「鎧橋のほとりで 人と本と旅と」
            鍋島高明著
            米穀新聞社
        

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登場人物実名498名、書物165冊を網羅!

商品番号:M−3  定価2,000円

         

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<書評>

★週刊先物ジャーナル★「自著を語る」★5年前、還暦記念に『市場雑感観―商品記者の切り抜き帳』を自費出版し、幸いにもご好評をいただいた。この時の感激が体にこびりついて、今回の出版となった。米穀新聞の一面コラム「点描」に7年間掲載したものを加筆修正して一冊にした。朝日新聞の「天声人語」と同じスペースで、出来栄えはともかく、気構えだけは日刊紙の一面コラムに負けないものを書こうと思い続けた。出版に際してテーマ別に分類してみたが、本と旅にからむ話が非常に多い。65歳を機にこれまで集めた古本の山を取り崩す準備に入った。東京都公安委員会からは「書籍商」の看板が届いた。古希の記念には『法定老人ネットオークション奮戦記』でも書いてみようかと思っている。

★高知知新聞・2002年8月27ニ日付★
本書は、業界紙「米穀新聞」に七年間にわたって掲載したコラムをテーマごとに分類、収録してある。第一章は、相場に関する話を集めた「相場街」。この中には野球で有名な小西得郎と相場の関係、ケネディ大統領の父が相場師として巨万の富を築き上げたことなどが出てくる。第二章は国内外の旅「紀行」。第三章は「本・ほん。ホン」。趣味は古本収集と答える著者の本への熱い思いをつづった五十二編。ここには古里高知の中江兆民、上林暁らも出てくる。
 収録された百五十五編はコラムニストならではの軽妙で簡潔、リズミカルな文章で読みやすい。

★産経新聞・2002年8月4日付★鎧橋は東京・日本橋蛎殻町にある。蛎殻町は江戸時代以来、大阪の堂島と並ぶ米取引の町として知られ、隣の株式取引の兜町と合わせて”相場師たちの町”、日本のウォール街と呼ばれることもある。
 本書はその蛎殻町に本拠をおく「米穀新聞」に連載されたコラム「点描」七年分をまとめた。
 相場師たちの心意気と彼らがはぐくんだ文化を描く「相場街」、さまざまな旅についての「紀行」、趣味の古本収集を中心とする「本・ほん・ホン」、それら以外の「雑・エトセトラ」の大きく四章構成。
 谷崎潤一郎の生家は、取引所の近くにあって、その日の米相場を伝える「谷崎物価」を刊行する谷崎活版所であったことはよく知られている。

★月刊「日本橋」8月号★市場経済研究所代表取締役の著者が、 七年間書き綴った米穀新聞のコラム「点描」をまとめたのが本書。第一章:兜町、蛎殻町、堂島などで繰り広げられた”相場”に関する話<相場街>。第二章:著者の旅行記を綴った<紀行>、第三章:本にからむ話をまとめた<本・ほん・ホン>、第四章:野球や映画、演劇を中心としたコラム<雑エトセトラ>、第五章:毎年元旦号に掲載していたエッセイ<元旦3題>。著者の現職場と米穀新聞社の所在地でもある蛎殻町。日本経済新聞社勤務時代に行き来した茅場町。”鎧橋のほとり”日本のウォール街での人間模様。

★フューチャーズトリビューン★著者の鍋島氏は商取界において著名な方である。本書は著者の長年にわたる取材活動、人的交流、そして見識の深さが現れ、相場関係の蔵書家としての面目躍如たるものがある。
 内容は相場街、紀行、本・ほん・ホン、雑・エトセトラ、元旦三題の5部門に別れ、相場の世界で生きてきた個性・魅力あふれる人物を洋の東西を問わず取り上げ、サラリとした文章で綴っている。その底辺には著名な相場師への、相場の街兜町・蛎殻町への愛着が流れている。その人・街・物を暖かい目で見る視線は紀行、本などの中で各所に注がれている。

★株式新聞★読み終えたあとも、ぬくもりが残り続けるような1冊だ。相場街として知られる兜町と蛎殻(かきがら)町とをつなぐのが鎧橋(よろいばし)だ。そのたもとで織り成された人間と相場の数々のドラマに、あるときはエピソードを交えて温かく、あるときは冷徹に斬りこんだ珠玉のコラム集である。7年間にわたって商品先物の専門紙として知られる米穀新聞の1面「点描」欄に掲載されたコラムをまとめたこの本であるが、相場という”欲望の化身”を日経新聞記者時代より40年以上にわたって凝視してきた鍋島氏ならではの見識と筆力には脱帽してしまう。

★フューチャーズジャパン★「第1章は相場に関する話を集め、『相場街』として括った。蛎殻町、兜町、堂島、横浜仲通など相場師たちの古戦場は、夢とロマンに満ち溢れ、レトロジャーナリストを自認する筆者にとっては魅力の尽きない街である。」(「あとがき」より)
 その第1章には、まさに日本のウォール街(蛎殻町ほか)に名を残した強者達のドラマが満載である。そしてそこで成功する一人の青年がいなければ中之島公会堂はなかった…。まさかあの有名人が相場の世界に身を置いていたとは。次から次へと飛び出すショートストーリー。
 「ケネディ大統領の父ジョセフ・ケネディがウォール街の相場師として巨万の富を築き上げたことを知った。以来、資料集めを心がけ、神田の古本屋などを漁るが、J.F.ケネディに関する本は多いが、父親のほうは至って少ない。それでも数冊集まった。相場師ケネディが大暴落の難を逃れたのは、靴磨きの少年の言動を注意深く見守っていたからだという」(本文より)。
 こんな心地よいコラムが続く。マーケットから離れたとき、数字で埋め尽くされた頭をリフレッシュするためにはもってこいの書だ。

★メリット★第1章相場街の第1話は「黄金の渦巻く市場経済発祥の地」から引用してみる。
―隣の兜町は株の町。ここ蛎殻町はコメ相場の町として栄えてきた。蛎殻町名物数ある中で、銀杏稲荷はつとに有名だった。
―蛎殻町の歴史は人間の欲望の歴史であり、欲望こそがヒトを成長させるエネルギーである。イチョウのたくましさで新しい試みに挑戦してみたい。
 コラムの一部を引用するとコクのある部分が欠落するのは承知の上だが、第1章の第2話「蛎殻町讃歌、五つ」と合わせ、本書のタイトルに込められた思いがうかがえる。
 「相場街」が「紀行」の第2章に移っても、歴史をたどり、モノの値段への尽きない興味が書き綴られている。
 第3章「本・ほん・ホン」は圧巻。
 著者は初対面で「趣味は?」と問われて、「古本収集です」となって久しい、と書いている。本書の登場人物実名498名、仮名4名の計502名、本が165冊を数える。
 古書から人を蘇らせ、いまの世を照らすヒントにする。
 「読んでほしい本」と評するほかない。

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