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稲作のページ5 (2009年のページ)

2009年4月1日〜2009年10月31日

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苗箱にぱらぱらと、1箱70gを目安に手で蒔きます。30箱準備しました。

私は20アール(2反)作っていますので慣行栽培では40箱程度必要とします。

しかし、粗植栽培のため22箱-24箱以内です。失敗もあり、研究用もあり30箱準備します。結果は上の表のように1箱75g蒔いた事になりました。実は60-40g播きを実行したいのですが、その勇気はまだありません。

2009.4.6 種籾浸漬

 

今年も、稲作の季節がやってきました。今年もコシヒカリを作ります。

籾種は4Kg購入し3.5Kgを4月6日に水につけます。平均水温を積算して100−120℃になるまで酸欠にならないようにして浸漬します。今年は気温が高く例年10日以上かかりますが、気がつけば写真のように籾は充分水分を含み、ほとんどが芽を出しています。

 

2009.4.14 種まき

 

 

1箱に蒔くg数が少ないほど丈夫な太い苗が育つということですが、それだけ粗くなり、田植え機の爪が苗をつかむのを失敗し、欠株が増え後の作業が大変です。

蒔いた、籾は自然発芽させます。平面に並べて保温シートとその上にシルバー色したシートをかぶせ夜間、地中の温度を逃がさないように密封します。太陽光は透過するので出た芽は直ぐ緑化します。5−6日間で芽が出る予定です。

稲作では、この期間が一番スリルがあるときです。果たして本当に芽が出てくれるのか・・・(毎日そぅ〜と覗きます)

2009.4.20 発芽

60%くらいが土から芽を覗かせました。芽は0.5mm白い根(鞘葉節冠根)は15mmです。

もう2−3日で、プールを作り、浸します。


2009.5.6   3葉齢の苗(播種より21日目)

2009.5.30   田植え

 

心配した苗も4葉の15-20cmのがっしりしたものに育った。他所は10日前に田植えが終わり集落で最後のトリである。遅いのは一つのポリシーである。出穂8月10日に設定し、それより75日前に本田移植(田植え)を計算してのこと。すべてそこから逆算して播種、種の浸種を行っている。

計画には変更はつきもの、世の中他人中心で回っていることから5月27日田植えの予定が遅れてしまった。この時期の3-4日の遅れは、無肥料で出発する「への字」稲作には少しダメージがあると思われる。出穂より逆算して50日前、6月21日に肥料を振る。そのときまでに最終目標の株数25-7株の半分ぐらいはぶんけつしてほしいが、書いている今日は6月3日、田植え後3日程度でちょっと落ち着いた程度。新しい根もまだ出ていない。後3週間では目標の3割程度か。(奥さんがつぶやいている。だからみんなと同じようにやらんからや、人の言うことを聞かんと、いつもこれや。ええ苗やとか、うまくいったとかは収穫の結果を見てから言い)

じっと我慢をいたします。

写真は、6月2日のもの、少しにごった水に映えるいつまで見ていても飽きない幼い稲です。しかし、よく見ると異変が、「葉がよじれている」、推察するに苗は20cmの頑丈な苗、に対して根は苗箱の底から出たものはきってあるのでわずか2cmのマット。それを田植え機の爪でかきとると、図体に比べて根が小さすぎる。葉の面積だけ養分を吸い上げられないのでよじって身を小さくしているのだろう。ちょっと辛抱してや、直ぐに根も伸びるから・・・。

2009.7/4  田植えから37日経過(出穂予定日より35日前)

早いもので、もう1ヶ月もすると(8月10日)穂が出揃います。5月30日に田植えをしてから37日経過しました。

●6月16日 除草剤(粒) 1kg/10a(反)散布

●6月22日 肥料散布(出穂まで49日)(第一回)

  NK20Kg(N:3.4kg K:3.4kg)/10a(反)

    過石20Kg(P:3.5kg)/10a(反)

  葉色:4  6葉展開中

●6月28日 肥料散布(出穂まで43日)(第二回)

  硫安4kg(N:0.84kg )/10a(反)

  尿素0.8kg(N:0.37kg)/10a(反)

 

●計 窒素実量 3.4+0.84+0.37=4.61Kg/10a(反)

 

●7月4日現在 葉色5−5.5  7本分結(1粒が7本の茎に成長) 葉数は7葉展開中 背丈60-65cm

 

田植え後、鹿が様子を見に来ているため田んぼの周囲に電気柵設置、その後土手の草刈や、水路の整備、肥料散布などを経て現在に至る。順調な成長と見る。今年は豊年えびやミジンコ類は極少。おたまじゃくしも年々減っているような気がする。従来に比べて農薬の濃度も減少し水は年々きれいになっているはずなのだが・・・。

 

一般には、この時期「中干し」といって、根を強くはらせ倒状に強くする、余分な茎は増やさない効果を狙って軽くひびが入る程度に田んぼを干し、生育の転換を図る。一度これを行うと、根は水中から酸素を吸収していた構造から脱却し、すなわち、「水根」から「畑根」に変わる。以降従来とおり水をいつも張ったならすでに畑根に転換した根は水中の酸素を吸えなくて窒息する。水管理は間断潅水といって白く乾かない程度の水管理が必要となる。

 

しかし、私は稲刈り寸前まで水を切らさない。水さえ入れておけばよいので管理は楽である。稲刈り寸前まではカボカボとぬかるんでいる。初期に施肥をしていないのでこの時期どんどん茎を増やしている最中であり、一生水根ですごさせる。ただ、この方法は茎が弱いコシヒカリには倒伏という危険と隣りあわせなのだが・・・。

 

こだわり百姓には10人10通りのやり方があり、どうやれば成功し、どうやれば失敗するという法則がないところが面白いのである。


2009.7.20 田植えから51日経過(出穂予定日より20日前)

1本植えの場合17本ほどに分結茎が出てる。2本植で24−5本です。背丈は90cm葉数は10枚が展開すみで葉はピンと立っている。、茎をカッターナイフで割ってみると(下の写真)1pほどの幼穂ができている。。これは出穂20日前の姿であるから、出穂は8月9日と推定される。

この時点で穂のための肥料をやるかどうかの分岐点となる。これより早ければ倒伏の危険、遅ければ病気発生危険。葉の色から見て、窒素成分はやらない。しかし今日も雨、明日も雨らしいので現状維持。やるとすれば燐酸系とクド系を少しやれたらと思う。

病害虫の気配はないが、今後注意が必要。

 

これから、8月初旬「走り穂(せっかちがいて早く穂が出る)」がでる7月下旬から8月初旬にかけての「すずめ」対策が最大の難関。

イノシシ、鹿は電気柵で対応すみ。極早稲品種の隣の田んぼは穂がたれ始めすずめの大群が押し寄せている。

【対策として】

@各種糸を張る(羽が引っかかるので嫌がる→ホバリングで対応して効果なしみんなその糸の上に止まってブランコしている)

ACDを吊り下げる・金銀のテープを張る(キラキラするのでいやがる→まったく効果なし

Bカラスや鷹の模擬鳥をつるす(天敵→直ぐになれて高価の割りに効果なし

C案山子を立てる(うまく作り毎日移動させればその近辺には若干効果が現れる→変化がなければ効果なし

D爆竹・物をたたいて音を出す(一度飛び立つ振りを見せるが慣れており効果なし)

E自動爆音機(かなりの効果は認められるが、やかましく苦情が出るので設置は不可能)

F一面に防鳥ネットを張る(効果あり)----区画された田んぼであれば可能性もあるが丸や三角の不規則な未整備田ではその労力と施工技術的な問題で不可能に近い。又、実施しているところも、ネットの上に大量のすずめが乗り、その重量でネットを下げ、ネットの網目からでた穂をついばむ。

 

以上で打つ手なし。ただ、早朝から日の暮れまで炎天下で爆竹を鳴らし、物をたたいて他の田んぼに追いやるのが精一杯の状態。

 

では、百姓はみんな苦労をしているかといえば、所、場所により何の被害も受けないところが大半である。

山間の谷が細く竹薮があって、田んぼの上に電線あるところ。直ぐに逃げられて、見張りが立てられる場所である。

 

しかし、1つヒントがある。

2−3羽の見張りが立つこと。その見張りが安全を確認すると、次々と数十羽のグループが侵入してくる。見張りが危険と判断するといっせいに飛び立ち逃げる。危険をいかに仲間に知らせるか、それは特殊な鳴き声であるはずだ。その鳴き声を見張りに発声させればよい。そんな、器械も売られているが擬音に変わりなく本物でなければならない。

見張りが、高圧線を踏んだらどうだろう。鳥の足に2000−5000ボルトの鹿対策の電撃を受けたらびっくりするはずだ。鳥の足は通電するのかという疑問もあるが・・・。

鳥は空中にいるので+−の両方の線を踏んでもらわなければならない。見張り台の電線から一段下に+−の両方を張った線を設置する。そこに止まればと考え試作品を作ったが失敗である。 ここで技術的難問がある。高圧のため+−線の間隔が1p以内では、バチバチと、空気絶縁が破れ放電してしまう。(写真→線間で放電している)だからといって、間隔を広げればすずめの足は小さく+−同時に踏むことができるだろうか。

 

これはすずめと退職者の生活をかけた戦いである。

 

 

 

 


 

2009.7.25スズメ対策

もう直ぐ穂が出る。スズメの大群を何とか防がなくては・・・。

前回の案を実施に移す。

+−の線を写真のように張る。間隔は約15mm、その両方をスズメが踏めば「ギャー」となるはず。その声で全員が退避、ここは怖いのイメージを植えつける。

はず・・・。はず・・・。はず・・・。

 

しかし、止まらない。

 

 

 

 

 

2009.8.2

次は、風車作戦

ペットボトル、ビール缶でせっせ・せっせと風車を作る。(写真)まだまだ作る予定。ビール缶はゴミで出した後で、毎日毎日せっせ・せっせと飲んでいる。

 

上には防鳥糸(まったく効果はないが気休め)、しかしこれでは根本的な対策になっていない。

 

まだまだ考えるぞ〜。

隣の田んぼ(他所)は穂が出ているので大群が押し寄せて来ている。今年のスズメは、昔からのあのスズメに混じって、羽が黄緑色の新種も混ぜリ、これがなかなかのヤツで何にも驚かない。たかがスズメというなかれ、早く穂が出る品種を植えているところは、集落のスズメを一手に引き受け、30アール(3反)ほど全滅放棄状態。摸造の鷹をつり、糸を貼り、テープを貼り、案山子を立て、爆竹を鳴らし、ガードレールをたたき、クラクションを鳴らしてがんばっているのにもかかわらずである。磁石も吊った。

 

若し、本物の鷹が周遊してくれたら、スズメはまったく寄り付かない。天敵がいなくなったのが大きな原因と考えられる。トンビでも良い。昔はたくさんいた。その代わりに鶏のひよこを取られたりしたが。

 

鷹が住めない環境になった。鷹が食する餌が減った。その餌になる動物が減った。ウサギや野ねずみや蛇など。要は生態系が変わってきたのだろう。この辺のところは一度書きたい。

 


2009.8.5 続スズメ対策

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○風車ライン作戦→風が頼り・効果がないと思うが・・・

○吹流し作戦→風が頼り・パサパサと音がすれば効果がある(40年前のこいのぼりの吹流しを廃品利用)

○1斗缶鳴子作戦→少し強い風が頼り・石油缶に割り竹をぶら下げる・がらんがらんと音がすれば効果がある

○案山子作戦→少しくたびれているから効果は見込めない いずれにしても、定年暇人だからやれるのだが・


2009.8.8 続 続スズメ対策
蚊取り線香時限爆弾装置

試作に試作を重ね、ほぼ満足のいく状況。

蚊取り線香に爆竹をばらし線香に適当な間隔を置いて導火線を接着し、線香が燃えてくると導火線に火がつき、導火線が切れ、落下して爆発するというもの。

失敗例:@接着にグルーガンを使用した。→接着用の樹脂が溶けて線香にまとわりつき、線香が消える

A接着に木工ボンドを使用した。→ボンドが多すぎて同じく線香が消えた

B線香を水平に保つため、針金などで受けるタイプにした→線香が針金と接触すると、線香は消えた

以上を改良して成功

改良点:@ボンドの量を減らす→爆竹をばらした1本は軽量なので、導火線(紙のこよりで出来ている/昔書類を綴じるときに使用していたヤツ)をちょっとよりを戻し極微量木工ボンドにちょっとつけ、線香の上におくだけでOK

A線香は、洗濯バサミのようなものではさんで吊るす→線香はどこにも接触しない

Bただし、爆竹は10年ほど前の在庫で1割程度は不発弾がある(導火線と火薬がつながっていない?)

これで接着間隔を変えれば時限が変わる。爆竹そのもののように「バリバリバーン」という連発とはいかないが、単発なので「パァ〜ン」、これで十分、一斉に稲穂から飛び出す。2箇所設置。

 

今のところ出穂は70-80%だがまだ稲穂は袋のみで花が咲いている状態で、デンプンが蓄えられていないせいと思うが入っていない。ただ、三方囲んでいる他の田んぼはわんさと入っている。どこの田んぼも、穂が出てきたので若干スズメも分散されている。

 

この方法は数年前から考えられていたが、最近、農業雑誌に出ていたのを機に実行に移した。

(下の写真は隣の田んぼのすずめが、びっくりして飛び立っているところ/電柱付近の点がすずめ)


9月6日/9月17日 稲刈り(収穫)

【Table-1】(総籾量はもみ袋いっぱいが30Kgとして計算)

年度 収穫日 @総籾量 A総玄米量 A/@  
2009年度 9/6・17 930Kg 540Kg 58.1%  
2008年度 9/14・15 1,140Kg 640Kg 56.1%  
2007年度 9/12・13 915Kg 565Kg 61.7%  
2006年度 9/11・15 1,020kg 640kg 62.9%  
2005年度 9/9・12・13 1,081kg 712kg 66.0%  
2004年度 9/18・19 1,086kg 660kg 60.8%  
2003年度 9/23・27 1,140kg 675kg 59.2%  
2002年度 9/14・15 1,080kg      
2001年度 9/15・16・17 1,185kg 690kg 58.2%  
2000年度 9/15・17 1,095kg 560kg 51.1%  

 

◆【経過】

Table-1からも分るとおり、玄米収穫量は過去最低を記録した。この地域では、どこの農家も収穫は上がらなかったと話す。

原因は春先の天候不順が原因という事になっている。

その真意をデータより探る。

というのも、7月から出穂にかけて、また出穂時のもみ袋の数、その姿から見て最高の出来と想定していた。ただ、一抹の不安は、投入した肥料が少ないと感じる事にあった。通常、無肥料で出発し、出穂50日前とさらに出穂30日前に穂肥をと計画していたが、出穂30日前ころの葉色は濃く、肥料が効いていると思われ、追肥を形式的な量にした事にあった。

9月に入り、穂と握手するごとに量感はあるのだがカメムシ被害と異なる茶褐色のもみが見られたことと、空袋(籾に実が入っていない)が感じられた。

 

◆【病害虫及び鳥獣被害対策】
病害虫に対しては、出穂前に、イモチ、モンガレに対する殺菌剤とウンカ、カメムシに対する殺虫剤を予防のため規定量散布した。
鳥獣被害対策として、周囲に防鳥糸をはり、案山子、風車、鳴子、爆竹、電気柵、鹿ネットなど万全を期すが、9月初旬子連れイノシシが侵入した。たいした被害がなかったが田んぼ中歩き回り一部は踏み倒していた(隣接の植えたばかりの白菜120ポットはすべてミミズを探すためひっくり返された。)その後鹿がネットに引っかかり脱走のためもがき、ネットを10メートルほど壊しその修復にも労力を要した。イネの管理よりも鳥獣対策ばかりやっていたような気がする。

 

◆【収穫とその時期】
そんなこんなで、イノシシに食べられるくらいなら刈ってしまおうと、9月6日に少し青いと思えたが、感情的に10アール分収穫した。これが、思わぬ誤算で穂の根元のほうはまだ硬くなっておらず、乾燥に28時間もかかった。(水分27%→目標値15% 温風30℃〜33℃)1昼夜機械が動いてもまだ止まらない状況に、いやな予感がし籾摺り後の玄米量は少なかった。早刈りの証拠に米選機通過した玄米の中に青いものが3割近く混じっている(それはそれで美味しいらしいが・・・写真↓左)。出穂後45日頃が収穫期といわれ今回の収穫は27日しか経過していないので当然かも。
 

 


2回目(これが最後ですが)の収穫は、イネもあっちこっちに倒れかけて、土も白くなりこれ以上経過しても登熟より劣化の恐れがあるので適期と判断し9月17日(出穂後38日目)に収穫する。今度は籾の水分も22%と乾燥し目標の15%まで1晩かからなかった。
前回と比較しての籾摺り興味深深。思っていたとおり米選機通過した玄米に青いのはほとんど見られず良好であった(写真↑右)。しかし、その量的に大いに不満の残る結果となった。
写真-3は玄米の12%弱も占める米選機からこぼれ落ちた廃棄小米である。未熟米のみならずカメムシの被害及び何がしの病気らしきものもある。


この小米は、登熟期を待てども改善されることがないことは、1回目と2回目の収穫で小米率はほとんど変わらなかった事でも解る。(写真→

 

◆【低収穫量とその原因】
玄米540kg(18ア−ル/1.8反)。1反で300kg、1俵60kgとすると5俵という事になる。米どころでは一般に8俵はとれる。しかし、気候・風土・土質・技術等の違いから一概に言えない。

問題は、Table-2から分るように、調査計算上の「総籾粒数」にある。一昨年度≒4600万粒に対して今年度は6257万粒(135%)もあるにかかわらず玄米にすればほとんど変わらない。
原因は、籾がついていても中身がなくコンバインの風に飛ばされてしまったということである。
では、その中身がない原因は難だろうか。

【Table-2】

項目 2009年度 2007年度    
有効面積 18a 18a   調査値
坪当たり植込み株数 40株 40株   調査値
総株数 22,080株 22,080株   計算値
1株当たり平均茎数 26本 19.3本   調査値
総穂(茎)数 574,080穂(本) 426,144穂(本)   計算値
1穂当たり平均もみ粒数 109個 108個   調査値
総もみ粒数 62,574,720個 46,023,552個   計算値
総籾量Table-1より 930kg 915kg   実測値
総玄米量Table-1より 540kg 565kg   実測値
         
         

 

◆【空籾について】
イネは種を蒔いて芽が出て田んぼに移植したときからの積算温度で出穂する。これは品種で決まっている。コシヒカリの場合5月末の田植えで8月10前後である。

イネは先ずデンプンをためるための袋(もみ)を作る。その数は、出穂前20日頃にイネが自分の状態を判断して何袋デンプンがためられるか決定して、穂を出す。出穂したときは空袋ばかりで、それから花が咲き太陽の光と根から水、空気、栄養を吸収し空袋に次々とデンプンを蓄えていく。


@イネが考えていた袋すべてにデンプンが蓄えられない状況が起きた。

A出穂前に袋数の計算を誤らせる何かの要因があった。

と、いうことではないかと推定する。

 

@Aとも日照不足、低温が考えられる。しかし、畑にちょっと水がほしいなと、思うほど8月9月は雨が降らなかったので日照はあったと思う。ただ、今年の夏はジリジリするほどの暑さでなく寝苦しい夜もなかった。20℃をきるとこの時期の稲は危険といわれるがそれほど低温でなくいつもほど暑くはなかったという程度であった。

栄養を補給するだけの水も十分にあった。特に根が弱った状況もなかった。

今後、もっと勉強をし工夫をしなければならないが、空籾、褐色等の状況から出穂前の日照不足と考えるのが妥当だろうか・・・。

 

◆【課題】

一昨年は、1本上が多く1株あたりのぶんけつ茎数が少なすぎたため穂数が少なく収穫も上がらなかったが、今年は過去最高にぶんけつし茎数も多く、多くの籾をつけるところまでは成功した。後は天候次第というのは能がない話であって次年度の課題とする。

 

◆【1粒の籾から-実験】

【Table-3】(実測)

  @穂数(茎数) Aもみ粒数 1穂当たりの粒数
1粒(1本植) 16本 1,963粒 122.7粒
2粒(2本植) 24本 2,741粒 114.2粒
3粒(3本植) 26本 2,745粒 105.6粒
4粒(4本植) 28本 2,992粒 106.9粒

 

 

◆【2010年度の品種】

10年間コシヒカリを作付けしてきた。病気に対して弱く、肥料の過多は倒伏に結びつき実に厄介な品種であるけれど、そのすらりとした姿に魅せられたからに他ならない。特に無肥料で出発し、泥水の中のヒョロヒョロとした姿は実に美しい。

が、しかし、後何回田植えができるだろうか。それを考えると違う品種も作ってみたい。

コシヒカリと形態的・生態的特性、栽培特性などが全く同じであるミルキークイ-ンの種を発注した。

-------ネットでは-----------------

○解説/ミルキークイーンは、南東北地方以南の栽培に適する低アミロース品種で、コシヒカリと形態的・生態的特性、栽培特性などが全く同じである。 玄米はやや白濁し、アミロース含量は10〜12%で、一般飯米、加工米飯などに適する

○来歴/コシヒカリの突然変異、(関東168号)、平成10年品種登録、水稲農林332号

○特性/低アミロース米、関東でコシヒカリと同じ早生の晩、長稈・中間型、耐倒伏性弱、いもち耐病性弱、耐冷性極強、穂発芽性難。

-------と、ある  楽しみ楽しみ-------