books / 2003年01月06日〜

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『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
1) 東京創元社 / 文庫判(創元推理文庫所収) / 1984年12月21日付初版(1990年1月12日付6刷) / 定価950円(当時、現在は本体価格1200円) / 2003年01月06日読了 [bk1で購入するamazonで購入する]

[内容]
 1980年代から1996年発刊の『名作集1』まで、10年以上の年月を費やして刊行された、戦前から活動していた探偵小説作家の業績を鳥瞰する叢書の第三回配本であり第1巻。日本探偵小説の嚆矢と言われる黒岩涙香をはじめ、小酒井不木と甲賀三郎の代表作を収める。

黒岩涙香『無惨』
 築地の川中で発見された惨殺死体。職人肌の古参と論理を重んじる新米の二人の探偵が、小さな手懸かりからそれぞれの手法で犯人に迫る。
 記念すべき日本最初の探偵小説で、既に足を使うタイプの刑事と頭脳派の探偵との対立が描かれているのが面白い。どちらの推理も様々な点から論拠不足で、最後綺麗に決着してしまうのが不思議に映るが、その古色蒼然とした文体と事件の成りゆきを楽しみたいところ。いちばんしんどいのはこの文章に慣れることなのだが。

黒岩涙香『血の文字』
 医学を修めるためパリに留学した青年の隣室には、探偵が住んでいた。ひょんなきっかけから殺人現場に立ち会うことになった青年は、探偵とともに取りかかった捜査に没頭していく。
 肝心の探偵よりも記述者たる青年の方が慧眼に見えるのは気のせいだろうか。今見ると陳腐すぎるほど陳腐な仕掛けなのだが、コントじみた遣り取りがなかなか面白い。丁寧に事件を解決させながら、安易にめでたしめでたしとしない結末が秀逸。

小酒井不木『痴人の復讐』
 挙動の遅さからしばしば他人にからかわれてきた男が、勤め先の眼科教室で苛烈な復讐を図る。
 結末は単純ながらインパクト抜群である。ただ、そう簡単に当事者を欺くことが出来たかどうか、と思わなくもない。

小酒井不木『恋愛曲線』
 Aに送り届けられた大部の遺書。間もなく結婚するAとの恋の闘争に敗れたという男が遺書の中に秘めた贈り物は「恋愛曲線」と彼が呼ぶ発明であった。
 物語の異様さと結末の意外さは随一。ここで語られる医学知識が現在も通用するかはあまり関係ない。

小酒井不木『愚人の毒』
 五十五歳の未亡人が三度不可解な症状を訴えた末に亡くなった。主治医は彼女の死因を砒素中毒と判断し、警察が動き出したが……
 計画犯罪への皮肉を籠めた佳作。「愚人の毒」(愚者の毒)と呼ばれるくらいにあからさまな砒素という殺害手段を逆手に取ったプロットは、当時にしか通用しないからこそいま読んでも価値がある。

小酒井不木『闘争』
 ある名著から引用しただけの遺書。警察からの依頼を受けて、自殺したと見られた死者と遺書との鑑定に携わった人々は、だが思いもかけない真相に辿り着く。
 着想がやや複雑で全般に抽象的な雰囲気があるが、仕掛けの妙に主眼があった他の収録作と較べて、微かな情を孕んだ結末は余韻が深い。ただ、ラストのある解明がストーリー全体に妄想のような印象を齎している点が少々気に掛かる。

甲賀三郎『琥珀のパイプ』
 関東大震災を契機に発足した夜警団が、見回りの最中に留守宅で番をしていた一家が殺害されているのを発見した。探偵めいた機知を発揮する探訪記者の青年は、過去のとある奇怪な強盗事件との関わりを指摘する。
 取って付けたような印象の暗号がやや居心地を悪くしているが、優れた論理性に意外な展開と本格探偵小説のお手本のような仕上がり。この決着には今の方が足を掬われる読者がいるかも知れない。

甲賀三郎『支倉事件』
 本巻収録作中唯一の長篇であり、ノンフィクション作品。聖書販売員の密告を発端に、牧師支倉喜平の旧悪が次々に明らかになっていった。最初の訊問時に逃走して約一月に亘り警察を翻弄し続けた男は、逮捕後もなお執拗に刑事達を悩ませるのだった。
 事情聴取からの逃亡に始まる冒頭の追いつ追われつの展開はいま読んでも平明でスリリングだが、その後の訊問から繰り返される公判の場面は冗長。支倉という男が次第に憎悪に取り憑かれていく様はなるほど真実ならではの恐ろしさを感じさせるのだが、ここまで微に入り際を穿ち描く必要があったか(確かにこれでもだいぶ端折っているのは解るのだけど)。管轄の神楽坂署で当時署長を務めていた庄司という人物が持ち上げられすぎているのも少々鼻につく。
 とは言え、現代の目から見ると当時の警察による事件捜査の過程と裁判の手順が解るという点で興味深い。ときおり出てくる心理描写に潤色のあとが窺われることを除けば、一種のルポルタージュとして面白く読める。

甲賀三郎『蜘蛛』
 本来の専攻である物理学を捨て、突如空中楼閣のような建物のなかで蜘蛛の研究に没頭した男。彼の死後、蜘蛛の始末を託された私は、彼の死まで続いた幾つかの事件の真相を察知してしまう。
 さんざ目にしたトリックだが、戦前にしかも一捻りを加えた形で実践していたのが凄い。相変わらず根本のところで問題があるのだけど。

甲賀三郎『黄鳥の嘆き』
 乗鞍岳付近の土地を購入し、雪渓を発掘しはじめた華族の若き後継者。父の代からの友人であった弁護士は彼の突然の死に不審を抱き、秘かに調査に乗り出す。
 殺害方法は単純だが、事件発生に至る背景の描き方が素晴らしい。一見唐突な結末にも心理的な伏線は張られていて、独特のカタルシスがある。
 恥ずかしながら題名の意味が理解できず、読後辞書を引いて初めて納得。黄鳥はウグイスの異称とのこと。

甲賀三郎『青服の男』
 茅ヶ崎に近い別荘で、男の屍体が発見された。当初その別荘を遺産相続した若者の屍体と思われたが、事件は案外簡単な形に収まる、かに見えたのだが……
 現代の読者には簡単に真相は見抜けるはずだが、注目すべきはその伏線の丁寧なこと。しかもパーツとして切れ切れに提示されるのではなく、表現そのものに一貫させる形で示しているのだ。終盤の軽快な遣り取りも巧い。

[総評]
 どうしても「いま読むと」という評価の仕方をしてしまうが、こういった作品は時代や書かれた土地などの製作背景とそこから現在に至るまでの道筋などを想像しながら読まないと面白くない。他の巻などはまだしも、特に黎明期の作家が多く採り上げられている本書など、裏を勘繰るような読み方が出来ないと冒頭からいきなり躓いてしまうだろう。そういう意味で読み手を選ぶ一冊。光文社文庫から出ている雑誌ごとの傑作選シリーズが楽しめる読者なら、また別の切り口であるこのシリーズに順々に手を付けていくといい。
 ちなみに、本書の編集担当に挙げられている人物はのちの北村薫氏であるという話は、たぶん深みに填ったファンには周知の事実。この全集の他の巻を私が読んでいたころ、ちょうど北村氏はその正体が明らかになった時期で、色々とショックを受けてました。

(2003/01/06)


ローレンス・ブロック/田口俊樹・訳『冬を怖れた女』
Lawrence Block “In The Midst of Death”

1) 二見書房 / 文庫判(二見文庫所収) / 1987年12月25日付初版(2002年8月30日付10刷) / 定価581円 / 2003年01月13日読了 [bk1で購入するamazonで購入する]

 1976年の『過去からの弔鐘』を皮切りに、2002年の『死への祈り』まで連綿と書き継がれているマット・スカダー・シリーズの第二作。原書は第一作から僅か二ヶ月後に刊行されている。
 ひとりの娼婦が、ある男にたかりを受けていたとして告訴した。男は警察の人間であり、警官の汚職に関する情報を特別検察官にリークしはじめたことで世間に知られていた。元警官の無免許探偵スカダーは彼の依頼で、男の無辜を証明することになるが、その矢先に娼婦は殺害された。彼女は間近に迫った冬をなぜか怖れていた……
 二作目にしてこの安定感はどうだ。あまりに都合よく転がりすぎるプロットに首をひねりたくなるが、登場人物一人一人の造型に説得力があり、その会話や情景描写から滲んでくる雰囲気がとにかく秀逸。ツイストを利かせた終盤や、余韻の深いラストシーンも巧い。
 出来の善し悪しを問うて並べればまず取り漏らしてしまうだろうが、「ハードボイルド」の香気を堪能したいという向きには安心して薦められる。

(2003/01/13)


天藤 真『背が高くて東大出 天藤真推理小説全集16
1) 東京創元社 / 文庫判(創元推理文庫所収) / 2001年7月27日付初版 / 定価820円 / 2003年01月15日読了 [bk1で購入するamazonで購入する]

[内容]
 誘拐ものの名作『大誘拐』などで知られる天藤真の推理小説全作品を集成したシリーズの一冊。短篇は発表年順に編纂され、本書には1971年から76年までの作品が収録されている。

『背が高くて東大出』
 わたしが結婚した男は高学歴高収入、理想的な相手と思われていた――しかし現実には締まり屋で嫉妬深く、どうしようもない男だった。
 天藤作品にしては執着的な描写が印象に残る。結末は強烈なのだが、最後のひとひねりで急に洒脱味を帯びるのが面白い。

『父子像』
 信一少年は17歳になる今日まで父の職業を知らなかった。父をテーマにした作文の宿題が出されたことを契機に父のあとを追った彼は、愛する肉親の意外な側面を知る……
 甘めの青春もので、サスペンスのある物語ながら着地も素直。だが、初出が学生誌とあって納得する。

『背面の悪魔』
 自殺した姉が生前、妹に宛てて送った手記。そこには、姉夫婦の奇妙な性生活と、それに纏わる疑惑が綴られていた。
 背徳的な雰囲気と結末の一行が勘所だが、終盤をもっと執着的に描けば更に濃密な印象を残したのではないか、と不満がある。
 個人的な話だが、本編を読んだのが2001年半ば頃で、いま振り返るとどうもこれに刺激を受けて『白面』という短篇を書いていたらしい。感想を書くためにざっと読み返して初めて思い出すあたり我ながらどーかと。

『女子高生事件』
 生徒の作文をきっかけに、自分の生徒たちの中に売春をしている者が少なからずいることを知った武志は、風紀主任らの協力を得て調査に乗り出す。独自に警察にも事情を話した武志は、十代から二十代の女性を陥れて売春を強要する組織があることを知った……
 紆余曲折のあるプロットと意外な結末、もとは更に扇情的なタイトルだったようだが(セーラー服売春事件)、裏腹に極めて真面目で精緻なサスペンスに仕上がっている。いま読むと学校側も生徒たちも、その他関係者も非常に純真に見える……のはわたしのほーが汚れているだけかも知れない。

『死の色は紅』
 地方の開業医が、検診中に患者を死なせてしまった。患者自らが購入し医師に託したアンプルに一本だけ混ざっていた劇薬によるものだったが、患者の未亡人がことを内密にする代わりに医師に大金を要求する。憤った医師の妻は、秘かに探偵に捜査を依頼した――
 動機と凶器の入手経路が着眼となった物語。前出『女子高生殺人事件』よりも更に紆余曲折が激しいが、やや決着が拍子抜けだった。

『日曜日は殺しの日』
 養老渓谷で、一組のカップルが車の墜落に巻きこまれ、車の運転者とカップルの男性が命を落とす惨事となった。警察は事故前後の状況と、偶然にしてはあまりにも計算されたような墜落の様に疑惑を抱く。その裏には、医療体制の不備で夫を死なせてしまった女の物語があった……
 という風に書くと火曜サスペンス風だが、時系列と視点人物を頻繁に移動することで描かれる謎と解決は、刺激的ながら実に論理的。作者のある実体験に想を得たと言うが、そこから社会派に走ったりせずあくまで娯楽に徹した描きっぷりがいい。
 本編は長篇化の予定があったが中途で作者が亡くなり、草野唯雄氏があとを書き継いで完成させたという。創元推理文庫のシリーズには収録されていないようだが、入手可能なんだろうか。気になる。

『三枚の千円札』
 一組の平凡な夫婦。ふたりがかつて世話になった女性が、久々に訪ねてきたその帰り道、乱暴の果てに殺害された。夫婦にはまったく関係のない、通り魔的な事件だと思われたが、ことは意外な形で夫婦に影響を及ぼす……
 日常にある陥穽を描いた小品。追いかけられる謎があまりに卑近なので、親近感とともに異様な迫真性を感じてしまう。

『死神はコーナーで待つ』
 恋人たちが車中での逢瀬を楽しんでいることで知られる公園の片隅。初めてのデートで嘲られ激昂した王次は女を手にかけてしまう。犯行を目撃され、ほとんどなにも取り繕わずに逃げてきたはずなのに、警察は何故かヒッチハイカーの犯行と睨んで王次に近づく様子もない。奇妙な状況の中、唯一の目撃者を捜し出して始末しようとするが、彼女の態度はまた更に異様だった……
 まったく先の予想が出来ない、とはこういう作品のことを言うのだろう。『日曜は殺しの日』と異なり、ひとりの男の視点からほぼ時系列通りに話を辿っているだけなのに展開は異様に複雑で謎めいている。大詰めの場面で対立する双方がそれぞれに推理と謎解きを開陳するあたりはどうも不自然な印象を与えるが、お約束として許容範囲だろう。なんにしても、傑作。

『札吹雪』
 業突張りの伯父が死んだ。これ幸いと、遺産を求めて陋屋に乗り込んだ良作だが、既にもうひとりの遺族・咲子が家捜しの真っ最中。一旦徒党を組んで土地の売却財産を捜すが、はていったい何処に隠した?
 悪意の固まりのような物語だが、不思議と爽快な顛末。私なんかは「412ページのために本編書きました」と言われても信じるが。

『誰が為に鐘は鳴る』
 大邸宅の番小屋のような借家で将棋に興じていた五人の教師。だが、お屋敷のほうで盗難事件が発生し、突如容疑者にされてしまった。
 実質9ページなのに読者への挑戦つき、という本格推理。果たして狙い通りに仕掛けが働くか、という疑問も残るが、論理的な伏線は張られている。

[総評]
 全体に見られるプロットの巧みさは鷹城 宏氏が巻末にて詳しく解説されているので言うことなし。個人的なベストは『死神はコーナーに待つ』、思い入れは『背面の悪魔』と『女子高生事件』にあり。

(2003/01/15)


ローレンス・ブロック/田口俊樹・訳『一ドル銀貨の遺言』
Lawrence Block “Time to Murder and Create”/translated by Toshiki Taguchi

1) 二見書房 / 文庫判(二見文庫所収) / 1989年1月25日付初版(2002年8月10日10刷) / 定価581円 / 2003年01月28日読了 [bk1で購入するamazonで購入する]

 アル中、元警官、無免許探偵のスカダーの古馴染みである情報屋が、イースト・リヴァーに浮かぶ他殺死体となって発見された。命の危険を覚えていた彼からスカダーが生前預けられた封筒の中には、彼が三名の人物を強請って大金を得ていたこと、自分が殺された場合犯人がその中にいるだろう、といった内容の文章と、スカダーへの報酬が入っていた。スカダーは情報屋の跡を継いだ強請屋を装って彼らに接近し、犯人をおびき出そうとする――
 相変わらずムードは素晴らしい。強請屋として接近することであぶり出される、被害者或いは容疑者たちの二面性の具えた説得力も堂に入っているし、そもそもこうしたハードボイルドで「強請屋の振りをする」という捜査方法を選択するのも、私はあまり類例を知らない。着眼であろう。
 が、ミステリとしての整合性には欠いている。どんでん返しも用意されているが、どうも直感に頼りすぎ展開も恣意的な印象が強い。本編で綴られたエピソードは間違いなくスカダーにとって新たな痛みを齎すもので、シリーズ全体を通して考えれば無視できる一冊ではない、と思いつつも、もう一本ぐらい芯が欲しかった、というのが正直な感想である。
 だが、自らもって認める「堕落した男」スカダーの魅力は他の作品と変わらず全編に横溢している。そういう意味では、結局充分に堪能させていただいた。関口苑生氏による解説でのスカダー像考察も面白い。

(2003/01/28)


大石 圭『呪怨』
1) 角川書店 / 文庫判(角川ホラー文庫所収) / 2003年1月10日付初版 / 定価600円 / 2003年01月30日読了 [bk1で購入するamazonで購入する]

 Vシネマとして二本が製作され、そのあまりに怖気を誘う内容から発禁寸前になるという伝説をも作り、2003年には劇場版が新たに製作・公開された映像作品『呪怨』のノヴェライズ。ビデオ版二本と映画第一作(第二作は2003年夏頃に公開予定)に基づいている。
 閑静な住宅街で発生した悲劇。その被害者となった女――伽椰子の怨嗟の念は加害者である夫のみならず、世間に存在するあらゆる人々に向けられた。憎悪は連鎖し増幅し、次々に犠牲者の骸を重ねていく……
 もしオリジナルである映像版を虚心に楽しみたいのなら、そちらから鑑賞することをお薦めしたい。本編では、原典で触れていない登場人物の心理や、作中で扱われる事件に深入りし、独自の解釈によって筋道をつけてしまっている部分が多く、映像版『呪怨』の持ち味である「何が起きているのか理解できない恐怖」を打ち消してしまっているきらいが強い。
 だが、既に原典をひととおり見知っている方、或いは映像版にはまったく興味がないという向きには、純粋に読み応えのあるホラーに仕上がっている、と言っていい。強いて言うなら展開があまりに無軌道すぎて、被害者の選択に蓋然性があまり認められない、という原作の性質がこの描き方では不自然な印象を強めてしまっているのが大きな欠点であるが、惨劇ひとつひとつに関連性を与えるためのアイディア、文章ならではの残酷描写の迫力がそれらを補っている。
 ただ、各章冒頭での引用とエピローグは、作中のエピソードに真実味を与えあまりにも惨い後味を和らげるために添えられたものだろうが、その所為で引用された出来事自体の印象を半端なものにしてしまった感がある。効果の意味からすると必ずしも間違った処置ではないと思いつつ、個人的には判断しかねている。少なくとも、突然二人称を用いてみたり、原作で正統なエピソードとして扱われていた箇所をまるで匿名の聞き書きのように扱ってみたり、という部分はあまり効果を為していないと思うのだが。
 とは言え、全体としては原作の要素を活かしながらただひたすらに文章ならではの「恐怖」を追求し、単独でも賞味しうる作品に仕上がっているのは確か。ホラー小説愛好家なら一読して損はなし、あまり好きではないとか苦手とか言う方にはあまりお薦めしない。

(2003/01/30)


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