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J57 <測定・けがき> 罫引(ケヒキ、ケビキ)

 ケビキは罫書く(ケガク)ための道具で、あられ組やほぞ穴加工で下書き線のすじを入れるのに使います。
 2枚刃式、西洋ケビキなどいろいろな種類がありひとつ市販品を使っているものの、やはり細かな仕様を満たしていないものは自作しかありません。

J57-1 両用ケビキ  (2015.9.20)

 刃物と鉛筆を同一寸法で両用できるケビキはないようなので作成してみました。

 例えば、あられ組作成の時に、ケビキ線跡を残したくない外側は鉛筆でけびき、内側は刃物でケビキ線を入れた後で、その跡を見やすいように鉛筆でトレースするようなケースで重宝しそうです。

 「鉛筆でトレース?」と疑問符を付けたあなた、あなたは若い。
老眼の兆しが出て、刃物で付けた跡が非常に見ずらい私には切実な問題なのです。(泣)



パーツをばらしたのが下の写真です。

       


 ポイントは以下の通りです。

 ・ 板材に当たる本体の部分は扇形に段欠きを入れ前後に傾けることで刃物と鉛筆を切り替える方式。
 使用に際しては刃先と鉛筆先端を段欠きに合わせます。

段欠きはイスアキラさんのブログで拝見しました。素晴らしいアイデアありがとうございます。

    

 ・ 竿の固定方法は市販品でよく見る方式を踏襲。
自作つまみを取付けたM6ボルトは中間部に挿入された板ナットで固定され、竿の保護と精度アップにコの字型の金属板を挟み込みました。
 更に金属板の竿に当たる面には滑り止めゴムシートを貼り付けましたが、これで竿をしっかり固定することができました。

 ・ 鉛筆は超極細シャープペンシル、OHTOの「ミニモシャープ」(ボディ径はなんと3.5mm)、刃は余っていた彫刻刀の切出刀 。
締具はM3の皿ボルトと段付ローレットナットの組合せ。

 ・ 段欠き(深さ約5mm)と鉛筆・刃物用保持部の厚みがあるので、このままでは最小ケガキ幅は10mm弱となってしまいます。
 10mm以下の幅でけがくために段欠きスライド部にスペーサーとして10mmのアクリル角棒を簡単に脱着できる構造にしました。

     

 ・ 竿上部に通常時とスペーサー使用時を併記したスケールを貼り付け。
 初めに直角に加工した標線用アクリル板に釘止め用下穴を開けてから両面テープで本体に貼り付けて釘止めします。
竿にスケールを貼りてからアクリル板上面にメンディングテープを貼りその上に標線を描きます。
 竿を抜いてアクリル板の裏にメンディングテープを貼り表側の標線を写し取り(鉛筆で線引き)、更にその上をメンディングテープでカバーします。
 表側のテープを剥がして完了。

 ・ 刃物と鉛筆の位置を同一とするために、片刃の切出刀(3mm厚み)を両刃に研いで研ぎ角で微調整。 ・・・・の目論見でしたが出来上がったらピッタリ位置が同じだったので調整無しですみました (^^)



            


 実際に使用した感じですが、刃物と鉛筆を簡単に切り替えられる効果は想定以上で、更に段欠き構造のおかげで操作性は良好です。



J57-2 鉛筆ケビキ  (2015.9.20)

 両用ケビキ作成に当たり世界最小軸径のシャープペンシルの存在と段欠きアイデアを知るにつけ、鉛筆専用ケビキも作りたくなりなりました。

 先に載せた両用ケビキとほとんど同じ仕様ですが改良点(相違点?)は以下の通りです。

・ スケールのゼロ調整を容易にするため竿にネオジム磁石をを埋め込みステンレススケールを貼り付け。
今後別タイプの筆記具を使うときに調整が可能になります。


・ シャープペンシルを本体に収納して段欠きがあっても全スケールをカバー。

 これから平行線定規に替わり使用するケースが増えそうです。
      
            

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