<前科2犯>

今回は犯罪がらみの話なので(弱気)税関関係の人は読まないで下さい。
(言われなくてもこんな僻地のHPは読んでないか。)

毎回旅行に行く度に、現地の通貨を日本に持って帰るという、ある種の犯罪 (自国の通貨を国外に持ち出す事を禁止している国は多い。マダガスカル <長すぎる旅路>を参照)を犯してはいるのだが、他にもいけないご本などある が、今回は海賊版製品に関する話。

台湾はおそらくアジアの国々の中で一番日本文化が浸透している所だと思う。
町中の普通のCD屋に、日本のCDが山ほど売っている。
最初に気づいたのは、初めての台湾。
○越デパートに行って、日本の棚を見た時だった。
噂では聞いていたが、海賊版CDがてんこもりだった。
どうして海賊版である事がわかるか。
それは誰でもかれでものベスト盤が並んでいるからで、日本でベスト盤を発売して いない歌手のもたくさんあった。
それはある意味魅力的だった。

犯罪の第一歩は出来心である。

好きな歌手のベスト盤が日本にはない。台湾にはある。
しかもそれが三○デパートのような高級店に売っている。
(2回目の時にはもう海賊版はありませんでした。)
買った。買ったともさ。
一緒に行ったメンバー4人と合わせて20枚。
俺達はちょっとした密輸団。

それからCD屋の前を通りがかる毎に、目新しい歌手のベスト盤がないかあさり まくり、大量購入したのだった。

台湾で販売されている日本人歌手のベスト盤の特徴は、シングルの曲数が 少ない歌手のCDにはA・B面両方とも収録する。
または、同じ曲のバージョン違いを多数収録する。
曲数が少ないデビュー間もない歌手の所には勝手に他の歌手の曲を入れ、 1枚で2組のベスト盤に合併する。
特に人気のある歌手のものは毎年出るので、毎年ちょっと収録曲が増える。
したがって、古めの曲のB面は消えていく。
ある意味、とても合理的な手法だと思った。
また歌詞カードは、日本で発売されたシングルをまとめてカラーコピー。
これで値段は日本円で600円程度。収録曲は大体15曲前後。
お得でしょ?

この時は、帰りの空港でカバンを外から触られ、「これは何ですか?」の質問に 「CDです。」と答えて、それで済んだ。
それに味をしめ、2回目に台湾に行った時は、食事以外はCD探しがメインという 有様。

まあ、故宮に行くよりは有意義かもしれん。
ところが、2回目の税関はちょっとだけ甘くなかった。
今回はカバンを開けさせられて、CDの束が白日の下に晒された。
「これは何ですか?」
「・・・CDです。」
「何でこんなに?向こうじゃないと手に入らないですか?」
(海賊版だし、向こうじゃないと手に入らねーよ。)
と思ったが、
「いえ、日本でも買えるんですけど、向こうだとすごく安く買えるんで。」
(この演技は自称アカデミー賞クラス。ちなみに満面の笑顔。但し、この説明も本当はおかしい。)
「そうなんですか・・・。」
税関職員は、疑惑の残る目で俺の持っていたCDの内の2枚をしげしげと見ていたが、 その2枚は海賊版と一緒に買った中華圏歌手の正規盤のCDだった。
(これは、<台湾的人気歌手>で。)

こうして俺は2度の密輸に成功した。
でも、営利目的には使用してないので許してね。

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