岡崎市近未来都市構想2020の概要

4.対象地区(康生商店街)の調査・分析

 岡崎市康生町は,岡崎城を中心に構え城下が広がり,また矢作川,乙川や岡崎の地形的条件によって,古くより城下町,東海道の宿場町,浜と山間を結ぶ湊町として発達してきた。地域としても重要な地区として位置づけられ,住民の生活に密着した「暮らしの文化」が存在していた。しかし人々の生活は自動車,鉄道文化に依存し,住宅は郊外に求め,生活の中心は駅周辺に求め移り変わり,かつての中心街は役割を退いたかに見て取れる。
 今後考えられる社会状況の中で,高齢化社会と高度情報化社会は切り捨てることのできない問題である。また,サマータイム導入により夕方の時間概念が変わることも無視できない事象である。さらに,この不況下のもと,人々の意識がそれまでの仕事第一主義から,家庭や家族の生活を重視し始めるように変わっていくことも考えられる。その結果,夕方は午後という感覚につながり,仕事が終わり帰宅した後家族で外出し,外にいるうちに黄昏時を迎え夜になる。この昼間から夜につながる時間帯が,景観の中で重要視されてくる。これらの多くの事象を関連づけて考えていくことが重要な点である。
 一つは昼間から夜につながる時間帯に合わせたコミュニティーの方法を具現化する必要がある。
人,特に高齢者が居心地がよく楽しむためには安全性が大事である。安全な高齢者のための空間,特に70歳以下の元気な高齢者が何かの目的をもち,趣味や労働を楽しみながら,社会との交流ができ,さらに安全であり危険性を感じなければ,夜も出歩くようになる。
 そのためには,ソーシャルスケープいわゆる社会景の調和を大切にすることで,それを具体的に康生に持ってきたときに時間帯の概念や休日の過ごし方という計画の部分,それと住民意識がどのように変革していくのかを総合的調和的に考えることが必要であると考える。そこで、岡崎市康生地区商店街に対し以下の点についての意識調査を行った。

(1)現状の問題点と活力度   
(2)将来に対する意識と期待  
(3)岡崎の魅力        
(4)高齢社会に対する意識    
(5)インターネット利用に対する意識



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