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1. それぞれの症状に対しての対処手術
直腸脱手術(2003.12.23)
2003年6月ごろより、便秘が酷くなり9月に消化器内科を受診する。
注腸、大腸ファイバー等を行う。
診断は、弛緩性便秘*1ということであった。
更に消化器内科の消化管運動障害外来の受診となり、ラキソベロン、ポリフルなどいろいろな下剤を試してみたが、腸管の蠕動運動は期待できないということで下剤は酸化マグネシウムとなった。
12月始め頃から肛門に違和感を感じるようになり、出血も伴ってきた為に内科の医師に相談し消化器外科受診となる。
これは痔ではなく「直腸脱*2」だと診断されれる。
術後には、直腸の粘膜が剥がれ落ちてきている状態だが、今後今回吊り上げた部分より上の部分が剥がれ落ちてくる可能性があることと骨盤内に膀胱、小腸、大腸が下がってきている状態で腸全体の下垂が進んでくる可能性と子宮摘出の必要性が説明された。
レクトシール*3手術(2004.4.27)
排便時に膣部分に違和感出現。
この症状を内科の医師に相談。 最初のオペの肛門をチェックすると異変はなく、婦人科に紹介される。
骨盤CT、注腸などで診断されたのは「レクトシール」
初めて聞く「レクトシール」を検索すると
「直腸と膣の間の薄い組織が袋状になる病気です。この袋に便が引っかかり、排便が困難になります。高齢者に多い病気です。非常に薄くて弱い部分を手術するため、うまくやらないと直腸膣ろうを作ってしまいます。直腸膣ろうは膣から便が出てきてしまうので患者さんの悩みは深刻です。」
とのこと。
婦人科での手術も当然考えられたが、最初の手術を行った医師の執刀で経膣で手術をとなった。
子宮摘出、大腸切除、人工肛門造設手術(2004.6.7)
レクトシール術後は、5月半ばに仕事に復帰。排便は酸化マグネシウムでコントロールしていたが、直腸脱、子宮脱の出現により日常生活に支障が生ずる。消化器内科の医師、ET*4の方とも相談して、人工肛門*5という選択を決断。人工肛門になるという事実と不安。それで生きて行くことができるのかなどいろいろな事が短い時間の中で、頭の中にぐるぐると回っていた。
手術後の説明では、骨盤臓器(大腸、子宮、膀胱)間は、各々の支持筋肉がほとんどなく、臓器が下垂していっている状態。ここを軽くする目的で、支えきれなく脱を起こしていた子宮を摘出。今後考えられるのは膀胱の問題。その時は、また手術となる。
追記(2006.09)
次々に起こる症状に一生懸命に対処してきましたし、いずれの手術もそれをやらずには日常生活が成り立たなかったと思います。ただ、私は「骨盤臓器脱」という自分の病気に対して勉強不足で知識が足りていなかった様にも感じます。
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- *1 弛緩性便秘
常習便秘のほとんどで、蠕動運動が弱かったり腸管の緊張や運動の低下によって便を出すことができない便秘のこと。
- *2 直腸脱
直腸脱は肛門から直腸が脱出した状態のことで、直腸瘤や脱肛とは別の病気となる。
治療には、肛門内圧検査などの機能検査が必要となる。
- *3 レクトシール
直腸瘤のこと。
- *4 ET
ストーマ(人工肛門)セラピストのこと。
- *5 人工肛門
いろいろな病気や障害などが原因でお腹に造られた便の排泄口のこと。人工肛門をストーマと言う。ストーマを持っている人をオストメイトという。ストーマは排泄を自分でコントロールできないため、パウチという装具をつけて便をためて処理する。
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