職業紹介業の許可基準
許可申請の手続きの前に確認しておきましょう。
役員・職業紹介責任者の基準
職業紹介業の許可を受けるには、その会社の役員と職業紹介責任者に、それぞれ基準があります。
下の表にまとめました。
- 「役員」については、上段の表を、
- 「職業紹介責任者」については、下段の表を、
チェックしてみてください。
<チェック方法>
判定欄のどちらか当てはまるほうを選択し、文章を完成させてください。
すべて左側を選択できれば、基準を満たすことになります。
許可基準(役員用)
内 容 | 判 定 | |||
---|---|---|---|---|
1. | 次に掲げるいずれにも(いずれかに)該当 | しない | する | |
(1) | 禁錮以上の刑に処せられ、または職業安定法、労働基準法、労働者派遣法、最低賃金法などに違反して、もしくは罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなって5年を経過しない者 | |||
(2) | 成年被後見人、被保佐人、被補助者又は破産者 | |||
(3) | 職業紹介事業の許可を取り消されて5年を経過しない者 | |||
(4) | 未成年者 | |||
2. | 貸金業を営む場合には貸金業法の登録を、質屋営業を営む場合には質屋営業法の許可をそれぞれ受け、適正に業務を行って | いる | いない | |
3. | 風俗営業など職業紹介事業との関係において不適当な営業の名義人または実質的な営業を行う者で | ない | ある | |
4. | 住所および居所が一定し、生活根拠が安定して | いる | いない | |
5. | 不当に他人の精神、身体および自由を拘束するおそれが | ない | ある | |
6. | 公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれが | ない | ある | |
7. | 虚偽の事実を告げ、もしくは不正な方法で許可申請を行った又は許可の審査に必要な調査を拒み、妨げ、もしくは忌避したことが | ない | ある | |
8. | 国外にわたる職業紹介を行う場合には、相手先国の労働市場の状況や法制度について把握し、的確な意思の疎通が図れる能力を有して | いる | いない | |
9. | (外国人の場合) 原則として、入管法別表第一の一および二の表ならびに別表第二の表のいずれかの在留資格を有する者で |
ある | ない |
許可基準(職業紹介責任者用)
内 容 | 判 定 | |||
---|---|---|---|---|
1. | 未成年者で | ない | ある | |
2. | 次に掲げるいずれにも(いずれかに)該当 | しない | する | |
(1) | 禁錮以上の刑に処せられ、または職業安定法、労働基準法、労働者派遣法、最低賃金法などに違反して、もしくは罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなって5年を経過しない者 | |||
(2) | 成年被後見人、被補佐人、被補助者又は破産者 | |||
(3) | 職業紹介事業の許可を取り消されて5年を経過しない者 | |||
3. | 貸金業を営む場合には貸金業法の登録を、質屋営業を営む場合には質屋営業法の許可をそれぞれ受け、適正に業務を行って | いる | いない | |
4. | 風俗営業など職業紹介事業との関係において不適当な営業の名義人または実質的な営業を行う者で | ない | ある | |
5. | 住所および居所が一定し、生活根拠が安定して | いる | いない | |
6. | 不当に他人の精神、身体および自由を拘束するおそれが | ない | ある | |
7. | 公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれが | ない | ある | |
8. | 虚偽の事実を告げ、もしくは不正な方法で許可申請を行った又は許可の審査に必要な調査を拒み、妨げ、もしくは忌避したことが | ない | ある | |
9. | 「職業紹介責任者講習」を5年以内に受講して | いる | いない | |
10. | 成年に達した後、3年以上の職業経験が | ある | ない | |
11. | 国外にわたる職業紹介を行う場合には、相手先国の労働市場の状況や法制度について把握し、的確な意思の疎通が図れる能力を有して | いる | いない | |
12. | (外国人の場合) 原則として、入管法別表第一の一および二の表ならびに別表第二の表のいずれかの在留資格を有する者で |
ある | ない |
職業紹介責任者についての留意点
- 職業紹介の業務をする社員50人につき、職業紹介責任者1人必要。
- 職業紹介事業を行う事業所ごとに1人必要。
- 職業紹介責任者講習の期限は5年。
- 派遣元責任者との兼務可。
- 監査役は、職業紹介責任者との兼務はできない。
職業紹介業許可の財産基準
職業紹介業を行う会社は、安定した職業紹介を継続的に行うことにより、健全な雇用の需給調整機能を果たせるよう、許可を受けるにあたり一定の財産基盤を求められます。
1. | 〔資産の総額(繰延資産、営業権を除く)〕から 〔負債の総額〕を控除した額(=基準資産額)が 500万円以上であること。 |
(複数の事業所で有料職業紹介事業を行う場合は、 財産基準額が〔500万円×その事業所数〕以上であること。) |
|
2. | \現金・預金が150万円以上であること。 |
(複数の事業所で一般労働派遣事業を行う場合は、 現金・預金が〔150万円+60万円×(その事業所数-1〕以上であること。) |
(更新時)
1の「500万円」は「350万円」に読み替えます。
2の基準はなくなります。
職業紹介業許可のその他の基準等
1.個人情報
- 個人情報適正管理規程が整っていること。
- 個人情報の取り扱いが適正なこと。
2.事務所
- 事業に使用する面積がおおむね20平方メートル以上であること。
(求職する人と面接をする際の、占有のスペースがある。) - 風俗営業法の規制の対象となる風俗営業が近隣にないこと。
3.取扱職種の範囲
職業紹介事業は、公共性の高い事業です。
そこで、職業安定法では、職業紹介事業を行う会社に、「求職受理義務」と「求人受理義務」を課しています。
つまり、原則として、全職種・全地域の求職・求人を受け付けなければなりません。
ただし、届け出ることにより、業種や地域を限定することも可能です。
これらの義務を念頭に、取扱職種・地域を限定するのか、しないのか、を検討してください。
受けることができる手数料
有料職業紹介事業において、受ける手数料は限定されています。
- 1.求人受付手数料
- 2.求職受付手数料
- 3.上限制手数料
- 4.届出制手数料(★)
- 5.求職者手数料
- 6.常用目的紹介にかかる手数料
取扱分野に応じて、3.「上限制手数料」と、4.「届出制手数料」とを併用することはできますが、同一の相手に対して併用はできません。
1.求人受付手数料
- 求人する会社から
- 求人の申込みを受理したとき
- 1件につき690円を限度
(消費税免税事業者は660円) - 上限制手数料と組み合わせて受ける
(料金表の届出不要)
(届出制手数料との組み合わせ不可)
2.求職受付手数料
- 求職する人から
(芸能家、家政婦(夫)、配ぜん人、調理士、モデル、マネキンに限定) - 求職の申込みを受理したとき
- 1件につき690円を限度
(消費税免税事業者は660円) - 1ヵ月間に3件分が限度
3.上限制手数料
- 求人する会社(または関係雇用主)から
(「関係雇用主」=求職者の再就職を援助しようとする元の雇用主) - 給与の支払いがあった日以降
ただし、求人する会社に対し、必要な精算の措置を講じる契約を場合には、求人の申込みを受理したとき以降も可
(関係雇用主が雇用していた者の求職の申込みを受理したとき以降も可)
- 手数料の最高額
- (1) 次のうちいずれか大きい金額を受けることができる
- 6ヵ月間に支払われた給与の10.8/100
(消費税免税事業者は10.3/100) - 6ヵ月間に支払われた給与から、臨時の給与や3ヵ月を超える期間ごとに支払われる給与を差し引いた除いた額の14.5/100
(消費税免税事業者は13.8/100)
- 6ヵ月間に支払われた給与の10.8/100
- (2) 上記(1)の場合を除き、同一の会社に引き続き6ヵ月を超えて雇用された場合
- ・6ヵ月間に支払われた給与の10.8/100
(消費税免税事業者は10.3/100)
- (3) 上記(1)(2)の場合を除き、支払われた給与の10.8/100
(消費税免税事業者は10.3/100)
手数料の最高額は、求人する会社と関係事業主の双方から受ける場合には、その合計額について適用されます。
4.届出制手数料(★)
- 求人する会社(または関係雇用主)から
(「関係雇用主」=求職者の再就職を援助しようとする元の雇用主) - 求人の申込みを受理したとき以降
(関係雇用主が雇用していた者の求職の申込みを受理したとき以降) - 厚生労働大臣に届け出た手数料表の額
5.求職者手数料
- 求職する人から
(芸能家、モデル、経営管理者、科学技術者、熟練技能者 限定) (経営管理者、科学技術者、熟練技能者については、年収換算額が700万円を超える場合に限る) - 給与の支払いがあった日以降
ただし、求人する会社に対し、必要な精算の措置を講じる契約を場合には、求人の申込みを受理したとき以降も可
(関係雇用主が雇用していた者の求職の申込みを受理したとき以降も可)
- 手数料の最高額
- (1) 期間の定めのない雇用契約により同一の会社に引き続き6ヵ月を超えて雇用された場合
- ・6ヵ月間に支払われた給与の10.8/100
(消費税免税事業者は10.3/100)
- (2) 上記(1)の場合を除き、同一の会社に引き続き6ヵ月を超えて雇用された場合
- ・6ヵ月間に支払われた給与の10.8/100
(消費税免税事業者は10.3/100)
- (3) 上記(1)(2)の場合を除き、支払われた給与の10.8/100
(消費税免税事業者は10.3/100)
手数料の最高額は、求人する会社と関係事業主の双方から受ける場合には、その合計額について適用されます。
6.常用目的紹介にかかる手数料
(「常用目的紹介」=当初、有期雇用契約で、その契約終了後、期間の定めのない雇用契約(=常用雇用契約)を結ぶことを目的として行われる職業紹介)
- 当初の、有期雇用契約
- その後の、常用雇用契約
のそれぞれについて
- 上限制手数料を採用している場合には、最高額の範囲内
- 届出制手数料を採用している場合には、手数料表にもとづく金額
(★)「3.上限制」か、「4.届出制」か
4の「届出制」には金額の上限がなく、3の「上限制」よりも高く、自由に設定できるためか、届出制を選択する会社が多いようです。
雇用が成立した場合の、その人の年収の○%、という決め方ができます。
届出制を選択する場合には、申請書類とあわせて「手数料表」の提出が必要です。
「手数料表」は、変更後の手数料表を届け出ることにより変更することもできます。
また、提出した「手数料表」にある金額以下の金額を受け取ることは問題ありません
備え付けるべき帳簿書類
- 求人求職管理簿
- 手数料管理簿