第1回
「尾 道 〜大林宣彦のふるさと〜」(1998.6)
− 今まで紹介してきた場所と2号線を挟んで反対側にアーケード通りがあります。この町の中心ですからここもたびたび映画に登場します。休日のせいか半分ほどの店が閉まっているため、それほど人は多くはなかったですが、その中でも中華料理屋「朱華園」だけは長い行列ができていました。アーケードから少し外れていますが、有名な店で、どのガイドブックにも載っているので、観光客がみんな行くのでしょう。時間のある方は行ってみるとよいかもしれません。私たちはとてもそんな忍耐力はないので、広島風お好み焼き屋「いわべえ」に行きました。行ったときは気づかなかったのですが、先ほど紹介した大林のガイドブックに載っています。原田知世がその店に行ってるのですが、ただ、写真ほど山盛りではありません。ご主人の作り方はとても荒っぽく、奥さんの方が丁寧で、おいしそうでした。
− そのあと、隣の雑貨屋に行ったのですが、店の人が食事に出てしまったらしく、「御買い求めの際は「いわべえ」の方に声をかけてください」というような張り紙がしてありました。このあたりにもこの辺ののんびりした雰囲気がうかがえますが、「いわべえ」の方がちょっと恐かったので、買わずに帰ってきました。
− 私たちは時間もなかったため、以上の場所を回りましたが、時間のある方は、前の日に「こもん」に行って、ガイドブックを買い、次の日の計画を立てて、ゆっくり回るとよいでしょう。機会があったら私たちもまた行きたいと思っております。帰りは長旅でしたが、千光寺のかりんとうを食べ、尾道を思い返しながら家路に就きました。皆さんもぜひ訪れてみてください。
− 最後に参考までに、私の大林映画のベストは「さびしんぼう」。「転校生」、「時をかける少女」はもちろんですが、「青春でんでけでけでけ」、「北京的西瓜」も好きです。後者2作品は尾道が舞台ではありませんが、それぞれの土地の匂いを十分感じる映画で、やはりその土地を訪れたくなる映画です。一方で新尾道3部作はどうも好きになれません。どうも映像も音楽(久石譲と大林の組み合わせ)も原作も出演者も何か違うような気がするのです。実はこれらは見る気もしないので、見ていません。だれか感想を聞かせてください。
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