第11回

今 敏
今敏

彼の歴史
私的コメント
1962 北海道生まれ。
色々なイベントが絡み合うサスペンスタッチのSFやファンタジーを作るのが得意なアニメ作家。作家性を持ち、しっかりした映画としてアニメを作れる数少ない作家です。

自ら手がけることが多い緻密な脚本、陰影のはっきりしたしっかりした映像、ともにとても好のみ。どことなく押井守や大友克洋の匂いを感じるのは僕だけかな?昔好きだった彼らがぱっとしない分、今監督のますますの活躍、期待です。

1991 ワールド・アパートメント・ホラー」に原案として関わる。
大友監督の実写映画。色々な人種が集まったアパートで起こる事件、みたいな話だったような。。
当時大友も実写を撮るとこんなに薄っぺらな映像になるんだと落胆した覚えが。今思えば話的には今さんが原案なのも分かる気もします。
1995 「MEMORIES」に脚色として関わる。
大友監督他のオムニバスアニメ映画。
未見。知らなかったけど結構大友さんと関わってるんですね。。
1998 PERFECT BLUE」監督。
劇場監督デビュー作。人気アイドルの周りで起こる怪事件を描くサスペンス。幻想とリアル、ネットが巧妙に入り混じります。
ただのオタク向け映画かと二の足を踏んでいたけど、後の作品を観て気に入ったので、観てみるとよくできたサスペンスでびっくり。もっと早く見とけばよかった。
2001 千年女優」脚本、監督。
片思いの男を頑なに捜し続ける女優のお話。スピルバーグが全米配給権を買ったとか言うことで話題に。その後どうなったことやら。。
そんな話題があったのとちょっと暇だったのでふと映画館に。現実と映画の世界が入り乱れる不思議で魅力的な話にぐいぐい引き込まれました。今監督作初体験。
2003 東京ゴッドファーザーズ」脚本、監督。
ひょんなことから赤ちゃんを拾った浮浪者三人組が、両親探しに東京中を回ることに。それが思わぬ事件に発展し。。
今作品で最も好きな作品。他の作品のように現実と非現実が混じることはないけど、事件を通して描かれる人間模様と三人組のそれぞれのエピソードの絡み方が秀逸だし、赤ちゃんのおかげで皆がちょっとずつ幸せになるというラストが心地いい。東京の冬の風景も実写以上の美しさです。
2006 パプリカ」脚本、監督。
何でもありの夢という舞台を手に入れて、今ワールドが爆発。
ちょっとワールドが広がりすぎた気も。次回はもう少しストイックな舞台設定で彼の世界を見てみたいですね。しかし、こう並べてみると、改めて面白い作品ばかり。もう一つメジャーにはなりきれてないですが、これからのアニメ界を引っ張る人だと思いますね。