平方完成の公式を丸暗記してはダメ。解の公式の導出・証明が重要
中学生は、解の公式を丸暗記するだけかもしれませんが、高校の事を考えると、平方完成の理解のために、解の公式の導出・証明ができるようにしておくのが、得策です。
解の公式の導出・証明を理解すれば、平方完成ができるようになります。解の公式を導き出して、平方完成の理解度をチェックしてください。
2次関数の平方完成のやり方
平方完成は2次関数のグラフの頂点の座標を求める時にも使います。
y-b=(x-a)2の頂点の座標は(a,b)でスッキリ
二次関数の頂点の座標は平方完成で
2次関数の平方完成の基本例題
y=X2+6X+5を
y=(X+A)2+Bのように変形するにはどうしたら、よいでしょうか。
(X+A)2の( )を展開するとX2+2AX+A2となります。
X2+6X+5と比較すれば、
A=3とすれば良い事がわかります。つまり、
Xの係数の半分ですが、これを丸暗記してはいけません。
y=X2+6X+5を変形すると
y=(X+3)2+5。これで良いでしょうか。
y=(X+3)2+5の( )を展開すると、
y=X2+6X+9+5となります。
9が余計ですね。余計な9を引いて
y=(X+3)2+5-9
y=(X+3)2-4。これで正解。頂点の座標は(-3、-4)となります。
この時、-4は-4のままなのに、+3が-3になるのは気持ち悪いですよね。だからy-b=(x-a)2の頂点の座標は(a,b)でスッキリ
2次関数の平方完成の例題
y=X2+8X+5を平方完成して、頂点の座標を求めなさい。
- Xの係数8の半分は4ですから、とりあえず、y=(X+4)2と書きます。
- ( )を展開すると余計な16が出てきます。そこで、y=(X+4)2-16と書きます。
- 元々あった+5を加えて
y=(X+4)2-16+5
y=(X+4)2-11。頂点の座標は(-4、-11)となります。
X2の係数が1でない問題
y=3X2+8X+5を平方完成して、頂点の座標を求めなさい。右辺の2つの項から3をくくりだして、
y=3{X2+8/3X}+5 (8/3は3分の8の意味)
下線のついたカッコの中の部分だけをさっきと同じように変形します。
y=3{(X+4/3)2-16/9}+5
3に分配法則を適用。
y=3(X+4/3)2-3×16/9+5
y=3(X+4/3)2-1/3
頂点の座標は(-4/3、-1/3)となります。
平方完成による解の公式の導出・証明
解の公式の導出の練習です。
X2の係数が1で、Xの係数が偶数の場合
X2+2bX+c=0。平方完成すると
(X+b)2-b2+c=0。移項して
(X+b)2=b2-c
(X+b)=±√(b2-c)
X=-b±√(b2-c)
(Xの係数が偶数の時の解の公式。計算は少し楽ですが、似ている公式を覚えようとすると、混同します)
解の公式の導出・証明。X2の係数がaの場合
a>0という条件で
↑二次方程式の解の公式です。
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