● ルーマニアの場所
日本からの直行便はなく、今回は関空→チューリッヒ→ブカレスト。
入国：９６．１．１４
出国：９６．１．１８
● 行った所
ブカレスト
シビウ
ブラショフ
ブラン城
● 航空会社
スイス航空
ＴＡＲＯＭルーマニア航空
● 目的
この中欧の旅は、ルーマニアに行ってみたいというところから始まった。
「ＭＡＳＴＥＲキートン」という漫画が好きだった俺は、そこに何度か出てくるルーマニアという国に
漠然と興味を抱いていた。
ちょうどそんな時ＴＶの紀行番組で取り上げられてて、そこで見た風景がこれまた漠然とひっかかった。
当時は社会主義から民主主義へと移行中の国、そういうどこかへ行く途中の国というものを見てみたく
なった。
丸々２週間ルーマニアってのも考えたけど、とりあえず怖い国だったらすぐに逃げなきゃいけないと
思ってたので、ハンガリー・チェコを追加。
プラス密かに裏の目的もあった。それは後の文章で。
１日目
関空－チューリッヒ
この旅の出発はとてもツイていた。関西からチューリッヒまでのスイス航空が向こうの都合で
ビジネスクラスになったのだ。
こんなに快適な空の旅は一生ないなと思う位、ビジネスクラスは快適だった。しかもスイス航空。今はないが。
ひょっとしたらそれで最初に大量に運を使い果たしたのかもしれない・・・。
２日目
チューリッヒ－ブカレスト
チューリッヒは霧がひどくて観光は全くできず、ホテルから空港に直行。
夕方にブカレストに着いたので、その日はホテル探しだけ。ただそれだけでいいはずだった。
初日はちょっといいめのホテルにでもと、ちょい高級そうなホテルを訪ねる。あー、１ヶ所目のホテルで
気づいていれば。中に入った瞬間、フロントマンの視線は厳しかった。ホテルは閑散としていて、
間違いなく空室はあったはずなのに満室だと断られた。
しかもそれが立て続けに４軒、鈍感な俺でもやっと気づき始めた。
これはおそらく、俺が初めて体験する黄色人種差別なのではないかと。
５軒目のホテルで断られた時、かなり怒りは頂点に近いところにあった。
ジャパンマネーって言葉を知らねえな、お前ら殺すぞ。
そして俺はにこやかな笑顔で日本語で親切に解説した。お前らが一生かかって
稼ぐ金額を俺は１年で稼いどんねん。日本人の財力をなめてっと、近い将来
確実に後悔するぞ、こら。このボケと。
自分の中にこんなに黒い言葉が眠っているとは・・・、まあ知ってたが、こんな状況で
こんなにすらすらと口をついて出るとは、思ってなかった。当時はなかったが、これが「世界ウルルン滞在記」
だったらカット間違いなし。放送できねー。
結局７軒目でようやく部屋が取れた。
だが、その頃にはとっくに日が暮れてて町中に出て行く気もなく、たまたまそのホテルのあるビルは
１Ｆがマクドナルドだったので、それで済ませる事に。
当時のルーマニアはマクドナルドが進出したばっかりで、この店はかなり初期店舗だったはずだ。
ちょっと面白かったのと、腹が膨れたのとで機嫌は直った（このマクドナルドの話は長くなるので
＜旅の出来事で＞。）。
３日目
ブカレスト－シビウ－ブラショフ
ブカレストからシビウまで飛行機で向かう（前日、空港で手配は済ませていた。）。
この時のちょっと衝撃的だった話も＜旅の出来事＞の方で。
シビウに到着してシビウではあっさりホテルを決めた後、町へ。ルーマニア、初めての町歩き。
相変わらず人の視線を感じる。でもブカレストのように非好意的なだけの視線じゃない（この話も
＜旅の出来事＞へ。そればっかしかという意見あり。）ような気が。
ただ、見所のないシビウでは長居する気になれず、ホテルは休憩に使っただけで、
夕方ブラショフ行きの特急に乗る。これが高いホテルだったらこんな事はしない。
列車は４人用個室の１人使用でとても快適。しかもルームサービスあり。といってもビスケットを１袋もらった
だけだが。しかも食ってねー。
ブラショフでも１軒目で部屋が取れた。しかも、つくりは古いがなかなか高級そうなホテル。
おそらく昔は国営で、お偉いさんだけが泊まれるホテルだったのだろう。部屋が無駄に豪華な作り。
カーテンもじゅうたんも一面深紅。そしてどこもかしこも無駄にだだっ広い。
到着したのが夜だったので、厳寒の町には出る気になれず、ホテルのレストランで食事
する事にする。そのレストランも宮殿の大広間のように無駄に豪華。
コース料理しかなくてそれを頼んだ。何品か出て来た料理は実は高級料理なのかもしれないが、色が、白・ベージュ・茶色
という非常に質素感を演出する色合いのものばかり。
そして、客は俺を含め２組だけ。給仕さんは暇を持て余して、すごく世話を焼いてくれる。
社会主義というものがどういうものか、大げさかもしれんがその一端をここで見たような気がした。
