二次方程式の解と係数の関係 対称式α+β,αβ

解と係数の関係に出てくるα+β、αβ。α2+β2などのように、αとβを交換しても値の変わらない式を、αとβについての対称式と言います。αとβについての対称式は、必ず、α+βとαβで表す事ができます。

問題1、2は基本ですが、問題3は難問です。
二次方程式X2-√11X+4=0の解が、αとβの時、

  1. α2+β2を求めよ。
  2. α3+β3を求めよ。
  3. α+βの整数部分をA、小数部分をBとする時。A、B、(B+3)(B3+6B2+6)の値をそれぞれ求めよ。

二次方程式の解と係数の問題0

二次方程式 X2-√11X+4=0の解が、αとβの時、α+βとαβを求めよ。

解答0

二次方程式の解と係数の関係より、α+β=√11、αβ=4。二次方程式の解と係数の関係

二次方程式の解と係数の問題1対称式

二次方程式 X2-√11X+4=0の解が、αとβの時、α2+β2を求めよ。

解答1

α2+β2=(α+β)2-2αβだから、α+β=√11、αβ=4を代入して、
α2+β2=(α+β)2-2αβ=(√11)2-2×4=3

二次方程式の解と係数の問題2対称式

二次方程式 X2-√11X+4=0の解が、(複素数)αとβの時、α3+β3を求めよ。

解答2

因数分解の三乗の公式
α3+β3=(α+β)(α2-αβ+β2
=(α+β){(α+β)2-3αβ}
=√11×{(√11)2-3×4}=-√11
α3+β3がマイナスの値になるのは何故?

補足 判別式

α+β=√11、αβ=4から、α、βはプラスの実数と思ってはいけません。α3+β3がマイナスの値になるのは、
二次方程式 X2-√11X+4=0の判別式:
2-4ac=(-√11)2-4×1×4=-5<0となり、α、βが実数ではなく虚数(複素数)だからです。判別式と二次方程式の解の公式

二次方程式の解と係数の問題3難問

二次方程式 X2-√11X+4=0の解が、αとβで、α+βの整数部分をA、小数部分をBとする時。A、B、(B+3)(B3+6B2+6)の値をそれぞれ求めよ。

解答3

α+β=√11なので、√11の整数部分をA、小数部分をBとするという事です。(具体的に言うと、A=3。B=0.3166247903554…)
√9<√11<√16だから、√11=3.……。整数部分3+小数部分
つまり、√11=3+B、B=√11-3となります。このB=√11-3を
(B+3)(B3+6B2+6)に代入すれば、答は出ますが、計算が面倒です。
(B+3)=√11だから、そのままにしておいて、
(B3+6B2+6)を(B+3)が出てくるように変形します。
〔B3+6B2+6〕=〔B(B2+6B)+6〕=〔B{(B+3)2-9}+6〕
平方完成の方法に似ていますね。結局
(B+3)(B3+6B2+6)=(B+3)×〔B{(B+3)2-9}+6〕
(B+3)=√11、B=√11-3を代入すれば、
=(√11)×〔(√11-3){(√11)2-9}+6〕
=(√11)×〔(√11-3){2}+6〕
=(√11)×〔{2}√11-3×{2}+6〕
=(√11)×〔{2}√11〕=22

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。