本文へ

三十糎艦船連合呉支部

三十糎艦船連合呉支部

樺型
アイコンは樺型

第三番駆逐艦は、第一次世界大戦中にフランス海軍向けに建造された駆逐艦である。

第一次世界大戦への参戦で駆逐艦戦力に不足をきたしたフランス海軍は、建造能力に余裕のある日本に駆逐艦を12隻発注し、1917年(大正6年)3月29日に受託建造協定が結ばれた。 第1〜12番駆逐艦と仮称されたこれらは、実績のある「樺」駆逐艦を基に、兵装等を変更したものである。 これら12隻の駆逐艦は、ポートサイドでフランス海軍に引き渡され、第三番駆逐艦の艦名は当時のフランス植民地内の民族名から「アラブ(Arabe)」と命名されている。

12隻中7隻はイタリアのタラントの第11駆逐隊に配属され、護衛任務に就いた。 他の5隻はギリシャのムズロス(仏:Moudros)の第3駆逐隊に配属された。 1924年の第3次リーフ戦争中には、一部がモロッコに派遣された。 1920年代後半には、ブレストに拠点を置き、北方艦隊の一員となった。 本型は1930年頃から、主砲の12cm砲を10cm砲に換装している。 本型は、1933年から1936年の間に除籍されている(1)(2)

要目(1)(3)

新造時
艦種駆逐艦
建造場所造船船渠
常備排水量685トン
満載排水量750トン
垂線間長79.4m
全長82.35m
最大幅7.35m
喫水2.64m
主機レシプロ機関3基、3軸
主缶ロ号艦本式水管缶4基
出力9,500馬力
速力29.0ノット
燃料石炭:102トン
重油:118トン
航続力12ノットで2,000浬
兵装120mm単装砲1基
76mm単装砲3基
76mm単装砲高角砲1基
450mm連装魚雷発射管2基
乗員109名
その他1918年に爆雷8個搭載。
1930年頃から、主砲の120mm砲を100mm砲に換装。

履歴(1)(4)(5)

年月日履歴
1917年起工。
1917年5月進水。
1917年7月13日竣工。
1917年8月1日5隻の船団を組み、佐世保発。
1917年9月15日ポートサイド着。 フランス海軍へ引き渡し、「アラブ(Arabe)」と命名。
1918年ギリシャのムズロスの第3駆逐隊に配属。
1918年7月1日第3駆逐隊は「アルジェリアン(Algérien)」を旗艦に「トンキノワ(Tonkinois)」、「マロケン(Marocain)」、「キャバリエ(Cavalier)」、「イェニチェリ(Janissaire)」により編成。
1919年北方艦隊に編入。
1924年〜1925年リーフ戦争で、Ceuta沖を哨戒。
1925年10月25日「サカラバ(Sakalave)」とともに航行中、モロッコのTrois Fourches岬で座礁した。 事態は深刻ではなく、すぐに離礁することができた。
1930年1月18日シェルブール港口で通報艦「Ailette」と衝突し、3ヵ月間修理のためにドック入りした。
1936年6月16日除籍。
1937年解体のため売却。

謝辞

アイコンはkiyochan様の「アイコン&お絵描き工房」より、ご提供頂いた。

参考資料

  1. abcClasse Arabe.https://fr.wikipedia.org/wiki/Classe_Arabe
  2. 呉が生んだ艦艇 カードブック VOL..01.広島,ザメディアジョン,2005.ISBN 4-902024-75-6
  3. 日本駆逐艦史.東京,海人社,1992,p42,世界の艦船.No453 1991/7増刊号 増刊第34集
  4. ARABE - Torpilleur - marine - Forum Pages d’Histoire: marine - FORUM pages 14-18.http://pages14-18.mesdiscussions.net/pages1418/Forum-Pages-d-Histoire-aviation-marine/marine-1914-1918/torpilleur-arabe-sujet_1039_1.htm
  5. 日本軍艦史.東京,海人社,1995,189p,世界の艦船.No4001995/8増刊号 増刊第44集