とりつぐ

通常(つうじょう)のとりつぎ

一般的(いっぱんてき)なとりつぎでは、まずあいさつをしてから、だれにとりつぐのかを確認(かくにん)するようにする。

1.あいさつをする

基本表現

◎「いつもお世話(せわ)になっております。」

◎「いつもありがとうございます。」

相手(あいて)が、名乗(なの)った直後(ちょくご)にとりつぎを(もと)めた場合(ばあい)は、まず「いつもお世話(せわ)になっております。」などとあいさつをするようにする。

基本会話

◎相手:「サハリン地所(じしょ)大黒(おおぐろ)でございますが、庶務課(しょむか)副島主任(そえじましゅにん)(ねが)いできますでしょうか。」

◎自分:「いつもお世話(せわ)になっております。」

相手(あいて)のことを()らない場合(ばあい)

相手(あいて)のことを()らない場合(ばあい)は、相手(あいて)名前(なまえ)復唱(ふくしょう)確認(かくにん)してからあいさつをするようにするとよい(間違(まちが)いを(ふせ)ぐため)。

応用会話

◎相手:「サハリン地所(じしょ)大黒(おおぐろ)(もう)しますが、庶務課(しょむか)副島主任(そえじましゅにん)(ねが)いできますでしょうか。」

◎自分:「サハリン地所(じしょ)大黒様(おおぐろさま)でございますね。いつもお世話(せわ)になっております。」

自分(じぶん)()らない(ひと)(たい)して『いつもお世話(せわ)になっております。』という。

2.とりつぐ(もの)確認(かくにん)する

基本表現

◎「{[指名された者の部署]/[指名された者の役職名]}の)[指名された者の名前]で(ございま)すね。」

相手(あいて)(はな)したい(もの)指名(しめい)したら、復唱(ふくしょう)して確認(かくにん)する。

なお、社内(しゃない)(もの)自分(じぶん)上司(じょうし)であっても『ウチの(もの)』となるので、敬称(けいしょう)はつけない。

◎相手(あいて)役職名(やくしょくめい)をつけて()んだときの復唱(ふくしょう)のしかた
→例:「主任(しゅにん)門脇(かどわき)(←門脇主任(かどわきしゅにん)」「課長(かちょう)島田(しまだ)(←島田課長(しまだかちょう)」「部長(ぶちょう)遠藤(えんどう)(←遠藤部長(えんどうぶちょう)
◎相手(あいて)が『(さま)』をつけて()んだときの復唱(ふくしょう)のしかた
→例:「菅野(すがの)(←菅野様(すがのさま)」「安本(やすもと)(←安本様(やすもとさま)」「渡部(わたべ)(←渡部様(わたべさま)
基本会話

◎相手:「山陽冷蔵(さんようれいぞう)大木(おおき)ですが、営業課(えいぎょうか)天野(あまの)さんいらっしゃいますか?」

◎自分:「営業課(えいぎょうか)天野(あまの)でございますね。」

◎相手:「はい。」

相手(あいて)のことを()らない場合(ばあい)

応用表現

◎「[相手の会社名]の[相手の名前](さま)(から)、({[指名された者の部署]/[指名された者の役職名]}の)[指名された者の名前](に)で(ございま)すね。」

相手(あいて)自分(じぶん)()らない(ひと)場合(ばあい)は、とりつぐ(もの)だけでなく相手(あいて)名前(なまえ)復唱(ふくしょう)して確認(かくにん)するとよい。

応用会話

◎相手:「ひかり不動産(ふどうさん)中川(なかがわ)でございますが、島田課長(しまだかちょう)いらっしゃいますか?」

◎自分:「ひかり不動産(ふどうさん)中川様(なかがわさま)課長(かちょう)島田(しまだ)にでございますね。」

◎相手:「はい。」

(おな)(せい)(もの)複数(ふくすう)いる場合(ばあい)

日本語(にほんご)では相手(あいて)(せい)苗字(みょうじ))しか()ばないのが普通(ふつう)なので、指名(しめい)された(もの)特定(とくてい)できないことがある。そのような場合(ばあい)には、所属(しょぞく)性別(せいべつ)などで確認(かくにん)するようにする。一般的(いっぱんてき)には、部署(ぶしょ)(たず)ねることで区別(くべつ)するのが(もっと)もわかりやすく間違(まちが)いも(すく)ないが、部署(ぶしょ)(おな)場合(ばあい)特徴(とくちょう)がはっきりしている場合(ばあい)特徴(とくちょう)をあげて質問(しつもん)してもよい。

応用表現

◎自分:「佐藤(さとう)2人(ふたり)おりますが。」

◎自分:「佐藤(さとう)2人(ふたり)おりますが、部署(ぶしょ)はおわかりでしょうか?」

◎自分:「佐藤(さとう)2人(ふたり)おりますが、(おとこ)佐藤(さとう)でしょうか、(おんな)佐藤(さとう)でしょうか?」

◎自分:「佐藤(さとう)2人(ふたり)おりますが、年配(ねんぱいのもの)(もの)でしょうか、(わか)(もの)でしょうか?」

◎自分:「佐藤(さとう)2人(ふたり)おりますが、洋一(よういち)でしょうか、健治(けんじ)でしょうか?」

区別(くべつ)しやすいからといって身体的特徴(しんたいてきとくちょう)はあげないこと。「×ハゲている(ほう)でしょうか?」「×(ふと)っている(ほう)でしょうか、(やせ)せている(ほう)でしょうか?

応用会話

◎相手:「わたくし大洋事務機(たいようじむき)沢木(さわき)(もう)しますが、佐藤(さとう)さんいらっしゃいますか?」

◎自分:「いつも、お世話(せわ)になっております。佐藤(さとう)2人(ふたり)おりますが、部署(ぶしょ)はおわかりでしょうか?」

◎相手:「庶務課(しょむか)(かた)なのですが。」

◎自分:「庶務課(しょむか)佐藤(さとう)でございますね。」

◎相手:「はい。」

(おな)(せい)(もの)大勢(おおぜい)いたり、区別(くべつ)できる特徴(とくちょう)(すく)ない場合(ばあい)にはフルネームを(たず)ねるようにする。

応用表現

◎自分:「((おそ)()りますが、)佐藤(さとう)2人(ふたり)おりますので、フルネームをお(おし)えいただけますでしょうか?」

相手(あいて)自分(じぶん)(ほか)(ひと)()(ちが)えた場合(ばあい)

応用会話

◎相手:「コリア自動車(じどうしゃ)のパクですが、山田(やまだ)さんでしょうか?」

◎自分:「山田(やまだ)(に)でございますね。」

「×(ちが)います。」などと否定(ひてい)せずに、とりつぐ(さき)(もの)名前(なま)をくりかえして訂正(ていせい)するようにする。

相手(あいて)(した)しい場合(ばあい)などは、自分(じぶん)名前(なまえ)名乗(なの)ってからとりついでもよい。

応用会話

◎相手:「コリア自動車(じどうしゃ)のパクですが、山田(やまだ)さんでしょうか?」

◎自分:「いいえ、山崎(やまさき)ですが。山田(やまだ)ですね。」

◎相手:「あ、山崎(やまさき)さんでしたか。すみません。」

途中(とちゅう)()れてしまった電話(でんわ)(ふたた)びとりつぐ場合(ばあい)

保留(ほりゅう)転送(てんそう)をしようとしたときに操作(そうさ)(あやま)って()ってしまったときなどは、相手(あいて)がかけ(なお)してくるのを()つのが基本(きほん)である。

基本表現

◎「({(さき)ほどは/ただいまは})(電話(でんわ)()ってしまいまして)大変(たいへん)失礼(しつれい)いたしました。」

相手(あいて)がかけ(なお)してきたら電話(でんわ)途中(とちゅう)()ってしまったことを()びる。

基本会話

◎相手:「鈴木不動産(すずきふどうさん)柳井(やない)でございますが……。」

◎自分:「(さき)ほどは大変(たいへん)失礼(しつれい)いたしました。」

かけ(なお)してきた相手(あいて)()れてしまった事情(じじょう)説明(せつめい)したときは、ていねいに()びる。

基本会話

◎相手:「新竹通商(しんちくつうしょう)堀内(ほりうち)でございますが、(さき)ほど総務部(そうむぶ)柴田課長(しばたかちょう)につないでいただいている途中(とちゅう)()れてしまいまして。」

◎自分:「大変(たいへん)失礼(しつれい)いたしました。」

途中(とちゅう)()れてしまった電話(でんわ)(ふたた)転送(てんそう)するときの表現(ひょうげん)は〔→再びつなぐ場合〕を参照(さんしょう)せよ。

自分(じぶん)では対応(たいおう)できないのでかわる場合(ばあい)

自分(じぶん)では対応(たいおう)できないのでかわる場合(ばあい)は、(ほか)(ひと)にかわってもらうようにする。〔参考:→保留する

自分(じぶん)ではわからない要件(ようけん)場合(ばあい)

基本表現

◎「(かしこまりました。)ただいま{担当者(たんとうしゃ)担当(たんとう)(もの)(かかり)(もの)}とかわりますので、少々(しょうしょう)()ちくださいませ。」

自分(じぶん)ではわからない要件(ようけん)場合(ばあい)は、担当者(たんとうしゃ)にかわるようにする。〔参考:→保留する

基本会話

◎相手:「赤城印刷(あかぎいんさつ)品田(しなだ)(もう)しますが、(あた)しいソフトウェアの(けん)でお()きしたいことがございまして。」

◎自分:「(あたら)しいソフトウェアの(けん)でございますね。かしこまりました。ただいま担当者(たんとうしゃ)とかわりますので、少々(しょうしょう)()ちくださいませ。」

自分(じぶん)ではわからないことを()われた場合(ばあい)

自分(じぶん)ではわからないことを()われた場合(ばあい)は、わからないことを()びてから(ほか)(ひと)にかわってもらうようにする。〔参考:→保留する

基本表現

◎「((もう)(わけ)ないのですが、)わたしにはわかりかねますので、少々(しょうしょう){お()ちいただけますか/お()ちいただけませんでしょうか}。{担当(たんとう)(もの)(かかり)(もの)/わかる(もの)/くわしい(もの)}とかわりますので。」

※「×わたしがわかりませんので、」ではなく「わたしにはわかりかねますので、」のように()うこと。

相手(あいて)日本語(にほんご)理解(りかい)でない場合(ばあい)

日本語(にほんご)理解(りかい)でない場合(ばあい)は、日本人(にほんじん)日本語(にほんご)がうまい同僚(どうりょう)にかわるようにする。〔参考:→保留する

基本表現

◎「すみません。日本語(にほんご)はよくわかりませんので……。ちょっとお()ちください。」

◎「すみません。日本語(にほんご)がわかる(もの)とかわりますので、少々(しょうしょう)()ちください。」

※「×ちょっと()って(ね)。」ではなく、「少々(しょうしょう)()ちください。」と()うようにする。

自分(じぶん)では対応(たいおう)できないが担当者(たんとうしゃ)もいない場合(ばあい)

→かわれないと伝える

自分(じぶん)では対応(たいおう)できないが(ほか)にだれもいない場合(ばあい)

→かわれないと伝える

自分(じぶん)では対応(たいおう)できないが担当者(たんとうしゃ)がだれかわからない場合(ばあい)

→指示を聞く

社員(しゃいん)家族(かぞく)からの電話(でんわ)のとりつぎ

最近(さいきん)では携帯電話(けいたいでんわ)があるので、会社(かいしゃ)外線(がいせん)家族(かぞく)から電話(でんわ)があることは(すく)ないだろう。もし同僚(どうりょう)上司(じょうし)家族(かぞく)から電話(でんわ)があったときには、基本的(きほんてき)に〔通常のとりつぎ〕と(おな)じように対応(たいおう)すればよい。

ただし、同僚(どうりょう)上司(じょうし)()(かた)(つぎ)のようになる。

通常の電話での呼び方家族からの電話での呼び方
同僚[名前]
例:田中
[名前]+『さん』
例:田中さん
上司[役職名]+『の』+[名前]
例:課長の竹田
[名前]+[役職名]/[役職名]+『さん』
例:竹田課長/課長さん(やや古い言い方)

同僚(どうりょう)上司(じょうし)電話(でんわ)をかわる場合(ばあい)表現(ひょうげん)は、〔→家族からの電話でかわる場合〕を参照(さんしょう)せよ。

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