新黄金時代いや〜…本当に獲ってしまうとは。 序盤、前後に体をゆすってリズムをとる王者を見て、距離感を狂わされそうな気がしました。顔面へのカウンターパンチを狙った場合は、逆に餌食になりそうな気配がぷんぷん。 通常はサウスポー相手の場合、相手の背中側にポジショニングしていく方が有利になるもの(たとえば相手の奥手のパンチを封じ込めてこちらの奥手を当てやすくなるなど)ですが、この試合では、結構正面切って打ちにいってましたね。 しかし、ラウンドが重なるにつれて、挑戦者は出入りを多くしてボディストレートをうまく当てる展開に。 対する王者は、軽量級らしからぬ迫力あるパンチをふるうも焦りからか、テレフォンパンチばかりになり、消耗。 7〜8R当たりでバテてくれるかなぁと見ていましたが、5R、最後は左ボディを鳩尾へ打ち込み、悶絶KO。 世界戦でボディ決着というのは、あまりお目に掛かれません。(ダウンはたまにありますけどね) 立ち上がりはやや危なっかしさもありましたが、最後は自信を最高の形で証明してくれましたね。 素晴らしかったです。 TVでは史上最短と喧伝していますが、この記録自体にはあまり重要な意味はないと個人的には思います。 mixiニュースにもあるとおり、センサク・ムアンスリン(ガッツ石松とも世界戦で対戦経験あり)というタイの怪物は3試合目でとっていますし、これを塗り替えるのはまずこの先もないでしょう。 今回重要なのは、また実力を兼ね備えた王者が日本から生まれてくれたという事実です。 相手は試合数も豊富、しかも無敗、それでいて25歳とまだまだ脂がのった年齢。 カリスマ性などでは辰吉とは(時代の違いもありますが)遙かに劣りますが、対戦相手の質を考えると、今回の快挙は辰吉の奪取時のそれを上回る意味があると感じています。 国内最短にこだわり、1階級下げてミニマムへ下げたため、即返上という話も出ており、その点は非常に残念ですが、本来の階級へ上げた時、その時は防衛も数回行った上での複数階級制覇を目指してほしいと思います。 井岡選手、おめでとう! 昨日は井岡選手の初防衛戦を鑑賞しました。 挑戦者はランキング1位のメキシカン、ファン・エルナンデス。 KO率7割超で1年以上トップコンテンダーを維持し続けてきた実力は侮れず、 色々な意味でいい試合が繰り広げられるのではと思っていましたが、その通りでした。 開始早々のエルナンデスのパンチを見て、まずびびる。 (伸びるし、速い!) メキシカンらしい1発1発の勢いのよさ、もらえば一気に流れを持っていかれてしまう。 そんな印象。 しかし、井岡は積極的にプレッシャーを掛けに行く。 これは中間距離の打ち合いが展開されるのか、そうなると不利では?と思っていると、ここからが意外でエルナンデスはサークリングをしながら打ってくる。 予想とまったく逆の展開。 1R終盤、エルナンデスのパンチが井岡の顔面を捉える。跳ね上がる顔に先日の長谷川vsジョニゴンの試合が脳裏に浮かぶ。 1R終了、個人的には有功打の数でエルナンデス。 2R以降、またもエルナンデスの意外な一面を見る。 KO率7割、メキシカンと聞くと圧倒的な火力を武器に乱打戦を好むイメージがつきまとうが、ディフェンス技術の高さがここに来て出る。 井岡の放ったストレートがエルナンデスの顔面にヒット、エルナンデスの顔が後方へねじ曲がる。 実況は絶叫するが、妙な違和感。 ラウンド中〜終盤にかけ、井岡が巧みな攻撃で右フックをまたも命中させるが、ここで違和感の正体が判明。 スリッピングアウェーを使用していた。 パンチが当たる瞬間に首をひねっていなし、回避またはダメージを最小限に食い止める超高等技術。 国内では現在は粟生が使えるが、これを見てこの試合の大苦戦を予想。(終盤まで主導権争いがずっと続くんじゃないかこれは…) しかし、5〜6R付近まではポイントこそ井岡有利だが、そこまでの差を感じられない展開が続く。 ただここで恐ろしいのが井岡。 やや手数が少ないものの生きたパンチをサークリングしながら打ってくるエルナンデスに対し、そのサークリングを最小限の追い足でビッタリ射程圏内にとらえ続け、打ち終わりに的確にボディへ当てる。 次第にエルナンデスは失速。ステップこそまだ速いものの、明らかに手数が連動しなくなる。 結果として井岡の大差判定勝利。 一撃で切って落とせるほどのパワーはないものの(それでも高水準なのは確か)、基本に忠実なスタイルから中も外もこなせる教科書スタイルでクレバーに状況判断を行い 相手に揺さぶりを掛ける。 相手に合わせつつ、結果的に相手の動きを制限させる、22歳らしからぬ安定感を感じさせる戦い方にいい試合を見させて頂きました。 エルナンデスは今回、意外なくらい前へ出てこなかったのが残念でしたが、ガンガン自分から出てくる自己中心的な選手が出てきたらどう対処するのか。 次の井岡選手の戦い方が楽しみです。 >ガンガン自分から出てくる自己中心的な選手が出てきたらどう対処するのか。 確かにそりゃ心配だ。 睨み合いできてこその井岡。 辰吉がラバナレスというフォームもタイミングも自分勝手で攻撃着火のジャブも迎撃のカウンターも何にもない、いまだに私の中で消化できない相手に苦戦するボクシング。 うーん、本当に奥が深いよね。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- 井岡の試合、初防衛戦を観ました。 初回、何気なくステップに乗せたジャブをポンポン、世界奪取の試合ではなかった動きから入った井岡に感心。 エルナンデスは世界一位、ジャブに対する反応は早く、足首だけでクッと入ってきて距離リセット、アッパーも怖い。(このアッパーをダブルにする度胸もすごい) 井岡、怖くなって上体が立ってしまいそうなアッパーだったが、自分のフォームをしっかり守り続けたのにプライドを感じました。 幼少から身に染み入っている「自信」を羨ましく思いました。(君にはビビるって言葉はないんかい…)(俺だったら平気でフォームどんどん変えちゃう、弱気なので) なにか悪いことあるたびに一旦展開を切ったり、相打ちなのに平気な顔で有利を印象つけたり…。 技術だけでなく、心理的な選択や動作、うならせるシーンの連続に嬉しくさせられる。(この若者はずっとずっとボクシングの中で育ってきたんだろうなぁ…) 対するエルも井岡をよく研究していた。 ボディを混ぜてくる井岡のコンビネーションの最後、ガードが開いた側にフックを渾身で振ってくる。 最初から対処してきたので、試合前からの作戦だったようです。 ヒヤッ、何度か危険な交錯があったので、警戒した井岡が攻め手を失ってしまうかと思われた。 が、ロングジャブとノーモーションのストレートで顔面狙い、それを警戒されると再びボディへ、と上下にアタック分散。(最近、実写でボクシングの対戦で無頼男氏がこれやってくるんだよなぁ…) ポジショニング調整型のボクシングなのに、打つ時は全て足を止めて打つので一発が強い。(ピョンピョンステップなし) どれも腰が入っている拳、混乱したエルを後手にまわさせる。 が、さすが一位、回復後は必ずペースアップして食らいついてくる。 で、エルの攻勢を井岡はバックステップで凌ぐのだが、この井岡はやや危なっかしかった。(もちろんエルの攻めも迫力があったが) 放送席は井岡が狙っていると言っていたが、井岡はカウンタータイミング、交錯を好むタイプではない。(今回の世界戦もストレート距離の交錯は一度だけだった) 更に言えば、長島ケンゴとか横田広明みたく動きながら迎撃、相手を捌くジャブが井岡にはない。(おじさんにはあったが、もしかしたら反面教師にしているやも?) 体力回復を狙ってのスローダウン、が正解だったと思う。 消耗型のスポーツ、ボクシングにおいて、回復の時間を意識して取れる選手は長丁場ほど強い。 若い井岡だが、世界戦向きと言えるのではないだろうか。 初防衛、おめでとう〜。 ここまで高評価の井岡、弱点をあえてあぶりだしてみる。 最初のチャンスで井岡は詰めに行くが、あれっ?てくらい雑だったので、連打でガンガン倒しにいくスタイルは危険だと思う。(ボクシング界を盛り上げたい!という気持ちは嬉しいが…) 仮に不発に終わって疲れてしまった場合、ガチッと固めた今のボクシングを維持できないはずだ。疲れた井岡はまだ当分見たくない。 曖昧な距離のときは強引に打つことなく、落ち着いてとにかくとにかく有利な立場を選び続ける。 ラウンドに1〜2発、これを厳選して要所で決めていく、これまでのボクシングで、すでにベスト、充分だと思う。 対戦相手を選べるとしたら(オプションもない様子だし)、半身からジャブをチクチク刺すタイプは避けるべきと見た。 ロングレンジに打点を置いて、なっかなか入ってこない相手。有効打が少なく試合も盛り上がらない展開。 相手の長いジャブを避けて自分から踏み込んでいく、実はそんな部分が井岡には欠けていると思う。(ジワジワ迫って、なら得意) ヒーローの階段を昇り始めた若者が強そうじゃない相手につまらない地味な負け方。 これにゾッとします。(ま、ミニマムにはあんまりこういったタイプは上位にいないが)(例えば全盛期の星野敬太郎はボディ叩かせなかった。ああいったタイプ。) 中間距離で睨み合い、飛び込んでくる相手。 場合によっては怪物みたいな相手もいるだろうが、そんなモンスター、強打者を選んでいくべきだと思う。 伝説的な一戦を演じる素地をプンプン感じます。 |
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