1)−5X+6となります。

    ここで問題なのは、−5X+6の求め方ですが、これは以下の多項式の除法で行ないます。

  3. 次数が3次方程式から2次方程式に下がった(バンザーイ)。

    (X−5X+6)を因数分解する。(かけて+6、足して−5になるのは、−2と−3)

    (X−5X+6)=(X−2)(X−3)
    よって、X−6X+11X−6=(X−1)(X−2)(X−3)。解はX=1,2,3です。

因数分解できない時は、解の公式を使う。あるいは、因数分解たすき掛けを使わない方法 応用

多項式の除法

  • 多項式の除法は、整数の割り算と同じような方法で行います。組立除法より簡単です。
  • マイナスを引くとプラスになる事に注意。

多項式の除法 筆算

多項式の除法の筆算

  1. −6X+11X−6の先頭X−1先頭Xだけを見てを立てます。X−1をかけて、−X。引き算してから、+11Xを下ろします。
  2. −5X+11Xの先頭−5XX−1の先頭Xだけを見て−5Xを立てます。 −5XX−1をかけて、−5X+5X。引き算してから、−6を下ろします。
  3. 6X−6の先頭6XとX−1の先頭Xだけを見てを立てます。X−1をかけて、6X−6。引き算して0、割り切れました。

ややこしい感じがしますが、先頭だけを見るという事に注意すれば、小学校の割り算と同じです。組立除法より簡単な理由がここにあります。

整数の割り算 筆算

741÷3の筆算これは、小学生のレベルですから、以下の説明を見る必要はないでしょう。前の多項式の除法との関係で書きました。

  1. 7とを見て、を立てます。をかけて、。引き算し4を下ろします。
  2. 14とを見て、を立てます。をかけて、12。引き算し1を下ろします。
  3. 21とを見て、を立てます。をかけて21。引き算し0。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。