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稲作のページ1(2005年度のページ)

2005年4月3日 -> 2005年10月2日

親父の後をついで自分でやった兼業土日稲作経験は約7年です。全て、近所の農家の真似からはじめ、現代農業〔農山漁村文化協会出版1998年1月号以降〕及び井原豊氏の「への字稲作」を参考に独自でみようみまねでやってきた者です。したがって本格的な稲作には参考になりません。

今年からは退職したこともあり少し熱を入れてやってみようと思っています。

  昨年まで「苗」はJAから購入していましたが、今年から自分で育苗から計画しました。ただし、失敗したら1年間稲作はアウトです。

今流行らしい、露地プール育苗に挑戦です。畑に10cm程度の深さのプールを作る途中です。

ここにビニールを敷き苗箱を設置するのですが、水平にするのが重要です。雨後でところどころ水溜りができていますがコレはダメです。

疎植のため20アールで22箱程度購入していましたが、上手く作れるとは限りませんので40箱程度計画しました。

  種籾は消毒済みのものを「のうけん」で購入しました。いきなり消毒は自信がなかったからです。まず「浸種」といって水に浸します。目安は積算温度100度です。例えば、10℃の水なら10℃×10日で100℃となります。酸欠にならないように時々水を替えるか、金魚のように空気を送りこみます。時期的には田植え50日前程度です。

品種は、富山産コシヒカリです。

  畦シートの施工

モグラくん〔モグラの野郎〕が田んぼの畦にトンネルを掘り水漏れがします。そこでビニール製の畦シートをトラクターで溝を掘り施工します。

使用しているのは、H=300W=1200t=4の物を接続するもので10年程度の耐用年数があるといわれています。

 

 

2005.4.14

種をまきました

1箱〔30cm.×60cm.〕に種80g〔一般的には180g〜150g/ケチったのではありません。それには健苗に育て疎植を実行するため〕を播種器で失敗を見越して40箱〔いつも購入時は21箱/20a/疎植のため一般の半分〕播種しました。箱のそこからビニールシート〔根が箱底からでるとはがしにくいため〕、土の変わりに育苗マット〔軽いため〕を敷きその上に播種して土をかぶせます。

まだ自分で土を作るところまでは経験不足です。さぁ〜上手く芽がでるかな?

2005.4.20

種まきから1週間後、ちらほら芽が出始めました。

問題は管理の都合上いっせいに同時に芽が出るのが理想です。でも、そのためには育苗器〔最小器で10数万円〕が必要です。1年に2〜3日使用するだけで不経済です。実施したのは「平置式」で、単に並べて夜間の保温のために特殊なシートをべた掛けしただひたすら出芽を待つのみです。一斉にとはいきませんが何とかなるでしょう〔本当は不安〕

2005.04.22

すごいですねぇ〜自然の生命力

二日間でこれだけのびました。コレは一番良いものです。後はやっと芽を出したもの、まだ土の中で世間の様子を見ているもの、ばらばらがほとんどです

コレを、田植え〔5月20日以降が目安、何せ毎日日曜日ですから〕まで以下に管理するか次回プール育苗に挑戦です

2005.04.27

毎日が日曜日と思っていましたが、実は毎日が゜月曜日でありました。

1cmほど出芽したものを水深10cm程度のプールを作り根元から1cm程度に水を入れました。〔教科書通り〕

失敗-1

苗箱の周りに板が見えますが、4月14日の写真で苗箱を軽くするため育苗マットを使用しましたが、軽い欠点は水に浮くことです。水を入れるとあっちこっちと風任せで移動し、箱上1cmの 水深を作れません。

失敗-2

そこで、アングルを使って押さえる策にでました。あくる日、何とアングルから鉄分が出て油がにじんだようになっているではありませんか。結局「木板」に変えレンガで押さえています。

2005.05.03

世間はゴールデンウィーク。コレはサラリーマンの世界でのことです。我々は毎日がゴールデンウィークであるとともに、毎日が勤労日です。コレは考え方の問題ですが。最初は心配した芽だしでしたが、朝日を浴びて見事な緑です。〔細部を見るとそうばかりではありませんが、悪いところは見ない、いいところばかり見る。サラリーマン時代そういう見方ができればもっと楽しかったと思う毎日であります〕

育苗プールに水が入っているので、この原稿を書いている最中もアマガエルがゲッゲッとうるさい。

この写真をクリックすれば拡大、原寸の切り替えができます。

 

2005.05.17

荒代〔あらしろ〕すき

秋にコンバインの稲藁を土と混ぜ合わし、腐食させるため1回耕し、今年の3月に畝たてした田んぼに水を入れて水田にします。〔これらの手順はいろいろ〕以降、1週間程度水をため、田んぼを均平にするためもう一度かるく耕運〔代すき〕し、土が落ち着き次第〔3〜4日後〕田植えの予定です。

 

2005.05.27

田植え

心配した始めての苗つくりもこのように立派に育ちました〔苗ラックは自作です〕。本日、大安吉日天気は晴朗風なし、田植えを実施しました。故障しているのではありませんぞ、調整しているのです。苗運びも含めて午前中で終わりました。ちなみに苗は13〜15cmです。

2005.5.31本田へ移植4日後

2005.6.16 田植え後21日目

この写真をクリックすれば拡大、原寸の切り替えができます。今年は、雨が少なく川の水は減少しています。

第1回施肥

2005.6.21「への字」稲作実践のため、元肥として昨年度の稲刈りわらすきこみのみ、無肥料で出発し、{「出穂〔しゅっ゜すい〕」=全体の80%穂が出ること}まで約45日とみて肥料散布

この写真をクリックすれば拡大、原寸の切り替えができます。中央、2本植が7本に、斜め上1本植が4本に株が増えている。プロはもっと増えていると思う。素人はこんなもん ?。

2005.7.1

身長も70cmになりました。(背が高ければよいというわけでない。高ければ高いほど倒伏の危険性は増す)。(上の写真と葉色を見比べてください。肥料が効いてきました)出穂まで、約35日程度とみて今が「分けつ」も進み栄養成長期の真っ最中である。ちなみに、1本植は茎数15本、2本植は25本、3本植は30本、4本植は30本、5本植は33本になっていた(目標の80%程度か)。1茎から1つの穂が出る。茎数は1つの穂には平均70〜80粒程度のもみがつくが、1株の茎数が多ければ茎は細く、少なければ太い。当然太い茎からは多くのもみがつく。その辺のバランスが難しい。(誰もそんなこと計算してやっているわけでないが・・要は、運と天候次第)

2005.7.8

Oh! No

これダメの見本、チッソ肥料のやりすぎか何かの原因で葉がたれている田んぼがある。葉は扇形に開帳しピンとたっているのが理想。酒の飲みすぎで胃腸薬を飲むのと同様リン酸肥料を散布したがどこまで回復するやら、いまさら有効な手段はない、しばらく様子を見てイネ自然の回復力を待つ。こういう状態は病気の発生と倒伏と食味のまずさが待っている。

2005.7.18

梅雨もあけ、晴天が続きイネはNを消化したれ穂も回復してきた。このまま穂を出せ!!!!

カエル君もしっかりと害虫を食べてくれ!!!!

2005.7.18

茎を縦に割る。茎の中には18cmの穂(もみ袋=穂はいきなり米の入った粒を出すのでない)ができていた。もう、12,13日以内に穂が出る。

もみ(粒)になる空の袋が葉耳(関節)からでてきて、以降花が咲き、受粉してこの空袋にでんぷんや何やかしらがたまり固まって1粒の米になる。

この写真をクリックすれば拡大、原寸の切り替えができます。

 

2005.7.26

台風7号がやってきた。その後、順調(独りよがり、この状況では過去5年間最高)に育ち、「はしり(穂が先走ってでることをこう呼んでいる--人間もこんなのがいるやろ--)」が所々見られる。この時期の台風は怖くないが、8月後半から9月の収穫期にやってくるものは根の軟弱なコシヒカリは恐怖。ただ、今日のように雨は降らず乾燥した風が強いのは、イネにとって水分などが蒸発し、葉どうしがこすれてよくない、らしい。

2005.7.31

「すずめ」が狙っています。

穂が出始めると「どこにそんなにおってん」というほど小雀たちがやってきます。すずめの少ない年は、「すずめも生きていかなあかん」とかなんとかで気持ちは鷹揚です。しかし、大群にもなるとそんな悠長なことを言っておられません。まず、目をつけられた田んぼは集中的にやられます。どこの農家も自分ところから追い出そうとします。

対策は、@全面に防鳥ネットを張る、A金銀のテープを張る、B磁石をぶら下げ゛る、Cカラスに似せたビニールをぶら下げる、D爆音器を設置するEテグス又は防鳥糸をはる、F案山子を立てるGCDとか、きんきら金のものをぶら下げるH爆竹を鳴らすIしょっちゅう鳴子を鳴らす・・・

そのうち少しだが効果があるのは@DHIですが、@は施工性に難題があり、DHは住宅(新興住宅--都会から引越ししてきた人)があればクレームがありおまわりさんがとんできますIはそんな暇はありません。

その他はどれも気休め程度で、自己満足の世界です。

今年は、防鳥糸とクラシックですが案山子3体及びCDです。よく観察していると、すずめはホバリングができます。防鳥糸を2m間隔程度に張ると翼が引っかかることを恐れて寄り付かないとか何とか言われていますが、50cm.程度の間隔でも糸の付近でホバリングして狙いを定めて穂に着地します。

すずめに比べてイノシシとかシカは2次元の世界で柵を作れば侵入を防げるかわいい動物です、鳥は3次元で攻めてきます。捕まえて焼き鳥にしてやろうと思っても、鳥インフルエンザが怖いし・・こまった!こまった!

こうして、夏は過ぎていくのです。

2005.8.3

「すずめ」対策の糸を張った状態。なかなか芸術的です。

2005.8.3

とは、言うものの人間は目の高さで見ていますが、すずめは空から見ています。先ず、すずめの立場に立って施された対策が効果があるものか高いところから見てみようと(時間はたっぷりとありますから)隣接の山に登り天空から見たろと思い・・・・・

ワァ〜

牛ほどもある立派な角のあるシカと出くわした。ススキを掻き分けながら急斜面を登っていたところ昼寝でもしていたのか突然目前にシカが飛び出してきてほんの数秒どちらも身動きがとれず対峙し、目が合いました。ほんの数メートルで、公園の人なれしたシカでなく、正真正銘のこげ茶色した野生です、木にしがみつき身動きができません心臓が止まる思いでした。でも、このトピックスを写真に撮ろうと・・、デジカメは不便です。シカの目を見ながらケースから取り出し、電源をいれ構えて・・、シカは逃げ去りました。あぁ怖かった。とりあえず風景だけとり下山した。(真ん中の電柱の周囲4枚の田んぼを作っている。)

2005.8.20

この時期、天候さえ順調(晴、時々雨)であれば畦の草刈程度で特にすべきことはない。シカはそこまで来ているが電柵で遮断、イノシシはまだ姿を見せない。すずめのみが大群をなして狙っている。写真の円内の穂が白くなっている部分がすずめにつつかれたあと。我がムラは田んぼに隣接し竹やぶが(ねぐら、休息、隠れ家)点在し、電気、通信、テレビ共聴とバラバラに電柱が建ち(集合、見張り場所)条件は整っている。同じ田舎で条件も同じであるがすずめの大群が全くいないところもある。これ不思議。

出穂(しゅっすい)が8月4日であった、それから数えて45日が刈り取り適期といわれているが、もう1週間ほど早く収穫予定。郵政民営化の是非が決定される時分か。これからはぐんぐん浅い緑から黄金色に変わっていく。台風はくるな、で、なくとも倒れようとしている茎もある のに・・。(写真クリックで拡大、原寸の切り替え。

2005.8.27

油断!!!・・・

すずめに気を取られていると、今年は大丈夫と思っていたイノシシの親子がやってきたのであります。2万ボルトの高電圧の電気柵は他家と共同で設置済みでしたが道路、民家などがあり周囲完全に閉鎖は不可能です。従来、イノシシ、シカはアスファルト、コンクリートの道は歩かない、橋は渡らない(川へ降りて渡る)などの用心深い習性からその部分は省いています。(右上へ)

(左下より)

先ずは足跡が非常によく似ているシカかイノシシかの特定と侵入場所の確認です。そこにも電気柵を増設しなければなりません。写真のように足跡は主蹄のほかに副蹄(ふくてい)が見られるのがイノシシ(図参照)というのが一般的です(シカは副蹄がつきにくい)。又、穂を足で踏みつけ口でしごき、しがんで米汁を吸い、かす(写真円内の白い部分)をペッペッと吐き出すのです(見たようなことを書きましたが見たことありません、結果から推定すると、まぁ〜そんなところでしょう)。足跡は3cm程度のものもありきっと親子(ウリボウ)連れか、家族連れでしょう。

もう少し言うと、一度電気柵に鼻で接触し、感電した用心深い臆病なイノシシは、二度とそれらしきものには接触しません。その証拠が今回得られました。侵入場所直近の畦から入らず、わざわざ反対のほうから田んぼに入っています。進入場所直近の畦には、すずめよけの防鳥糸が地上20cmに張ってあり,それを高圧電線と誤認したと思われ、田んぼに侵入したり、畦際の穂を食べ歩いているところは、隣接田んぼがあり側面に糸が張っていなかった場所です。

一度味を占めると次からは大胆になって必ず再度訪問するといいます。そんなこんなで、一日くれてしまいました。

2005.09.12

衆議院議員選挙も終わった。自民党が圧倒的に勝利した。小泉内閣は小規模農業を切り捨て大規模農家に補助金を集中するらしい。家庭菜園的農家としては不満の残るところであるが、まぁ〜しゃないやろう。改革を進めてほしい。

4月14日種まき以後、149日目(21週)たわわに実った稲刈りをした(第2回目)(毎年1反ずつ2日で終わるところ、今年は3日に分けて行う。歳がいってしんどいのと、楽しみながらやるため)。写真左は乾燥機からもみすり機、米選機を通しているところ。明日、第3回最終ラウンドをやる。今年の総括など、実際味わってから報告する予定。

 

 

2005.9.30(2005.8.3の写真と比較-電柱が目印)

データ整理中

稲刈りしたあとの「藁-わら」を春までに土の微生物を利用して腐食させるための耕運作業中。

 

種籾発注(2005.8.20)

2006年度用として本年と同じ品種(消毒済コシヒカリ)を4kg.発注。

本年は、失敗も含めて8kg購入したが、実際播いたのは5kg.でその内約40%分の苗は余り廃棄した。今年は、ノウハウもある程度吸収したので半分でコストも半分で実施する。

ただ、種籾の消毒は難しそうなので消毒済みのものを買うが、実験用として自家製の籾を数キロ保管し消毒をやってみる。

 

2005.10.8

2005年度 データ

A:私の稲作2005年度実績より

B:「のうけん」11月号平成18年度作付用 データより引用

項目 A B 単位 A/B %
データ 
種子 富山産
コシヒカリ
新潟
コシヒカリ
     
種子浸漬期 4月1日-10日        
播種期 4月14日 **      
田植え時期 5月27日 6月10日 (京都)    
出穂期 8月4日 8月10日 (京都)    
成熟期 9月10日 9月22日 (京都)    
坪当たり植え込み株数 38.3      
総有効株数 21,831.0 **    
1株当たり有効平均穂数 25.0 **    
穂長(平均) 16.8 18.2   cm. 92.3%
1u当たり穂数 287.3 460.0   62.4%
反当たり玄米量(有効) 375.0 607.0 (新潟) kg. 61.8%
反当たり俵数 6.3 10.1 (新潟) 61.8%
玄米千粒量 22.6 20.8   g 108.7%
悍長 95.0 95.0   cm 100.0%
元肥施肥(5月25日) 過石20kg./反
追肥(6月21日) NKC6肥料20kg./反  過石20kg./反
追肥(7月7日) 過石20kg./反
穂肥 なし
箱苗消毒 ビームプリンス粒剤50g/箱
除草剤(5月23日) シング乳剤500ml反
除草剤(6月17日) リボルバー1kg./反
殺虫剤(6月28日) セビイロウンカ発生/トレボン部分的散布
殺虫剤(7月28日) セジロウンカ発生/トレボン少々
いもち・モンガレ予防/・ブラシン・モンカット散

◇◇収穫に対しての総括◇◇

◇田植え時期などは、その土地の気候慣習(水路の清掃など)によって左右されるが、できるだけ台風の影響を避けるため当地では早い。

◇先ず収穫量は、反当り7-8俵(古くから言い伝えられる俵とは量の単位らしく、60kg.を1俵としている)が標準らしく、多いところで又上手な人で10俵取りとか言われている。データから見れば産地の専門家で10俵、私は6.3俵であった(それでも私が作った過去7年間の最高値に対して103%のでき、天候に恵まれただけかも・・)。10俵は夢である。

◇この差(収穫量)は、穂長の短さ、穂数の少なさが反映されている。

◇ただし、千粒量(玄米千粒の重さ)はデータより上で粒が大きいことを示している。(秤が精密でない、水分が多いのでは・・・ということは考えたくない)

◇◇夢を実現に近づけるための施策◇◇

1.土質の改良コストがかかり労力もいるし、時間もかかる。

2.肥料の追加検討可能、ただし病気、害虫の発生(農薬依存)、倒伏(収穫減)の危険性が増加する。

3.坪40株植から60株植へ粗植で健康な稲作を目指すに反するのでやりたくない。労力もコストもかかる。

4.水管理田んぼによって収穫量に差があった。考えられるのは凸凹があり水管理が上手くいかなかったのではないか。

5.何とか、かんとか言ってもまぁ〜気持ちを込めて愛着を持って育てるだけに終わるだろう。除草剤、殺虫剤はなるべく使用したくないが、草と格闘しても敗北は目に見えているので減らす方向で検討。「タガメ」「どじょう」を見なくなって数十年、もう一度見たいものである。

 

2005.10.8記

荒すき(2005.9.30)

次年度に向けて第1回の耕起。コンバインで切断された藁の腐食を促すため土と混ぜる。耕運の深さ約12-15cm.。約8時間程度

円内は本年の株間、茎数などの測定

 

以降は2006年度参照