1つの実数解と2つの虚数解を持つ三次方程式
三次方程式 X3+(R-1)X2-(R-1)X-1=0の解が次の二つの条件を満たす時、Rの範囲を求めよ。
- 一つの実数解を持つ。
- 二つの虚数解を持つ。
因数定理と多項式の除法を使って、
X3+(R-1)X2-(R-1)X-1を
(X-1)(X2+RX+1)と変形する。
二つの虚数解を持つのだから、(X2+RX+1)の判別式D<0。
因数定理
三次方程式は因数定理を使って、次数を下げる事がヒントになる場合があります。
f(x)=X3+(R-1)X2-(R-1)X-1とおく。
2項目と3項目から(R-1)Xをくくり出すと
f(x)=X3+(R-1)X (X-1)-1。
ここでX=1を代入すると真ん中の項が0になり、f(1)=0となる事に気づけば、因数定理が使えて、次数を下げる事ができます。三次方程式と因数定理
f(x)は(X-1)を因数に持つので、f(x)=(X-1)(X2+RX+1)となります。(X2+RX+1)を求めるには、多項式の除法を使います。
多項式の除法
多項式の除法は、整数の割り算と同じような方法で行う。組立除法より簡単です。多項式の除法の説明
X2+RX+1
X-1)X3+(R-1)X2-(R-1)X-1
X3 -X2 ↓ ↓
RX2-(R-1)X ↓
RX2 -RX ↓
X-1
X-1
0
(X2+RX+1)の判別式D<0
D=R2-4・1・1<0。これは、二次不等式。
(二乗-二乗=和と差の積)。(R+2)(R-2)<0。
不等号< の左がCクローズなので、2<R<2。
二次不等式の典型的なパターン
a<bの時
- (X-a)(X-b)>0は、X<a、b<Xとなる。
Xが数直線でa,bの外側。オープン。 - (X-a)(X-b)<0は、a<X<bとなる。
Xが数直線でa,bの内側。クローズ。
二次不等式の解の安直な覚え方オープンとクローズ
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。