第7回

デビッド・リンチ David Lynch
デビッド・リンチ

彼の歴史
私的コメント
1946
1月20日、アメリカ生まれ。
映画、テレビの他、画家としても才能を発揮するマルチタレント。役者としてもたびたび登場している。
日常社会に潜む非日常的な異常な社会を描く作品が多いが、実はそういう物のない世界での心の安らぎを求めている人だと思う。
1966
「Six Figures Getting Sick 」製作・監督。 不明。インディーズ時代の映画かな?
1970
「Grandmother」製作・監督・脚本。
1974
「Amputee」製作・監督。
1977
イレイザーヘッド」製作・監督・脚本。
リンチの名を知らしめた衝撃作。主人公はリンチそのもので、気合の入った一作といえるでしょう。
ストーリーよりも、人間の暗部をえぐりだすようなエピソードの積み重ねに、衝撃を受けた。
1980
「エレファント・マン」監督。
奇形児を見世物としていた時代の実話を元にした作品。
リンチ初体験。まだ彼の名も知らずに見ていたのだが、その映像と内容に衝撃を受けたことを覚えている。見直したら、人間の持つ暗部や残酷さを描きながら、純粋な心を求めつづけるいかにもリンチらしい作品で感動しました。
1984
「砂の惑星」監督。
異色のSF作。有名原作の映画化だが原作にどこまで忠実に作られてるかどうか・・
映像的にはともかく、彼にSFは合わないような気が・・・・
1986
「ブルー・ベルベット」監督・脚本。
倒錯的な人物ばかりが登場し、今のリンチのイメージを決定的にしたような作品。
平和な日常に潜む異常を描く。異様な世界でもなぜか引き込まれるのは、心の奥に誰もが持つ世界なんでしょうね。
1989
「Cowboy and the Frenchman」監督。 不明。
1990
TVシリーズ「ツインピークス」製作総指揮・監督(一部)・脚本。
日本でも異常なほど人気となったテレビシリーズ。いろいろな有名人が演出した。なぜあれ程人気が出たのか・・
何作か見たがどうものれなかった。
1990
「ワイルド・アット・ハート」監督・脚本。
ニコラス・ケイジとローラ・ダーンのラブロマンス。主演二人がリンチの世界に良く合います。
リンチの気持ちが最も分かりやすく表現されていると思います。この作品を観てて、タランティーノってかなりリンチの影響受けてるんじゃないかと思った・・
1992
「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最後の7日間」監督・脚本。
人気テレビシリーズの映画化。ローラが殺されるまでを描く。
抑圧された少女が死ぬことによって開放されるラストシーンは感動的で、ある意味ハッピーエンド。「ワイルド・アット・ハート」に非常に似た気持ちが表現された作品だと思う。
1992
「オン・ジ・エアー」製作・監督。
「ツインピークス」のヒットを受け調子に乗って作った(?)テレビシリーズだが不発に。
趣味に走りすぎた?
1995
「Lumiere et compagnie」監督。
不明・・・が多いな。
1997
「ロスト・ハイウェイ」監督・脚本。
救いを求める主人公が救済を求めるというのはやはりリンチ作品だった。それほど難解とは思えないけど・・
主人公が闇の中でもがいたまま救われないのはリンチに何かが起きたのかな?
1999
ストレイト・ストーリー」監督。
脚本にほれ込み、監督を買って出たという作品。彼の作品群から見ると異常なほど正常な作品。
こういう美しい物語が現実にあった事に心を動かされたんでしょうね。
2001
「マルホランド・ドライブ」監督・脚本
ちょっと流行りの映画の進行と、時間の進行がずれたサスペンスのリンチ版
でもやっぱり、リンチはリンチ。異常なシチュエーションの先に見えるのは「強迫観念」と「救済願望」ですね。