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三十糎艦船連合呉支部

三十糎艦船連合呉支部

呂号第十一潜水艦（第十九潜水艦）

呂号第十一潜水艦は海中1型（呂十一型）潜水艦の1番艦である。

明治末以来、外国技術の導入を継続してきた日本海軍は、大正5年（1916年）度計画で自ら設計した潜水艦の建造に着手する。　これが海中一型で、フランスから輸入したS型を基本に、船型はS型と同じ複殻式とし、機関にはスイス製のズルサー式二号ディーゼル1,300馬力2基を採用し水上高速を目指した。　公試運転では当時の世界最高水準である19ノットを発揮している。　兵装は45cm発射管を艦首に4門、上部構造物内に旋回式水上発射管2門装備し、S型より攻撃力を50%増大している。　また、艦橋後部に隠顕式の短8センチ高角砲を装備した。　就役後はディーゼル機関に故障が多発し、1921年（大正10年）6月の連続行動距離3,800浬の台湾方面長期巡航訓練では両艦とも途中で落伍している。（1）

要目（2）（3）

新造時
艦種二等潜水艦
艦型海中一型（呂十一型）
水上排水量 ※1720トン（基準）／783トン（常備）
水中排水量 ※11,030トン
全長69.19m
最大幅6.35m
喫水3.43m
主機ズルザー式二号ディーゼル機関2基、2軸
主電動機開放型×2
蓄電池ペースト式×120
出力2,600馬力（水上）／1,200馬力（水中）
速力18.2ノット（水上）／9.1ノット（水中）
燃料重油：60トン
航続力10ノットで4,000浬（水上）／4ノットで85浬（水中）
乗員46人
兵装28口径五年式8cm単装砲1基
45cm魚雷発射管4門（艦首）
45cm魚雷発射管2門（水上）
四四式魚雷8本
安全潜航深度30m
その他-

※1：英トン（1.016メートルトン）

履歴（4）（5）

年月日履歴
1916年（大正5年）5月11日第十九潜水艇と命名。
1916年（大正5年）8月4日二等の等級を付与。
1917年（大正6年）4月25日起工。
1917年（大正6年）10月15日進水。
1919年（大正8年）4月1日第十九潜水艦と改名。
1919年（大正8年）7月31日竣工。　呉鎮守府籍。 呉防備隊第十二潜水隊に編入。
1919年（大正8年）9月18日呉防備隊第十二潜水隊から除かれ、呉防備隊第十四潜水隊に編入。
1919年（大正8年）11月1日第十四潜水隊は呉防備隊から除かれ、第一戦隊第一潜水戦隊に編入。
1919年（大正8年）11月玄界灘において第二十潜水艦と衝突事故を起こす。
1919年（大正8年）12月1日第十四潜水隊は第二艦隊第一潜水戦隊に編入。
1920年（大正9年）8月29日〜9月7日第十四潜水隊は戦隊と館山からシベリア沿海に向かい、教練演習ののち、小樽に帰着。
1920年（大正9年）12月1日第十四潜水隊は第一艦隊第一潜水戦隊に編入。
1921年（大正10年）8月19日〜31日第十四潜水隊隊主力は戦隊と佐世保から青島に向かい、佐世保に帰着。
1921年（大正10年）12月1日第十四潜水隊は第二艦隊第一潜水戦隊から除かれ、呉防備隊に編入。
1922年（大正11年）12月1日第十四潜水隊は呉防備隊から除かれ、第二艦隊第二潜水戦隊に編入。
1923年（大正12年）6月4日第十四潜水隊から除かれる。
1923年（大正12年）12月1日横須賀防備隊第三潜水隊に編入。　横須賀鎮守府に移籍。
1924年（大正13年）11月1日呂号第十一潜水艦と改名。
1932年（昭和7年）4月1日除籍。

参考資料

  1. ∧日本潜水艦史．東京，海人社，1993，p8-21,119-121,128，世界の艦船．No469 1993/3増刊号 増刊第37集
  2. ∧前掲．日本潜水艦史．p21
  3. ∧福井静夫．（写真）日本海軍全艦艇史資料篇．東京，ベストセラーズ，1994，p52
  4. ∧渡辺博史．鉄の棺　日本海軍潜水艦部隊の記録　資料編 1．名古屋，ニュータイプ，2004，p84-85
  5. ∧前掲．（写真）日本海軍全艦艇史資料篇．p16