乞田川

こったがわ
(お花見)

写真


地図

多摩市民にお花見スポットのアンケートをとったら必ず上位に入ると思います。

乞田(こった)川は多摩川の支流のそのまた支流。多摩センター近くの山に発し、多摩市内を北に向かって流れ、大栗川・多摩川に合流します。

流域のほとんどがコンクリートの護岸ブロックで固められ、川の景観は無粋ですが、岸辺の遊歩道にたくさん桜を植えたのが良かったですね。月日がたち、多摩センターの近くから熊野橋あたりまでみごとな桜並木になりました。

冬は散策する人も少なく、殺風景な護岸が寒々しいのですが、桜が開花すると景色が一変し、パッと明るくなります。大勢の人が春の訪れを確かめるように岸辺の遊歩道に繰り出します。

乞田川の桜といえば、多摩センターの落合橋付近の桜が一番きれいだと言われることが多いですね。たしかに見事な桜がたくさんあります。

ただこの評判には、並行する京王相模原線の窓から桜を見る人の意見がかなり含まれているように思います。このあたりは上流のため川幅が狭く、両岸の桜の枝が重なり合うように接しています。高架の車窓から見下ろすと、まるで桜色の帯のように美しく見えるのです。

かもきちのおすすめは多摩第三小学校あたり。川幅が上流よりも広がり、両岸の桜が適度に配置され、歩行者の視点からちょうどいい感じに桜のトンネルができています。

満開のときには、護岸にも水面にも無数の花びらが舞い落ち、この世のすべてをほんのり桜色に染めてしまいます。

(2006年3月)
(2014年4月訂)